【ワシントン: 40】ワシントン2種。野性的なコルソラーレ古酒とカユースの自然派グルナッシュ。

こんにちは、HKOです。
本日はワシントンのカベルネとグルナッシュです。
方やイタリアとのジョイントベンチャーの古酒、もう片方は独特の存在感を放つカユースのグルナッシュです。


【データ】
コル ソラーレはトスカーナの名手アンティノリとワシントンに拠点を置くシャトー サン ミッシェルとのパートナーシップによって生まれたカベルネソーヴィニヨンのプロジェクト。ファーストヴィンテージは1995年。シャトー サン ミッシェルはドクターローゼン氏とエロイカを作っており積極的に旧世界と新世界のコラボレーションを実現させています。ワインメーカーはサンミッシェルのマーカス ノタロ氏。
当初コールドクリークで収穫しサンミッシェルで醸造していましたが、2005年から自社畑16haをワシントンで最も温暖なレッドマウンテンに取得。収穫した葡萄を自前で醸造しています。
手摘み収穫したブドウは手作業で厳選され、7~12日間かけてピジャージュ、ルモンタージュを行いながら発酵。フレンチオーク樽とアメリカンオーク樽でマロラクティック発酵。樽熟は約21ヶ月間。新樽比率は100%。

カユースは1996年に設立されたワシントン州ワラワラに拠点を置く生産者。ワインメーカーのクリストフ バロンはシャンパンメゾン バロン アルベールの三男でシャンパーニュ、ブルゴーニュで醸造学を、オレゴン、ワシントン、ニュージーランド、オーストラリアでワイン作りを学んだ。シャトーヌフ デュ パプ同様の小石とシルトで構成された土壌から算出されるぶどうにはワシントン初のバイオダイナミクスを実践している。今回のキュヴェはアーマダ ヴィンヤードから低収量(20hl/ha)産出されるグルナッシュ主体のキュヴェ。


【テイスティングコメント】
生産者: コル ソラーレ
銘柄: コル ソラーレ 1997
品種: カベルネソーヴィニヨン84%、メルロー13%、シラー3%

約10000円、WA90pt(1998)
赤みを残したガーネット、粘性は中庸。
熟成香が表面に出つつも適度に強さを残したカベルネソーヴィニヨン。
ナツメグなどのスパイス、炭焼きや腐葉土の様な熟成した香り。萎れた花、ほのかな蜜を思わせる甘い香り、ブラックベリーの果実味。ほのかに獣香がある。甘草や樹皮、燻製した熟成肉の様な香り、クレゾール、ミルクポーションの様なまろやかさが徐々に現れてくる。ハーブやスパイス、獣香が強くなってくると共に香りの甘さも強く表出してくる。
酸は穏やかで、タンニンは滑らかで継ぎ目が無いが、果皮の要素が強くあるので風味的にはかなりタニックに思える。木材や果皮の鉄分の様な風味の様な含み香が感じられる。ボーカステルにも似ている。


生産者: カユース
銘柄: ゴッドオンリーノーズ グルナッシュ 2011
品種:グルナッシュ90%、その他10%

約20000円、WA93-95pt
透明度の高いルビーで粘性は中庸。
やや自然派的な梗の香りとフレッシュで繊細な果実味が感じられる、いわゆるオーストラリアのヤウマの様な芳香が感じられる。
オレンジピール、アメリカンチェリーやブルーベリーの様なフレッシュな果実味、繊細な酸味と旨味がバランス良く出ている。ハーブの様な繊細な風味のグルナッシュ。スミレの様な華やかさ、ローズマリー、青い葉、パストラミハムの様なスパイシーな香り。あまり樽的な要素はない。クローヴ、リコリス、乾いた木材の香りがある。最終的には麦藁の様なアロマが現れてくる。フレッシュかつ繊細、かつ満ち満ちとしたフレッシュな果実味がある。
こちらもややアタックに苦味があり、そこから酸とタンニンが繋がっていく。やや酸が優勢かもしれない。
麦藁やアメリカンチェリーの綺麗な余韻が残っていく。繊細な味わい。


【所感】
まずコル ソラーレの古酒。
どこかボーカステルの古酒を感じさせる様なスパイスや獣香があります。この時点でクリーンな古酒が好きな私としては、あまり得意じゃないんですが、なるたけフラットに行きます。
スパイスや炭焼き、腐葉土、萎れた花などの明らかな熟成のニュアンスはありますが、果実味は若々しさを保っています。甘い蜜とミルクポーションの様な風味。そこにクレゾールや獣香が複雑さを付加していきます。(個人的にはクレゾールや獣香はいりません...)
タンニンや酸は柔らかながら、含み香の果皮の香りは結構強くて、鉄分の様な余韻があります。
よく果実味も残っていて割といいんではないでしょうか。

次にカユースのゴッド オンリー ノウズ。
グルナッシュが主体って事で、シラー主体のバイオニックフロッグみたいな作りかな、と思ったら全然違う。バイオニックフロッグが樽香メインの中抜け感は無くていい意味で良く詰まってる。
ただ...いわゆるニューワールド的なジャミーかつ甘露なグルナッシュじゃないんですね。
ヤウマやアンリボノー、ラヤス的な哲学の下で作られた様な自然派的で繊細な作りのグルナッシュ。
心底意外です。オレンジピールや赤系ベリーのフレッシュな果実味。ホールバンチ的な茎やハーブを思わせる香り。スミレのような華やかさもあり、パストラミハムを思わせるスパイシーな香り、麦藁や乾いた木材のニュアンスがあります。アタックにはやや苦味。
全体的に正直面食らいましたが、これはこれで結構美味しいと思います。
ただ自然派的なニュアンスが苦手な人はダメでしょうね。アンリボノーやラヤスほど完成度も高くないので好き好きだと思います。

しかしワシントン、カリフォルニア程熟度の高いワインって出来ないんですかね。
品種としてはカベルネが多いような気がしますが、クイルシーダクリークですらエレガントに感じられる位ですから、あんまりツヤツヤとした濃密なワインを期待する土地ではないのかもしれませんね。



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【ボルドー:28】80年代の右岸、左岸の古酒を利く

こんにちは、HKOです。
本日はポイヤックのシャトー クレール ミロン1982、そしてシャトー セルタン ド メイ1983です。

【データ】
シャトー クレール ミロンはポイヤックのメドック格付5級シャトー。所有者はフィリッピーヌ・ロートシルト男爵夫人。
ムートンとラフィットに隣接した畑を保有している。作付面積は30.0ha、平均樹齢51年。平均収量は55hl/ha程度。ステンレスタンクで15~22日間の発酵を行い、新樽約30%で16~18ヶ月熟成を行う。

シャトー セルタン ド メイはポムロールに拠点を置くシャトーで、1974年から現所有者であるオデット バロー バダール氏と息子のジャン リュックが指揮を取っている。
シャトー ヴィユー セルタンとペトリュスに隣接するポムロールで最も標高の高い畑を所有しており、作付面積はわずか5ha、収量は40hl/ha。平均樹齢は25年。出来る限り遅く収穫した葡萄はステンレスタンクで18日から35日間発酵。マセレーションは1ケ月という長期間に渡る。
新樽比率70%で14ケ月から16ケ月熟成され瓶詰めされる。年間生産本数は25000本。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー クレール ミロン 1982
品種: カベルネソーヴィニョン46%、メルロー35%、カベルネフラン15%、プティヴェルド3%、カルムネール1%

17000円、WA84pt
外観はエッジにオレンジを帯びた淡いガーネット、粘性は中庸。
濡れた木やスーボワ、キノコ、熟成した肉の旨味の塊の様な香り。萎れた花やクレゾールの香りもある。
梅しばや黒オリーブなどの塩気を帯びた果実味。
ビターなカカオ、ナツメグ、炭焼きの様な香りが感じられる。熟成香主体で、果実味はほぼ失われているがボディは良く保っていて、多少バランス感に欠ける。
旨味のある香りは感じられる。
タンニンはしなやかで酸もスムーズだが、包含する旨味は力強く、十分なボディを形成している。
キノコや濡れた木、生肉の様な含み香があり、余韻に多少苦味があるが、比較的長く感じられる。


生産者、銘柄: シャトー セルタン ド メイ 1983
品種: メルロー70%、カベルネフラン25%、カベルネソーヴィニヨン5%

14000円、WA85%
外観はオレンジを帯びた濃いガーネットで粘性は中庸。
濡れた土やキノコの香りが際立つボルドー。リコリスやドライハーブの様な香りが感じる。焦げたゴムの様な香りや、梅柴やプラムの様な少し酸味を感じさせる果実味がある。全体的に土っぽく、西洋杉の木材の要素、タバコ、スミレのドライフラワーなどの風味。経年としては力強さを感じる。燻製肉やベーコン、炭焼き、樹脂、ヒノキのような木材の香りが際立つ。クローヴや燻製の香りが感じれる。
タンニンや酸は綺麗だが、キノコ系の旨味が非常にパワフルに感じられる。濡れた木やプラムなどの果実味が綺麗な余韻を残し、ボルドーらしい熟成した風味を感じさせる。


【所感】
クレールミロン。グレートヴィンテージと言われる1982の格付けボルドーとしてはやや果実味の減衰が早いような気がします。よって熟成香主体となっている訳ですが片一方で、意外とボティが保たれていて、熟成香から推測される出汁感と比べると、ややアンバランスな状態にあると感じました。
決して悪くはないし、熟成ボルドーの妙と言ったものは感じられますが、1982年としては平凡で、卓越しているとは言い難いワインだと思います。
ただ価格も1982としてはお手頃なので、香りの熟成感を楽しみたい方には良い選択肢と言えなくもない、と思います。過大な期待は禁物ですが、そこそこのものと考えれば、ある意味ありだと思います。

次にシャトー セルタン ド メイ。
ボルドーの古酒としては比較的平準的な熟成の仕方をしていると思いますが、個人的な感覚としては1982年のクレールミロンと同様に結構ボティを残しているな、と感じました。
ボルドー古酒らしい濡れた土やキノコの香り、甘草などのスパイスの香り、新樽の個性的な焼いたゴムやベーコンの様な香り、しなやかな梅柴やプラムの様な果実味が特徴的です。タンニンや酸はかなり落ち着いていますが、ボディ自体はまだ結構パワフルだと思います。まだ熟成すると思うので、もう少し飲んで出汁感が強くなったあたりで空けるのがベストかと思います。あと10年位は必要でしょうか。
果実味は減衰気味なので、あとは出汁感を楽しむしかないのですが、価格的にはクレールミロンより安いですし、買うのも決して悪い選択ではないのかな、と思います。



【イタリア:12】アレグリーニが作る華やかさと濃密さを備えた卓抜したアマローネ。

こんにちは、HKOです。
本日はアレグリーニのアマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコです。


【データ】
アレグリーニはイタリア ヴェネト州 ヴァルポリチェッラに16世紀初頭に設立された家族経営の名門ワイナリー。この土地のとりわけ優良区画おり、ヴァルポリチェッラクラシコ中心の丘にある石灰質の土壌から卓抜したアマローネを生産しています。
収穫した葡萄は温度と湿度を一定に保った空気の循環する乾燥室で3、4ヶ月乾燥し、40%ほど水分が失われた状態にして使用します。その後温度管理されたステンレスタンクで発酵し、オーク樽で18ヶ月間、更にブレンド後7ヶ月間熟成にてリリースされる。


【テイスティングコメント】
生産者: アレグリーニ
銘柄: アマローネ デッラ ヴァリポリチェッラ クラシコ 2010
品種: コルヴィーナ ヴェロネーゼ80%、ロンディネーラ15%、オゼレータ5%

