IBAIA(イバイア: 東銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
以前よりTwitterのタイムラインで話題になっていたお店に行ってまいりました。

東銀座のビストロ、イバイアです。


東銀座の路地裏にあります。


ワイルドな揚げ物と焼き物が得意なビストロだそうで、比較的会社から近いのもあり、非常に行ってみたかったお店です。

シェフは深味 雄二氏。同じく銀座の名店マルティグラのスーシェフを12年勤めていたそうです。
なるほど...凄く共通点を感じますね...


今回はカウンター席で。
先に肉料理を注文し、ビールで喉を潤します。
美味い...



ワインはピエモンテのバルベーラダスティ 1998
生産者はダンテ リヴェッティ。

とても安価ですが、しっかりと熟成感とピエモンテの華やかさがあります。
レストラン価格でこれなら4000円以下で手に入りそう。
まあバルベーラダスティ自体高くても2~3000円のものですから。その分バックヴィンテージはなかなか手に入れにくいですが。

さて、早速フィンガーフードですが...



◾︎ミートコロッケ(★★)

嬉しいミートコロッケ!なんとご飯の欲しいアレだ!
牛肉のほぐし身がたっぷりと入ったコロッケ。
芋に肉の旨みが染み込んでいて、しっかりとしたお肉の感じがあって大変よろしいです。サクッとホクホクで大変美味。ソースは普通の中濃っぽいですが、コロッケにはやっぱりこれでしょ...


◾︎自家製パテ(★★)


パテ ド カンパーニュ。バケットが付属。
非常にトラディショナルなパテ。
味わいは濃厚で濃密。内臓の風味とアルコール感をやや強めに感じる。ブランデーがやや強めなのかも。
しっとりしていて、バケットに塗ってもとても美味しい。
あまり粗挽きっぽいパテではない感じです。


◾︎インゲンのホットサラダ(★★)

その名の通り、インゲンのホットサラダ。
軽くソテーしたインゲンに胡椒、オリーブオイル、玉ねぎ、リコッタチーズを添えている。インゲン単体でもしっかり塩と胡椒とオリーブオイルが効いていて美味しいが、チーズのミルキーさと合わせるとより美味しい。


◾︎沖縄島豚のTボーンステーキ(★★★★+)


こう、メチャクチャ印象的なアピアランスにボルテージが最高潮である。Tボーンに切り分けた大ボリュームの肉、そしてその上からミントやディル、イタリアンパセリ、ローリエなどのハーブが山盛りになっている。ニンニクと焦がしバターのソースも食欲を大変湧きたててくれる感じです。
じっくり火を通したと思しきジューシーな豚肉。ロースは脂身が甘くてジューシーだし、フィレはエキスが充満していて、肉の旨みがじわっと広がる。バターとニンニクのパンチのある味わい。塩気は控えめだが、肉の旨みとバターとニンニクで十分すぎるほど味わいが強いなぁと思いました。


◾︎牛のヒレカツ(★★★★★)





これまた強烈で、スペシャリテとも言える一皿。
世の中の牛カツブームに喝を入れる様な強烈なルックスと最上の味わい。内側はほぼレアのまま揚げた牛ヒレカツ。しかもかなり巨大。ソースは赤ワインとトマト、玉ねぎで作った濃口の酸味と旨味溢れる濃厚ソース。
肉は鉄分豊かで、酸味のあるソース、そして注文したワインとピッタリ。そもそもこの旨みたっぷりのソースだけでも最高なのに...ヒレカツと一緒になることで天上の味わいに...シンプルだけど最高!


もう...超プリミティブでしょ、超欲求満たしてくれるでしょ。最高すぎ....。
なんというか、ガストロノミックな料理の美味しさや美しさ、グランメゾンの接客の緻密さや丁寧さ、気の回し方について素晴らしいとしつつ、個人的な好みとしてはよりプリミティブなものを好むだという事がよく分かってしまった。
絵画とコミック、クラシックとロック、そしてガストロノミーとフランセーズ レジオナル。
今回は後者の方で、いわゆる素朴な、あるいは世俗化されたものではありますが、研ぎ澄まされた技術とレシピにおいて受ける印象としては、そう大きく変わりません。
未開拓を切り開くという点では少し違いますが、わかりやすく愛された料理の素晴らしさを非常に高いレベルで再現している様な気がします。

イバイア最高!


住所: 東京都中央区銀座3-12-5
店名: IBAIA(イバイア)
電話番号: 03-6264-2380
営業時間: 17:00~24:00(L.O.22:00)
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びふてき 松江(びふてき まつえ:東銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日は以前知人から紹介頂いた、びふてき松江に行ってきました。


まあゆくゆく行こうとは思っていたものの、メニュー確認の為に何気なく食べログを覗いたら...




あ、終わる前に行っておこう...
と思いまして、とりあえず昼に打ち合わせがない事を確認して、少し歩きました。



元日銀発券局長で山陰合同銀行頭取の方が書いた看板。景気いいな...さすが日銀さん...



シャトーブリアン専門店 びふてき松江 血統「第七系桜」にこだわり30年有余年。
歌舞伎座近くの雑居ビルの6Fにあります。



クラシックなテーブル。



まずはお茶をワイングラスで提供されます。
これ抹茶ですね。出汁というか旨味に似たまろやかさが口に広がります。美味しいですね。




次に暖かい抹茶と砂糖菓子。
美しいエメラルドグリーンの大変飲みやすい抹茶、砂糖菓子とすごく合います。




サラダはアボガドサラダ。






ヨーグルト、オリーブオイル、藻塩で頂きました。
トマトソースも美味しかったけど、この組み合わせが最高だった。オリーブオイルはちょっと青い感じがいいですね。
色々なドレッシングがあってすごい豪華に見える。




次にパンが出てきた。
デカイ、ほぼ一斤きた。こんがりと外側はトーストされていて、中身はしっとり。
このサイズが一番綺麗に焼けるという。
シナモンのかかったバニラアイスとバターと共にいただく。


大きいパンと格闘していると、ついに肉料理の準備が始まった。



ビーフステーキ用の熟成醤油 萬代
奥出雲のポン酢 園右衛門



生山葵



淡路島の藻塩


期待感が盛り上がってきます。
そしてこの組み合わせならやはりご飯にしておけば良かったと若干の後悔を感じてきた。



■島根牛 シャトーブリアン(80g)(★★★★+)


焼き加減はお任せで。ミディアムレア。
絶妙な柔らかさ、肉質の絶妙の目のきめ細やかさ、和牛の芳醇な牛肉の風味と脂の品のある甘み。


ナイフに殆ど引っかかりがない。
フィレ肉としてはリッチな感じ。当然過剰な脂っぽさはなく、かといって淡白な訳ではなく、品のあるサシといった感じ。甘い。 下にガーリックを引いていて香ばしい。
既に素で美味しいから、調味料を使うのにかなり抵抗がある。しかし発展がないので、まずは確実に合いそうな藻塩から。
藻塩。脂の甘みと旨みがものすごい引き立ってくる。特に甘み。素晴らしい。
醤油。スプーンで少しだけ垂らす。更に発展し、甘みと旨みが引き立ちながら発酵の芳醇な香りが鼻に抜ける。
ポン酢。脂分の甘さを抑えながら、旨みの方が引き立ってくる。
山葵。脂の甘みと山葵の辛さのバランス感。複雑さをより助長し爽やかな後味を残してくる。
脂の強い部分は塩か醤油。旨みの強い部分はポン酢と使い分ける。80gだが、かなり食べ応えがある印象。


大変美味しかった...
コーヒーを飲んで退店したが、とても満足感に包まれた。
価格は本当に内容を考えると激安...

メニュー構成がサラダ、パン、お茶と、パッと見普通だなぁ、さすがにシャトーブリアン高いなぁ、と思うんですが、実際出てくるとサラダ然り、パン然り、お茶然り、かなり豪華なものが出てくるので面食らいます。
諸々含めると割とコース料理の様な感じ。よってお得な感じです。

また行きたいですが、この価格で食べるのは気の毒で...
大変申し訳ない気分になってきます。
客視点で言うと大変嬉しい限りです。


住所: 東京都中央区銀座4-10-1 銀座AZAビル 6F
店名: びふてき 松江
電話番号: 03-3545-5678
営業時間:
Lunch11:00~、Dinner17:00~

Restaurant La FinS(レストラン ラ フィネス: 汐留)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
今まで行きたかったけど行けなかったお店シリーズ~!
本日はラ フィネスです。

会社からそこそこ近いので、行くチャンスはいくらでもあったのですが、1名だとなかなか予約取れないんですよね。(2回ほど予約したのですが、断られました)
お客さんを絞ってはいるみたいなので、かなり事前から予約したほうがいいかもしれないですね。
確かにあのスタッフの少なさだと回しきれないのかも...

そんな感じで、2名で予約したら、それはすんなりと予約取れました。



新橋駅からほど近くのマッカーサー道路沿いにあります。



内装はテナントの地下でありながら相当こだわっている感じです。直線と大きなカーブの曲線で構成された内装。



超おしゃれ。



シェフは杉本 敬三氏。
「誰か師事するシェフもなく、有名店のレシピを持つこともなく、ただ私がおいしいと思ったものを、自分がおいしいと思う状態に仕上げる。」というAutodidact(独学者)。
ボンラ ブルール(シュノンソー)、ブデュモンド(フランス)、レストランローリーヴァン(リモージュ)、レストラン・シュナンブール(フランス)等を経て現職。
2013 RED EGG グランプリ。


皿は全てカマチ陶芸の有田焼。カトラリーやワイングラスに至るまで全てこだわって選んでいる事がヒシヒシと伝わってきます。



まずはシャンパーニュ。
シャンパーニュはフィリポナのロワイエ レゼルヴ ブリュット NV。



◾︎フィンガーフード


イタリアンパセリやディルをまぶしたキングサーモンと、ニンニク、レモン、米油で味付けした丹波シメジ。
シャンパーニュによく合う多少爽やかなパセリの風味と塩気の強いサーモン。ツルッとした酸味のあるシメジ。


◾︎アミューズ「白魚」(★★★)


宍道湖の白魚と沖縄産茶豆、千葉県いすみ市産そら豆、広島産ジュンサイ、白魚の出汁と昆布と鳥のコンソメのジュレ、柚子のジュース。熊本県産青海苔。
まず白魚がかなり大きいですね、3cmくらいはあるかも。
青海苔の香りがかなり豊かで、冷製ながらかなり香りが立ってくる。
白魚、茶豆や空豆、プリプリとしたジュンサイなどの異なる食感が楽しい。
柚子の爽やかさや出汁の深い旨みを感じるジュレと白魚のほのかな苦み、春らしいソラマメの風味が感じられる。



◾︎アントレ「岩牡蠣」(★★★+)


ポシェした半育成の熊本県天草産岩牡蠣に天草大王のエキスで1日含ませたもの。シャテルドンとフルール ド セルの妄想海水ジュレ、京都産賀茂茄子、アスパラガスソバージュ、紫蘇の花。
面白い発想の岩牡蠣。ミネラルの強いシャテルドンと最高級の塩 フルール ド セルで擬似的な海水を作りジェルに。
鳥エキスを染み込ませた岩牡蠣。クリーミーながらしっかりとした食感の旨みのある牡蠣で、妄想海水ジュレと酸味の強い玉ねぎのマリネがフレッシュさを想起させる。
オリーブオイルがクリーミーで滑らかな牡蠣とよく合います。ふくよかな賀茂茄子、食感豊かなアスパラガスソバージュ、ポリポリした紫蘇の葉とアロマティックな感じもとてもいい感じ。


◾︎パン「バケットと桜風味バター」(★)


バターはクリームチーズ系の味わいで、桜の葉の塩漬けの塩気と華やかな風味。1回しか出てこなかった...寂しい。



◾︎アントレ「フォアグラ」(★★★★)


コンソメで低温で調理したアンチエのフォアグラ。初物ゴールドラッシュのピューレ、パンデピス、ペラベッカ(ドライフルーツのパン)を添えている。
バターの様に濃厚でしっとりとしたフォアグラ、ほのかな塩気を帯びたフォアグラに、ゴールドラッシュの穀物的な甘さとふくよかさ、ペラベッカのフィグの酸味やスパイシーな甘さが綺麗に繋がっていく。ほのかにブランデーを思わせるアルコール感がある。やっぱりフォアグラにはものすごく甘い要素が合う。フォアグラだけど軽く仕上げられている。美味!



◾︎ポワソン「平目」(★★★★+)


南仏風の魚料理。
ヒラメと魚とオマール海老のブイヤベースソース、ブラータチーズ、食材を別々にソテーしトマトソースと和えたラタトゥイユ。バジルオイルとサフラン。
うわああああ!超いいよお...ものすごく好みだよぉ///
というラタトゥイユとソース ド ポワソンという物凄い好みの組み合わせ。スープ ド ポワソンのスパイシーで磯の香ばしい香りがそもそも最高だし、再構築をしたというラタトゥイユの酸味とトマトのコクのある旨味、そしてバジルの風味がイタリアンを思わせて最高。
やや火入れがしっかりとなされた白身の平目と強い味のソースやラタトゥイユとよく合う。ブラータチーズもまろやかで、ちょっとしたピザの様な感じ。最高。


◾︎ヴィヤンド「東京軍鶏」(★★★★+)


メインは東京軍鶏。なんでも国からの補助金で3倍の開発予算で3分の1の金額で市場に流れてるそう。
東京都産軍鶏の胸肉ロースト、フレッシュのジロール茸、ベーコン、鶏肉エキスとニンニクのクリームソース。
かなりしっかりとした肉質で強い旨味がある東京シャモ。皮は硬いが、その分味が濃密。胸肉自体はしっとりと滑らかに仕上げられている。軍鶏自体の味が濃いから、比較的ソースも強め。煮詰めたクリームソースは滑らかで別途ソテーした塩気の強いベーコン、ジロール茸の香ばしさがある。濃厚なカルボナーラっぽい。
味わいがはっきりしててかなり美味です。



◾︎プレデセール「チョコレート」(★★★)


フォレノワール風のチョコレートパフェ。
底にはサクサクのパイとプラリネチョコレート、エスプレッソを染み込ませたチョコレートスポンジケーキ、サクランボのリキュール漬け、グランクリュ ジバラ(ホワイトチョコ)のムース、キャラメルソース。
ジバラのムースにチョコレートパウダーをかけた奴がとても美味!ふわふわしててプレーンな味わいでありながら、プラリネ風味のナッツ風味も香ばしく、エスプレッソのコーヒー風味もハッキリと感じられる。
グリオットもリキュールでアタック感あるけど、さわやかな酸味があって引き締まっている。



◾︎グランデセール「ブルーベリー」(★★★+)


モワァ....


