【オレゴン:45】新世界ピノノワール Part2

こんにちは、HKOです。
本日はオレゴン。評価の高いセントイノセントとドメーヌセリーヌの貴重なブラン ド ノワールです。


【データ】
セントイノセントはオレゴン セーラムに1998年に創立されたワイナリー。ワインメーカー兼オーナーはマーク ヴロサック氏。初ヴィンテージは1998年。ピノノワールを主力としており、シングルヴィンヤードの生産にも力を入れている。現在の生産量は約6800ケース。
サスティナブルな農法で管理され、各グロワーと共に、キャノピーと果実のバランスを取りながら注意深く栽培を進めている。
今回のモンタジ ヴィンヤードはマックミンヴィルAVA内に位置するヴィンヤード。1999年と2004年に植えられた3つのブロックは、急斜面の丘の中腹に位置したぶどう園のピノ ノワールはビオディナミで栽培。ブドウは小さな発酵槽で1日間低温で安定させ後に発酵。16ヶ月間、31%新樽のフレンチオークで熟成の後に、無清澄で瓶詰め。


ドメーヌ セリーヌはオレゴンでもトップクラスの生産者。オレゴン州ダンディ ヒルズの丘の上にある自社畑で卓抜したピノノワールを生み出しています。
凝縮しつつエレガント、そして複雑性も兼ね備えたピノノワールとシャルドネを目標として、栽培は低収穫量(30hl/ha)を保っています。ブドウは全て手収穫、選別。
各畑の各区画のロット毎に、小さな開放型の醗酵槽で別々に醗酵させ、フランス産のオーク樽で熟成。最初から最後の行程までワインはポンプを一切使わず、自然の重力で移動させ、人の手による介入は最小限に抑えています。ピノノワールは14~18カ月樽で熟成、清澄と濾過は行わない。瓶詰め時の澱引きのみを行います 。
今回のクールブランは珍しいピノノワールの白ワイン。ブランドノワール。全房で樽発酵、色素が出ない様に優しくプレスする。

ちなみにオレゴン州は、大陸性気候(寒く乾燥した冬、暑く乾燥した夏)のブルゴーニュに対して、地中海性気候(寒く湿潤な冬、暑く乾燥した夏)だそうです。


【テイスティングコメント】
生産者: セント イノセント
銘柄: モンタジ ヴィンヤード ピノノワール 2012

6500円、WA92pt(2009)
外観は赤みが強く濃いルビー、粘性は中庸。
色調の割に青さが際立っていて、果実味の密度は高いが香りの精彩を欠いている様に思える。徐々にエナメルリムーバーの様な香りも。
ややインクっぽさがあり、茎やクローヴ、不思議な事にピーマンを思わせる、かなり青い感じがある。干したアメリカンチェリー、ブルーベリーの様な香り、ミルクの様な甘みがあるが、香りの弱い果皮とMLFによってかなり閉じこもった印象がある。黒土や濡れた木、ビターチョコレートの様な香りが感じられる。毛皮、ゴムの様な香りが感じられる。
かなり口に含んだ感じも青く、酸もタンニンも際立っており、おまけにキャンディ香的な含み香がある。やはりグリニッシュな余韻があり、熟している印象とは少し異なる。


生産者: ドメーヌ セリーヌ
銘柄: クール ブラン ピノノワール 2013

15000円、
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
よく熟したソーヴィニヨンブランのような味わいが感じられる。リッチでバニラやバターの要素が感じられると共に、シロップの様な甘い香りがある。
ほのかなマスカテルフレーバーと白桃、杏子の様な香りが感じられる。蜜の様な香りは確かにピノノワールっぽいかもしれない。杏仁豆腐やヨーグルト、ドライハーブ、白い花の様な風味が感じられる。ナッツの様な風味は控えめだが、マロラクティックと果実の熟度が良く融合した味わい。
酸がしっかりとあり、MLFの影響下にありながらボディもしっかりと保たれている。マスカテルな風味とバター、杏仁豆腐の様なしなやかな余韻が感じられる。素晴らしい。


【所感】
やはりオレゴンのピノノワールはブルゴーニュに近い性質があるな、というのが所感です。しかしながら今回のセントイノセントに関しては、少し冴えない。
赤みの強い濃いルビーですが、それに反してかなり青く、冷涼な雰囲気を湛えています。密度は高いと思いますが、香りの精彩は欠いている印象です。
青草や何故かピーマンの様なグリニッシュな風味が強く前に出ています。果実味は干したベリーの様なしっかりとした果実味は感じますが、とにかく青い風味が強く、黒土やゴム、ビターチョコの様な樽のニュアンスがさらに果実味に蓋をしている。
一つ一つの要素は良さげですが、全体的にバランス感を欠いた味わいだと思います。今回のヴィンテージだけかもしれませんが、あまり良い作りとは思えませんでした。
ただ実績として去年は良かった様なので、ひょっとしたら来年は良くなってるかもしれませんね。

次に大御所ドメーヌ セリーヌの珍しいピノノワールの白。これは凄く良かった。
アロマティック品種の様な性質と共に非常にリッチな果実味と醸造的要素がある、いわゆる新世界的な白。
だけど、決して酸は失われていないし、ボディも骨格もしっかりとあり、白ワインとして極めて完成度が高い。
どこかニューワールドの熟した新世界のソーヴィニヨンブラン的な要素をベースとしながら、白桃や杏子のような官能的な果実味とマロラクティック発酵の要素を中心にしている。ボルドーの最上級の白ワインにも近いかもしれません。酸の出方はピノノワールっぽいとは思いますが、前提分かんないときっと気づかないですね。
白ワインとして極めて完成度の高い一本だと思います。

そんな感じです。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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