約10000円
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
ニューワールドを想起させる華やかさと凝縮した果実の香りが立ち上がる。ややインキーでもある。
バニラのようなまろやかさ、ラベンダー、ほのかに酸が乗った熟れたブラックベリーやプラムの濃厚な果実味が感じられる。トースティーなカラメルシロップ、ほのかにマスカテルなフレーバー。燻製肉、焦げた樹皮、シナモンなどの要素が感じられる。
基本的には極めて濃密でパワフルな酒質であると思う。
液体は強い粘性とタンニン、酸が際立っている。
アタッキー。球体感一歩手前くらいのツヤツヤした体躯で、カラメルやスミレ、爽やかなマスカテルなフレーバー、濃密なプラムの様な余韻がある。収斂性は極めて高くアルコール感も明確に感じられる。


【所感】
強い酒質のアマローネの中で、粘度や濃密さと共に華やかさも包含した少し珍しいタイプだと思う。
インキーで、かつバニラや熟した黒系ベリーやカラメルシロップの濃密で甘露な香りの中に明らかな花の華やかさ、生肉などの鉄分を感じさせる風味、どこか爽やかさを感じさせるマスカテルフレーバーを伴う。
濃密さをベースとしつつも複雑で様々なタイプのワインの要素を持っていると思う。
価格対比でかなりよく出来たアマローネだと思う。
ややアルコール感が際立ち、タンニンや酸はアグレッシブだが、そこはご愛嬌。
バランスなどに若干の崩れを感じるが、極めてキャッチーでタンニンや酸の強さも許容範囲だと思います。

自分から進んで購入するタイプのワインでは無いけれど、この手のワインが好きな人には薦めやすいワインだと思います。

【カリフォルニア:39】ナパヴァレーが生み出す豪華さ

こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニア ナパヴァレーのカベルネソーヴィニヨン主体2種です。
方やフィリップ メルカとロビンレイルのレイルヴィンヤーズ、ホワン メルカードとスコット ベッカーのレアム セラーズです。これがもの凄い2本です。


【データ】
レイル ヴィンヤーズは、ジョン ダニエルJr氏の娘でたる現オーナー、メリーヴェイルやドミナスで経験を積んだロビン レイル氏の手によって設立されたワイナリー。醸造責任者はフィリップ メルカ氏。
フィリップ メルカ氏はボルドー出身の醸造コンサルタントで、ボルドー大学にて醸造学、地質学を修め、シャトーオーブリオンなどで醸造経験後、ドミナスやリッジ ヴィンヤーズで働き、ポールドレイパーに師事。その後はブライアント ファミリーやダナ エステートで活躍しています。
今回のジョン ダニエル キュヴェはレイルヴィンヤードのフラッグシッブワイン。カリストガ、オークヴィル、ハウエル マウンテンにある3つの畑のブドウを使用し、 75%フレンチオークの新樽で20ヶ月熟成しています。

レアム セラーズはホワン メルカードとハーランのスコット ベッカーによって2002年に設立されたワイナリー。
栽培家はアンディ ベクストファー、醸造はボルドーの複数シャトーと、スクリーミングイーグルを経験したブノワ トゥケ氏、副醸造家はポール ホブスのMJツァイ、コンサルタントにはミシェル ロラン氏を迎えています。今回の2012年ヴィンテージのレアム セラーズは8銘柄すべてワインアドヴォケイトで96点以上を獲得しています。
今回のベクストファー ドクター クレイン ヴィンヤードはセント ヘレナ西側ヒルサイドにあるベクストファー最小(10ha以下)の畑。水捌けの良い砂利の多い土壌で低収量。畑の名前は1858年にこの畑に植樹を行ったジョージ クレインの名前から。新樽100%のタランソのダナジューで熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: レイル ヴィンヤーズ
銘柄: J ダニエル キュヴェ 2012
品種: カベルネ ソーヴィニヨン100%

約30000円、WA100pt
外観は黒に近い輝きのあるガーネット。
甘い熟した果実味と強烈なインク的な濃密なアルコール感が感じられる。
熟したプラムやブラックベリーの濃密な果実味が際立っている。黒砂糖の様な甘み、灯油の様な鋭角的なアルコール感が感じられる。
黒土、良く甘く煮た小豆の風味があり、カラメルやバニラの香り、タバコ、燻製肉、西洋杉の様な香りと、リコリスの様な風味、キャラメルトフィーなどの濃密な風味に満ちている。藁の様な風味。
香りに継ぎ目がなく、ミチミチに詰まった香りがある。
口当たりが極めてシルクの様な滑らかさがある。
タンニンと酸は際立っているが、それを一切感じさせない滑らかさがバランスの良さがある。
ミントと共に熟したプラムやブラックベリーのタンニンの果実味が感じられる。素晴らしい。


生産者: レアム セラーズ
銘柄: ベグストファー ドクタークレイン ヴィンヤード カベルネソーヴィニヨン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン95%、プティヴェルト5%

約47000円、WA100pt
外観は黒に近い輝きのあるガーネット。
インク的な香りはあるが、それ以上に明るく濃密な熟した果実味が感じられる。
熟したブラックベリーやプラムの果実味、バニラやカラメルなどの甘い香り、そしてエナメルリムーバーの様なアルコール感を伴っている。徐々に馴染んてきてバタートーストやブリオッシュの様なふくよかな香り、キャラメルトフィーなどの甘い香り。徐々にインクが薄れてきて、タバコやベーコンな風味、西洋杉、ドライハーブ、枯葉やリコリスなどの複雑な風味が感じられる。
明るくキャッチーで継ぎ目がなく大変滑らかな風味が楽しめる。
果実味に満ち満ちていてバニラの様な風味の滑らかさがある。ハーブや熟したブラックベリー、プラムの様な味わいが感じられる。ややタンニンに際立ちを感じる。酸もパワフル。ただ弾ける様な果実味が魅力的だ。


【所感】
この2本を飲んでるとナパかカベルネソーヴィニヨンの聖地と言われるのが良くわかりますね...
ハーランエステートやスクリーミングイーグルがいいのは当たり前なんですけど、丁寧に作っている生産者であれば、突然神懸かり的なカベルネソーヴィニヨンがリリースされる事が良くあるので、それが凄いですよね。まさに神に愛された土地って感じでさ。
今回の2本は自力は十分にある生産者であるので、正確には今の例には当てはまらないですが、正に神に愛されたカベルネソーヴィニヨンといって差し支えないかな、と思います。
レイルは少しラトゥールにも似た堅牢さと力強さを纏っているし、レアムは強固さを持ちながら濃密で熟した、いわゆるツヤツヤとした新世界的なワインです。
もうこれが本当に両方ともワインとして隙がないです。好みはあれどこのツヤツヤとした質感と果実の詰まった感じは、もの凄く完成度が高いですね。新樽のリッチな香りと果実味のバランスもいいし、タンニンや酸の継ぎ目も無く滑らか。
レイルの堅牢さは、人によっては硬いと感じるものではありますが、裏に果実味がしっかりと感じられるから、決して排他的ではないと。
どちらも卓抜したカベルネソーヴィニヨンですが、これらの生産者やベグストファーのポテンシャルは感じつつも特徴まではまたもや掴めなかったなぁと。


◾︎余談
しかしやはりこれだけのクオリティのカベルネソーヴィニヨンを作れる土地にはとても興味があります。
AVAを再検討して欲しいですね、個人的にニューワールドのシングルヴィンヤードが浸透しないのは、幾つか理由があると思ってます。

1: シングルヴィンヤード毎にAVAが定められていない。
2: シングルヴィンヤードの個性が確立されておらず、個々の生産者の裁量で自由に作り方を変えられる。
3: エリア内の品種に制限があまり無いので、シングルヴィンヤード毎の品種にもバラつきがある。
4: 生産者の保有するシングルヴィンヤードが少ない。※多くの有名シングルヴィンヤードは保有者がグロワーとなって、ワイナリーはそのブドウを購入している訳だからやむなし。

シャンパーニュと同じですね。概ねどのヴィンヤードがどういう品種が得意かはあるんですが、基本混醸だし、AOCで定められている訳では無い。
一つのメゾンでグランクリュを個別に醸造している生産者が少ない。(ジャクソンやジャックセロスなどは頑張ってますが...)
とはいえグランクリュとプルミエクリュの区別はちゃんとあるので、シングルヴィンヤードと比べると分かりやすいんですけどね。あくまで品質を定義するものでしかないので、ちょっと違う。
ピゾーニやト カロン、ベグストファー ボーン、ベグストファー ドクタークレインあたりはグランクリュっぽいですが、それでも特徴はわからない...比較もできないからインポーターの言い分を信用するしかないのが歯がゆいですね。
シングルヴィンヤードをリリースするのであれば、どう優れているのか、どういう特徴があるのかが消費者にわかる形で提示されないと、個性として確立しないのではないかと思います。



【カリフォルニア:38】ソノマが生み出すエレガントなピノノワール

こんにちは、HKOです。
本日から2日間に渡ってカリフォルニアのカルトワイナリーのレポートを致します。
初日の本日はシースモークとアストンエステートのピノノワールです。


【データ】
シースモークは企業家のボブ デイビズ氏によってサンタリタヒルズに1999年に興されたワイナリー。ファーストヴィンテージは2001年。現在のワインメーカーは元カンブリア エステートのクリスカーラン。
保有する畑は全て霧の立ち込める南向きヒルサイド(23区画10種以上のディジョンクローン)で、完熟した果実のみを手作業で収穫。除梗の後、2-4日の低温浸漬を経て、16日間2~3回/1日あたりのピジャージュを行う。フリーランとプレス後の果汁は分けられる。70%のフレンチオーク新樽で18ヶ月間熟成された後に無濾過で瓶詰めされる。
今回のシースプレーは自社畑のピノノワールで作られたスパークリングワイン。ステンレスタンクで発酵、100%旧樽で6ヶ月シュールリーさせた後、シャンパーニュ方式で二次発酵。16ヶ月瓶内熟成。ドサージュ ゼロ。


アストン エステートはフレッド シュレイダーとトーマス リヴァース ブラウン、ウリセス ヴァルデズ氏の単一畑のピノノワールに特化したシュレイダーのプロジェクト。ワインメーカーはヘレンターリーに師事したリヴァース マリーのトーマス リヴァース マリー氏。2000年からシュレイダーのワインメーカーを任されています。
アストンのピノノワールはディジョン クローン(115,667,777)を使用し、発酵時の酵母は培養酵母を使用。 熟成時に使用される樽はカデュス、フランソワ フレール、ルモンドの樽(フレンチオーク)を使い11か月間熟成。新樽比率は50%程度。



【テイスティングコメント】
生産者: シースモーク
銘柄: シースプレー ブラン ド ノワール 2011
品種: ピノノワール100%

外観は淡くピンクを帯びた色調で、粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
香りは実にシャンパーニュに近く、フレッシュかつ良く熟したピノノワール主体の香りが立ち上っている。
以外としっかりとしたミネラル感があり、合わせてクリームやバターの様なまろやかな風味、熟した林檎やアプリコットの様な旨味の溢れた果実味と厚みがある。ハチミツやフレッシュハーブ、リコリス、少し鉄分の要素。程よくドライなナッツの風味が感じられる。
クリーンな口当たりですが、太いが滑らかな酸が感じられる。林檎やほのかにベリー、フレッシュハーブ類の余韻を残していく。


生産者: アストン エステート(シュレイダー)
銘柄: ピノノワール 2012
品種: ピノノワール100%

16000円、WA94pt(2011)
外観は濃いルビーで粘性は高い。
華やかで酸がよく出ていて、ブルゴーニュを偽装しているが、濃密なアルコールやグリセリン感、ボディの厚みがカリフォルニア的である。
ダークチェリーやブラックベリーのドライなジャムを中心に薔薇や溶剤の華やかな香り、生肉やベーコンの様な野生的な要素が絡む。黒土の様な香り。
樹脂やユーカリ、クローヴなどのやや清涼感のある香りと炭焼きなどの香りが感じられる。最終的にはイチゴのジャムの様な芳香が出てくる。
やはり甘みは無いながらもカリフォルニアのピノノワールらしいボディの厚みが感じられる。
酸は滑らかで、旨味とのバランスが絶妙。アタックにほのかな苦味がありしなやかな酸味、旨味が滑らかにつながってくる。イチゴや茎の様な余韻が綺麗に繋がってくる。



