TIRPSE(ティルプス:白金台)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。




こんにちは、HKOです。
以前は白金台のフレンチといえば、カンテサンスでしたが、そのカンテサンスが高輪に移ってしまった後、店舗を居抜きで使っている新進気鋭のレストランがこの「ティルプス」です。
コルディアンバージュやカンテサンスでソムリエ経験のあるオーナーの大橋直誉氏。カンテサンス、北欧ガストロノミーを経験したシェフの春田理宏氏、パリで修行を積んだパティシエの中村樹理子氏を中心に、最先端のフレンチ+北欧テイストの料理を供しています。
もう入り口からしてオシャレ感がすごいですが、店内もシックな雰囲気とクールなBGMが素敵です。

メニューは基本的には無いようで、ドリンクも基本的にはソムリエさんに聞いてあるものを出してもらいます。まずはグラスシャンパーニュから。


生産者: マルゲ ペール エ フィス
銘柄: ブリュット レゼルヴ グランクリュ NV
品種: ピノノワール50%、シャルドネ50%

外観はイエロー、粘性は中庸。
しっかりとしたミネラル感と果実味に満ちたのフレッシュなシャンパーニュ。
白桃や熟した赤リンゴの様なフレッシュな果実味とそれらの蜜の様な甘い香り、その中にバタートーストの様な風味とフレッシュハーブ。ほのかにヘーゼルナッツの要素がある。
あくまで充実した果実味をベースにしたフレッシュなシャンパーニュながら、MLFのほのかな要素がバランスを取り合っている。ミネラルも充実。
酸は穏やかで、過度のエッジーさはない。心地よい喉越しと白桃と赤リンゴの余韻が絶妙。


アンボネイ、ブージィ、マイィのグランクリュの畑を使っているようですね。ドサージュは8.5g
老舗の生産者でラシーヌさんが輸入しているようですが、あまり市場で見かけた事がありません。
これが5000円程度のシャンパーニュですか、メチャクチャバランスが良くて美味しい!
大手NMのシャンパーニュもいいんですが、こうした選び抜いた素敵な小規模生産者のシャンパーニュが出てくるとやっばり嬉しくなりますね。発見があって。


◾︎アミューズ1「ポテトチップス、リンゴのパウダーとジャム」(★)

松毬の上に乗せて供出。
厚めのポテトフライはしっかりと塩味が効いている。リンゴパウダーと薄く引いたジャムでリンゴの甘い風味だけを載せた様な形。ほのかな甘みが塩味と絶妙のマリアージュをみせる。


◾︎アミューズ2「干した赤大根のバターソテー マヨネーズとマスタードのディップ」(★★)

こちらも塩味がしっかり振られたバターソテーした干し大根。切り干し大根のような凝縮した大根の風味とバターソテーによってオイリーさと厚みをまとっている。マヨネーズとマスタードのディップはその分塩分が少なく、互いを補いあっている。


◾︎アミューズ3:「リードヴォーのパウダーをまぶした揚げパン」(★)

ホクホクとしたスナック感覚の一皿、揚げ菓子。外はカリカリ、中はふわふわ。ほのかに牛のシビレの風味が感じられる。


アミューズ3皿は本当にビックリする位のスピードで供出されてきます。多分皿を下げて頂いてから2~3分も待ってないんじゃないだろうか。
全体的に皿数が多いから、あんまり時間を掛けられないというのもあるのかもしれませんが。平日ならこのスピードは助かりますね。


◾︎パン1「ライ麦を使ったパン ホイップバターとヨーグルトのホエー」(★)

小麦を感じる強い風味のパンとホエーを使ったクリーミーなバター。外側は軽く揚げたようなカリッとした食感。バターのデザインが美しい。


次からは前菜です。
こちらも超スピードで供出。


◾︎アントレ「小玉ねぎのピクルス、雲丹のバーニャソース、玉ねぎのペースト、オニオンスープ」(★★★★)