おおおお....


液体窒素のフランボワーズアイス。
千葉県いすみ市産ブルーベリー、京都府産無農薬薔薇、ライチで作ったわらび餅、サブレブルトン、タヒチ産バニラアイス。



最後にDRC フィーヌ ド ブルゴーニュ 1979(超豪華!)をスプレーします。ものすごいクリームブリュレ的というかカラメル的というか、そういった非常に甘露でふくよかな香りが広がります。ああ...甘美。
バニラ風味の強いアイスが基軸になって、薔薇の華やかさやクランベリー、ブルーベリー、ライチのの爽やかさが良いですね。わらび餅も食感が楽しい。そして甘露なフィーヌの香りも官能的。
全体的に香りと味わい、両方とも楽しめるデセールでした。



◼︎ミニャルディーズ「チョコレートとココナッツチップ」



そんな感じでした。
なんというか、最高です。
味も美味しかったんですが、こう、料理のスタイルが縦横無尽というか、ベースはフレンチに置きながら、クラシックにも寄らず、モダンにも寄らず、しかして先達のレシピをコピーした様なものでもなく...あまり見たことのない取り合わせの料理が非常に多いと思います。
フレンチに慣れている人ほど、独創的だと感じるかもしれません。
シェフがわざわざどの席にも説明しに来てくれるあたり、レシピには相当なこだわりがあって、皿から熱量が感じられるんですよね。

個人的には平目とフォアグラがとても美味しかったです。
会社から近いのでまた行きたいです。


住所: 東京都港区新橋4-9-1新橋プラザビルB1
店名: Restaurant La FinS(レストラン ラ フィネス)
電話番号: 03-6721-5484
営業時間:
ディナー
18:00―24:00
L.O.19時30分
ランチ(土曜のみ)
12:00―16:00
L.O.13時

【ドイツ:9】ライヒスラートが作る至高のトロッケンベーレンアウスレーゼ

こんにちは、HKOです。
本日はドイツのライヒスラートのトロッケンベーレンアウスレーゼです。
ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼは生産量が少ない事もあり値段が高く、なかなか飲む機会が訪れないのですが運良く飲む機会が訪れたのでレポートします。

【データ】
ライヒスラート フォン ブール醸造所(長い)はドイツで最も温暖であるファルツ地方に拠点を置く150年の歴史を持つ生産者で、バッサーマン ヨルダン、ビュルクリン ヴォルフと共に3本の指に数えられます。
オーナーはアシム ニーダーベルガー氏、栽培責任者 ヴェルナー セバスチャン氏、そして醸造責任者ミヒャエル ライプレヒト氏が担当しています。
畑面積は60ha。年間栽培量は55万本。平均収量は45hl/ha。
フォルスター イェズイーテンガルテン、キルヘンシュトック、イエズイーテンガルテンそしてウンゲホイヤーなど、この地区で最高の畑を保有。土壌は主に砂質粘土質、風化石灰岩、玄武岩で構成。
その栽培はすべて殺虫剤、除草剤などの農薬を使わない有機農法を採用。ブドウは収量を落とし、入念に手入れされます。
発酵熟成はステンレスタンク。一部グローセス ゲヴェクスは木製の大樽使用する。
今回のキュヴェはフォルスター ウンゲホイヤーの畑から粒選りした葡萄の中でも、特に濃縮度の強い貴腐果実だけを選び抜いた最高峰のトロッケンベーレンアウスレーゼ。


【テイスティングコメント】
生産者: ライヒスラート フォン ブール
銘柄: フォルスター ウンゲホイヤー リースリング トロッケンベーレンアウスレーゼ 2001
品種: リースリング100%


約60000円(ハーフ)
外観は濃い黄金色、粘性は非常に高い。
驚嘆に値する物凄いワインで、香りの立体感、凝縮感が半端なく強い。迫ってくる様なワイン。
干したアプリコットの様な甘露さと旨味が凝縮した様なニュアンス。そこにカマンベールチーズの様なまろやかさや梅干しの様な旨味、檜や濡れた木材、枯れ葉の様な要素。
これは熟成感かもしれないが、全体感から見れば非常に若々しい。ごく僅かにペトロール香。
ドライハーブや様々なドライフルーツ。いずれの要素も明確に、鮮明に香りに現れていて、それらが力強く立ち上がってくる。強烈。
しっかりとした酸はあるが、やはり甘露さが突出。煮詰めた砂糖液、そこにバランスよく酸味や木材、白カビを思わせる複雑な風合いが彩りを与えてくる。
永遠にも思える余韻。素晴らしい。



【所感】
やはりトロッケンベーレンアウスレーゼは素晴らしい!
世界的に見れば極端に有名な生産者でないものの、2001年と少し熟成したタイミングでこのクラスを飲めたのは最高という他ない。
まず香りからして濃密度が違う、まるでドライアプリコットやマーマレードを思わせるほど良い酸味を包含する香りが明確に立ってくる。そして熟成起因のカマンベールや濡れた木材、枯れ葉、ペトロール香の様なニュアンスがほのかに混じってきます。とにかく香りが鮮明で強い。
そもそも粘性も当然ながら半端ないし、液体の凝縮度が段違いに高い。糖度も高い。
それでいてしっかりとした酸があるからすごくバランスよく飲める。素晴らしい。決してソーテルヌに劣らない作り。貴腐的な香りもあって非常に複雑でとてもクオリティが高い。余韻も長く複雑。
申し分ないトロッケンベーレンアウスレーゼだと思います。
なかなか飲めるような価格帯のものではないですが是非再び飲みたい一品です。




【ドイツ:8】エゴン ミュラー 2014 シャルツホーフベルガー水平



こんにちは、HKOです。
本日はエゴン ミュラーのシャルツホーフベルガーの水平です。
エゴンミュラーはドイツ最高峰の生産者でありますが、幸運にもアウスレーゼまでではありますが、水平する機会に恵まれました。
特にアウスレーゼはゴールドカプセル程ではないにせよ、手に入りにくい一品で大変楽しみにしておりました。


【データ】
エゴン ミュラーはオルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルガーの最大所有者であり、モーゼル最上の生産者。
現当主のエゴン4世は、ガイゼンハイムワイン醸造大学で学んだあと、 フランス、アメリカで醸造技術を学び、2001年より自らワイン畑に立ち、指揮を取っています。
虎の子のシャルツホーフベルガーは標高170-320mに位置する気温が低いスレート質土壌が非常に強い土壌を保有。植わっているリースリングの樹齢は100年以上。
収穫は手摘みで1haあたり6000l以下です。発酵はステンレスタンクか大樽で天然酵母を使い発酵。
保有畑はシャルツホーフベルガー以外ではヴィルティンゲンやザールブルク、オックフェンなど複数の畑を所有。
今回はシャルツホーフベルガーの水平で、通常の収穫期に収穫された完熟ぶどうを使用したカビネット、最低1週間以上レイトハーベストされたぶどうを使用、オーク古樽で発酵、熟成したシュペトレーゼ。最後はゴールドカプセルの選定から外れてしまった貴腐葡萄を使用したアウスレーゼの3種類。この上にアイスヴァイン、アウスレーゼ ゴールドカプセル、トロッケンベーレンアウスレーゼがあります。
トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)はまさに恐ろしい金額で...なんというか飲む機会あんのかな...という感じです。


【テイスティングコメント】
生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング カビネット 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性は中庸。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は9%。
豊かなミネラル感。
樹脂の様なペトロール、クリアかつピュアなライチやマスカット、洋梨の果実感を感じられる香りで、樽のニュアンスは希薄に感じられる。この中では香りは控えめ。
徐々にペトロール香が発展、クレソンの様な香りが伴い始める。糖度が低いのもあるかもしれないが、香りの甘みも控えめ。白い花やフレッシュハーブ、イーストの様な要素が現れる。
大変心地よい酸、旨味、甘みのバランスで旨味と甘味にほのかな酸が余韻を残す。ダシ粉の様な強い旨味成分とほのかな甘みがあり、フレッシュなマスカット、花やネクタリンの様な余韻がある。


生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング シュペトレーゼ 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性はやや強い。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は8.5%。ヴァンダンジュ タルティヴ。
石の様なミネラル感。
香りに凝縮感や集中度が見え始め、香りの輪郭や強さが鮮明になっている。クリアなライチやマスカット、洋梨の果実味を中心としながら、ハチミツの様な風味を伴う。ペトロール香はより控えめに感じられる。
重さを感じるアウスレーゼと比べると軽やかで、香りも開放的な雰囲気がある。クコの実、白い花、フレッシュハーブの様なニュアンス。徐々に白桃のニュアンスに発展。
糖度は確かに上がっているものの、酸はよりシャープになり旨味も増している。カビネットのバランス感にも驚かされるが、シュペトレーゼも同様に非常にバランスが良い。
パイナップルやシトラスを思わせる清涼感のある余韻と白桃を思わせる甘さ、ダシ粉の旨味が一体化してふくよかに広がっていく。


生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング アウスレーゼ 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性は中庸。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は8%。グランノーブル。
シュペトレーゼをより発展させたもので、主軸の要素は同じくそう変わらないが、香りの密度はより高く、輪郭はより鮮明になっている。
ライチやマスカット、洋梨の香りに糖蜜やハチミツなどの甘い香りと大根の様な複雑味が伴う。ペトロール香はシュペトレーゼ同等に控えめ。ジャスミンの花の様な香りもある。
他にもクレソンや蜜蝋やヨード香が感じられる。フレッシュな果実味は黄桃のコンポートに発展。甘味にピュアさと洗練さが同居する。
複雑であると共に液体の重量感が極めて重い。
シュペトレーゼより更に糖度が上がる。多少甘味に寄りながらも充実した酸と旨味があり、こちらも非常に良いバランス感覚。舌触りは滑らかなのに後を追う旨味と甘味、更にややシャープな酸が余韻を引き締める。


【所感】
目下の最新ヴィンテージです。
まず外観。カビネットからアウスレーゼまで並べるとこれまた綺麗に気泡の違いが明確です。カビネットは気泡が多く、対してアウスレーゼはほぼありません。2016年にリリースされるヴィンテージが2014年と比較的早く蔵出しされている事がわかります。
糖度を残したアウスレーゼ(8%)は気泡が少なく、アルコール度数がシュペトレーゼ(8.5%)やアウスレーゼ(8%)より若干高いカビネット(9%)は気泡が結構目立ちます。
貴腐のアウスレーゼや遅摘みのシュペトレーゼより低い糖度にもかかわらず、アルコール度数が高い事を考慮すると、糖→アルコールの発酵が先述の2本より進み、発泡しているのではないかと推測してます。
目で見えるはっきりした違いですね。
共通点としてはいずれも(いわゆる辛口リースリングで目立つ)ペトロール香はかなり控えめで、樽をあまり感じさせない、クリアかつピュアな果実味が前面に出ています。
マロラクティック発酵も多分してないと思います。
緊張感のあるミネラル感も同じく存在していて、基本的には果実そのものの味わいを非常に強く感じられるものとなっています。
それぞれの違いも非常にわかりやすかったです。
まず粘性。これはいずれも通常の辛口スティルワインと比較すると高いと思いますが、カビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼと順を追って粘性が高くなっています。当然ながら糖度も同じ様に推移していっている為、舌に残る甘さも順当に高くなっていきます。
ただここがかなり良いポイントだと思うのですが、ものすごくしっかりと酸がある。甘さが向上するとともに酸も強まっていき、液体としてベタついた、重苦しい甘さを感じる事はありません。シャープな酸によって清涼感すら感じます。各々の糖度に合わせて、酸で骨格のバランスを取っている印象を非常に強く受けました。
とにかく液体のバランスがどれも素晴らしい。
特にアウスレーゼの蕩けるような甘さと引き締めるシャープな酸と旨味は高次元で絶妙なバランスを取っていて、素晴らしいと感じました。匠の技ですね。
香りとしては先述のようにどれもペトロール香は希薄ですが、やはりカビネットが一番強く表出していたと思います。対してアウスレーゼやシュペトレーゼはかなりその点控えめに感じられます。
フォキシーとまではいきませんが、かなり生のブドウに近い形の香りがあり、ライチのようなオリエンタルな雰囲気と、マスカットを思わせるフレッシュさが同居しています。アウスレーゼに至るとコンポートのような蜜の香りが豊かに感じられますね。フレッシュさはやはりグレードが上がると多少は落ちていき、その分複雑さや(香りの)甘露さが上がっていっています。
香りのテクスチャーや解像度は明らかにカビネットからアウスレーゼにかけてはっきりとしていきます。
グレードの高いアウスレーゼなどは輪郭がはっきりしていて、各々の要素を明確に感じられるようになります。様々な要素がわかりやすく際立っている状態というか、そんな感じです。香りも非常に強く、カビネットで少しぼんやりと感じられた部分は、アウスレーゼに至っては霧が晴れたようにハッキリと明確になっています。大変要素が掴みやすい。
よって、ただ糖度が高いだけではなく、高いなりに酸やミネラルがバランスをとり、香りの鮮明さ、強さにおいても下級のカビネットと比較すると明らかにハッキリと強く表れています。まさに上位互換といった感じ。
糖度の違いだけではなく、内包する要素も異なり、いわゆる糖度だけが軸の格付けワインとは一線を画している印象。アウスレーゼはアウスレーゼなりの複雑さや風格が間違いなくあります。
なお、殆どシュペトレーゼには言及していませんが、全てに置いてカビネットとアウスレーゼの中間に位置する形となっており、どちらかというとアウスレーゼに近く、価格的にもお買い得だと思います。
これを見ると貴腐化したものは少し黄桃の香りが強いように感じました。
この手の水平は殆どないので、大変勉強になりますね。
参考になりました。






【シャンパーニュ:69】偉大な2つのキュヴェ。シャルドネ単一の頂点 クロ デュ メニル、揺るぎない安定感のペルル ダヤラ

こんにちは、HKOです。
本日は....なんと遂にクロ デュ メニルの登場です!
ワインを飲み始めて苦節ン年、遂に飲む機会がやってまいりました!うおおおおーーーーー!!!!
相当期待に胸を膨らましてたんですが、このガン上がりした期待値に添える事は出来るんでしょうか、クリュッグさん!
あと地味にペルル アヤラもあります。
アヤラの傑作キュヴェがこの扱い...すごい...