【所感】
まずはシースモークから。
かなりシャンパーニュに接近したクオリティの高いスパークリングです。何せこだわりも価格的にもシャンパーニュのフラッグシップ並ですからね。
良くないなら嘘です。
いわゆるブラン ド ノワール的なリンゴの様な厚みのある酸とクリームやバターの様なふくよかなボリューミーな香り、ハチミツや鉄分の様な風味が感じられます。ニューワールド的な果実の熟度を感じさせる部分や親しみやすさはあまり無くて、アンボネイの様な骨太でリッチなブラン ド ノワールだと思います。
旨味やしっかりとしたボディがあります。じゃあ雑かというとそんな事はなくて、いい意味でピノノワール的な鉄分の要素が複雑さと華やかさを助長していて存外に精緻な作りの様にも思えます。
お値段的にはかなりしますが、比較的妥当な金額感かと思います。シャンパーニュで言うならNV扱いですが、一応2011年って事で熟成のタイミングを計りやすいのもいいですね。

次はアストンエステートのピノノワール。
キスラーとまた違った視点でブルゴーニュ的な側面とニューワールド的な側面を併せ持ったワイン。
酸の出方や抽出による華やかさはどこかブルゴーニュに通じるものがありますが、液体の球体感というか凝縮感は完全にカリフォルニアのそれです。
キスラーはボディも程々に抑えてますが、アストンは一部ブルゴーニュの要素も持ったニューワールドというのが正しいかもしれません。華やかさの裏には黒系果実のドライジャム、ハーブの様な清涼感、ベーコンや黒土の様なトースティーな要素が表出しています。
甘露さは控えめながら、極めてパワフルでボディは強く輪郭のしっかりとしたピノノワールだと思います。
幾ら何でもこれはブルゴーニュにはないですね。ワインとしては完成度が高いと思います。
ありのままのカリフォルニアの中で、わずかなブルゴーニュの風を感じられる一本です。

以上、ちょっとカルト的な2本のワインでした。




【ロワール:10】ロワールトップクラスの生産者が作るソーミュールとプイィフュメ。

こんにちは、HKOです。
本日はロワールのセントルニヴェルネ最上級のバロン ド エルと、ソーミュールのクロルジャールの白を利きます。


【データ】
クロ ルジャールは1664年に設立された世界最高峰のカベルネフランを作り出すソーミュールシャンピニーの生産者。現在はシャルリー フコー、ナディ フコーが指揮を取っています。
樹齢は40年~45年。栽培はビオディナミで行われており、収量は春の芽掻きや冬場の摘芽により最大限にまで抑えられています。(なんと30hl/ha。低収量主流のローヌに劣らない低収量!)、そして収穫は手摘みのみ。
今回のブレゼはシュナンブラン100%の白ワイン。
畑は南向きの斜面に広がり、日照に優れ石灰質が強く通気性の優れた粘土に火打ち石が混ざる土壌。
収穫量は40hl/haで、樹齢40~50年のシュナン ブランを使用。自然酵母にて木樽で発酵、木樽は新樽を2割から3割使用し、残りは1年及び2年樽を使用。熟成は発酵で使用した樽をそのまま用い約2年行います。発酵・熟成中は亜硫酸の添加をせず、ノンフィルタにて瓶詰めされます。

ドゥ ラドゥセットはシャトー ドュ ノゼに端を発するプイィフュメの老舗生産者。現当主はパトリック ドゥ ラドゥセット氏。
現在はプイィフュメの最も高台の地、サン タンドランを中心に100ha以上の畑を所有しています。
フラッグシップのバロン ド エルはサン タンドランの中でも最も立地が良いとされるル デゼールの樹齢40年以上の古木から造られるキュヴェ。土壌は火打石から成る泥土と貝殻から成る石灰岩層上にあるキンメリジャンの泥灰土。ファーストプレスの果汁のみを使用し、澱を沈殿させるため48時間静置。ガラスでコーティングされたステンレスタンクで14度以下の温度で発酵し、8ヶ月間酵母と共に熟成させ、さらに15ヶ月以上澱と共に貯蔵。


【テイスティングコメント】
生産者: クロ ルジャール
銘柄: ソーミュール ブラン レ ブレゼ 2008
品種: シュナンブラン100%

約8000円、WA92pt(2007)
外観は濃い黄金色、粘性は高い。
ヴィンテージに対して恐ろしい程熟成が進んでおり、いわゆるシャルドネの2次ピークに近い様な素晴らしい香りを醸し出している。
ミネラル感がありながら、ブランデーやカラメルの様なビターなアロマや、黒砂糖の様な風味も感じられる。白カビ、バターなどのミルク的な要素、そしてヘーゼルナッツなどの風味もある。濡れた木材、またドライフルーツやアンズの様な味わいが感じられる。非常に複雑な味わい。
旨味はしっかりと感じられ、口の中に強いアタックを感じられるが、中域の中抜け感がかなりある。
酸を失っているからか、あまり厚みを感じる事が出来ない。ただアプリコットや濡れた木材のアロマが口の中に広がっていくのは中々いいと思います。


生産者: ラドゥセット
銘柄: プイィ フュメ バロン ド エル 2009
品種: ソーヴィニヨンブラン100%

約13000円、WA91pt(2008)
外観は少し緑を帯びたイエローで粘性は中庸。
硬いミネラル感と燻香を帯びたプイィフュメで、香りの鮮明さは極めて高い。
火打石やわずかに燻したような燻製香、パイナップル、シトラスなどの爽やかな果実味がある。いわゆるソーヴィニヨンブラン的なフォキシーフレーバーは控えめ。ローストナッツ、フレッシュハーブ、白い花の様な清涼感のあるアロマが感じられる。
全体的にハーブや燻製香、果実味が強い様に感じられる。酸はフレッシュで滑らか。過剰な突出はなく、比較的強いボディがある。シトラスやライムのような含み香、燻した香りが口の中に広がっていく。
爽やかだが、なかなかボディは強く厚みがある。


【所感】
まず高騰著しいクロルジャールから。
クロルジャールといえばやはりカベルネフランから生み出されるシュヴァルブランとも比較される強烈なソーミュール シャンピニー。今回は同じくソーミュールから作られるシュナンブランです。
まず特徴的なのは、おおよそ2008年、7年熟成とは思えないほどの熟成感でしょうかを1990年代前半のシャンパーニュを思わせる香ばしくも滑らかで甘露な香り。いわゆるマロラクティック発酵をしっかりとかけて減酸したタイプの味わいが熟成した時のブランデー、カラメル、黒砂糖の様なアロマが特徴的です。樽と果実味と酸が馴染んだ香りといいますか、そんな滑らかな香りを既に感じられます。かなり酸化的な措置をしているんじゃなかろうかと思います。
ただ馴染んではいるものの、少し気になるのは口に含んだ時の中抜け感です。何回か出くわすことがあって、例えばルシアン ル モワンヌの2011ラベイ ド モルジョ、アンリジローのコトーシャンプノワなど、比較的豊満に作る生産者で出くわす事も多いです。
あまり酸が無い年に減酸して、結果として旨味成分の骨格となる酸まで減退させている印象です。旨味成分自体は乳酸から作られるものなのですが、旨味に転化する前に終わっちゃってる感じ。少し勿体無いですね。
次にラドゥセットのバロン ド エル。
これは素晴らしいプイィフュメだと思います。
プイィフュメといえばディディエダグノーが最上の生産者とされますが、少し異質というか、プイィフュメから逸脱したものがあると思っています。
対してラドゥセットのそれはプイィフュメの王道を確実に抑えながら、その中での最上級の品質を実現していると思います。フレッシュなソーヴィニヨンブランの果実味、ただ青いフォキシーフレーバーは感じさせず、硬いミネラル感と燻した様なスモーキーな香り、白い花やフレッシュハーブのアロマが漂います。
プイィフュメの枠内で語れる範囲で最大限の複雑さとミネラルを感じさせてくれます。
凝縮した感じもありますし、酸と香り、含み香のバランスがとても良い。素晴らしいワインだと思います。
...しかし気になったのが、この特徴的な燻香がどこから出ているのか...です。
製造は基本ステンレスタンクで樽香が介在する部分は見受けられないのですが、これは一体...。
やはり酵母でしょうか。今後の参考のためにちょっとプロの人に聞いてみたいですね。




【シャンパーニュ:55】Jacquesson 2015 New Release Tasting #3(Terroir"Avize, Aÿ")



こんにちは、HKOです。
最後はグランクリュであるアイのブラン ド ノワール、そしてアヴィーズのブラン ド ブランの2種類です。いわゆるフラッグシップです。


【データ】
ジャクソンはデイジーに200年以上前に設立された老舗シャンパンメゾン。ジョセフ・クリュッグは、創業前、ジャクソンのセラーで修行をした後、自身のメゾンを設立したという歴史もあります。
全量の80%はアイ、アヴィズ、オワリー、オーヴィレイ、デイジーに所有する自社畑から、20%は醸造所近くの栽培家から葡萄の状態で調達しています。
鋤起こしや除草、摘葉は手作業で行い、収量を制限、リュット レゾネを実践しています。
現在では珍しい旧式の垂直プレス機を使用し、梗や種から不快なタンニンを抽出しない様により丁寧に圧搾される。自社シャンパーニュの為に使用するマストは一番搾りのみで、プルミエタイユは他のネゴシアンに売ってしまう。オーク樽(500Lのドミミュイ)で醸造。リザーブワインもドミミュイで保管。その後重力を利用したデブルバージュを実施。3~4ヶ月の発酵の後シュールリー長期間寝かせる。濾過はしない。
その後瓶内二次発酵を実施する。
ポートフォリオはNo700番台とリューディ。
700番台は生産年の個性を生かしたNV、リューディは土地の個性を生かしたヴィンテージシャンパーニュ。
ただ基本的に700番台の品質を落としてヴィンテージは作らず、700番台の品質を担保した上作られるもので、醸造的な手の掛け方はほぼ変わりません。
キュヴェ738は2010年をベースに、リザーブワインは33%使用、概ね3年半~4年半の瓶熟成。
キュヴェ734 デコルジュマン タルディフは2006年をベースにリザーブワインは27%使用、7年の瓶内熟成。
デイジー コルヌ バートレイは南西向き急斜面上部のチョーク岩と硅質岩の小石が混じる粘土質土壌の畑、樹齢55年、生産本数5000本。
アヴィーズ シャンカンは真南向き斜面下にあるチョーク岩と粘土石灰質+石灰岩の砂利の混じる土壌の畑、樹齢53年、生産本数9500本。
アイ ヴォーゼル テルムは真南向き急斜面中腹部のチョーク岩と石灰質の沖積土壌の畑、樹齢35年、生産本数2300本。
アイ テール ルージュは東向き緩斜面にあるチョーク岩と褐色石灰質土壌の畑。樽発酵後、10カ月間シュール・リーにて樽熟成。50%セニエ式。ドザージュ3.5g/L。樹齢22年、生産本数8700本


【テイスティングコメント】
生産者: ジャクソン
銘柄: アヴィズ シャン カン エクストラブリュット2005
品種: シャルドネ100%

約36000円
淡いイエローで粘性は中庸。
果実味が際立つが、その他の樽やMLFなどの醸造的要素と極めてバランスが取れている。
フレッシュな赤リンゴ、白桃などの繊細かつふくよかな果実味と共に白カビやバターの様な緻密なテクスチャーがある。果実味ベースの味わいだが、剥き出しのアイと比べると少し控えめ。徐々にバタークリームの様な要素、フレッシュハーブ、ローストナッツの様なアロマがある。石を砕いた様なミネラル感も。イーストなどの要素も感じられる。
溶かした上白糖とバターの風味が最終的に残る。
酸は柔らかく、目が細かい。熟した赤リンゴのフレッシュさやバター、フレッシュハーブ、柑橘の余韻が長く続いていく。