小たまねぎに茶色のたまねぎのペースト、白いソースは雲丹のバーニャソース、その上から暖かいオニオンスープを流し込んでいる。
玉ねぎはやや酸味があるが、強烈に甘みが凝縮されている。濃厚。それでいてサクサクと歯ごたえを残している。玉ねぎのペーストやオニオンスープは香ばしく同じく甘く濃密。時折感じられる白いバーニャソースは雲丹の磯を感じさせる風味が、全体的に甘く、まろやかなたまねぎの風味にアクセントを与えている。たまねぎの旨味と甘みが非常に素晴らしい。


◾︎パン2 「シンプルなリュスティック」
ほっこりしっとりしたリュスティックです。



アミューズ3種と前菜がかなりのスピードで供出されたので、焦っていたのですが、少しスピードを遅く食べていたら魚料理以降は結構ゆっくりと食べていたのですが、それとなく供出のスピードを遅らせてくれたのが助かりました。



◾︎ポワソン「ノルウェー産のサーモン 枝豆とグリーンピース、枝豆のピューレ、発酵ソラマメとレモンのピューレ」(★★★★)


ナイフの重みで簡単に崩れるであろうフワフワな火入れのサーモン、外側は軽く炙ってあり、塩はあまり振られていない。一口でわかる素晴らしい火入れ。豆のペーストは程よく塩味が感じられる。また少し酸味を感じる白いそら豆のペーストも、サーモンのプレーンな風味にグリニッシュさと塩味、酸味をもたらしている。豆類の風味の合い方がとても面白い。枝豆は最低限塩が振られており、ホクホクコリコリとした食感が素晴らしい。単体として凄く完成されているように思えた。


白を注文する隙間がなかったですが、シャンパーニュでここまで一本通しました。
次は肉料理。珍しくブルゴーニュのピノノワールを注文。グラスはボーヌ グレーヴ。


生産者: シャトー ド ムルソー
銘柄: ボーヌ プルミエクリュ グレーヴ 2006

外観は落ち着いたルビーで粘性は中庸。
過渡期の熟成香が出る直前の様なバランスのワイン。
イーストや蒸れた靴下、土や腐葉土の要素が、生き生きとした果実味と綺麗に同居している。ドライフラワー、ブルーベリーやブラックベリーのドライジャム、ほのかな毛皮の様な香り、リコリス、タイム、トーストなどの要素が感じられる。
酸味とタンニンは滑らかでしなやか。ここはかなり落ち着いているししなやか。


良いレストランはお買い得ワインの宝庫ですね。センスを賭けて選んでるってのが伝わってくる。
コート ド ニュイのジュヴレシャンベルタン~ニュイ サン ジョルジュ、あるいはヴォルネイやポマールは美味しくて当たり前。やはりこういう所にマルサネ、フィサン、ボーヌの幾つかの村を選んでくれるとニヤリとしちゃいますね。


◾︎ブルーベリー風味のパン

甘酸っぱいふくよかな風味。暖かく香りがよく立っている。ひょっとしたら赤に合わせて出してくれたのかしら。



◾︎ヴィアンド「山形県産豚肩ロースに3種の調理の金時草(フライ、ソテー、フレッシュ)、金時草のピューレ、豚のジュ」(★★★★)


ボリューム感のある絶妙な火入れの豚肉に、異なる調理法の加賀野菜「金時草」の滋味が素晴らしい。
金時草は特別香り高い訳でも濃い味でもないのですが、調理法の違いによってそれぞれの食感が楽しめるのが良いですね。
フライはサクサクした食感で塩味が効いていて、ソテーはしっかりとした豚肉のソースと塩味が溶け込んでしんなりしている。そしてフレッシュはグリニッシュな風味とパキパキとした食感が楽しい。
これらが大容量かつ単一の食感の豚肉に様々な食感を付加していると思う。
肝心の肉は火入れが絶妙で、非常に厚い肉にもかかわらず均一に火が入っている。塩気は殆ど降っていないが、プレーンな豚肉の旨味や甘みが際立って感じられるし、金時草がそれらを補っている。
またピューレはバターの様な濃密な風味があり、塩味がしっかりと効いている。
これもプレーンな豚肉によく合う。豚のソースもほのかに豚肉の旨味を補強してくれて素晴らしい。
勿論150gという食べ応えのあるボリュームでお腹いっぱいだ。


