【カリフォルニア:50】ジョセフ フェルプス ポートフォリオ デギュスタシオン #4 ハイレンジ カベルネソーヴィニヨン

こんにちは、HKOです。
ついに最終回はジョセフ フェルプスのフラッグシップである、インシグニア、そして単一畑のバッカスヴィンヤードです。


【データ】
ジョセフフェルブス ヴィンヤーズは1972年 セントヘレナ スプリングヴァレーに設立されたワイナリー。現在は7つの畑を保有しています(ラリーアンドハイド アンド サン、バッカス、バンカ ドラダ、ラス ロカス、ヨーントヴィル、サスコル ランチなど)。カリフォルニアで初めてシラーを栽培、また品種ではなく初めて固有のワイン名を冠したキュヴェを生産した事でも有名です。
また1999年にはジョーフェルプスによって、ピノノワールとシャルドネに特化したワイナリー(フリーストーン ヴィンヤーズ)を設立しました。
こちらはフリーストーン、クオータームーン、ファーガソンの区画を100エーカー所有しています。土壌は砂のローム層で200m~500m程度の標高の畑となっています。栽培はビオディナミ。
(ジョセフ フェルブス)
イニスフリーはカベルネソーヴィニヨンのセカンドワイン的な立ち位置で収量が多い時に作られるキュヴェ。ステンレスタンクで発酵、2~4年のバリックと大樽、アメリカンオークとフレンチオークを併用して16ヶ月熟成。
ナパヴァレー カベルネソーヴィニヨンはインシグニアのセカンド的な立ち位置のキュヴェ。ステンレスタンクで発酵の後フレンチオーク、アメリカンオークの新樽45%で18ヶ月の熟成を行います。
インシグニアはジョセフフェルプスのフラッグシップ。スタッグスリープやラザフォードのカベルネを使用して、フレンチオーク新樽100%で熟成。
バッカス ヴィンヤードはオークヴィルの同名の単一畑のブドウを使ってフレンチオーク新樽100%で熟成。
唯一の白のソーヴィニヨンブランはスプリングヴァレーヴィンヤードのブドウを使用してフレンチオーク新樽35%で澱とともに7ヶ月熟成。
(フリーストーン ヴィンヤーズ)
フォグドッグ シャルドネはフリーストーンのセカンド的な立ち位置で、ダットン ランチ ミル ステーション67%、フリーストーン33%のブドウを使ってフレンチオークで8ヶ月熟成。
フォグドッグ ピノノワールも同様のセカンド的な立ち位置。フリーストーン100%のブドウを使って25%フレンチオーク新樽を使用して熟成。
フリーストーン ヴィンヤーズ シャルドネはフリーストーン100%のブドウを使って40%フレンチオーク新樽で13ヶ月熟成。
フリーストーン ピノノワールはフリーストーン100%のブドウを使って35%新樽で13ヶ月熟成する。


【テイスティングコメント】
生産者: ジョセフ フェルプス
銘柄: バッカス ヴィンヤード カベルネソーヴィニヨン 2005
品種: カベルネソーヴィニヨン93%、プティヴェルト4%、マルベック3%

約37000円、WA94pt
外観は濃いガーネットで、粘性は高い。
少し熟成した感じはあり、タバコや焼いたゴム、コーヒーの様な樽香と共に、濡れた木材やカシスやブラックベリーなどの旨味が表出した果実味が感じられる。枯葉や濡れた土の様な熟成香と果実味とのバランスはとても良い。生肉、スミレのドライフラワー、ドライハーブやリコリスの様なアロマが感じられる。カベルネソーヴィニヨンの良い熟成のニュアンスがあり、椎茸的な出汁感が出始めている。それと果実味とのバランスがとても良い。剣のある感じでは無く、ボディ感の中にある熟成香といった感じ。
酸とタンニンは柔らかいが熟成によって柔らかくなった感じで、グリセリンとのバランスが良く取れている。
枯葉や焼いたゴム、生肉やブラックベリーの様な含み香が感じられる。