生産者: ジャクソン
銘柄: アイ ヴォーセル テルム エクストラブリュット 2005
品種: ピノノワール100%

約36000円
淡いイエローで粘性は中庸。
剥き出しの果実味とナッツ、ミネラル感主体。そして厚みのある味わい。
香りの規模感が大きく、香りに摩り下ろした様な赤リンゴの強い旨味の厚み、強いローストナッツとフレッシュハーブの香り、石を砕いた様な強めのミネラルが極めて際立っている。バター的な要素は控えめで旨味剥き出しの果実味がある。リコリス、ほのかにヨーグルトの様な風味が漂う。白い花、ほのかに白カビの様なアロマがある。
最後まで生き生きとしたリンゴの香りを感じさせる。
酸は生き生きとしているが、アタックに厚みがあり、あまりキツさは感じない。ほのかにチェリーや摩り下ろしりんご、砕いた石の様の様な余韻が感じられる。


【所感】
最後はジャクソンのグランクリュ、アイとアヴィーズです。まずこの2本に対して思うのが、デイジーと比べると根本から果実の力とミネラルが違うということ。
デイジーは醸造と葡萄の力の総合力で極めてバランスが良く高品質に仕上がったシャンパーニュでしたが、人為的な要素より、圧倒的に果実のパワーが強いです。
例えば同じシャルドネ100%で作られたアヴィーズ。
石を砕いた様なミネラルと、フレッシュな赤りんごや白桃の様な旨味と濃密さのある果実味がやはり際立っています。ジューシー。
白カビやバタークリーム、ローストナッツなど、あくまで果実味に調伏した形で、緻密に編み込まれています。均等とは言い難いですが、バランスは悪くないと思います。むしろ果実主体として捉えた場合は丁度いいかもしれませんね。
デイジーはより醸造的な要素が強く、それはそれで総合力でバランスが良いとはおもうんですが、このアヴィーズの様に有無を言わさない強烈さは無いですね。
ただ強烈さという意味ではアヴィーズもアイには及びません。
勿論酸の厚みとパワフルさを強調する品種では無いわけですから、そもそもステージが違うんですが、飲んだ時のインパクトが「ああ、やっぱりピノノワールはシャルドネとは全然違うな...」と思うわけです。
そう、酸の太さとパワフルさが全く違う。
※私の解釈では酸の太さは単純な酸度の強弱と酪酸エチルとリンゴ酸のバランスによって決まるのではないかと思います。
剥き出しの果実味、ナッツの香り、石の様なミネラル感。中でも摩り下ろしたリンゴの様な酪酸系の香りが強く際立っていました。乳酸的な要素は控えめで樽と果実味が前面に出ています。

以上3回のジャクソンテイスティングでした。
1回目はジャクソンの熟成
2回目は同一テロワールのロゼとブランドブラン
3回目はグランクリュのピノノワールとシャルドネで見ていきました。
ジャクソンのノンヴィンテージに近いのはデイジーのブランドブランでしたかね。だからデイジーに関してはデコルジュマン タルディフが良い参考になると思います。そこから成分を考慮しながらアヴィーズの熟成も弾き出せそうです。
また2回目でデイジーから作られた場合のコトーシャンプノワのポテンシャルもわかりましたね。
アイのピノノワールは相対的に見る対象はありませんでしたが、最高のグランクリュから生み出されるシャルドネとピノノワールの差分を理解する事が出来ました。
世界でもかなり早い段階でのテイスティングになったと思います。今後購入を検討している人への一助となれば幸いです。





【シャンパーニュ:54】Jacquesson 2015 New Release Tasting #2(Terroir"Daizy")


こんにちは、HKOです。
本日は更に6種のうち2種類。ジャクソン自社畑から作られるデイジーのロゼとブラン ド ブランです。
しかしこのロゼ...ものすごく真っ赤だなー。
シャンパーニュの淡いロゼを見慣れてると違和感...


【データ】
ジャクソンはデイジーに200年以上前に設立された老舗シャンパンメゾン。ジョセフ・クリュッグは、創業前、ジャクソンのセラーで修行をした後、自身のメゾンを設立したという歴史もあります。
全量の80%はアイ、アヴィズ、オワリー、オーヴィレイ、デイジーに所有する自社畑から、20%は醸造所近くの栽培家から葡萄の状態で調達しています。
鋤起こしや除草、摘葉は手作業で行い、収量を制限、リュット レゾネを実践しています。
現在では珍しい旧式の垂直プレス機を使用し、梗や種から不快なタンニンを抽出しない様により丁寧に圧搾される。自社シャンパーニュの為に使用するマストは一番搾りのみで、プルミエタイユは他のネゴシアンに売ってしまう。オーク樽(500Lのドミミュイ)で醸造。リザーブワインもドミミュイで保管。その後重力を利用したデブルバージュを実施。3~4ヶ月の発酵の後シュールリー長期間寝かせる。濾過はしない。
その後瓶内二次発酵を実施する。ポートフォリオはNo700番台とリューディ。
700番台は生産年の個性を生かしたNV、リューディは土地の個性を生かしたヴィンテージシャンパーニュ。
ただ基本的に700番台の品質を落としてヴィンテージは作らず、700番台の品質を担保した上作られるもので、醸造的な手の掛け方はほぼ変わりません。
キュヴェ738は2010年をベースに、リザーブワインは33%使用、概ね3年半~4年半の瓶熟成。
キュヴェ734 デコルジュマン タルディフは2006年をベースにリザーブワインは27%使用、7年の瓶内熟成。
デイジー コルヌ バートレイは南西向き急斜面上部のチョーク岩と硅質岩の小石が混じる粘土質土壌の畑、樹齢55年、生産本数5000本。
アヴィーズ シャンカンは真南向き斜面下にあるチョーク岩と粘土石灰質+石灰岩の砂利の混じる土壌の畑、樹齢53年、生産本数9500本。
アイ ヴォーゼル テルムは真南向き急斜面中腹部のチョーク岩と石灰質の沖積土壌の畑、樹齢35年、生産本数2300本。
デイジー テール ルージュは東向き緩斜面にあるチョーク岩と褐色石灰質土壌の畑。樽発酵後、10カ月間シュール・リーにて樽熟成。50%セニエ式。ドザージュ3.5g/L。樹齢22年、生産本数8700本



【テイスティングコメント】
生産者: ジャクソン
銘柄: デイジー コルヌ ボートレイ エクストラブリュット2005
品種: シャルドネ100%

約32000円
淡いイエローで粘性は中庸。
リューディーの中で最も落ち着きがあり、繊細かつクリーミー。
果実味主体のアヴィズに対して、やや(ドライな)バターのニュアンスが強め。全体的には甘く、滑らかでクリーミーな香りだが、果実味的には青りんごやシトラスな鋭角なフルーツを想起、フレッシュハーブやローストナッツ、杏仁豆腐、白い花や蜜の様な風味がある。徐々に旨味が現れてくるが、基本的には緻密で継ぎ目のないクリームの香りが全面を占める。最終的には溶かした上白糖の様な香りに。
最も力強い酸があり、レモンや青りんごの様な引き締まったシャープな酸が感じられる。目は細かいがギュッと引き締まっている。


生産者: ジャクソン
銘柄: デイジー レ テール ルージュ ロゼ エクストラブリュット 2008
品種: ピノノワール100%

約28000円
淡めのピノノワールの様な色調、粘性は中庸。
味わいも殆どピノノワール的で赤ワインの方程式で語れる味わいだと思う。少しシャンボールミュジニーの様な繊細さと黒砂糖を思わせる香り。
フランボワーズやアメリカンチェリー、徐々に摩り下ろしリンゴの様な果実味に遷移。華やかなスミレや柔らかいがしっかりとしたミネラル感とバターの様な要素がある。ベーコンや茎の様な要素、フレッシュハーブ、ほのかにナッツや花の蜜の様な甘い香りが徐々に漂い始める。トーストの様な香りも。
強い旨味と酸味は充実、ピノにしては少しシャープな酸で、スミレや、ほのかに赤ワイン的な鉄を感じさせる余韻が残る。


【所感】
コルヌ ボートレイはチョーク、硅質岩の小石、粘土質。デイジーはチョーク、褐色石灰土壌と。
なるほど、たしかにシャルドネとピノノワール、それぞれに合致する土壌の様な気がする。(※ちなみに前ヴィンテージのテールルージュはムニエが大部分だったそう)
所感としてはBdBはアヴィーズと比べるとやっぱり力不足感がありますね、ただ裏を返せば繊細で、醸造的な要素が少し目立っています。テール ルージュは色を差し置いても、もう殆ど赤としてのピノノワールの特徴が完全に表出しています。そりゃそうですか。これだけ色付いてるわけですからね。
以下詳細です。
まずはテール ルージュ。
ロゼとしては赤としての作られたピノノワールの特徴を最も表していると思います。受けた印象はシャンボールミュジニー的な感じ。
赤系の小果実と摩り下ろした林檎の様な旨味たっぷりの果実味、そしてスミレやベーコン、トーストの様な香りが感じられます。
色調にも現れている様に果皮の香りがしっかりと抽出されており、樽とそれらの要素が結合し、ロゼとしては厚みがあり、豪華で華やかな印象を受けます。
酸はシャンパーニュらしくシャープで、林檎の含み香の中に、ほのかに鉄の様な香りがあるのか面白いですね。すごく赤らしい。よく出来ていると思います。
次にコルヌ ボートレイ。
アヴィーズやアイと比較するとバターやナッツの香りが際立って感じます。
全体的に滑らかでクリーミー。醸造的な要素がかなり前に出ていますが、決して果実味に不足点はありません。柑橘系のシャープな酸はありますが、少しずつ上白糖の様な甘やかさが現れてきます。
勿論果実味やブドウ自体が強い訳ではないのですが、まさに醸造的、人為的な力でアヴィーズやアイなどのグランクリュと大きな差分のないバランスの良いワインが作られていると思います。

よってデイジーは生産者の技量を素直に受け止める繊細さと複雑さを持ったテロワールなのではないかと。アヴィーズやアイの様に迫り来る様な個性はないですが、技量によってはジャクソンの様に素晴らしいシャンパーニュができるのではないかと思います。




【シャンパーニュ:53】Jacquesson 2015 New Release Tasting #1(Non Vintage)


こんにちは、HKOです。
今回は希少なリューディ4種類を含むジャクソン6種類のレポートです。しかもデコルジュマンタルディフとリューディは世界同時発売の当日でした。
素人としてはほぼ最速のタイミングで頂けたのかな、と思います。

