【NZ オーストラリア: 17】新世界ピノノワール Part1

こんにちは、HKOです。
これから3回は新世界のピノノワールをしっかりやってこうと思います。
今回はニュージーランドの新進生産者コヤマワインズ、サトウワインズ。今やカルトワインの貫禄すらあるベルヒルのセカンドワインの3本です。


【データ】
コヤマ ワインズは神奈川県出身の日本人醸造家 小山竜宇氏が手掛けるニュージーランド ワイパラヴァレーに拠点を置く生産者。設立は2009年。 マウントフォードでアシスタントワインメーカーを担当し、トスカーナやドイツでも醸造を経験しています。
拠点の置くワイパラは新興産地で樹齢の若い葡萄がほとんどでありながら、乾燥し南風が吹く冷涼気候でで、降雨量は少なく、穏やかな日照と長く続く優れた産地です。
今回のピアソンズ ヴィンヤードはワイパラ ヴァレー北西に位置する砂利質土壌の平坦な畑。コヤマ ワインズの契約は約1ha。クローンはUCD5, 10/5, Dijon 115, 667, 777。フレンチオーク新樽33%で16ヶ月熟成

サトウワインズは大阪出身の佐藤嘉晃氏が手掛けるセントラルオタゴに拠点を置く生産者。
フェルトン ロードでチーフワインメーカーのブレア ウォルターの薫陶を受け、マウント エドワードでワインメーカーを担当。他にもジャン イヴ ビゾ、ベルンハルト フーバー、フィリップパカレ、クリスチャンビネールでも醸造を経験。現在もフェルトンロードのヴィンヤードスーパーバイザーとしてマネージメントに携わっています。
本拠地を置くセントラル オタゴは2000m級の山に囲まれた内陸にある産地で準大陸性気候。昼夜の寒暖差が大きく降雨量が少ないために乾燥し、霜の被害が比較的少ない土地です。また日照時間が長く収穫期は乾燥した涼しい日が続きます。
今回のパルティキュリエールはクロムウェルの町から北20kmに位置するピサ テラス ヴィンヤードから提供される葡萄を使用。標高300mにある浅い表土で覆われた水はけのよいシルト土壌に砂利、灰色硬砂岩、片岩、石英が混じる畑です。
栽培はバイオダイナミック農法。亜硫酸の添加は通常ボトリング直前のみに僅かに行う。
全房発酵のフラッグシップのランソリッドと異なり、このパルティキュリエールは100%除梗。収量は25hl/haと非常に低く抑えられ、フレンチオークの古樽で20カ月間熟成(トータル21カ月熟成)と、2カ月長い熟成期間を経ています。

ベルヒルは1997年にノースカンタベリー ウェカ パス地区に設立された、ニュージーランドのピノノワールだと最上と見なされるワイナリー。
代表はマーセル ギーセンとシャーウィン ヴェルデュイゼン。
もともと石灰岩の採堀場だった石灰質土壌の畑を持ち、北向き斜面に位置。
生産量は年間わずか200~500ケース。
ベルヒル ピノノワールは3つの区画のアッセンブラージュ。低く抑えられた収量のぶどうは区画毎に収穫と発酵を実施。最後にブレンド。除梗後、発酵前マセラシオンを実施。アルコール発酵の後フランス産オーク樽(新樽100%)で18ヶ月熟成、澱引き。1年後にブレンド。18カ月瓶内熟成をした後にリリースされます。
今回のオールド ウィカ パス ロードはベルヒルのセカンドワインにあたるキュヴェで「Quarry 10/5」の区画のブドウを、圧搾のレベルを3種類に分けて発酵し、12ヶ月間フレンチオーク(新樽100%)で熟成した後ブレンドし、3ヶ月半タンクで熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: コヤマ ワインズ
銘柄: ピアソンズ ヴィンヤード ピノノワール 2013