お昼はがっつりポリシーらしい。
コース構成の一部で150gの大ボリューム。これはとても嬉しい。やはりこの手の皿数の多いレストランはポーションの量が少なくなるので、たまに物足りなさを感じる時があるが、ここはガッシリと胃を抑えてきた。


最後は中村樹理子氏のデセール2種。



◾︎デセール1「5層のデセール」(★★★★)


あんまりちゃんと覚えてないんですが、上から「バナナのチュイル」「ロングペッパーのクリーム」「ライムとバニラのソルベ」「パイナップルのジュレ」食感に「ビスケットとパイナップル」でしたかね。
このデセール。味わいのグラデーションが素敵。
まろやかなバナナのチュイル、ロングペッパーのクリームの層から、冷たく酸味のあるライムとバニラのソルベ、そして香ばしいビスケットと生のパイナップルと遷移していく。パリパリとしたチュイルの食感、クリーミーなタッチから徐々に酸味と冷たさ、最後に香ばしさが来るという。上から食べても面白いし、同時に食べた時の要素の多さにも驚く。でも決して混乱しないし、バナナはクリームと、ライムとパイナップルが橋渡ししてくれるので不自然感がない。
素晴らしく巧みで美味しいデゼール。


◾︎デセール2「フレッシュな桃とリコッタチーズケーキ、フロマージュブラン、液体窒素で固めたミルクアイスとラベンダー、赤い桃のソース、プラムのソース」(★★★★★)


次も巧みな技が炸裂している。
甘露で甘美なデセールでフレッシュな白桃の甘みと、フロマージュブランとリコッタチーズケーキの濃厚なまろやかさ、冷たさと甘さを感じさせる液体窒素を使ったミルクアイス。見目麗しいし本当に絶品、白桃はコンポートの様な甘さではなくフレッシュ。そこにリコッタチーズケーキの濃厚さにフロマージュブランの滑らかさが乗り、そこにソースの白桃やカシスのフレッシュな風味が現れる。ほのかに感じられるハーブの風味がまた面白い。よく思いつくなあ...本当に。


最後はコーヒーとミニャルディーズ。


◾︎ミニャルディーズ1「ナッツのチョコレートケーキ」(★★)

コリコリとしたナッツの食感と濃厚なチョコレート。
シンプルだけど美味しい。


◾︎ミニャルディーズ2「ポテトチップス、リンゴのジャムとパウダー」(★)

あれっ、最初に戻った!?
っていうサプライズをもって終わらせてくる。
すごくプレゼンテーションにこだわりを感じる。
同じ材料なのに、ポテトではなくリンゴを主張させることで全然違う料理に。面白い試み。
これジャガイモだよね...サツマイモじゃないよね...
って感じの甘さ。最後に爽やかに終わった。


◾︎食後酒
生産者: レーヴィ ロマーノ
銘柄: グラッパ ジェントレ アラ カモミッラ NV

ワインを楽しませてくれたので、食後酒も注文。
甘みが乗るスパイシーなグラッパで、ほのかにカモミールの香りが感じられる。


合計9皿のランチでした。
どの皿も楽しいん趣向が凝らされており、スタートエンドの流れが素晴らしい。
特に素晴らしかったのは前菜以降デセールに至るまで全て。
たまねぎの甘み、旨味を引き出しているオニオンスープ、絶妙な火入れのサーモンと豚肩ロース、繊細な味わいのグラデーションと調和を感じさせるデセール、それぞれに個性があって面白い。
ワインのチョイスも素晴らしく、ブランド価値より本質の味わいを追求している。それらの個性が一塊となって一つのコースの中に収まっているという。
ランチでこれなんだからディナーはどうなってしまうのか....検証が必要かも。


住所: 東京都港区白金台5丁目5−4−7, BARBIZON25 1F
店名: TIRPSE(ティルプス)
電話番号: 03 5791 3101
営業時間:
12:00~13:00(L.O)
18:00~20:30(L.O)
※ランチは土曜のみ
※月~金のランチタイムはkiriko nakamuraとして営業

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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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