【データ】
アヤラは1860年にアイとマレイユ シュール アイに設立された小規模ネゴシアンマニピュラン。英国王室とスペイン王室御用達で、現在はボランジェの傘下にあります。ボルドーではメドック3級のラ ラギューンを保有。醸造責任者はカトリーヌ ラヴリル。繊細電車遅延で緻密な作りはオートクチュールのシャンパーニュとも。
30haの自社畑のほとんどはグランクリュで全生産量の20%となります。購入するぶどうに関してもグランクリュかプルミエクリュのものを購入しています。年間生産量は約90万本。今回のペルル ダヤラはアヤラ社最高のキュヴェ。地元アイのピノノワールを20%を、シュイィとメニル、クラマン等のシャルドネを80%使用している。
瓶詰め後6年間の瓶内熟成を経てノンドサージュでリリースされる単一年のキュヴェ。

クリュッグは1843年にヨーゼフ クリュッグによって設立されたランスに拠点を置く大手NM。ご存知の通り多くのファンを抱えるシャンパーニュにおける最上級メゾンで、彼らのスタンダードキュヴェである「グランキュヴェ」ですら他メゾンのフラッグシップ級にすら匹敵する品質を誇っています。現在はMHLV傘下。
圧搾機で絞られたヴァン ド キュヴェのみを20-30年使用した古い小樽でマセラシオン(新樽は使わない!)。マロラクティック発酵は行わない。そして、クリュッグの本懐であるブレンド作業に入ります。3つの葡萄品種を村、区画ごとに分けたベースワインに、収穫年の異なるリザーブワインをアッセンブラージュしていきます。熟練のブレンダーが舌だけを頼りに。瓶内二次発酵後グランキュヴェは6年間、ヴィンテージは10年寝かせての出荷。これらの要素が欠ける事無く行われる事で芸術的なクリュッグが作られる。フラッグシップはブラン ド ブランの「クロ デュ メニル」、ブラン ド ノワールの「クロ ダンポネ」の2種類ですが、まあ高すぎて中々手に入らない代物です。
今回はメニル シュール オジェの単一区画「クロ デュ メニル」のシャルドネ100%使用したクリュッグ最高峰のブラン ド ブラン。栽培面積は1.8ha。生産本数は12000本程度。



【テイスティングコメント】
生産者:アヤラ
銘柄: キュヴェ ペルル ダヤラ 2005
品種: シャルドネ80%、ピノノワール20%

WA86pt(2002)
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。フレッシュかつドライなフルーツの果実と華やかさが感じ取れる。
しっかりとしたミネラル感が感じられる
青リンゴやシトラスの様な強靭な酸を感じる果実味に、生栗やトーストなどの要素が主体となるが、徐々にオレンジなどのやや太めの酸を想起させる様な香りを表出させる。
ローストナッツ、無塩バター、百合の様な華やかさがあり、フレッシュハーブなどの要素が現れる。
どんどん核種系の果実味が現れる、赤リンゴの様な蜜の様な旨味の感じさせる果実味。バターの要素も目立ってくる。
酸味は旨味とのバランスが良くフレッシュでリンゴの強い旨味。オレンジなどの厚みのある酸がよく調和していく。
余韻に少しバター、フレッシュハーブの要素が混じる。


生産者: クリュッグ
銘柄: クロ デュ メニル ブラン ド ブラン 2003
品種: シャルドネ100%

WA95pt(2000)
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
ピュアなブラン ド ブランらしい繊細さながら、極めて凝縮感と香りが強く、旨味に寄らない力強さを包含している。非常にトースティーで豊かな樽香、焦げ香が極めて特徴的。
モカやカフェオレの様な香ばしい香りと共に、充実した蜜やシロップの様な濃密かつピュアな甘やかさ。強いブリオッシュの要素。ほのかに青リンゴの様なフレッシュさが香る。バニラ、焦がしバター、フレッシュハーブの様な要素。徐々にカラメルの様な香りに遷移し、そしてカスタードや赤リンゴの熟した味わいに遷移していく。
グリセリン感や重みはなく、軽やかでありながら赤リンゴの様な強靭な旨味、繊細な酸が口の中に広がっていく。
酸化的ではないクリアなクリュッグ。リンゴや花梨を思わせる華やかで厚みを感じさせる余韻。酸が細いので不思議な感じだ。


【所感】
という訳で、まずは前座...のペルル ダヤラから。
辛口でフレッシュな果実味が魅力的なシャンパーニュです。リッチというよりソリッドでシャープネス。そしてミネラリーです。
そこにトーストや栗、ナッツの様な香ばしい風味が感じられる。塩気には至らないが、ピリッとした緊張感のある感じ。徐々にバターや赤リンゴの蜜の様な酸と甘みが混じった様なピュアな香りが出てきます。
醸造の要素ははっきりあるものの、根本は辛口でシャープな切れ味の鋭いシャンパーニュだと思います。 引き締まっていて熟成ポテンシャルを明確に感じるもので、冷淡な感じがあります。

お次はメインのクロ デュ メニル。
一瞬で理解出来る別格感。
従来のクリュッグを思わせる酸化感はどこへやら、ブラン ド ブランのフレッシュなピュアさと共に、強靭な果実の凝縮感と蜜の強い香り、それに劣らない非常にトースティーで香ばしいブリオッシュやモカを思わせる樽の香りが立ち上がってくる。この部分はやや強すぎ、と言っていい位目立っていて、それでいて決して果実味が負けておらず、複雑なハーモニーを奏でている。ピノの様な厚い酸や旨味が前面に出ている訳ではないが、明らかに力強い体躯を持つシャルドネ、という事は間違いない。
今まで飲んだブラン ド ブランの中では間違いなく最高。
ノワールだとクロ サン ティレールがあるか、ブランでここまで凄まじいのは正直飲んだことないです。素晴らしい体験でした...
しかしながら片一方で、このシャンパーニュ、とても進化の伸び代を残しています。当然ですが、熟成による複雑さ、酸の熟れ感がまだ出ていないので、未完成の一品である事は間違いありません。
これがあと10年程度保持すると途轍もない代物になるのかなと。
現段階だと、この素晴らしいブラン ド ブランに対して10万程度投資するかは微妙なところで、熟成したものを買い上げる方が良いかとも思います。あるいは10万で熟成した...例えば80年代のクリスタルやドン ペリニヨンなどの旗艦銘柄のバックヴィンテージを飲む方が、現段階では幸せになれるかも。
ただ得難い経験である事は間違いありません。

クリュッグ クロ デュ メニル [2003] 750ml
価格:100440円(税込、送料別)




【シャンパーニュ:68】エグリ ウーリエ ミレジメ 2005の癒し、実力派クリストフ ミニョンのスタンダードキュヴェ

こんにちは、HKOです。
本日は先日に引き続きシャンパーニュです。
ユリスコランに引き続きレコルタンマニピュラン、クリストフミニョンとエグリウーリエです。


【データ】
クリストフ ミニョン氏はマルヌ渓谷の中央部南側フェスタニーに6haの自社畑を所有するレコルタン マニピュラン。作るキュヴェの殆どがピノムニエ100%あるいは主体とするムニエのパイオニアとも言える生産者です。
栽培はビオディナミ。収穫後一回4,000kgのブーファ型搾汁機で軽く絞り、キュヴェのみを使用。畑ごとに醸造できるサイズの異なるステンレスタンクで一次発酵を実施。26カ月熟成し、手作業でルミアージュ。出荷が確定してからデコルジュマンを実施します。エクストラブリュットのドサージュは3g/l。トロワジェームでも7g/l程度。
今回はピノムニエ50%、シャルドネ50%のトロワジェム ミレネール。
平均樹齢は30年、手摘み収穫された平均樹齢32年のシャルドネとピノムニエは空圧式搾汁機で圧搾。キュヴェのみ使用し、リザーブワインを50%使い瓶内で平均36~40ヶ月熟成。ドサージュは7gのみ。

エグリ ウーリエはアンボネイ村に拠点を置くRM。まさにスターとも言える生産者。現在はフランシス エグリが指揮を取っている。農薬は使用せず、有機肥料を用いて手作業ですべての畑の手入れを行い、完熟した葡萄を収穫します。
醸造後はドミニクローラン指導の新樽発酵。標準的には46ヶ月の新瓶内熟成、ドサージュは僅か3~4.5g/lです。
フラッグシップはブラン ド ノワール レ クレイエール、グランクリュ ミレジム、VP。今回は事実上のフラッグシップの一つ、ミレジムです。
100%アンボネイのピノノワールとシャルドネを使用し、96ヶ月の熟成を経てリリースされます。マロラクティック発酵は行わない。


【テイスティングコメント】
生産者: クリストフ ミニョン
銘柄: トロワジェム ミレネール NV
品種: ピノムニエ50%、シャルドネ50%

少なくとも2010年以前に瓶詰めされたもの。
外観はやや中庸なイエローで粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
全体的にフレッシュでミネラル感が溢れた作りで、ピノノワール感のある作り。
かなり強めのミネラル感があり、石を砕いた様な香りが感じられる。プロセスチーズや香ばしいナッツ。
レモンやオレンジを思わせる爽やかな柑橘のニュアンス、フレッシュハーブの様な全体的に清涼感を感じさせるフレッシュな香りがある。ジャスミンの花の様な白い花。時折リンゴを思わせる厚い旨味の層がある。
酸は滑らかで甘みがあり、柔らかい。
熟した柑橘の余韻があり爽やかでありながら旨味に満ちた味わいを感じられる。


生産者: エグリ ウーリエ
銘柄: グランクリュ ブリュット ミレジム 2005
品種: ピノノワール70%、シャルドネ30%

WA94pt(2000)
外観はやや濃いめのイエローで粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
クリーミーで糖蜜の様な甘露さがありながら、濃密な旨味が感じられる。砕いた石のようなミネラル感。
焼きたてのトーストやバター、白檀。甘露な白桃のコンポート、赤リンゴの様なやや強めの旨味が表出した果実味、
徐々に塩気を帯びた風味が現れてくる。フレッシュハーブなどの香りが感じられる。徐々にハチミツやドライフルーツを帯びた香りが立ち上がってくる。
酸はしなやかで、あまりエッジの効いたキツさはなくシャルドネ系の厚みがある酸というより繊細な酸といった感じ。余韻は柑橘や熟した赤リンゴを思わせる甘みを感じさせるもの。余韻は長く心地よい。



【所感】
ラベル ダッサっっ!!

僕が今まで見たエチケットの中でトップクラスにダサい!
今は変わってるそうですが、これ今まで売ってたの...?
何故!ポップな字体とクラシックな字体を混ぜる!
紫と金ってどないな組み合わせだよ!
あと紫にオレンジって目が痛いんだよ!!!

液体以外のことで6行も費やしてしまいました。
大変失礼しました。

まずはクリストフ ミニョンから。
ピノムニエが強い生産者って事で、このキュヴェもピノムニエとシャルドネ半々くらいの比率となっています。
全体的にフレッシュな作りのシャンパーニュで、かつ石を砕いた様なミネラル感がしっかりと感じられます。
並行してプロセスチーズやナッツのニュアンスも。比較的ドライで果実味も柑橘を思わせるもの。ただムニエの比率が高いというのもあり、厚みのある酸や旨みがあります。
ジャスミンの花の様なほのかに甘い香りも漂います。
ラベルの個性とは裏腹に、確かにある種特徴的なミネラル感がありますが、フレッシュで綺麗にまとまったシャンパンだと思います。多少熟成を帯びているのか、プロセスチーズのニュアンスがあるのも面白いですね。
華やかなシャンパーニュです。

次にエグリ ウーリエ。
相変わらず素晴らしいシャンパーニュです。
豊かなボリューム感があり、厚い旨みの層と果実味、クリーミーな要素が感じられる作り。こちらも熟成を経たピノの旨みみたいなのがとても強く感じられますね。
この塩気、厚みがあってとてもいいです。
トーストやバター、核種系果実のコンポート、赤りんごの様な酸味の層の厚さ。これだけでもいかにクリーミーで、果実味に満ちていて、酸の厚みを想像できるのでは無いでしょうか。そこに熟成起因の蜂蜜やドライフルーツの要素なんかもあって、複雑さもしっかりとあります。
いいです、かなり。
ただ、あまりにも手堅くよく出来ているからか、あまり印象に残んないんすよね。
メチャクチャいいシャンパーニュである事は疑いようが無いんですが。でもよくよく考えればほとんどのシャンパーニュそんな感じですね。酸化や還元状態、樽やMLFが極端にかかってるものは印象には残りやすいんですけどね。
こう超優等生って感じでしょうか。
ただマジで超いいシャンパーニュなのでお勧めではあります。
みんな買いましょう。





【シャンパーニュ:67】ユリス コラン 貴重なブラン ド ブラン、ブラン ド ノワールのフラッグシップを利く


こんにちは、HKOです。
本日はユリスコラン2種類のテイスティングです。
貴重なユリスコランで水平はなかなか機会がなく...大変良い経験をしたなぁ、と。
そんな感じで簡単にまとめましたので、参考にとうぞ。