今回は6種類の中の2種類。
スタンダードなキュヴェ738と734 デコルジュマンタルディフです。


【データ】
ジャクソンはデイジーに200年以上前に設立された老舗シャンパンメゾン。ジョセフ・クリュッグは、創業前、ジャクソンのセラーで修行をした後、自身のメゾンを設立したという歴史もあります。
全量の80%はアイ、アヴィズ、オワリー、オーヴィレイ、デイジーに所有する自社畑から、20%は醸造所近くの栽培家から葡萄の状態で調達しています。
鋤起こしや除草、摘葉は手作業で行い、収量を制限、リュット レゾネを実践しています。
現在では珍しい旧式の垂直プレス機を使用し、梗や種から不快なタンニンを抽出しない様により丁寧に圧搾される。自社シャンパーニュの為に使用するマストは一番搾りのみで、プルミエタイユは他のネゴシアンに売ってしまう。オーク樽(500Lのドミミュイ)で醸造。リザーブワインもドミミュイで保管。その後重力を利用したデブルバージュを実施。3~4ヶ月の発酵の後シュールリー長期間寝かせる。濾過はしない。
その後瓶内二次発酵を実施する。
ポートフォリオはNo700番台とリューディ。
700番台は生産年の個性を生かしたNV、リューディは土地の個性を生かしたヴィンテージシャンパーニュ。
ただ基本的に700番台の品質を落としてヴィンテージは作らず、700番台の品質を担保した上作られるもので、醸造的な手の掛け方はほぼ変わりません。
キュヴェ738は2010年をベースに、リザーブワインは33%使用、概ね3年半~4年半の瓶熟成。
キュヴェ734 デコルジュマン タルディフは2006年をベースにリザーブワインは27%使用、7年の瓶内熟成。
デイジー コルヌ バートレイは南西向き急斜面上部のチョーク岩と硅質岩の小石が混じる粘土質土壌の畑、樹齢55年、生産本数5000本。
アヴィーズ シャンカンは真南向き斜面下にあるチョーク岩と粘土石灰質+石灰岩の砂利の混じる土壌の畑、樹齢53年、生産本数9500本。
アイ ヴォーゼル テルムは真南向き急斜面中腹部のチョーク岩と石灰質の沖積土壌の畑、樹齢35年、生産本数2300本。
アイ テール ルージュは東向き緩斜面にあるチョーク岩と褐色石灰質土壌の畑。樽発酵後、10カ月間シュール・リーにて樽熟成。50%セニエ式。ドザージュ3.5g/L。樹齢22年、生産本数8700本



【テイスティングコメント】
生産者: ジャクソン
銘柄: キュヴェ No 738 エクストラブリュット NV
品種: シャルドネ61%、ピノノワール18%、ピノムニエ21%

約8500円
淡いイエローで粘性は中庸。
砕いた石の様なミネラル感、フレッシュな果実味と共にほのかなバターの風味が香る。
花の蜜の様なほのかな甘みを感じさせる香り、青リンゴやシトラスの様な緻密な果実味、ブリオッシュなどのふくよかな香り、徐々にフルーツの旨味が上がってくる。フレッシュハーブ、ナッツ、白い花の様な香りが感じられる。基本的にはフレッシュな味わいがメイン。
酸は緻密。引っかかる様な強い酸は無く、しなやか。
意外と旨味がしっかりと出ていて、ミネラル感のあるタッチとリンゴやシトラス、柑橘系の含み香が感じられる。


生産者: ジャクソン
銘柄: キュヴェ No 734 デコルジュマン タルディフ エクストラブリュット NV
品種: シャルドネ54%、ピノノワール20%、ピノムニエ26%

約20000円
738と比べると少し濃いイエロー、粘性は中庸。
チョーキーなミネラル感。酸は若々しいが確かな熟成を帯びている。果実味が落ち着き、バターの様な風味と、旨味がより表出してきている。クリームや白カビ系チーズ、そしてハチミツ、熟した赤リンゴ、花梨などの旨味がしっかりとある果実味が感じられる。ナッツなど。不思議な事に白カビ系の香りがどこか熟成貴腐ワイン的。ドライハーブなどの要素がある。
果実味はフレッシュだが、明らかな熟成香はあり、そのバランスの良さが面白い。
目は粗めではあるものの、酸は緻密で柔らかい。白桃やリンゴ、白カビ系の様な余韻が残る。旨味がこちらもしっかりと出ている。


【所感】
やっぱりデコルジュマン タルディフの方はかなり熟成感感じますね。
考え方のベースとなる738に関しては際立ったミネラル、MLF、そしてフレッシュな果実味がバランス良く融合する調和の取れた良いシャンパーニュだと思います。ほのかに樽の香りもありますが、あくまで複雑さの一助として全体の要素に絡み合っています。
基本的にはフレッシュ、その中に滑らかさを包含する形のシャンパーニュとなっています。
対してデコルジュマンタルディフは熟成感が幾分か出ています。酸と果実味はまだフレッシュですが、程よい熟成香が前面に出ています。
シェリーや出汁の様なタイプではなく、あくまでフレッシュな要素が経年によって馴染んだ形の香りとなります。
例えば白カビ系チーズやバター、ハチミツの要素、そして、果実味は幾分か旨味に転化して熟した赤リンゴや花梨の様な印象を受けます。泡や酸は生き生きとしているし、ボディはよく馴染んでいて、複雑さを持ったシャンパーニュとなっていると思います。
古いリザーブワインを使っているだけでは出ない泡と酸の出方をしていますね。面白い。
品種の配分がすこし違いますが、738の直系の味わいであるとは思います。価格としては倍以上なので、必ずしもお買い得とは言えませんが、いわゆるノンヴィンテージのRDですね。レサマン デゴルジュ 。
まあ、そう考えれば金額的には妥当?いや...無理矢理か...おいしいにはおいしいです。
間違いないです。




【シャンパーニュ:52】有名RMの比較的スタンダードなシャンパーニュ3種

こんにちは、HKOです。
本日は有名RMのキュヴェ3本を頂いて、比較してみたいと思います。


【データ】
アンドレ エ ジャック ボーフォールはアンボネイに拠点を置くNM。※ただし生産は7haの自社畑で行っていますので、実質RMに当たります。
畑はアンボネイに1.6ha、オーブのポリジィに4.5haに保有し、4分の3以上はピノ ノワール、残りはシャルドネ。年間約30,000本。
ビオロジック栽培の草分け的な存在で、1971年より、化学肥料、除草剤、殺虫剤、合成殺菌剤は一切用いず、植物性の堆肥とアロマテラピー、ホメオパシーを使ったビオロジックを実現しています。硫黄すら利用しません。醸造は葡萄をプレス後、自然酵母のみでアルコール発酵、冬に澱引き、春にマロラクティック発酵。SO2はデコルジュマンの際に僅かに使う程度で補酸は行いません。熟成は最大で100年規模の古樽を使用し、新樽は使用しない。
瓶内2次発酵は葡萄の濃縮果汁、あるいはサトウキビの砂糖で実施。ルミアージュは手作業。数年の瓶熟成後にデコルジュマン。ドサージュは有機農法の葡萄の濃縮果汁を使用。基本的に全てのキュヴェはピノ・ノワール80%、シャルドネ20%。

ド スーザはアヴィーズ村に拠点を置くレコルタン マニピュラン。
醸造責任者はエリック ド スーザとミシェル ド スーザ。100%石灰土壌の9.2haを保有し、作付け比率はシャルドネ60% ピノノワール30% ピノムニエ10%で平均樹齢は40年以上、古いものは50-70年の古木も。
栽培はビオディナミと有機栽培を併用している。
コーダリーはアヴィーズの樹齢50~100年のシャルドネを100%使用したブラン ド ブラン。オーク樽(15%新樽)で発酵、熟成。リザーブワインは1995~2008年を使用。ベースは2009年。それぞれ半々のアッセンブラージュ。ドサージュは3.5g/l。
フラッグシップはキュヴェ デ コーダリー ミレジム。
今回のはノンヴィンテージのキュヴェ デ コーダリー。

ジャック セロスは現在シャンパーニュで最も注目されているレコルタン マニピュラン。
ビオディナミから一線を引き、自然派でありながらロジカルにビオの必要不必要を判断している。
アイとアンボネイに0.7haのピノ ノワールを保有し、リューディを少量生産している。
一次発酵には2種類のサイズ、5つの樽メーカーを使用し、平準化をしている。発酵には天然酵母を使用し澱引き、濾過せずに翌年5月頃まで新樽比率10%で樽熟成。マロラクティック発酵は行わない。この時点でリザーブかボトリングかを判断する。ボトリング後、3年間のカーヴでイースト菌と共に8年間瓶熟成。デゴルジュマンは瓶口を凍らせずに手作業で行う。スティラージュ後は6ヶ月間寝かせて出荷される。
今回のイニシャルはセロスのスタンダードシャンパーニュにあたる一本。シャルドネ100%。クラマン、アヴィズ、オジェに植えられた平均樹齢40年のシャルドネのみを用いてから造られたブラン ド ブランです。
ソレラシステム使用。


【テイスティングコメント】
生産者: ジャック セロス
銘柄: イニシャル ブラン ド ブラン NV

約20000円、WA92pt
外観は淡いイエローで粘性は中庸。
フレッシュながらナッティーで木材の香ばしい香りを帯びている。小石の様なミネラル感。
イースト香、ローストしたナッツや濡れた木材、エシレバターなどの酸化的で香ばしい香りを中心にドライハーブなどの風味、濃密なシロップの様な風味がハッキリと感じられる。酸化的。加えて、花梨や和梨の熟したリンゴの様な溌剌とした果実味、白檀、ドライハーブ、アスパラガス、白カビの様な風味が感じられる。複雑。
泡はかなりフレッシュで力強い、酸味は穏やかでふくよかでボリューム感を強く感じさせる一方で、やはり複雑さを強く感じさせる。白カビやイースト、ナッツの様な余韻が強く残っていく。


生産者: ド スーザ
銘柄: キュヴェ コーダリー ブラン ド ブラン NV

約18000円、WA92pt
外観は淡いイエローで粘性は中庸。
フレッシュかつ濃密な甘い果実味とスパイシーさが同居する。ハッキリとしたテクスチャーを持つシャンパーニュ。シャープなミネラル感。
熟したリンゴや洋梨の様な溌剌として濃密な果実味、シロップを思わせる濃密な甘い香り、ブリオッシュ、杏仁豆腐の膨らみのあるナッツやバターの香り、白い花、フレッシュハーブ。そしてカルダモンやクミンなどのスバイシーさ感じられる。少し酸味に寄った味わいでもあるが、基本的に香りは豊満でスパイシーな印象。
酸味は強めで、華やかな旨味の広がりがある。チョーキーさとクリームチーズ、フレッシュハーブなどの余韻を感じさせる。


生産者: ジャック ボーフォール
銘柄: ブリュット ヴィンテージ 1989

約20000円、WA90pt
少し色が濃いイエロー、粘性は中庸。
旨味がやや前に出た熟成シャンパーニュ。
濡れた木材、バター、プリンのような香りを帯びた熟成感がしっかりと感じられるシャンパーニュ。濃密なハチミツ、バルサミコビネガー、アプリコットやカリンの様な旨味を強く感じさせる果実味がある。濡れた木材やドライハーブ、白い花やドライフルーツの様なアロマも感じられる。僅かにだけ獣香的な風味が混じる。
酸味と旨味が突出し、熟した赤リンゴを丸かじりした様な強い旨味、少し鉄分の含有を感じられる。
酸は穏やかなのだが、旨味が強く、非常にボティに厚みがある。シェリー的であり、かつハチミツなどの風味も余韻として残っていく。


【所感】
ジャックセロスとド スーザ、そしてジャック ボーフォールでした。結構豪華ですね。
まずジャックセロスから。デコルジュマンは2014年です。
リューディーなどと比べると比較的酸化ニュアンスは控えめだと思いますが、やはりセロスのシャンパーニュは独特の雰囲気を纏っています。次のド スーザとは結構対照的かもしれません。
小石の様なツルッとしたミネラル感と、樽と酵母の香りが際立っていて、エシレバターの様な少し塩気を感じさせる旨味とドライハーブの香りが支配的です。そんな中和梨や花梨を思わせる蜜の様な甘い香りも出てきますが、他の要素と入り混じって極めて複雑なテクスチャーを形成しています。
そんなこなれた複雑な要素とは相反して泡は溌剌と立ち上っており、含み香の複雑さとは裏腹に溌剌さすら感じます。ノンヴィンテージ的な性質ではありますが、結構極端だなぁ、と思います。