生産者: ジョセフ フェルプス
銘柄: インシグニア 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン82%、プティヴェルト11%、マルベック4%、メルロー2%、カベルネフラン1%

約38000円、WA96-100pt
外観は濃いガーネットで、粘性は高い。
極めて甘露で官能的なワインでよりリッチさが際立って感じられる。シロップ漬けのブラックベリーやカシスジャム(甘露煮?)、リキュールの様な香り高い果実味。どこかアプリコットを思わせる旨味がある。チョコレートやキャラメルの様な樽香がある。凝縮度も高い。
スミレのシロップ漬け、ドライハーブ、鉄分を感じさせるアロマ。西洋杉のような木材の香り、コーヒー。
エナメルリムーバーなどの風味がある。
香りの輪郭のはっきりとしたワインで、広がりのある外交的なアロマが感じられる。
酸もタンニンも充実、グリセリンに包み込まれる様な丸みのあるタッチ。(ただし球体には至っていない印象)
凝縮したブラックベリー、カシス、コーヒーの様な余韻が長く続く。濃密度の高いカベルネソーヴィニヨン。



【所感】
もう明らかにナパカベルネやイニスフリーと格が違いすぎで笑いがこみ上げてきます。
インシグニア、バッカスヴィンヤード共に凄まじいワインです。まずバッカスヴィンヤードから行くと、これ、2005年なんで他のと違ってちょっと熟成してるんですね。なんで、旨味が表出した様な感じで、樽香にもコーヒーや焼いたゴムの様なアロマとともに濡れた木材、枯葉や土などの熟成起因のアロマがはっきりと感じ取れます。
で、それと共に、熟成を経て柔らかくなっているものの、しっかりとしたカシスやブラックベリーの果実味があります。過剰に若々しすぎず、適度な熟成香。
個人的に半端に熟成したワインは果実味が弱体化して、旨味が生まれる前にタンニンと酸が目立ってしまうところがどうにも好きになれないんですが、この2005年は恐らく元々果実味が充実しているからか、そういった感じが全くないです。
ニューワールドの古酒やグレートヴィンテージの古酒にも見られる事象ですが、とてもいい感じです。
基本若々しいのですが、その中に適度な熟成香があるといった感じでしょうか。素晴らしいです。

次にインシグニアですが、これこそカリフォルニアのカルトワイン!と思っちゃう様な過剰な程に凝縮したパツパツの果実味に、ツヤツヤとしたグリセリン感、新樽の甘やかで香ばしい香りが突出しています。
とてもエネルギッシュで果実味に満ちています。それでいて、ロースト香が強すぎたりは決してせず、素直な味わいだと思います。(ボンドやハーランとかはロースト香が強い感じだと思います)
ちょっと語弊があるかもしれませんが、グルナッシュの様な素直さがありますね。当然ながらカベルネ的な青さとは全くの無縁の代物です。
ついつい笑いがこみ上げてきてしまう様な果実味、樽香。そして華やかさも並存していますね。
とても外交的なワインだと思います。凝縮しながら官能的でリッチな香りを振りまく感じ。
口当たりも完璧で酸とタンニンが充実していながら、決して刺々しかったり収斂性が強すぎたりせず、粘性が本当に上手い具合に包み込んでいる。
カルトワインの元祖と言われることの多いワインですが、正直そこまで期待はしていませんでした。
ただ蓋を開けてみたらちょっとびっくりしちゃいましたね。
特に出来がいい年なのかもしれませんが、偉大なワインだと思います。

以上、ジョセフ フェルプスの9本でした。
個人的な印象としてはインシグニアとバッカスヴィンヤードが突出していながらも、ピノノワールの出来が凄く良かった事に驚きました。
カベルネは本日の2本と比べると(ネガティヴセレクションだからかもしれませんが)かなり物足りなさを感じるものだったので、そういう意味から行くと、ピノは本当にいい線行っている。
この中で最もお買い得かもしれない。
シャルドネもいいのですが、中抜け感が気になったので、一番お勧めはピノノワール。
お金があるならインシグニアでしょうね。
なかなか興味深い経験になりました。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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