【データ】
ユリス コランは約200年前からコンジィ村に拠点を置く老舗ヴィニュロン。ぶどう栽培を始めたのは1930年代からですが、基本はネゴシアンに販売をしており、その畑を完全に取り戻し本詰めを始めたのは2003年。アンセルムセロスの元で修行を積んだ現当主のオリヴィエコランになってからです。2004年から単一年でのNVシャンパーニュを作り続けています。
作付面積は8.7ha(一部は現在もネゴシアンに販売)。
レ マイヨンはコート デュ セザンヌにあるバルボンヌ ファイエル町のマイヨンという区画で栽培されたピノノワールを100%使っている。セレクションマサル、樹齢40年、東向きの日照条件の良い赤粘土質と石灰土壌の区画。熟成は30-36ヶ月。
レ ロワーズはコンジィ村のレ ロワーズという単一区画で栽培されたシャルドネを100%使用。南向きの柔らかい石灰岩の表層に粘土石灰質の土壌。
収量は大変少なく、葡萄は完熟し(平均12度)。酸と糖を豊富に含みます。熟成は30-36ヶ月。ドサージュ量 は2.4g/L。樹齢60年。
栽培はビオロジック。発酵は野生酵母だけを用い、小樽で発酵、熟成。無清澄無濾過でビン詰めします。ドザージュはほぼゼロ。


【テイスティングコメント】
生産者: ユリス コラン
銘柄: レ ロワーズ ブラン ド ブラン エクストラブリュット NV(2011)
品種: シャルドネ100%

23000円、WA95pt
外観は淡いイエローで粘性は中庸。泡は程よく立ち上っている。
強固なミネラル感と繊細で蜜の様やピュアな甘やかさを感じる。バタークリームを思わせる滑らかさがある。
熟した白桃や黄桃、洋梨の果実味と共にバターやクリームの様なアロマ、果実の蜜の様な繊細な甘みがある。
杏仁豆腐、焼き栗の様なニュアンス。シナモンやブリオッシュ。ピュアな甘露さが感じられる。
酸味は爽やかで、シャープ。しっかりとした旨味。
柑橘系(レモン・オレンジ)やミネラルのオイル感、バターの様な余韻が長く続く。


生産者: ユリス コラン
銘柄: レ マイヨン ブラン ド ノワール エクストラブリュット NV(2011)
品種: ピノノワール100%

23000円、WA95pt
外観はやや赤みを帯びたイエローで粘性は中庸。泡は程よく立ち上っている。
かなり強いミネラル感。明らかに旨味が表出しており摩り下ろしたリンゴ、アプリコットや強い鉄分、そしてナッツの風味が感じさせる。イーストの風味。糖蜜の様な甘露さもあり、香りの厚みを感じさせる。ややシェリーの様な旨味の表出が感じられる。多少オイリーな質感。ドライハーブ、ハチミツなどの要素が感じられる。
酸味は穏やかで、旨味は非常に膨らみがあり、リンゴやアプリコット、ナッツの様な余韻が感じられる。余韻は長く強力な旨味は感じられる。


【所感】
以前ピエリエールを飲んで、その品質の高さには驚嘆したのですが、今回はユリスコランの中でも割当数がかなり少ないロワーズとマイヨン。水平で飲めたのはとてもラッキーでした。
醸造的な部分でいうとこの2本で極端に変えたりはしていないそうです。なので、この違いはほぼ100%品種とテロワール。
もちろん品種が異なるので、違いも大きい、という事は前提に置きつつ、それでもテロワールの影響を感じざるを得ない2本でした。
まずはロワーズ。
いわゆるブラン ド ブランの特徴と強固なミネラル感、酸のシャープさに満ちた1本。
蜜の様なピュアな甘やかなとバタークリームを思わせる滑らかさが主体的で、熟した桃の様な柔らかい果実味があります。比較的樽の影響を強めに感じるかな、といった印象です。ただいわゆる焦がした感じではなく、ブリオッシュ的なMLFと香ばしさが混じった様な感じでしょうか。
ただブラン ド ブランとしては突出した旨味が感じられます。そこはこのキュヴェの個性的な部分かな、と思います。
次にマイヨン。こちらもブラン ド ノワールならでは...というかブラン ド ノワールたらしめる部分が非常に突出している感じでしょうか。いかにもといった感じでデフォルメされている様にも見えます。
強靭で筋肉質な体躯、非常に厚みのある酸、酸味に内包される強い旨味。早熟なピノノワールに適した適度な保湿を維持する粘土質土壌による果実のボリューム感と基岩に起因するミネラル感の強靭さが見られます。摩り下ろしたリンゴやアプリコット。小樽に起因するナッツの香り。
ほのかに感じる長期熟成に起因する塩気を感じる要素。
オイリーで酸による強い骨格を維持している。
BdBも旨味の層は厚かったですが、流石にBdNは強烈です。力強いです。

おなじ醸造で作られた品種違い、テロワール違いのワインですが、こう色からして明らかな違いが見られるのが面白いですね。未だにブラインドではセパージュ比率を間違える時は多々あるのですが、今回で結構勉強になりましたね。





L’Auberge De L'Iill Tokyo(オーベルジュ ド リル トーキョー: 西麻布)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
母の誕生日+母の日+妻の誕生日の食事会でオーベルジュ ド リルに行ってきました。




西麻布の細い路地に不釣り合いな白亜の一軒家レストラン。




絵画や彫刻などの調度品が、とても瀟洒な雰囲気を醸し出しています。


ちなみに1Fがオープンなフロア、2Fが子連れ向けの小部屋、あと完全個室があります。
※ちなみに今回は2Fの小部屋でテーブル席が3席ありました。もう1組子連れがいました。


まずは食前の飲み物から。
シャンパーニュを頼む時は珍しいものがあった時だけ。
平常運行は最近はBierre Japonです。
今回はドゥラモット...ですが「ひらまつ」の別注品。


生産者: ドゥラモット
銘柄: セレクショネ プール ひらまつ ブラン ド ブラン NV


ソムリエの説明どおり、従来のドゥラモットと比較するとシャープでドライな作り。シトラスやレモンなどの柑橘の果実味、わずかなMLFの要素。ちゃんとしたテイスティングコメントはとってません。


食事と合わせやすくする為に、普通のドゥラモット多少作りを変えているとのこと。なるほど....


早速食事前の料理が供出されてきます。


◼︎フィンガーフード「タルトフランベとマドレーヌ」(-)


アルザスの郷土料理とマドレーヌ。子供に食べられてしまいました...致し方無し。


次は前菜です。


◼︎アミューズブーシュ「丹波シメジとキャベツ、生ハムのマリネ」

コリコリっとした歯応えの良い丹波しめじとしっとりとしたキャベツのマリネ。しっかりとした酸味と共に生ハムと塩気と旨味が調和する。


◼︎アントレ「大山鶏のバロティーヌとコンソメジュレ 野菜のジュリエンヌ 胡麻風味のソース ヴィネグレット」(★★)


ほうれん草と大山鶏のしっとりとした胸肉で歯応えの良いハツを包み、濃厚なレバーを甘辛くフリテュールしたものを添えている。ガルニチュールは山芋と胡瓜をジュリエンヌ。胡麻の香ばしく酸味の強いソース。
言わずもがなしっとりとした食感の鶏胸肉とコリコリとしたハツの食感が好対照で面白い。バロティーヌの本体自体はプレーンな味わいだけど、添えられたレバーと胡麻のソースがよく調和する。
山芋や胡麻といった風味が強く、味わいにあまりフレンチの印象を受けない。


次はメインの魚料理なので白を頼みました。


生産者: ドメーヌ J.A フェレ
銘柄: プイィ フュイッセ 2009

ブルゴーニュ南、マコネー地区だけあってふくよかでボリューム感のあるシャルドネ。ミネラルに欠けるが、 よく熟した果実味とバターやクリームの豊かでリッチな香りがとても良いです。酸味もしっかりとあって料理にフィットしやすいワインだと思います。


◼︎メイン「アイナメのポワレ 筍のバリグール風 コリアンダー香るジューのソース」 (★★★)


ふっくらと仕上がったシンプルなアイナメのポワレ。
アイナメと筍の出汁をエミュルションした酸味を感じるソース。火を入れた筍がエスプーマの中に潜んでいる。
火入れの加減が良く、身が硬くなっていない。しっとりとふっくらと仕上がっている。アイナメのエキスとソースが調和しながら酸味で味わいがしっかりと引き締まっている。
美味しいけど、若干メインを張るのには物足りなさを感じる...やはり一つ上のコースにしておけば良かったと悔やむ。


◼︎デセール「<オーベルジュ ド リルのスペシャリテ> ペーシュ エーベルラン」(★★★)


シャンパーニュのサヴァイヨン、ピスタチオのアイスクリーム、底には桃のコンポート。
スペシャリテだけあって普遍的な美味さ。はっきりとしたシャンパーニュの要素を感じるクリームと黄桃の甘み、ピスタチオのナッツの風味がお互いの要素を補うようにしっかりと調和している。さながらシャンパーニュをデセールに再構築しているように感じる。


◼︎デセール「胡桃のガトーとそのエミュルジョン 赤ワインのジュレと共に」(★★)


胡桃のエスプーマとバニラアイスクリーム、サイドには赤ワインのジュレを添えている。
主軸はバニラアイスクリームの要素。ほのかに感じる胡桃の風味。そして個性的な赤ワインのジュレ。
赤ワインのジュレは酸味と共に多くの要素をもたらしている。アニスやコリアンダーの様なスパイシーな要素をデセールに与える。馴染み深いバニラアイスクリームに複雑な要素を感じさせる。


■ミニャルディーズ



全6皿のコースでした。
個人的にデセールはそこまで重要視していないので、やっぱり肉料理が欲しかった。
でもこの価格帯のコースだとこんなものなのかな。
美味しかったですが、びっくりするほどではありません。
でも積極的に和との調和を図っていて料理としては好感が持てるし、何より内装がメチャ豪華なんで、かなりいい雰囲気の中食事できます。


【子連れでのオーベルジュ ド リル】
2Fに通されるので、いわゆるグランドダイニングではありません。要注意。ただしかし2~3歳の子供連れでのレストランはなかなかにストレスが溜まるので、テーブル席3つのロケーション、しかも子供しかいない環境はとても気楽です。
ホラ、子連れってお互い様の共通認識があるから。
仮に騒いでも「まあしょうがないよね、大変だよね」で済む。だからこの配慮は大変助かります。
無論カトラリーと椅子は完備。メートルも慣れたものなので、かなりいい環境で食事はできるのかな、と。

ただし注意しなくてはならないのが、子供向けメニューは事前の予約時に予め伝えておく事が必須のようです。
私はそこを認識してなくて、危うく食いっぱぐれという最悪のシナリオになりかけましたが、パスタセットくらいならいけるみたいです。ワンプレートは事前の注文必須。
ちなみにメニューは下記の通り。


■パスタ「オマール海老とトマトソースのパスタ」


■デセール「バニラアイスクリーム」


豪華だこと!
ただし2皿分なので、大人の6皿分と上手く合わせないと子供が飽きてしまいます。予めオーダー時に供出タイミングを相談しておくと良いでしょう。
あとはバランスを考えながらアミューズや前菜をシェアするのもクレバーだと思います。

サービス料15%+消費税8%の破壊力はなかなかハンパないものがありますが、子連れの大変さを考えると、5%増でストレスがなくなるのであれば、それはありがたい話だなあ、と思いますね。


住所: 東京都港区西麻布1-6-4
店名: L’Auberge De L'Iill Tokyo(オーベルジュ ド リル トーキョー)
電話番号: 03-5785-8880
営業時間:
LUNCH
-11:30~15:30(14:00 L.O.)
DINNER
-17:30~23:00(20:30 L.O.)
定 休 日
-毎週月曜日(祝日の場合は翌日に振替)

Heinzbeck(ハインツベック丸の内:丸の内)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日は丸の内のハインツベックに行ってまいりました。

イタリアのモダンキュイジーヌの先鋒、シェフ ハインツベックが東京で展開するそのもの名前を冠したイノベーティブレストラン、ハインツベック。
シェフのハインツベックは世界で幾つもの星付きレストランを手掛けており、94年に開業したラ ベルゴラは*3を、レ パイオット、カステッロ ディ フィギーネは*1を取得しています。

よもやハインツベック氏が常駐して料理を作っている訳では無いとは思うのですが、実際のシェフの名前が出てきません...なんという人なのだろうか。




丸の内ガーデンタワーの2Fにあります。
1階はカジュアル業態のセンシ バイ ハインツベックてす。



白を基調とした美しい店内です。
ドレスコードはちゃんとジャケット着用が義務化されてます。(まあ普通といえば普通ですね)
給仕担当は結構外国の方いらっしゃいます。



今回はランチの4皿コースを注文します。

まずはせっかくのイタリアン(?)ベースのイノベーティブなので、シャンパンはスキップし、フランチャコルタへ。


生産者: フェルゲッティーナ
銘柄: フランチャコルタ ロゼ 2011


クリーミーでバタークリームや木苺のコンポートを混ぜ合わせた様な果実味とオイリーさ、そしてフレッシュハーブの様な爽やかさを感じさせる。多少鉄分的というか、なめし皮の様なニュアンスも感じられる。カシューナッツ、糖蜜の様な甘さがある。
基本的にはしっかりとした果実味を基軸にしたスパークリングでシャンパーニュとは完全に異なっている。
酸味は柔らかく、滑らかな舌触りで、旨味はあるものの重さを感じるものでは無い。
ふくよかな木苺の余韻を感じさせる。


■パン「クミンのグリッシーニ、パン粉を薄く伸ばしたチップス、自家製バケット」


クミンの香り高いグリッシーニ。チーズの様な旨味を感じさせるチップス。ほのかな酸味と外側のパリパリ感が心地よい自家製バケット。


■バター「ボルディエバター、ハインツベックのオリーブオイル」(★★)

発酵した乳成分の強いミルキーなボルディエバター。青い風味と滑らかなタッチのオリーブオイル。バターのおかわり不可避。


■アミューズ「江戸菜 タイムのエスプーマのスープ」(★)


塩気がはっきりと効いたスープで滑らかな舌触り。タイムのスパイシーな香りと、野菜の優しい出汁と旨味が効いた暖かいスープ。

■アミューズ「ウルイ マイクロカブ 紫芋のパウダー アマランサス」(★)
酸味と紫芋の甘みがしっかりと感じられる。蕪のサクサクした食感。ウルイの酸味と紫芋の甘みが調和し、甘酸っぱいフルーツの様な味わいが作り出されている。