対してド スーザのコーダリーはリザーブワインの比率が多いにもかかわらず、フレッシュなシャンパーニュとなっています。ハッキリとしたテクスチャーを持つシャンパーニュで、フレッシュで濃密な蜜の様な果実味とスパイシーさが同居しています。
核種系果実やブリオッシュ、フレッシュハーブを主体として、そして独特のカルダモンやクミンの様なスパイシーな要素が混じってきます。
最上のブラン ド ブランらしい繊細さやピュアネスを持っており、いわゆる王道的な部分は感じられるのですが、その中でも極めて香りは鮮明に感じられます。
かなり良く出来たノンヴィンテージシャンパーニュだという印象を受けます。
テクニカルなセロスのシャンパーニュとは好対照ですね。酸化的なニュアンスがあまり感じられません。
セロスから比べると複雑さに欠けますが、香りの要素の際立ち方はかなりレベルが高いと感じました。

最後は熟成シャンパーニュ、ジャック ボーフォールのヴィンテージ 1989。丁度飲み頃と思しきヴィンテージですが、そのものズバリ、かなりいい感じの古酒になっています。旨味が前に出た熟成シャンパーニュですが、サロンやアラン ロベール程ではなく、ドンペリニヨンやボランジェなどのキュヴェに似た熟成をベースにして、旨味を強調させた様な感じだ。
濡れた木材やバター、プリンなどの要素があり、その上でバルサミコビネガーやアプリコットの様な充実した旨味の果実味が現れ、ハチミツの様な甘い香りが混じります。少しだけ獣香が混じるのは(個人的には)残念ですが、まあ許容範囲だと思います。複雑さの中の一つの要素といった感じですね。
かなり複雑かつキャッチーな香りがしていると思います。
口に含むと旨味が凄い感じられます。りんごを丸齧りした様な厚みのある味わい。ピノノワール主体だからかもしれませんね、太い酸が特徴的だと感じました。
これもすごくいい感じですね。

各々方向性が異なっていて、単純比較できませんがやっぱり順当に熟成を重ねたジャック ボーフォールがとても良かったですね。
コーダリーはフレッシュ感の最高峰的な感じがしますし、セロスも複雑さの極みなんですが、どこか無理をした様な感じに見えるんですよね、ノンヴィンテージって。まあ、これは好みですし、決して嫌いではないのですが、順当に年を取ったシャンパーニュを飲むと、やっぱりいいよなぁ、って思いますよね。




【アメリカ:37】旧世界と新世界を融合させる2つの生産者

こんにちは、HKOです。
今回はワシントンのリースリング、オレゴンのピノノワールの低価格帯2本です。


【データ】
エロイカはモーゼルの名手ドクターローゼンがアメリカのシャトー サン ミッシェルと共同で生産したリースリング。1988年にローゼン家の当主になったエルンスト ローゼン博士は伝統的な有機農法と醸造法を再び取り入れ、モーゼルで名声を高めました。
その後サンミッシェルと出会い、コールドクリーク ヴィンヤードで共同制作となるエロイカを生産し始めます。以降、より酸を高める為エヴァーグリーンヴィンヤードやホースヘヴンヴィンヤードなどより冷涼な土地のブドウに変更、収量制限や摘芯や除葉など、ローゼン博士とワインメーカーのボブ・バートゥ氏を中心により日々改善がなされています。醸造はシャトー サンミッシェルがウッドヴィルに所有する白ワイン専用の醸造所を使用。

クラウドライン セラーズは1946年に設立されたドレフュス アシュビー社のピノノワールプロジェクトによって生まれたオレゴン州ウィラメットヴァレーに拠点を置くワイナリー。オーナー&プロデューサーはドレフェス アシュヴュー、スーパーパイザー兼醸造責任者はメゾン ジョセフ ドルーアン、ドメーヌ ドルーアンの醸造責任者のヴェロニク ドルーアンが兼任。年産約2000ケース。ブランド名の由来は、畑からウィラメットヴァレーを眺めると、カスケード山脈にかけて、
“雲のライン”(Cloudline)が見えるという、ヴェロニク・ドルーアンが言葉から。


【テイスティングコメント】
生産者: ミシェル ローゼン
銘柄: エロイカ リースリング コロンビア ヴァレー 2013

外観はやや濃いめのイエロー、粘性は中庸。
リースリングらしいペトロール香と強固なミネラル感を演出しながらも、基本骨子は恵まれたコロンビアヴァレーのテロワールを十分に感じさせるボリューム感のあるたっぷりとした果実味のリースリング。
独特のペトロール香に混ざる様にライムやパッションフルーツの果実味、ハチミツ、そしてバターやフレッシュハーブ、白い花、白胡椒などのアロマを感じさせる。
ドイツのローゼンは甘口が多いため単純比較できないが、残糖を落としたカビネットスタイルのリースリングと考えると非常に良くできているような気がする。
アルザスのリースリングと比較するとより豊満。
酸は穏やかだが厚みがあり、旨味も充実。パイナップルのコンポートを思わせる長い余韻が極めて魅力的だと思う。


生産者: クラウドライン
銘柄: ウィラメットヴァレー ピノノワール 2013

外観は透明度が高い濃いルビー、粘性は中庸。
熟したイチゴやラズベリーの果実味、ほのかにミルクティーを帯びている。華やかな鉄釘やスミレ、ドライハーブなどのグリニッシュな香り。少しアルコール感がある。厚みはないものの、充実した果実味が感じられる。樽やMLFが効いているかというと、さほどではなく、ニュージーランド的なクリアなピノノワールだと思う。
酸やタンニンは柔らかく、ほのかに苦味は感じるもののフレッシュな赤系果実とミルクティーの綺麗な余韻が残る。香りより圧倒的に含み香や口当たりが魅力的。フレッシュな果実味が口いっぱいに広がる。
全くドルーアン的ではない、ニューワールドに即した味わいだった。


【所管】
エゴンミューラーが作るカンタ リースリングもそうなんですけど、ドイツの優良生産者が作る新世界のリースリングはどれを飲んでも素晴らしい。
今回のエロイカも大変素晴らしく、まさに新世界と旧世界の特徴をどちらも併せ持っている。ドイツやアルザスを想起させる強烈なミネラル感とペトロール香を保持していながら、コロンビアヴァレーの冷涼ながら十分なボディを生み出す果実味、例えばライムやパッションフルーツの様な酸と豊かな果実味を感じさせる。アルザスや辛口ドイツの様なシャープネスはあまりなくて、もう少し太い酸。白胡椒やバターなどの複雑な要素が感じられる。価格帯としては3000円台と、まあそこそこしますが十分コストパフォーマンスは良いと思います。新世界の素直な辛口リースリングにミネラルを加えたものと捉えるか、ドイツやアルザスのミネラリーなリースリングに太さを加えたものか、捉え方は2点ありますが、どちらで捉えても面白いものだと思います。
クラウドラインはジョセフドルーアン的ではなく、またオレゴン的でもありません。どちらかというとクリーンなニュージーランドのピノノワールをイメージさせますね。熟した赤系の小果実、マロラクティック発酵のニュアンス、果皮の艶かしい風合いがよく出ています。タンニンや酸は穏やかでミルクティーの様な綺麗な余韻を残していきます。ピノノワールとしては比較的シンプルですが、逆にこれといってダメな点も見当たりません。厚みもそんなにないので、若干の物足りなさは感じますが、バランスは良いので、この価格帯で言うならば、間違いなくお得ではないかと思います。
どちらもコストパフォーマンス的には非常に良いと思うのでオススメです。



Florilege (フロリレージュ: 外苑前)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。


こんにちは、HKOです。
本日は7月から予約をしておりました念願のフロリレージュに行ってまいりました。
このお店、なかなか予約が取れず、幾ばくかの問い合わせの末のようやくの来訪。期待感が半端なく高まっていましたが、その全て満たしてくれる様な素晴らしい料理とプレゼンテーション。
正直最高でした...

シェフはル ブルギニオンの菊池美升氏に師事し、モンペリエのジャルダン デ サンスを経験後、岸田周三氏のカンテサンスでスーシェフを務めた川手 寛康氏。
ミシュランガイド2015 東京版では*1を獲得しています。

銀座線 外苑前3番出口から10分くらい歩いた先にある、そんなに大きくない商業施設の地下にあります。


看板は目立ちませんが目立たせる必要はないでしょうね。


階段で地下に降りて行きます。

店内は個室もありますが、基本的にはキッチンを取り囲む様なコの字型のカウンターが中心となります。
キッチンで仕事をするスタッフの熱が伝わってきそうな臨場感があります。

いつも通り、まずはシャンパーニュから頂きます。
有名な生産者ではありませんが、価格対比で考えると大変良く出来ています。


◾︎シャンパーニュ
生産者: ヴーヴ エレオノール
銘柄: グランクリュ キュヴェ シンフォニー ドートンヌ ブラン ド ブラン NV
品種:シャルドネ100%

外観は淡いイエローで粘性は中程度、泡は溌剌と立ち上っている。
滑らかでクリーミー、かつ果実味溢れるシャンパーニュ。チョーキーなミネラル感がありながら、バターやチーズの様な風味、ブリオッシュ、そして白桃や赤りんごの様な果実味、ヘーゼルナッツなどの風味が感じられる。
酸味は穏やかで青りんごを思わせる爽やかで華やかな余韻を感じさせる。フレッシュさというよりふくよかさやボリューム感をしっかりと感じます。


いいシャンパーニュです。
早速アミューズが供出されてきました。
ちなみにフロリレージュ、料理に名前を定めておらず、イメージとメイン材料のみ記載があります。
最初の一品は投影をイメージした茄子の料理です。


◾︎投影「茄子」(★★)

ジャガイモと茄子で作った生地にトマト、ハーブ、スパイスを混ぜ合わせたペーストとキャビア ド オベルジーヌ(茄子の種を焼いたもの)を詰めたもの。
蒸しパンの様なしっとりとした暖かいジャガイモと茄子ベースの皮、トマトや茄子などの旨味たっぷりのペーストがとても合っている。
いきなりレベルの高い。茄子の香ばしい風味とクリーミーで滑らかなタッチ、と適切な塩気が食欲を増進させる。濃厚。


黒い...
かなり個性的なルックスですが、フィンガーフードとしてはかなりいい感じです。
次は前菜の牛のカルパッチョです。


◾︎要素「牛」(★★★★)


熊本県産経産牛のカルパッチョ、燻製したジャガイモのピューレ、プラム。それに暖かいプラムとビーツのコンソメスープを掛けて供出。
思わず笑いが出てしまう牛肉のカルパッチョ。脂の甘みと柔らかさがハンパない。
滑らかなジャガイモのピューレと合わせると、よりフワッフワで溶けるような味わいに。
いわゆるはっきりした味というより、輪郭線が曖昧で、舌の上で溶けていく様な泡沫の様な味わい。
肉の滑らかな甘みがアプリコットのハッキリとした輪郭の味わいと相乗、2つのテクスチャーを楽しめる。ジャガイモの風味が溶け出したコンソメのほのかな風味も面白い。
ハーブにはビネグレットの風味。



◾︎酒粕を使った蒸しパン


ふっくらふわふわ蒸しパン。ごく僅かに酒粕の風味が感じられるが強くはない。


物凄い良かったです...
次もなかなか楽しみになってきます。


◾︎ほろ苦み「鮎」(★★★)


鮎とその内臓のペースト、ポワレしたフォアグラ、玄米のリゾット。鮎の骨から取った出し汁。
滋味と出汁感溢れる一皿。
鮎の内臓はやはり苦味は感じるが、オイリーなフォアグラと相乗することによって滑らかになり、フォアグラと鮎の内臓のコクを残している。お出汁の風味もしっかりと出ている。玄米は程よい芯の硬さを残している。どれが足りなくても完成しない。プレーンな滑らかなフォアグラの風味、鮎の身のホクホクさ、内臓の苦味が相乗していく。出汁の中のほのかな塩気だけで、全体をまとめている。
出汁はヨーロッパ的なフュメというより、日本の鰹出汁的な風味に近いと感じた。基本的に素材を活かす系であまり強いソースやスープは使っていない。