5600円
外観は透明度の高い赤みの強いルビー、粘性は中庸。
キャンディ香が感じられる、華やかで若々しい香りが感じられる。極めてピュアな味わい。
イチゴやレッドカラントの香りとは裏腹に比較的甘みのハッキリと表出したキャンディ香がある。きわめてピュアであまり樽の影響を感じられない。ほのかにそこからミルクティーの様な要素が徐々に出てくる。スミレやラベンダー、ほのかに鉄の様な華やかな要素などのポジティブな要素が入り混じる。フレッシュハーブ。華やかさとキャンディ香りが極めて前面に出ている。クローヴやバターなどの風味も。外交的なワイン。
綺麗でかつ十分な酸があり、タンニンも骨格を形成する程度で口に含んだ時のバランスが極めて良い。ミルクやスミレ、レッドカラントの様な余韻が適切な酸と共に残っていく。


生産者: サトウ ワインズ
銘柄: ピノノワール キュヴェ パルティキュリエール 2013

6500円
外観は濃いルビーで粘性は高い。
こちらもキャンディ香とミルクティーが入り混じる瑞々しで華やかなピノノワール。かなり品質が高いと思う。
ミルクキャンデー、上白糖やバターなどの要素、その中にイチゴやデーツなどの甘露な風味が感じられる。香りの方向としてはキャンディ香を想起させる。スミレの香りもあるが全体的には上記の要素が最も際立っている。抽出はやや強めに。炭焼き、ジンジャーブレッド、生肉などの複雑な要素を感じられる。
ややタンニンが優勢で、酸味よりも目立つ。
キュッと引き締まった収斂性と共に、スミレやミルクキャンディ、ブラックベリーの様な果実の余韻を残していく。
やや余韻に苦みを残すのも特徴的。


生産者: ベルヒル
銘柄: オールド ウィカパス ロード ピノノワール 2011

13000円
外観は淡い透明度の高いルビー、粘性は中庸。
ブルゴーニュライクでやや樽のロースト香が際立った様な香りが感じさせる。
帆立や炭焼きを感じさせるハッキリとした樽香、その中にブルーベリーやダークチェリーの果実味。凝縮度は低い。ミルクティーや枯葉などの香り、ドライフラワーの様な華やかな香り、バニラ、毛皮、シナモンなどの要素が感じられる。ほのかに濡れた土などの香りもある。
ハッキリと際立った酸があり、ミルクなどの滑らかな舌触り、柔らかいタンニンが特徴的で、ほのかな苦みを感じさせる。複雑だが果実の密度にやや不足感が感じられる。


【所感】
この3本を見てみると、ちょっとサトウとコヤマのスタイルは似ていますね。樽の要素は押し出さずにクリーンで明るい果実味を押し出しています。若いよく出来たピノノワールに見られるキャンディ香、そして外交的な甘さを感じさせる香りがある。良く熟した赤系果実味そのものの様な感じ。抽出も適度に為されており華やかです。
基本的には素直な作りのピノノワールだと思います。
少しサトウの方が複雑で、ヴォギュエの若いミュジニーみたいな仕上がり。かなりよく出来ています。勿論ミュジニーが醸し出す底知れない凝縮感は無く、もっと明るさや親しみやすさを前に出した感じではありますが。キャンディ香とマロラクティック発酵のニュアンスがそんな感じで似てますね。コールドストリームヒルなんかとも仕上がりは近いかも。あと少しタンニン優勢で、苦味もあります。
とはいえ、基本的な方向性はサトウとコヤマでにてるんですが、ベルヒルはちょっと異質です。
まず新樽100%というのもあり、かなりはっきりと焦げ香が出てきます。ブルゴーニュライクな感じですね。
その中に黒系果実があります。少し凝縮度は低いですね、マロラクティック発酵の要素もあります。
醸造としてはリッチだと思いますが、果実の力が今ひとつ。セカンドワインらしいといえばらしいと思います。
悪くはないのですが、醸造が目立ちすぎですね。
フラッグシップがそこらへん補完してくれると思います。
価格的にいい値段なんで、これならコヤマかサトウがオススメです。
基本的にはやっぱりニュージーピノは冷涼ですね、過剰に熟していたりっていうのはやっぱり無いですね。
果実味はしっかりとあるんですが、ジャムというより蜜やシロップの繊細な果実味が特徴ですね。
あとベルヒルは別ですが、やはりクリーンに仕上げるのがメインストリームの様な気がしています。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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