■アミューズ「ビーツ ミックスサラダ」(★)


ミックスサラダをビーツに巻いたものに、ビーツのソースを添えている。
イチゴの様なフルーティーで酸味の効いたビーツ、そのソースが口の中で広がっていく。ビーツや野菜のサクサクした食感が心地よい。


■アンティパスト「帆立 生ハム グリーンピースのペースト」(★★★)


帆立の上に生ハムのパウダーを添えソテー。アスパラガスの薄切りとグリーンピースのペーストを添えている。
かなり火入れをしっかりした強い食感の帆立、そこにカリカリの生ハムパウダーが旨味と塩気を付与している。生ハムのパウダーはさすが旨味と塩気がしっかりとあり、帆立の味わいを酸味の効いたアスパラとともに引き上げている。クリーミーなグリーンピースのソテーも青さと滑らかさを付与し複雑な味わいを表現している。
更にそれらを一緒に頂くと、舌の上でしっかりとしたバランスを感じる。酸味と塩気、複数の食感が絶妙。


■プリモピアット「トマトと甘海老のトッテリーニ 行者ニンニクのソース トマトパウダー」(★★★+)


ラビオリスタイルで、トマトのペーストと生の甘海老、行者ニンニクのソース。
行者ニンニクのソースはネギとニンニクを混ぜ合わせたような濃厚なソース。そこにトマトクリームを包み込んだトッテリーニの滑らかさ、濃厚さが比肩する。甘海老は滑らかで、質感がラビオリとトマトクリームに酷似、驚くほど境界線がなく、滑らかに調和し、エビの甘みが広がっていく。行者ニンニクのコクのあるソースがよく合うし、トマトクリームの旨味も素晴らしい。調和の一皿。
よりクリーミーになる。


■セコンドピアット「北海道産仔牛のロースト ホワイトアスパラのピューレ ソラマメ ほうれんごぼうのチップス」(★★★★)


低温調理の(多少酸味でマリネしたっぽい)仔牛のロースト、ジュ ド ブッフ。ホワイトアスパラのペーストはその甘さを引き立てる絶妙な塩気で絶品。
非常にしっとりとした火入れの牛フィレ肉。均一に内側まで火が入っていてレアという感じでは無い。
酸味が旨味を強調してくれる。ごぼうの土の風味も調和し、非常に舌触り滑らか。溢れる肉汁と塩気。最高の味わい。全然量が足りない。倍くらい食べたい。
ホワイトアスパラのペーストが見事に肉に調和し、さらなる滑らかさを感じさせる。


■ドルチェ「ルバーブのゼリー フレッシュストロベリー 凍らせたストロベリー ヨーグルトクリーム リコッタチーズのアイスクリーム」(★★)


ルバーブのゼリーはシャープな酸味がある。イチゴとはまた性質の異なる酸味で、2種類の酸味を楽しめる。
これらの強い酸味をヨーグルトクリームで綺麗に抑えてくれる。ヨーグルトクリームは練乳の様に濃厚、リコッタチーズもミルキーで美味。爽やかさと甘みが綺麗に調和してくれる。余韻はフラットで、甘ったるさもシャープさもなく、フルーティーな風味だけ残る。素晴らしい。


■プティフール「パッションフルーツのチョコ、ココナッツクッキー、マシュマロ、ラズベリーのマカロン、生姜のゼリー」(★)



以上です。
ハインツベック、実は何回か予約しており、とある理由で2回ともいけなかった因縁のレストランと言えます。
今回ようやく訪れる事が出来て大変嬉しいのです。
料理は(イノベーティブというには堅実な作りですが)見目麗しく、味わいはかなり調和に気を遣っていたような気がします。酸味や旨味、甘みをバランスよく使い分けて口の中の一体感を構築している感じ。
個人的に一番好みだったのはメインの仔牛。
均一に火が入ったしなやかな食感とほのかな酸味、塩気がソースやホワイトアスパラの甘みと調和して味わいが膨らんでいくのは素晴らしいと思います。
なかなか敷居が高いレストランですが、また行きたいと思います。


住所: 東京都千代田区丸の内1-1-3
店名: Heinzbeck(ハインツベック丸の内)
電話番号: 0332840030
営業時間:
ランチ
11:30~(L.O 14:00)
アフタヌーンブレイク
14:00~17:30
ディナー
17:30~23:00
(L.O FOOD 21:00 DRINK 22:00)

APICIUS(アピシウス: 有楽町)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日は有楽町のアピシウスです。
このお店も「今まで行ってみたかったんだけど経験値が少ないと楽しめないだろうか」と後ろ倒しにしていたお店の内のひとつ。いわゆる老舗のグランメゾンですからドレスコードも厳しく、敷居が高い。
その中で30代前半の(お店の歴史から見れば)若造が入れるものかと。

今回意を決して予約してみました。



シェフは岩本学氏。
ピアジェで修行後、1983年にアピシウスへ。高橋徳夫氏の下で修行を積み、2008年よりシェフを務めています。


外観はかなり地味な感じです。ビルも古いですし。
最近のフレンチではあまり見ない感じ。


さあ、見せてもらおうか!グランメゾンの実力とやらを!



全体的に...


豪華すぎて...



うけるんですけどーーーー!!!


グランメゾンには勝てなかったよ....
気を取り直してシャンパーニュ。シモン セロスでした。



生産者: シモン セロス
銘柄: グランクリュ アヴィーズ ブラン ド ブラン NV


外観はフレッシュなストローイエロー、粘性は中庸で、泡は溌剌と立ち上っている。ブラン ド ブランらしく繊細で品のある作りではあるものの、アヴィーズらしい力強さも内包している。
香りは青リンゴの蜜のような繊細な果実味、シトラスの様な爽やかさ、そしてバターの滑らかな要素が主軸になっている。そして杏仁豆腐、フレッシュハーブ、リコリスなどのスパイスの要素、イーストの様な香りも感じられる。
複雑ながらフレッシュでキャッチーな香り。
酸味はしなやかで、滑らか。際立ったシャープさはなく、バランスの良い作りだと言える。余韻に至るまで素晴らしい。


■アミューズ「オリーブ」(★★)

は?メチャクチャ美味いんだけど。まろやかで酸味があって後を引く味わい。マジかよ。これ買いたいな...
シャンパーニュとも良くペアリングした。



■アミューズ「北海道から届いたタンポポの温かいサラダ」(★★)


葉物のサラダが豪華に見える...
ベーコン、クルトン、タンポポの茎が入ったサラダ。オイルが効いたヴィネグレットソース。オイリーで酸味と甘さのバランスが良いドレッシング。酸味だけではない。



■アントレ「小笠原産母島の海亀のコンソメスープ シェリー酒風味」(★★★+)


海亀のコンソメスープに甲羅の内側のゼラチンを削って丸く成形したもの。
沁み入る様な滋味と従来のコンソメスープにはない複雑さがある。ほのかな磯の香り、牛肉を思わせる精力がつきそうな、燃える様なエネルギーを感じる味わい。ジビエのコンソメみたい。シェリーの要素も感じられるが僅かで、強烈な海亀の風味とコンソメの風味を強く感じる。
ポカポカ体が熱くなる。


■ポワソン「鰆のヴァプール ハイビスカス風味 雲丹とキャビアのコンディマント」(★★★★★)


鰆のヴァプールの上に帆立のペースト、帆立の薄切り、キャビア、雲丹を載せている。ハイビスカスのソース、底には薄く伸ばしたパスタを引いている。
鰆の魚介的な香りが非常に強い。
ヴァプールされた鰆は最上級のツナを思わせる質感で、エキス分が充実しているタイプというよりは、しっかり火が入っていながら、ふっくらとしっとりとした食感。
ソースは酸味豊かでありながら、甘く濃厚。しっかりと乳化がされていて滑らか。バターモンテされてるっぽい。ハイビスカスの香りをほのかに感じる素晴らしいソース。
これが鰆に奇跡的ともいうべきマリアージュをする。
滑らかなキャビアの塩気やや雲丹のふくよかな風合いが更に複雑さを助長していて、ちょっと感動する味わい。


肉料理用のナイフ。エライかっこいい。




■ヴィヤンド「3種類の肉のブロシェット焼き」(★★★★)


牛フィレのグリル、よくローストしたフランス産子牛のロース、外側をカラッと揚げたリードヴォーの串焼き。、ケッパーとエシャロットのソース。スパイスのペースト。
ガルニチュールはパプリカ、筍、サヤエンドウ、ブロッコリー、ズッキーニ。
フィレ肉はレアで火が入っており、ローストビーフを思わせる食感と味わい。脂身は滑らかでジューシー。
フランス産子牛ロースはほぼ癖がなく、豚肉の様なプレーンさを感じる。滑らかでエキス感豊か。
リードヴォーはさながら脂身の様な滑らかさ。それでいてエキス感が充実していでとろける様な食感だ。フワフワで揚げてある外側だけカリカリ感を感じる。
しかし火入れより何より最も素晴らしいのはこのソース。
魚同様完全に入荷されていてワインの酸味と香味野菜の甘辛さ、そしてケイパーのスパイシーな風味が完全に溶け合っている。肉料理とも完全に調和。


■デセール「デセールのセレクション 季節のガトー アイスクリームとシャーベットをワゴンから」



複数種類あったけど、とりあえずゴルゴンゾーラのケーキとレアチーズのムース、パリブレスト。そしてバニラアイスとカシスのソルベを選択。
レアチーズケーキは滑らかでアプリコットの酸味が調和。ナッツのクリームが入ったパリブレストは香ばしくほのかにリキュールが香る。
ゴルゴンゾーラのチーズケーキは...もう最高だね。
塩気と甘みのコントラスト、滑らかさ、チーズ起因のボリューム感。カリカリした土台も素晴らしい。
非常に強いカシス感があるソルベ。酸味と清涼感が素晴らしい。バニラアイスは非常にバニラの香りが強く、濃厚な味わい。
ちょっとデザートワゴンってことで舐めてたけど美味しかった。


そんな感じです。
いやもうね、魚料理と肉料理がすごく良かった。
今回の肉料理はこのグランメゾンからしてみれば下位のものかもしれないが、それにせよ、十分な火入れだったし、ソースが素晴らしかった。
シェ イノとソースの作り方が似ているのかもしれないが、酸味、甘み、塩気がバターのまろやかな中で完全に一体化していて、かつ軽いという。
特に今回でいうと魚料理に唸ってしまった。鰆と雲丹、キャビアを殺さず、完全に調和していた。
一口毎に幸せが感じられる。肉料理もそうだった。
海亀のスープはヘレスとのペアリング前提だったのかも。
素晴らしく美味いが、そこまで唸る様なものではなかった。
料理において流石老舗、このクラスのランチでも十分に完成している。トラディショナル万歳といったところ。

物凄い良かった。
本当はワンショットでおしまいにする予定だったが、これはスペシャリテが並ぶディナーも行ってみたい。


住所: 東京都千代田区有楽町1-9-4 蚕糸会館ビル地下1階
店名: Apicius(アピシウス)
電話番号: 03-3214-1361
営業時間:
Monday - Saturday & Holiday:
月曜日~土曜日&祝祭日
11:30am - 3:00pm(ラストオーダー2:00pm)
5:30pm - 11:30pm(ラストオーダー9:00pm)
Sunday: close

【ボルドー:36】ボルドーが誇る白いグランヴァン6種テイスティング #3

こんにちは、HKOです。
本日は日が空きましたがボルドー白の最終回です。
もちろんラストは....あの1級シャトーの白になります!

【データ】
シャトーヴァランドローはサンテミリオンの格付けとしては最下位にあたるサンテミリオン グランクリュに属しています。(今は第1特別級Bまで飛び級しました)
400ケースしか作られない希少性。ミシェルローランを醸造コンサルタントに迎え、品質を急激に伸ばしている。パーカーポイント高得点常連で価格が6倍以上になっている。などなど。
シンデレラワインやガレージワインの典型ですね。実際2000年前後の価格は50000円を超えています。
そういう意味合いで言うのであれば、ペトリュス、ルパンと同格とまではいかないまでも、近いレベルにまで達しているのは間違いないでしょう。
今回の白はる2003年が初ヴィンテージ。
シャトー・ヴァランドローの8.5haのうち1haで造られる樹齢35年以上のソーヴィニヨン ブランとセミヨンを使用。フレンチオーク樽の新樽50%、1年使用樽50%。
ヴァランドローが送り出す白のファーストラベルです。

シャトー オーブリオンは5大シャトー唯一メドック以外から選定された第一級シャトー。拠点はグラーヴ地区ペサックレオニャン。現在はクラランス ディロンが指揮を執っている。一時期評価が低迷した時期があったが、1978年からネガティブセレクションをより厳格に行なうようになって以降、品質が回復し、今や第一級に恥じない品質を保持している。今回はセカンドラベル、クラランス オー ブリオン。
栽培面積は43ha、平均樹齢36年、平均収量は35ha/ha。
クリスチャンムエックス同様、房ごと切り取るグリーンハーヴェストを行ない収穫はすべて手作業で行なわれる。
温度調整をシステム的に行ないながらステンレスタンクでアルコール発酵を30℃で実施、新樽熟成期間は最大30ヶ月と瓶詰め時期が最も遅い。清澄は卵白を使用し、濾過はされない。
今回は僅か2.7haから生み出される年間7800本の貴重な白。平均樹齢36年、収量は35hl/ha。
発酵は新樽で。その後澱に触れたまま新樽100%で16ヶ月熟成。濾過も清澄もしない。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: ブラン ド ヴァランドロー ヌメロ アン 2007
品種: セミヨン60%、ソーヴィニヨンブラン40%

約10000円、WA90pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
リッチでありながら柑橘の様な清涼感も併せ持つキュヴェ。レモンやオレンジピールの様な清涼感のある香りと共に、ハチミツやボルドー白的な百合や白い花の様な甘く華やかな香りが溢れ出す。バタークリームなどのMLF的な要素。そしてフレッシュな白桃や花の蜜の様な甘い果実味、ムスクやフレッシュハーブが複雑さを与える。
酸味は柑橘を思わせる爽やかさがありながら穏やか。旨味がしっかりと口全体に広がりアーモンドや白い花、白桃の様な豊かな余韻を残していく。