モツとモツの組み合わせが非常に面白い。
しかもお互い相反する要素があって各々で溶け込んでいるという。いい感じです。
この皿はどこか和の風味を感じますね。


◾︎ヘテロ「牡蠣」(★★★★)


牡蠣とオカヒジキのフリット 生のオカヒジキ 凍らせた牡蠣のピューレ レモンのメレンゲ 牡蠣のスープ。
プリッとしたサクサクしたおかひじきの食感が楽しい、その中にある酸味とコクを帯びた味付けの牡蠣の風味も絶妙。食べ応えのあるブリッとした食感。
酸味でしっかりと風味が付いており、降りすぎない塩気も絶妙。酸の方がしっかり感じられる。レモンのメレンゲは甘く、しっとりとしておりフリットの酸味と塩気に甘さと複雑さを与えている。
サクサクとしたおかひじきの食感と牡蠣の滑らかな風味や旨味、酸味が、全体の味わいを引き上げる様は芸術的。
牡蠣のスープはポタージュ的でクリーミーかつ牡蠣の地味がしっかり出ている。牡蠣のスープも絶妙。酸味を滑らかに包み込む。


絶妙!
オカヒジキ、食感だけではなく、なかなか味わい深いです。
さて、肉料理に合わせて赤ワインをオーダー。
ブルゴーニュ、ボルドー、イタリアとありましたが、お店のチョイスに合わせてボルドーを。


◾︎赤ワイン
生産者、銘柄: ドメーヌ ド カンブ 2011

外観は濃いめのガーネットで粘性は中庸。
いいワイン。2011とは思えないほど強烈に熟したボルドーで、ラフィットの様なエレガンスを演出しつつメルロー主体の滑らかさを感じる。
時間が経つと少しカベルネ種のグリニッシュさが出るが、全体的には完全にメルロー主体のそれ。ニューワールド的でもある。熟したブラックベリーやプルーンの様な果実味、ほのかにインクやピーマンのアロマがあるが、基本的には果実味、焦がした砂糖、シナモン、キャラメルトフィー、そしてそれに付随するMLFに起因するバニラやティラミスの様な甘い香りが主体となる。焼いたゴムの様な樽香、西洋杉、ドライハーブ、乾いた土、ほのかなグリニッシュなハーブの様な風味、
香りとは裏腹にボディは2011なりで、やや水っぽくタンニンと酸は非常に穏やか。だがこれはこれで柔らかく今と考えると飲みやすい。



◾︎分かち合う「塊肉」(★★★★)


蝦夷鹿の低温調理、パプリカのファルシ 鹿のジュとパプリカ。
シンプルな肉料理だが、火入れが素晴らしい。
しっとりと仕上がった火入れで噛みしめると野生的な血の風味が口に広がる。少し甘辛なジュ ド シュヴルイユと相乗する。ジュの甘さが前に出て煮詰めた様な濃密さがある。
鹿肉のこってりとした脂が素晴らしい、甘みと牛肉の様な脂の風味。噛めば噛むほど旨味が表出。
外側は適度にしっかりとした肉感で、脂のある部分に関しては甘くコクがあり濃密、内側は恐ろしく滑らかで完璧な火の入り方をしたしっとりとした赤身の肉の野生的な味わいを楽しめる。素晴らしい!
パプリカのファルシは中にはパプリカのピューレが入っている。ほのかに苦く、辛味があり、濃密な鹿肉の印象を和らげる。

鹿肉、ボルドーと良く合いました。
ホントに火入れが絶妙で食べる部分によって味わいが異なるし、中心部の血の香りとか味わいが濃厚、そして脂の甘みも強いのでボルドーが完全に合ってくれました。
次は2皿のデセールです。



◾︎リフレッシュ「パイナップル」(★★)


ココナッツのブランマンジェをゴールデンパイナップルのスライスでラヴィオリ状に。パイナップルのソルペを敷いて。
鋭角な酸味のソルベ、ラヴィオリ仕立てのブランマンジェと生のパイナップルが、甘く滑らかなので酸の際立ったソルベとのバランスが良い。ココナッツのブランマンジェがとても滑らか。ハーブの様な風味がある。爽やかな一皿。


◾︎お似合い「モッツァレラ」(★★)


写真にバジルの葉が無いのは写真を撮る前に食べてしまったから。ごくたまにある出来事です。
複数のフロマージュを使ったチーズケーキ、レモンソース、パセリオイル、バジルの葉、塩のメレンゲ。
おっアイスかー、と思いきやもっちりとした濃厚なチーズケーキ。少し塩気を帯びているが、甘い柑橘系のレモンソースの風味がチーズケーキと調和、そして塩メレンゲが加わる事によって、更に塩スイーツ的な風味を醸し出す。チーズと塩の風味が本当に絶妙に合う。余韻にさわやかに残ってくれる。パセリのオイルとバジルの葉は清涼感がありパリパリとした食感も楽しい。


爽やかな口直し的な一皿と濃厚な一皿。
バランスが良く取れてましたねえ。
最後はミニャルディーズとハーブティーで〆。
コーヒーは無いみたいです。香り強いですからね...余韻を壊さない配慮でしょうか。


◾︎ハーブティー
レモングラスとペパーミントのハーブティー

◾︎ブドウのシロップをまとった長野パープル


フレッシュかつ甘みが強化されている。


最後に食後酒で〆です。
フィーヌ ド ランブレイと悩みましたが、貴重なロマーノ レヴィを。

◾︎グラッパ
生産者: ロマーノ レヴィ
銘柄: グラッパ ディ ウナ セルヴァティカ コン リタ

少し緑がかった色調。
58%の強烈なアルコール感があるが、合わせて白胡椒やハーブの香りが溢れ出す。少し海苔のような風味もある。風味豊か。


以上7皿。供出スピードは早めで1時間30分程度で頂く事が出来ました。
どの皿も非常に手が込んでいて、複雑な味わいの料理から一見シンプルな皿まで、(例えば前者は鮎とフォアグラ、後者は鹿肉になるんですが)とても緻密な味わいを楽しむ事が出来ました。
予約を取りにくいという難点こそありますが、基本的に不満足な点は一切ないです。
カウンターキッチンも臨場感があって楽しいですし。
なにより料理が素晴らしい。

また是非行きたいです。


住所: 東京都渋谷区,神宮前2ー5ー4 SEIZAN外苑B1
店名: Florilege (フロリレージュ)
電話番号: 03 6440 0878
営業時間:
[木~火]
12:00~13:30(L.O.)
18:30~21:00(L.O.)
ランチ営業、日曜営業

丸五(マルゴ: 秋葉原)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

HKOです。
本日は娘を連れて知人がお勧めをしていた秋葉原の丸五に行ってきました。
本来ならば夏場列が出来て並ぶような所に1歳9ヶ月の愛しい娘を連れていくのはあり得ませんが、運良く当日はこの夏の中でもかなり涼しく曇天。よし、これなら行けると思い立ち、秋葉原まで来たわけです。



流石に老舗的な風格があるお店です。

事前に娘がお腹すいた時のためのお弁当と、おもちゃを持ってきてたので、30分程度の待ち時間は特に問題無く待つことが出来ました。特に大人しすぎたり、煩すぎたり、そういった事はなく。

ベビーカーをお店に預け2階席に。

待ち時間はラッキョウが美味しかったらしく、延々と食べてました。私は特ヒレカツ定食、それと娘用にご飯を注文。


◾︎特ヒレカツ定食(★★★★)



一口目から素晴らしさが分かる!
衣が驚くほどパリパリでクリスピー、ヒレ肉は適度に柔らかで継ぎ目のない滑らかさがある。引っ掛かりや筋は無く、驚くほどシルキー。
満遍なく均一に火が通っていて、衣に包まれる形で、そのエキスを閉じ込めている。溢れる豚肉のエキスと充実した旨味が堪らない。衣の裏にほのかな塩気。肉の旨味が引き立っている。
上質な天婦羅を食べているような感じ。
ソースはシェリー的な酸化的な要素がある深い味わいのもの。ただ相乗的な効果を生み出すわけではなく、そのまま食べた方が圧倒的に美味に思えた。
味噌汁は赤味噌。ご飯は水分多めです。


娘には2切れ程度分けたのですが、最近ご飯ばっかりでオカズをあまり食べない...諦めてご飯とラッキョウだけ与える事に。
えーこんなに美味しいのに...

個人的にはやっぱりかつぜんに軍配は上がりますが、このクラスでこのお値段は魅力的。
30分くらいなら全然並べます。本当はビールの一杯くらい引っ掛けたいところですが、ここは普通にお茶でやり過ごしました。
いや、美味しかったです。

住所: 〒101−0021 東京都千代田区外神田1-8-14
店名: 丸五(マルゴ)
電話番号: 03 3255 6595
営業時間:
11:30~15:00(L.O.14:00)
17:00~21:00(L.O.20:00)
ランチ営業、日曜営業

ÉdiTion Koji Shimomura(エディション コウジシモムラ: 六本木)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

こんにちは、HKOです。
本日はエディション コウジ シモムラです。
結構期待をしていたレストランで、たまたま当日予約を取れたので行ってきました。
シェフは下村浩司氏。フランスのコートドール、トロワグロ、ギイ サヴォワで修行し、乃木坂のレストラン フウでシェフを務めた後、2007年にエディション コウジシモムラを開店しました。
ミシュランガイド2015東京版では*2を獲得しています。


溜池山王から徒歩9分程度の六本木一丁目の中州にあるオフィスビルに入っています。


オフィスビルの入り口からほど近いですが、目印も少なくあまり目立ちません。隠れ家的でこういうルックス嫌いじゃありません。


ウェルカムプレート。
早速ドリンクを注文します。この週は結構立て込んでいて、あまりお金も使えなかったので、白ワインだけにしました。シャンパーニュもメジャーな銘柄のものだけだったので(チョイスは素晴らしいと思います)

今回はロワール セントルニヴェルネのプイィフュメです。


生産者: ジャン クロード シャトラン
銘柄: プイィ フュメ レ ヴィーニュ サンローラン ラベイエ 2012

この時期嬉しい爽やかなソーヴィニヨンブラン。
ほのかに燻したような香りが感じられるのがプイィ フュメならではだと思う。マスカテルなフレーバーは控えめ。
しっかりとした小石の様なミネラル感が感じられ、熟度の高い花梨や赤リンゴの果実味と共にほのかな薫香、レモンの様な爽やかな柑橘のアロマがある。フレッシュハーブと共にバターやシロップの様なアロマ。樽の香りはほとんどない。
柑橘のシャーベットの様な爽やかな酸味とほのかに感じられる苦味、全体的にフレッシュで快活な印象を受ける。


フィンガーフード「キャッサバのチップス」

チーズの風味と塩気、トマトのフレーヴァーがしっかりと感じられるサクサクとしたスナック。キャッサバはよく分からなかった。


アントレ:「軽くボイルした牡蠣 牡蠣と牛乳のムース 海藻と柑橘のゼリー」(★★★★)


調和の妙。
軽くボイルした牡蠣...と言っても受ける印象はほぼ生牡蠣同等。そんなフレッシュな印象を受ける牡蠣に対して、海藻と柑橘(レモン・ライム)の風味が調和したゼリーと、牡蠣と牛乳を炊いてミキサーした滑らかなムースが奇跡的に調和していく。
もともと牡蠣にある「ミルク」「磯の風味」を骨子にして、ミルクは牛乳と引き合い、牛乳独特のコクを、そして、磯の風味は海藻と引き合い、海苔の様な風味が調和させていく。そこに海藻と共にゼリーにされている柑橘の風味が、生牡蠣にレモンを振るが如き相乗効果を生み出している。
主だってはクリーミーさと複雑さが底上げされた牡蠣を複数の柑橘でシャープにしている感じ。ただ柑橘の酸味もミルキーさで軟化させてくれる。そんな絶妙なバランス感がある。
牡蠣はプリプリコリコリとした食感があり、かつ滋味深い。テクニカルでいきなり凄い一皿。