生産者、銘柄: シャトー オーブリオン ブラン 2010
品種: ソーヴィニヨンブラン54%、セミヨン46%


120000円、WA98pt
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
非常にリッチで滑らかなタッチの香りを持つクリーミーな白。樽香とマロラクティック発酵の要素が非常に強く、バニラやバタークリームの様なニュアンスと、百合や白檀の様なボルドー的な華やかな白い花の要素。そして奥にはスレートの様な硬質なタッチも感じられる。洋梨や黄桃の濃密なコンポートの様な甘露さが感じられる。徐々に焦がしバターやプラリネ。ムスクやフレッシュハーブ、杏仁豆腐の様なニュアンスが感じられる。
酸味は穏やかながら旨味への転移が非常に緻密で、グリセリン感を伴いながら、旨味が口全体に広がっていく。
長い余韻。洋梨や白い花、白檀の様な清涼感のある妖艶な香りが広がっていく。素晴らしい。



【所感】
いやー、なんかもうオーブリオン ブラン物凄いですね...
香りのリッチさといい厚みといい、ボルドー最高の白は伊達じゃないですね...
とりあえずまずはヴァランドローの白から行ってみます。
オーブリオンブランからすると見劣りする事は間違いないですが、よく出来ています。柑橘の爽やかなニュアンスを維持しながら、ボルドー的な白い花の清冽な香りやリッチでふくよかなバタークリームの濃密な香りを両立しています。またムスクやハーブのニュアンスもしっかりと出ていて、とても複雑だと感じました。バランスも良く非常に楽しめる1本ではありますが、爽やかな柑橘という性質上、あまり評論家受けはよくなさそうだな、という風にも思います。
ボルドーの白としては模範的ですが、その他のものと比べても突出している、ということはあまりないかなと感じました。いいワインなんですけどね。

次は虎の子のオーブリオン ブラン。
これは本当にメチャクチャ素晴らしい。モンラッシェ相当で間違いのない白だと思います。一部の隙もない。
まず香りの明確さや立体感。様々な要素が探らずとも、向こうから迫ってきてくれる、教えてくれる様な明快さがあります。
とてもリッチでクリーミー、極めて大きなボリューミーな果実味があり、ボルドー白の白い花が発展したかの様な百合の花を思わせる華やかさがある。ニューワールドにとても近い体躯がありますが、奥にはスレートを思わせるミネラリーで硬質な質感があります。
ある種モンラッシェの酸を落として、花の様な香りを付けた様な形のワイン。
酸はかなり落ち着いていますが、旨味との調和が素晴らしく、思わずニヤけてしまう様な遷移を見せます。
舌触りは柔らかで、徐々に旨味とグリセリン感が広がっていく感じ。ここはニューワールド最上のシャルドネに感じるものです。非常に各地域との差が面白い。
作りは似ているのかもしれませんが、ボルドーの個性やミネラルがよく出ている。
かなり凄いワインだな、と思いました。
高いですけど、これは一生に一度は飲みたいワインです。
ちょっと前からボルドー白をまとめて飲んできましたが、圧倒的にオーブリオンブランが素晴らしかったですね。
ただどれも良かったとは思いますが、やはり球数が少なく選択肢がないところがちょっと辛いところだなぁ。




【ボルドー:35】2013年ボルドーテイスティング



こんにちは、HKOです。
本日は大変興味深いボルドー2013ヴィンテージの水平テイスティングです。
2013年ヴィンテージのボルドーといえば、もう物凄い格安になった事からもわかる様に、言ってしまえばオフヴィンテージ。プリムール市場で奮わないのは致し方なし。
特に赤は専門誌での評価もあまり良くなく、2013年の左岸最高とも言えるシャトームートンロートシルトですらワインアドヴォケイトで91~93点と辛口の評価がなされています。
まあ、ただ人は人、飲んでみるまでは自分の好みかわかりません。という事で5種類飲める機会があったので、ちゃんと見直してみましょう、というのが今回の試みです。

では行ってみましょう。



【データ】
シャトージスクールはマルゴーのコミューンの最南部に位置するシャトー。
ぶどうの栽培区画はわずか1/3ながら240haを超す広大な敷地を保有している。現在の所有者はエリック アルバダ イェルヘルスマ。1950年代までそのポテンシャルを発揮することは無かったピエール タリにより品質が向上し、多くのシャトーが不調に陥った1970年代1980年代を乗り切っている。(これは同年代の間同氏がユニオン デ グランクリュの会長であった事に起因するのかもしれない)、ただその格付けに対する価値については至極妥当なものであると評される場合が多い。作付面積は80ha、平均樹齢30年、平均収量45hl/ha。
収穫されたぶどうは温度管理されたステンレスタンクで15~18日間マセレーション、6~8日間の発酵。
新樽30%程度で18ヶ月の熟成、無濾過で瓶詰め。

シャトー モンローズはメドック第二級格付けのシャトー。現在はジャン リュイ シャルモリュ氏の下良質なカベルネソーヴィニヨンが生み出されている。
所有する67haの粘土と泥炭土の表土、砂利質で構成された畑は、なだらかに川に傾斜しており、葡萄が熟度が上がる事に一役を買っている。
平均樹齢は40年、収量はわずか32hl/ha。収穫は手摘みで行われる。
醸造はオーク槽(カベルネソーヴィニヨン)とステンレスタンク(メルロー)を30度で発酵を行なう。醸しは20日程度。澱引きは6回。
新樽を25~30%使用で24ケ月熟成の後、濾過はせず瓶詰めされる。

デュクリュボーカイユはオレンジ色のラベルが特徴的なメドック第二級シャトー。こちらも年によっては第一級を凌駕する事からスーパーセカンドとされています。2003年からメドックの名士、ボリー家のブリュノ ボリーがこのシャトーを牽引しています。
ボリー家が所有して以降30年間に渡ってその品質を高めたため、現在の地位を築き上げたといえる。
栽培面積は52ha、平均樹齢38年、平均収量49hl/ha。畑で選果を行い手摘みで収穫後、除梗機で除梗。温度管理されたステンレスとコンクリートのタンクで17~21日間、アルコール発酵とマセレーションを行う。新樽50~65%で18~20ヶ月樽内熟成を行います。

シャトー ラ ミッション オーブリオンはシャトー オーブリオンに隣接し、長年ライバル関係にあったペサックレオニャンのシャトー。
17世紀、ラ ミッションの信徒によって設立されたが、フランス革命後、1983年にオーブリオンの現在の所有者であるクラランス ディロン家に売却されるまでウォルトナーによって管理された。1982年以降は新樽の使用比率を増やし、現在は100%新樽。メルロの割合は45%まで増加され、カベルネソーヴィニョンとカベルネフランは減らされた。
一般的にはオーブリオンよりもはるかにリッチで、力強いワインで、貧弱なヴィンテージによいワインをつくることにかけてはラトゥール同様、随一。依然として一級シャトー並みの品質。
畑は20ha、平均樹齢21年、平均収量45hl/ha。
発酵とマセレーションはコンピューター制御で温度管理された180hl入りのステンレスタンク、熟成はオークの新樽で20ヶ月。清澄するが、濾過はしない。

シャトー ムートン ロートシルトはポイヤック村に拠点を置く、メドック第一級シャトー。5大シャトーの中では唯一1973年に格付けの変更を実現させた。現在はその格付け変更を成功させたフィリップ ド ロートシルト男爵の娘であるフィリッピーヌが指揮を執り、パトリック レオン、エルヴェ ベルローと共にこの1級シャトーを牽引している。
毎年変わるアーティスティックなラベルが特徴的なシャトーでコレクターズアイテムにもなっています。
今回はセカンドラベル、プティ ムートン ド ムートン ロートシルト。
栽培面積は78ha、平均樹齢は45年、平均収量は40hl/ha程度。
除梗は100%、完全な果実のみ選定され木製槽で15~25日間、発酵とマセレーションが行なわれる。新樽にて19~22ヶ月熟成。無濾過で瓶詰めが行なわれる。



【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ジスクール 2013

この中では比較的落ち着いていて、やや酸味を感じさせる果実とヨーグルトを想起させるMLFの要素が主軸として感じられる。強烈な香りの放出はないが、品のある落ち着いたキュヴェ。残念ながらやや青さを感じる古典的なボルドーを想起。
ダークチェリーやブルーベリージャムを含めたプレーンヨーグルト、そしてピーマンやミントなどのハーブの要素、紅茶の茶葉を思わせる香りが感じられる。滑らかな質感はあるものの、やや力が足りず、かなり繊細な作りになってしまっている。華やかなスミレやインク、若い葉や生肉、ユーカリなどの要素を感じられる。日本のボルドーブレンド的。
酸味が突出、タンニンはかなり弱くパワー不足感がある。
華やかなスミレやヨーグルト、黒系果実の余韻を残す。


生産者、銘柄: シャトー モンローズ 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン61%、メルロー30%、カベルネフラン8%、プティヴェルト1%

線は細いが高域に伸びていく、華やかで甘やかなキャンディ、あるいは黒系果実の蜜を凝縮させた様な香りが蠱惑的なワイン。しっかりとMLFがされており滑らかな質感がある。
よく熟した甘やかなカシスやブラックベリーの果実味、糖蜜、メイプルシロップ。MLFの影響を強く感じるミルクティーの香りが主軸になり、西洋杉やトースト、バニラの要素。加えてスミレの華やかさや燻製の香り。ほのかにユーカリやリコリスの要素を感じ取ることができる。
ピーマンやミントなどのハーブを感じさせる要素は控えめ。よく熟しているが生来のヴィンテージの問題か、すこしボディが弱い印象をうける。
香りの印象通り、タンニンというより酸の方が際立っている。ミルクティーやフレッシュな黒系果実の余韻を残す。
やはりグリセリン感は低いが品があり、よく出来ている。


生産者、銘柄: シャトー デュクリュ ボーカイユ 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン90%、メルロー10%

繊細で華やかかつ甘やかで、黒系果実の蜜を感じさせる果実味があるが、モンローズの様なヒステリックな伸び方をするわけでは無く幾分か落ち着いたキュヴェ。MLFの要素も強く、滑らかでシルキーな香りの質感がある。
わずかにグリニッシュさも感じる。
主軸は果実味でカシスとブラックベリーの素直な果実味とミルクコーヒー、炭焼きのニュアンス、ほのかなユーカリやピーマンの要素が折混じる。糖蜜の様な甘露さはあるがモンローズなどの比べると控えめ。スミレなどの華やかさもあり、パストラミハムやベーコン、リコリスやクローヴなどのスパイスの風味。トマトの様な要素も感じられる。
樽やMLF、果実味はあるが、全体的に控えめに収まっているがバランスは良い。
酸はやはり例年と比べると際立っているが、タンニンとのバランスは良い。酸味と旨味の遷移も良く、繊細ながら口当たりの完成度は高い。ミルクコーヒーや黒系果実の余韻。


生産者、銘柄: ラ ミッション オー ブリオン 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン62%、メルロー37%、カベルネフラン1%

かなりスモーキー。甘やかな果実味と比較的控えめなMLFの要素はあるが主軸はタバコやモカの風味が中心となっている。親しみやすさに欠けるが厳格なワインだと思う。
炭焼きやタバコの要素など樽的なニュアンス、そしてリコリスやクローヴなどのスパイスの要素が抜きん出ている。
そこにスミレや鉄分、燻製肉の要素、そしてバターやブラックベリーやダークチェリーの果実味、西洋杉のニュアンスが調和していく。アセロラ、トーストなどの香りも存在する。糖蜜感はあり、熟度は感じるものの、モンローズやムートンの様な甘露さは控えめ。
またスモーキーさに舵を切ったワインで、モンローズなどの高域に伸びる感じはなく、繊細でありながら控えめな印象がある。
ただ口当たりのバランスがいい。
酸味とタンニンは共に控えめでしなやか。そしてシルキーである。球体感こそないが、舌の上で暴れるタンニン、酸は無く、ミルクポーションや炭焼きのニュアンス、黒系果実、血液の余韻が続く。


生産者、銘柄: シャトー ムートンロートシルト 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン89%、メルロー7%、カベルネフラン4%

例年より幾分か線が細いながらも、凝縮感があり、高域に伸びていく様な中域の黒系果実の甘やかさ、加えてシダーやモカの樽香しっかりと感じられるキュヴェ。
やや抽出が強くスモーキーで、MLFの影響は強いものの果実、樽起因の要素の方が目立つ。
よく要素が一体化していて、糖蜜、メイプルシロップの様な甘やかさをベースにして熟したブラックベリー、カシスと共にミルクポーションやモカや西洋杉の様な樽香が調和している。渾然一体。ボリューム感のある香り、それでいて華やかで、鉄分やスミレの様な花の香りも充実している。ワッフルやバニラ、燻製肉、ユーカリやリコリスの風味もある。やはり香りからは青い要素は感じられない。
しかしながらこちらもタンニンより酸味が際立っている。
というより、よくバランスよくまとまっている。タンニンが強すぎない。繊細さがある。
フレッシュな黒系果実を中心にほのかにミルクポーションが混ざる。酸と旨味を主軸にした余韻。


【所感】
うーん...なんともパッとしませんね...
基本的に近年のボルドーの凝縮感や高アルコール感(実際はそんなに変わらないんですけど)に慣れてしまったせいか、ボルドーとしてはかなりボディが弱い様な気がします。流石にクリュクラッセの上位のものは綺麗にまとまっているものの、口に含んだ時の粘性やタンニンの甘さが控えめで、やや酸が立っている様な気がしますね。
ありありと「いつもよりちゃんと熟しませんでした...」といった感じがワインから伝わってきます。
ムートンやモンローズなんかは華やかかつ甘露でよく出来ているのですが、いわゆる例年の...特にムートンなんかの様な明らかな別格感は無いですし、デュクリュボーカイユはやや青さを感じます。ラ ミッションはペサックレオニャンの方程式に従った例題の様なワインですが、タンニンの目の荒さが顕著です。
ジスクールに至っては香りもボディも控えめ、酸だけ立っている状態で明らかに格付けの価値を見出す事は出来ませんでした。

いや、ホントあんまり悪い事書かないブログなんですが、ここ最近のボルドーの中ではかなり奮わないと思いますよ。
いわばどのワインもベイシュヴェルと同等のボディしかなく、かつ不慣れなのか良い部分もありながら2013年なりの良さを演出しきれていない感じがします。
今回はモンローズとムートンが比較的良く、次いでラミッション...ただこれは比較的堅牢なワインなので馴染むまでに幾分かかかりそうですが...そんな感じでしょうか。
一本一本はテイスティングコメントを見て頂ければ概ねご理解頂けると思いますが、やはり肝心要は果実なのだな、と強く認識させられるワインとなっています。

ちなみにかなり穿った見方をしてしまうと、従来と収量を変えていないのでは...と思ってしまいます。
特にボルドーはかなり商業的な側面が強いので、収支は明確に見ていると思います。プリムールで予め価格が下がる事を見込んでいたならば、収量を下げすぎてもダメで収益見込みありきで収量の水準を決めてたりするんじゃないかな...とか。
まあ真偽のほどはわかりませんが、もしそうなら1ヴィンテージくらいコケても余裕の体力はあるとは思うんで、数は少なくとも従来通りのヴィンテージ程度には持って行って欲しかったですね。

基本的に従来より格段に安いので、特にモンローズなんかはなかなかいいと思います。












【アメリカ:55】オレゴンとカリフォルニアの熟成ポテンシャルを図る

こんにちは、HKOです。
本日はオレゴンのピノノワール、そしてカリフォルニアのカベルネソーヴィニヨン、シャルドネです。

【データ】
ボーグル ファミリーは現在の当主の祖父にあたるウォーレンとクリスが1968年にサクラメント川沿いに設立した家族経営のワイナリー。現在事業拡大が進み600haもの畑を所有しています。現在は長男のウォーレン ボーグル氏が実質的な指揮を取っています。肥沃なデルタ地区で何十年にもわたるボーグルファミリーの葡萄栽培の伝統を守り続けています。
今回のシャルドネはクラークスバーグで栽培されたぶどうを使用し。50%ステンレス スチール タンク、50%樽で醗酵させ、一部マロラクティック醗酵させてシュール リーで熟成。廉価ながら手のかかった一本です。

ドメーヌ ドルーアンは現在オレゴン最高の生産者の一人といっても良いのではないでしょうか。
1988年にアメリカ オレゴン州のウィラメットバレーに、ジョゼフ ドルーアンが設立したワイナリーです。
ドルーアン ファミリーの長女ヴェロニクがワインメーカーを担当。ドメーヌ ドルーアン の自社ぶどう畑はウィラメットバレーのレッドヒル南側斜面に125ha保有。栽培面積は85ac。主要品種はピノノワールで一部シャルドネも生産されています。オレゴンにおいては最高密度の7700本/haの密植栽培を実施。
手摘みで収穫後、除梗し自然酵母にて発酵。
新樽を20%含むフランソワ フレール社のフレンチオークで、12―15ヶ月熟成。パンチダウンを毎日2回行い、自然なマロラクティック醗酵の後、ボトリング前に澱引きします。醸造はグラヴィティ フローに沿って作られた施設でぶどうに負担をかけない様に実施されます。

ケイマス ヴィンヤーズはワインメーカー兼オーナーのチャック ワグナーと、彼の両親、チャーリーとローナ ベル グロスが3人で1972年にナパヴァレーに設立したワイナリー。ナパ ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョン、そして特別な年しか作られないバレルセレクションのスペシャル セレクションを造っています。老舗らしい時代に流されないクラシカルな作りで、非常に高い評価を受けています。スタンダードキュヴェのカベルネソーヴィニヨンはワインスペクテーターで90点を下回った事はないそうです。
スペシャルセレクションは生産量全体の20~30%程度のポジティブセレクション。オークノール、ヨーントヴィル、オークヴィル、ラザフォード、セントヘレナ、カリストガのヴァレーフロアが75%、アトラスピークとハウエルマウンテンのマウンテンサイドが25%。区画別に醸造。11月から12月に試飲し良いと判断したものをボトリングする。


【テイスティングコメント】
生産者: ボーグルヴィンヤーズ
銘柄: シャルドネ 2014
品種: シャルドネ 100%

1800円
外観は透明に近いイエローで粘性は中庸。
少し嬉しくなってしまうような典型的なカリフォルニアのシャルドネ。デイリーレベルのものだが、極めてキャッチーで美味しい。
パイナップルやパッションフルーツを思わせる爽やかで濃密な果実味と共にコンポートの様なシロップの甘さ、バターの様な香りを感じさせる。
ほのかにノワゼットの様な香りもあるが、極僅か。
基本的には果実の香りとマロラクティック発酵のニュアンスが主体的。
存外にしっかりとした石のようなミネラル感があり、フレッシュハーブやリコリスが付帯する。
酸味はしっかりとあるが、アルコール度数に起因する粘性が感じられ、とろりとした質感。パインのような果実の風味と苦味、滑らかな旨味を感じさせる。美味しい。


生産者: ドメーヌ ドルーアン
銘柄: オレゴン ピノノワール 1994
品種: ピノノワール100%

WA87pt
外観はオレンジを帯びたルビー、粘性は中庸。
濡れた木や腐葉土、キノコの様な熟成感。牛脂やなめし皮。円熟したブラックベリー、ダークチェリーのジャムの香り、イチジクの様な香り。八角の様なスパイシーさがある。また鉄釘や血の香り、ベーコンなどの風味、MLF的なミルクなど。複雑な味わいで旨味が物凄く感じられる。
酸は落ち着きタンニンも軟化している。
旨味が非常に前面に出ており、梅芝の様な味わい。
じんわりとしたピノの味わい。ジャムにしたブラックベリーの余韻。素晴らしい。


生産者: ケイマス ヴィンヤード
銘柄: スペシャルセレクション カベルネソーヴィニヨン 1998
品種: カベルネソーヴィニヨン100%

34000円、WA96pt(2001)
外観は非常に濃いガーネットで粘性は高い。
かなり若い体躯のワインで、新世界的な果実の充実感と共に爽やかなミントの様な香りが感じられる。
ブラックベリーやプラムのジャムを想起させる濃密な果実味と共に糖蜜やブリオッシュの様な甘やかさ、比較的爽やかなミントやハーブの様な香りを強めに感じさせる。炭焼きや焦げたゴム、ほのかにピーマンや薔薇のドライフラワー、エナメルリムーバー。
燻製肉の様な香ばしい香りとマホガニー、リコリスなどの要素が感じられる。
熟成の要素はあるものの、若い。非常に若い。
酸もタンニンも落ち着いていて、タンニンも非常に甘い。
ピーマン、薔薇のドライフラワー、ブラックベリーのジャムの様な余韻が残る。


【所感】
まずはお買い得の一本、ボーグルヴィンヤード。
僕のボーグルヴィンヤードとの出会いはジャンジョルジュ トーキョーのグラスワインでファントム(ジンファンデルとプティシラーのブレンド)を飲んだ時で、まあこれはさぞかしお高いんだろうなぁ、よく出来てるなぁ、と思ったんだけど、蓋を開けてみれば4000円程度でしたと。
そんな感じで、かなり気になるワイナリーになってたんですが、じゃあ白はどうなんだろうと、買ってみたのがこのシャルドネ。なんと1800円。大丈夫かよ。
流石に高級とは言えないまでも、物凄く良く出来たカリフォルニア的なシャルドネ。爽やかな酸を帯びた果実味、そしてマロラクティック発酵の滑らかでバター的な要素が、シロップの様な甘露な要素と結合しています。ミネラル感も意外とあり、しっかりとした作りです。
粘性がありトロリとしていて、グリセリン感もあります。
果実味は確かに粗野ですが約2000円は安い。倍でもまあ納得します。いいワインです。

次は変わってオレゴンの熟成ドメーヌ ドルーアン。
なかなかレアな一本です。
熟成香が主体的でありながら出汁感は希薄で、ジャムの様な果実味と牛脂の様な風味がかなり前面に感じられます。
若いヴィンテージではさぞかし凝縮した果実味があったのだろうと容易に推測できます。果皮の要素もまだ残っていて華やかさも残っています。熟成ジャミーです。
ただ樽はブルゴーニュと同じものを使っているからか腐葉土やキノコ、濡れた木の様なニュアンスはとてもブルゴーニュ的だと思います。
そういう意味で言うと、新境地というか、醸造的なものはブルゴーニュなんだけど、凝縮した果実味はオレゴンというかアメリカ的。アンビバレンツで面白いです。
なかなかオレゴンの熟成ピノは飲む機会が少ないのですが、これはかなりいいですね。
最高のピノっぽい透明感のあるエキス感のあるワインではありません。

最後はケイマスのスペシャルセレクション。
以前だいぶ昔にピノを飲みましたが、そん時はあまりパッとしませんでした。じゃあ得意のカベルネはどうだこの野郎といった感じでチャレンジ。
いやー、若いですね。ピッチピチです。
流石にこんなもんじゃ熟成香が強くなったりしないかー。
黒系果実の糖蜜を思わせるジャミーさとブリオッシュの甘露さが主軸となり、そこにほのかにミントやハーブなどのアロマが絡んできます。スパイスなどの要素もありますが、基本的に熟成を感じさせるのは生肉の要素とジャムの様な果実味くらいでしょうか。ただ香りの甘みとMLFがビシバシ来るので、基本的にはあまり目立ちません。
酸とタンニンこそこなれてますが、タンニンの甘さは若々しいし、なんというか、若い状態。
まだ熟成の溝にまで至っていない。若く美味しく飲めるタイミングといったところでしょうか。
相当熟成ポテンシャルあると思います。

どれも非常に好みのワインでした。






【シャンパーニュ:66】話題のRM、熟成したNM、特異な2種のシャンパーニュを利く

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュ。
期待の新鋭ジェロームプレヴォー、その師匠である大御所ジャックセロス、そしてRMローランペリエのグランシエクルの貴重な単一年のものです。


【データ】
ジェローム プレヴォーはグー村に拠点を置く新進気鋭の生産者で、アヴィーズの醸造学校で学んだ後、ジャックセロスのスタッフとして働きながら自身のシャンパーニュを醸しています。初ヴィンテージは1998年。2001年にリリース。作付面積は2.2ha。
栽培はビオディナミによって行われ、熟し具合を見ながら手摘みを行う。除草剤は使用しない。台木を使わない植え付けを現在は検討している。
野生酵母を使用し、圧搾は気圧式プレス。デブルバージュと亜硫酸添加(5g/hl)を行い、小樽での樽発酵。新樽比率10%以下で基本は1-3年樽を使用し樽熟成を実施。その後無濾過無清澄で瓶詰めがなされ、デコルジュマン時には僅かにブドウ糖を添加しドサージュは行わない。
今回のベギーヌはジェロームプレヴォーにおいてスタンダードとも言えるものですが、ピノムニエ100%のブラン ド ノワール。レ ベギーヌという区画で作られたもので、石灰質や珪藻土で構成された特異な土壌となっている。

ジャック セロスは現在シャンパーニュで最も注目されているレコルタン マニピュラン。
ビオディナミから一線を引き、自然派でありながらロジカルにビオの必要不必要を判断している。
アイとアンボネイに0.7haのピノ ノワールを保有し、リューディを少量生産している。
一次発酵には2種類のサイズ、5つの樽メーカーを使用し、平準化をしている。発酵には天然酵母を使用し澱引き、濾過せずに翌年5月頃まで新樽比率10%で樽熟成。マロラクティック発酵は行わない。この時点でリザーブかボトリングかを判断する。ボトリング後、3年間のカーヴでイースト菌と共に8年間瓶熟成。デゴルジュマンは瓶口を凍らせずに手作業で行う。スティラージュ後は6ヶ月間寝かせて出荷される。
今回のシュブスタンスはジャック セロスのフラッグシップ。(ほぼ同価格帯にリューディとミレジムかありますが、そっちは特殊なキュヴェなので)
アヴィーズのシャルドネをソレラで熟成。5種類のヴィンテージをアッサンブラージュ。新樽を含む400Lと228Lの樽で発酵し、熟成2年目には4000Lの大樽に澱と共に移され、3年目には4300Lの大樽の中に澱無しで入れられる。
この樽から瓶内二次発酵の為に22%抜いて瓶詰めされ、
減った分は大樽から、大樽から減った分は新しい年のワインで補充する。

ローラン・ペリエは、1812年に創業された老舗メゾン。前会長のベルナールド・ドゥ・ロナンクール氏が一代で家族経営におけるシャンパーニュ第1位の規模までにしたシャンパーニュメゾン。
プレステージキュヴェであるグランシエクルはプレステージキュヴェでありながら複数の畑、複数の葡萄品種、複数のヴィンテージをアッサンブラージュしたノンヴィンテージ(マルチヴィンテージ)。複数の秀逸なヴィンテージをブレンドし、また11のグランクリュ、(アヴィズ、クラマン、オジェ、メニル・シュール・オジェ、シュイィ、ヴェルジ、マイィ、アンボネイ、ヴェルズネイ、ブージー、アイ)の最良の場所から選びぬいた葡萄から生み出されるハーモニーを大切にしたプレステージシャンパーニュです。750mlで7年から8年、マグナムにはさらに2年、必要と判断されれば更なる年月、セラーで熟成させる。
今回のグランシエクル ヴィンテージは例外的に単一ヴィンテージで作られたグランシエクル。今までで単一ヴィンテージのグランシエクルは85,88,90のみ作られているが以降は作られていない。


【テイスティングコメント】
生産者: ジェローム プレヴォー
銘柄: ラ クロズリー レ べギーヌ ブラン ド ノワール エクストラブリュット NV
品種: ピノムニエ 100%