ポワソン: 「的鯛のフリット ブロッコリーのピューレ パルメザンチーズ レモンジャム」(★★★★★)


うおおお!プチプチパリパリサクサクとした食感がやばい!!なにこれ最高かよ!
細かい糸状の生地で揚げてあるからプチプチパリパリと口の中が非常に楽しい。
歯ごたえも素晴らしいが、中に封じ込められた的鯛の旨味やエキス感、そしてパルメザンの強いチーズのコクと香り、レモンジャムのほのかな酸味と甘みの連携がとても良い。ブロッコリーのピューレもとても滑らかでグリニッシュすぎないのがいい。レモンジャムと共にフリットの脂を和らげる効果。鯛のフリットに着けて食べると、深みが出る。
フリットの中の鯛の風味は一瞬で、魚介のエキス分が口の中にメチャクチャ広がってくる。塩気はパルメザンが基本で、そのわずかな塩気が鯛のエキスや旨味を完全に引き立てる。比類なき一皿だと思う。 食感、そして閉じ込められたエキスや旨味、ソースとの相乗、どれをとっても過不足を感じない。


ヴィヤンド: 「マグレ鴨のロースト 清流菜 姫人参 茄子」(★★★★)


非常に味わい深いローストだが、低温調理とアロゼの併用で、ソースはジュ ド カナールしか使っていないという。こんなに焼き鳥のタレの様な濃密な風味だが、鴨から出ている風味という事か。すごいな。
香りからして既に香ばしく、口に含むと表面がパリパリカリカリと香ばしい音を立てていく。
表面の皮の部分に細かく切れ目を入れており、その切れ目がカラッと揚がりパリパリとした食感を生み出しているのではないかと。
火入れは極めて適切で、低温調理によって封じ込められた血の様な強い野性的な風味を感じることが出来る。食感もまさに赤身の肉といった感じで、淡白さの欠片もない強い風味のある。
皮の弾ける食感と低温調理によるしっとりとした鴨の食感と良く合っている。胡椒の爽やかな風味も混じり、極めて素晴らしい一皿に。
ちなみにランチの皿はフォアグラを抜いたマグレ鴨を利用しているが、ディナーはシャラン鴨との事。
これでも十分に美味しいのですが...
少しハーブを感じる青菜、ナスも香ばしく焼かれている。姫人参は極めて甘い。


デセール: 「ガナッシュ、パウダー状のカカオシャーベット、ナッツ入りのバケット、オリーブオイル、オリーブのコンポート」(★★★★)


パティシエ的というかキュイジニエ的な観点のデセールだな、と思った。
これまでの前菜、魚、肉料理まで一貫しているのが、素材の引き立たせ方や食材同士の相乗効果。
デセールもそんな一皿で、徐々に味わいが変わっていく楽しさがある。
構成としてはガナッシュ、パウダー状のカカオシャーベット、ナッツ入りのバケット、オリーブの砂糖漬け、そしてオリーブオイル。
まずパウダー状になっているカカオのシャーベットが非常に楽しい。全く冷たさそうでないのに、食べると本当にビターなカカオの風味を帯びたシャーベット。
このビターさや冷たさをオリーブのコンポートが和らげてくれてガナッシュに繋がっていく。ガナッシュの香ばしい風味はナッツ入りのバケットと良く相乗し、甘いガナッシュには岩塩が味を引き締める。塩スイーツ的な感じ。カカオやチョコレートの個性的な味わいをオリーブオイルのグリニッシュな風味で和らげていく。
私の食べ進め方ではそんな感じだったが、どう進めても恐らくは様々な相乗効果を生み出しているであろう事が容易に想像できる。
最初甘みを感じたカカオウォーターもより深みを高める為の液体になっている。
なんだろうこれ、ひょっとして凄いガナッシュじゃないか。


◾︎ミニャルディーズ「エスプレッソのプディング」(★★)

コーヒーに合わせて、強いコーヒー感のあるプリン。
ひょっとしたらハーブティーを注文したらミニャルディーズも変わっていたりして。非常に滑らかで、これだけ続けて食べてもいいくらいには美味い。奥にはバニラシード。非常に手が込んでいる。


狂気の如き6皿構成。
ランチなので皿数は然程多くはないものの、何というか捨て曲の無いミニアルバムに近い印象を受けます。
どの皿も完成されていて隙がない。
いわゆるアート的な部分や驚きの部分で言うと新進気鋭の若手には譲る部分はあるかもしれませんが、一皿の完成度が本当に恐ろしいほど高い。相乗がもたらす食材以上の味わいが再現されて驚嘆してしまう。
全てが普遍的に素晴らしいと思えますし、古臭くも全くない。職人芸というより、レシピ作りの妙。
芸術というより精密機器の設計図の様な緻密な味わいの連携に舌を巻いてしまいました。
これはまた是非行きたいですね!


住所: 東京都港区六本木3丁目1−1六本木ティーキューブ1F
店名: ÉdiTion Koji Shimomura(エディション コウジシモムラ)
電話番号: 03 5549 4562
営業時間:
12:00~15:00(L.O.13:30) 18:00~23:00(L.O.21:30)
ランチ営業、日曜営業

Bard Court(バードコート:北千住)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。
※★無しは「普通」です。好きじゃなかったのはそもそも書きません。

こんにちは、HKOです。
本日は実家近くにある貴重な星付きの焼き鳥屋、バードコートです。
2015年度版でも*1を獲得しており、現在も極めて安定した評価を得ています。(私が大学くらいの頃から美味しいと評判でした)
バードコートはなんといっても奥久慈軍鶏を使った串焼きが有名です。ワインにも力を入れており、ACブルゴーニュの品揃えはかなり凄いです。


ここ、高校に行く時に自転車でよく通っていた道なんです。

店内は幾ばくかのテーブル席とカウンター席。カウンターメインですね。大将の仕事を見ながら串焼きを頂く事ができます。

今回注文したのはスープ+前菜2種+串焼き6種セット(4000円)、それにアラカルトで手羽先を加えました。
親子丼付きの6000円のコースもありますが、先に夕飯を取っていたので。

すぐにスープが供されてきます。
合わせてジャン ルイ トラペのアルザス リースリングを頂きます。ジャン ルイ トラペの奥さんの実家が保有している畑のもので、なかなか貴重なものです。


◾︎軍鶏、千里ネギ、生姜のスープ

とろみの付いた軍鶏の澄んだ旨味溢れる出汁。辛味のある生姜のスパイシーな風味、千里ネギの甘さが、スープの旨味を際立たせている。冬に飲んだらとても温まりそうなホッとする一杯。


◾︎前菜2種


・軍鶏の二杯酢、千里ネギ、胡麻 (★★)
鶏皮の脂の持つ濃密で際立った風味とポン酢の酸味がこれでもかってほどよく合う。ポン酢のフルーティーさと酸味がキュッと引き締めてる。コリコリの食感、相乗する胡麻の香ばしさも素晴らしい。
パクチーの風味も酢の物に良くあっている。鶏油的。

・北海道産食用ホオズキ(★)
物凄くフルーティー。完熟したブドウのような甘さとほのかに残る青さがトマトのような味わい。



◾︎自家製レバーのパテ(★★)

バターやホイップクリームの様な乳製品の味わい、コンソメの様な旨味や塩気を感じさせる。いわゆるレバーパテ的なレバーの風味はさほど強くなく、もっとクリーミーで滑らか。癖があまり表出していないので美味しい。バケットともよく合い、ワインのお供に最適だと思った。



◾︎白ワイン
生産者: トラペ ペール エフィス
銘柄: リースリング 2012

外観は透明感のあるイエローで粘性は中庸。
全体的にクリーンでフレッシュなリースリング。品種固有のペトロール香と強烈なミネラルはしっかりとあるものの、果実味がよく出ていてシロップの様な洋梨のコンポートや黄桃の濃密なニュアンスがある。しかして清涼感がある。バニラや白い花、リコリスなどの要素がある。
少しブルゴーニュブラン的な要素もあり、不思議な感じがする。
酸味は穏やかで、なめらか。残糖のような黄桃のような甘みがほのかに感じられる。



◾︎串焼き6種+1種
・わさび焼き(★★★)

塩で。絶妙の火入れで、口に含むと瑞々しく肉汁が溢れる。
肉汁の甘さ、旨味と完全に相乗する絶妙な塩も素晴らしい。塩分を鶏肉エキスの甘みで包み込み、また肉の旨味を塩で引き締める。
プレーンな部位にもかかわらず、しっかりとした味わいがあり、またわさびの清涼感のある風味も鶏肉エキスと塩と相乗する。


・砂肝 (★★★)

塩で。よくある緩い砂肝とは全く違って、ガリガリザクザクとした強烈な食感が最高。内側は少しねっとりとしていて、旨味とエキスに溢れている。塩の振り方が、また砂肝と奇跡的なマッチングを見せる。臓物的な要素はあるものの、歯応えが良く、キャッチーな力強い味わい。


・モモの塩焼き(★★★)

塩で。皮はコンフィの様なパリパリ具合だが、その実グリエ。胡椒と塩の風味がよく出ていて、ほのかに焦げた香ばしい風味と苦味がある。すだちで清涼感がめちゃくちゃ上がってくる。これもやはり肉汁と塩がとてもいい仕事をしていて、ジュワッと溢れる鳥のエキスと塩胡椒の風味が絶妙。の旨味が凄いんだよなぁ、淡白なんだけど、味が濃い。


・ギンナン(★★★)

塩で。唯一の野菜串。ものすごいホクホクで、まるで芋の様な甘さ。また栗の様な食感が絶妙。これまた塩の振り方が素晴らしく、ホクホクホロホロとした食感の中に少し粘度があるのも面白い。銀杏らしく、ほのかに苦味がある。


・つくね(★★★★)


タレで。素晴らしい!
少し粗挽きのつくねで、言いようのない強烈な旨味を包含したエキスが溢れてくる。最高。
甘辛いタレもさほど主張するわけではなく、あくまでベースとしての肉の旨味と焼きのほのかな苦味を引き立てている。ラッケ的。
粗挽きの為、豊かな肉の食感が感じられる。ギュムギュムで、噛めば噛むほどエキスと旨味が溢れてくる。卵を絡ませると凄く滑らかな舌触りに。
やはり卵もそのまろやかさや味わいを引き立たせる為なのか、タレよりも卵の味わいの方が強い。


・ねぎま(★★★)

タレで。強い炭火のアロマがある。
鶏肉はギュムギュムとした豊かな食感で、同じく甘い旨味とエキスが溢れ出す。タレが極めていい感じで作用していて、塩焼きやわさび焼きにはなかったタレの甘辛さが淡白さに豊かな焼いたタレの香ばしい風味を付加している。ネギはめちゃくちゃ甘い。サクサクで焦げ香がいい感じ。


・手羽先(★★★★)

塩で。モモの塩焼きにも近い。皮がパリパリに香ばしく火が入れられている。そして他の串同様肉には大量の甘いエキス分が含まれている。焦げたような香りや苦味が、エキスの甘さ、旨味に極めてマッチしている。鶏肉自体のギュムギュムした食感や軟骨のカリカリさもあり、様々な食感を楽しめるあたり。一番良いのではないかと思ったりしてる。



◾︎水ナスの糠漬け

おおよそ茄子とは思えないようなふわふわで瑞々しい糠漬け。不思議食感。



いや、めっちゃコストパフォーマンスいいですね。
これで料理4000円程度とは恐れ入ります。
しかもワインが結構沢山あるのがいいですね。
ここの串焼きの繊細な味わいには確かにピノノワールがぴったりかもしれません。
今後も積極的に行きたいですね。


住所: 東京都足立区千住3-68
店名: Bird Court(バードコート)
電話番号: 03 3881 8818
営業時間:
日月定休
17:30~22:00(L.O)
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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