WA93pt
外観は濃いめのイエローで粘性は高い。
やや酸化気味のニュアンスがあり、非常に旨味が強い。
しっかりとしたミネラル感がある。
塩ナッツやエシレバター。レモンやシトラス、アプリコットの様な果実味が感じられる。ドライシェリー。
ドライハーブがリコリス、カマンベール、ドライフルーツなどの果実味を感じられる。
酸味は柔らかく、黒ブドウ系の厚い旨味が感じられる。
アンズやレモンの様な余韻。さすがに素晴らしい。


生産者: ジャック セロス
銘柄: シュブスタンス ブラン ド ブラン NV
品種: シャルドネ100%

WA96pt。デコルジュマンは2011年。
外観は濃いイエローで粘性は高い。
非常に強靭なシャンパーニュ。驚くほど酸化的で、驚くほど複雑な香りが表出。これぞジャックセロスという感じがする。
筋肉質なミネラル感。イニシャルとは比べ物にならない程酸化的で、塩ナッツやアモンティリャードの様な強い塩気、有塩バターなどが主体的。
イーストなどの酵母香。ドライハーブ、シャンピニオンなどの複雑な香りが混在する。そして濡れた木材、乾いてくると香りに甘みが表出し始めメイプルシロップや塩バニラ、塩カスタードの様な香りに変化していく。香りとしては果実の香りは希薄だが、含み香としてはアプリコットやライム、リンゴなどの果実味が膨らむ。香りは非常に力強く、厚みがあり、凝縮していると思う。
舌触りは香りに対して非常に繊細で酸はどこか甘みを帯びていて、滑らかに口の中を通り抜けていく。旨味にも品があり、爆発的というより、酸の中に収まっていて、しかし非常に凝縮している。泡も緻密。木材やアプリコット、ナッツを思わせる余韻が非常に長く続いていく。


生産者: ローラン ペリエ
銘柄: グラン シエクル ヴィンテージ 1988
品種: ピノノワール50%、シャルドネ50%

WA95pt(1985)
外観はやや色調の濃いイエローで粘性は中庸。泡はしっかりと立ち上っている。
酵母と酸化的な強烈な旨味が内包されたキュヴェで、いわゆるクリームブリュレ的なものではない。
塩気の効いたナッツや有塩バター、摩り下ろした様な濃密なリンゴ、花梨の様な旨味に満ちた果実味を感じられる。
ドライハーブや乾いた葉の様な香りと共に、栗の様な香ばしさ、蜜蝋やアスパラガス、キノコの様な複雑な香りが感じられる。
酸というより、非常に旨味成分が強い。
口当たりはシルキーでスムーズながら喉に至る際の強固な旨味と酸が感じられる。花梨やナッツの様な余韻が感じられる。



【所感】
いろいろ飲みました。
RMの新星ジェロームプレヴォー、そしてその師匠のジャックセロス。所変わってNM ローランペリエのレアなグランシエクル ヴィンテージと。
特にジャックセロスのフラッグシップであるシュブスタンスと、ローランペリエのフラッグシップのグランシエクル、その中でも単一年のヴィンテージは必見です。

では行ってみましょう。
まずは年々手に入りにくくなるジェロームプレヴォーから。これは友人のご相伴に預かったものです。
多少抜栓してから日が経ったものになるので、いわゆる抜栓直後のものではない、という所だけ特記しておきます。
キュヴェはスタンダード的な立ち位置に当たるレ ベギーヌ。今となってはそう珍しくないピノムニエ100%のブラン ド ノワールです。
若干酸化の気配が感じられる塩気のニュアンスこそありますが、やはりブラン ド ノワール。旨味の層が厚いと思います。ミネラル感も強靭で、柑橘の様な果実の要素が感じられます。かなり果実味もありますし、レベルの高いシャンパーニュである事は間違いありません。
師匠のリューディーやシュブスタンスとは全く違いますが、イニシャルあたりとは幾分かの共通点が見出せると思います。

次、師匠のジャックセロスのフラッグシップ シュブスタンス。
これはもう流石の個性というか...強烈な酸化感と複雑さのあるシャンパーニュですね。旨味の表出や塩気においてはアモンティリャードあたりとの共通点を見出す事ができます。ただ、アタックにおいてやや薄さを感じるそれと比べると、ボリューム感のあるシロップの様な果実味、酵母や樽、熟成香が入り混じった複雑さ、そして目が詰まった様な濃密度、凝縮感。
特異でありながら、完全にその他のシャンパーニュと立ち位置を異にしながら、ワインとして求められる評価軸を満たしている。これでいてバランス感のよさを感じてしまう。
熟成による旨味の表出に見合ったボディ、酸は極めて上質だと思います。
もちろん個性が強いので人によっては忌避するワインではありますが、ハマる人はハマると思います。
かくいう私も最初こそシャンパーニュの枠に当てはまらないセロスは特異では無かったのですが、回を重ねる毎に慣れてくるのが面白いですね。素晴らしいと思います。

最後は少し毛色が変わってグランシエクルのヴィンテージ1988。
かなりレアなワインです。通常グランシエクルはノンヴィンテージのみですが、これはごく僅かにリリースされた単一年のもの。
熟成がかなり進んでいて、クリームブリュレ的というより、酸化的な風合いがよく出ているグランシエクルになっています。
ナッツや有塩バター、そして赤りんごのような厚みのある酸が非常に特徴的で、乾いた葉や栗の様な香ばしさを感じるものとなっています。アスパラガスやキノコの様な複雑性も顕著に感じられます。
この熟成シャンパーニュの見所は、やはり自然でありながらしっかりとした旨味と熟成によって形成された酸化感のバランスの良さ、複雑さだと思います。
セロスが酸化的で濃密だとすると、あそこまで酸化的ではなく、より自然な形の旨味の表出と残存する果実、たとえばリンゴや花梨などの要素がしっかりと残っています。セロスは果実の香りというより、その糖蜜感だけを残した形ですから、自然な形を感じるのは自明の理ですね。
そこから栗の様な香ばしさや複雑さがどんどん出てくるのが、また面白い。アミノカルボニル反応はあまりない様ですね。
もともとドライなシャンパーニュですからクリームブリュレには発展しませんが、ドライなシャンパーニュとしては最上クラスの良さだと思います。









【ローヌ:21】シャプティエ セレクション パーセレールの熟成

こんにちは、HKOです。
本日はシャプティエのセレクション パーセレール2種類です。多少熟成が進んでるやつですね。


【データ】
シャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのエルミタージュで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。今回はパヴィヨン ルージュとロレ ブランの2本です。
共に完全なビオディナミによって栽培がなされています。
シャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのエルミタージュで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。今回はパヴィヨン ルージュとロレ ブランの2本です。
共に完全なビオディナミによって栽培がなされています。
今回のレ グラニは花崗岩質土壌の急斜面に位置する2haの畑から産出されるマルサンヌ。収穫はすべて手摘み。フレンチオークとステンレスタンクで低温で17度で30日間発酵。30%フレンチ、70%ステンレスタンクで16ヶ月間熟成させたのち、瓶詰めされる。
クロワ デ ボワは自社畑のグルナッシュを100%使ったキュヴェ。1998年から生産を開始。栽培はビオディナミで古木から採れた葡萄を手摘みしコンクリートタンクで醸造。タンクで14~16ヶ月熟成。土壌は褐色粘土と大ぶりな珪岩で構成。


【テイスティングコメント】
生産者: ミシェル シャプティエ
銘柄: サン ジョセフ レ グラニ ブラン 2008
品種: マルサンヌ100%

外観はやや濃いめのストローイエローで粘性は中庸。
古酒の中にあっては非常に若々しいルーサンヌ。
クリーミーで非常に厚みがある焦がしたような糖蜜の香りと果実の香りが非常に強く感じられる。
和三盆やメイプルシロップの様な甘やかな香りとほのかなカスタードクリームの中に、ライチやシトラスなどの独特のフレッシュ感際立つ果実の香りが感じられる。
フレッシュな果実と甘やかさ、クリーミーさのコントラスト。杏仁豆腐、白胡椒などの風味が感じられる。
オリエンタルでスパイシーな味わいが感じられ、ほのかにグリセリン感があり、甘いタッチを感じさせる。
時間経過と共に甘栗やフルーツケーキの様なアロマも。
酸味はかなり控えめで、やや余韻に苦味があるが、その部分に甘みを感じさせる。クリームやシトラスの様な余韻が残る。


生産者: ミシェル シャプティエ
銘柄: シャトー ヌフ デュ パプ クロワ デ ボア 2000
品種: グルナッシュ100%

外観は澄んだ淡いガーネットで粘性は中庸。
出汁の効いた非常にエレガントで繊細なシャトーヌフ デュ パプ。シラー単一の熟成したものに近いが、ヴィンテージに対して結構進んでいる印象を受けた。ブルゴーニュの熟成傾向に近い。
獣香は一切無く、梅しばやオリーブ、鰹の出汁を思わせる旨味の塊を想起させる香り、そして土や落ち葉を感じさせる香りを中心に複雑な香りが展開する。クルミやローズマリー、ドライフラワーなどの要素、なめした革の香り。
ベーコン、黒胡椒、クローヴの様なハーブの香りも内包する。
熟成した香りはあるものの、アタックや口当たりは若々しくグリセリン感があり強いボディに甘いタンニンが乗ってくる。鰹出汁やブラックベリーのコンポートの余韻を残していく。


【所感】
レルミットが飲みたい!!!!!
という事でシャプティエのセレクションパーセレール2種類...ですが、エルミタージュでもコートロティでもありません。サンジョセフとシャトーヌフ デュ パプです。
北部が強い生産者だとは思うんですが、南部のアペラシオン、あとは北部だけど白っていう...

でも、ホント美味いです。
サンジョセフはボリュームがあってリッチだし、シャトーヌフは熟成によって極めてエレガントになっています。
さすがシャプティエですね...

まずグラニ ブランから。
かなりボディに厚みがあって液体の粘性は高いです。
マロラクティック発酵はしっかりされていて全体的にクリーミーな雰囲気が漂っています。糖度も高く、かなり甘露な香りが漂いますが、以外と果実の感じ自体はスッキリとしたフレッシュ感があるもので、そのコントラストが面白い。基本的には果実味とMLFの要素が主体的で、余韻の苦さといい、どこかニューワールド的な雰囲気を感じられるものになっています。
30%フレンチオークの割にはトースティーな香りがありますね。かなりいいワインに仕上がっていると思います。

次にシャトーヌフ デュ パプ。
これが超いいんです!2000年というヴィンテージと見比べてみた時に少し進んでいるかなぁ、といった印象はあるんですが、その進み方かエライエレガントで、以前飲んだギガルのランドンヌの20~30年熟成、あるいはブルゴーニュの古酒の様に繊細。
ボリューム感があり、やや暑さを感じる熟した果実味になりやすいグルナッシュ。そこからここまで繊細になってしまうとは。
旨味や梅しば、腐葉土を思わせる古酒然とした香りが主体的で複雑、甘露さという意味では香りからは控えめにしか感じられません。非常に出汁的というか、ジワッと広がる様な香り。古酒ファンはたまらん感じだと思います。
そうしてみた時に、じゃあ酸やタンニンもかなり落ち込んでいると思うのですが、これが全然若いんですよね...!
グリセリン感があってタンニンも甘い。香りだけが古酒然としていて含み香は若々しい。
まあ、多分こちらの方がこのワインのポテンシャルなんだろうなと思います。まだまだイケそうですが、香りはどう変化するんだろうか...
そこが結構謎めいてますね。帆立系になるのかな...?
今飲んで超いいと思います。
香りは古酒、飲むと若い。アンビバレンツな魅力のあるワインだと思います。

やっぱローヌの古酒は味わい深いですね...
機会があれば積極的に経験を積みたいですね。

そんなに高いワインでもないので、持っておいて熟成させて飲むのもよろしいかも知れないですね。




L'EMBELLIR naoto kishimoto(ランベリー ナオト キシモト 南青山: 表参道)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日は青山にあるランベリー南青山に行ってきました。




オシャレでモダンかビルの地下一階にあります。




白を基調にした店内で、店内には自然光が降り注ぎます。


ランベリーは都内と京都に3店舗展開するモダンフレンチレストラン。本店を南青山とし、都内にビストロ業態、京都に1店舗あります。ミシュランガイドでは2016年含め8年連続で*1を獲得しています。
グランシェフは岸本直人氏。フランスのラ プロムナード、フォーシェ、レスペランスで修行の後、銀座オストラルを立ち上げ、2006年にランベリーを立ち上げました。
そしてシェフの大塚哲郎氏はラトリエ ドゥ ジョエル ロブションで勤務後、ピエール ガニャール 東京でオープニングスタッフとして参加、フランスのパトリックジョフロワ、帰国後はピエールガニャールに戻り、2015年よりランベリーのシェフを務めています。



テーブルウェアは陶器のと艶やかなもの。



まずはビールで喉を潤します。
シャンパーニュはポメリーだったのでパスしました。
嫌いじゃないのですが、驚きが無いので...


まずはアーティスティックなアミューズから。


■アミューズ「黒米のスフレ 和牛ブレザオラ オリーブジャム」 (★)


軽やかな黒米の煎餅に牛肉のブレザオラ(生ハム)、トマトとオリーブ。
爽やかで軽やかな食感の中に、トマトの甘みや旨み、オリーブの独特の鉄分を思わせる風味、生の牛肉を思わせるしっとりとした食感が感じられる。
サクサクとした食感と甘みと旨み、ほのかな酸味が調和した一皿。
底の飾りは黒米をバルサミコで色付けしたもの。



■パンとバター「ライ麦のカンパーニュ 栗粉のパン 2種類のバター(燻製、無塩)」(★)

バターはミルク分が充実。燻製バターは燻製の焦げた香りとミルクのまろやかさが見事に調和している。
ライ麦のカンパーニュは酸味があって


燻製バターうめえ...!パンが永久運動してしまう。
やばい!!!
次はアミューズ2品目です。


■アミューズ「天竜川の清流で育った稚鮎 蓼とアボガドのディップ」(★★)


生きたままゆっくりと揚げた稚鮎のフリット。口を開けて揚げる事で内臓にまで火を通している。ディップは稚鮎との王道的な組み合わせである蓼とアボガド。
サクサクと軽やかな食感。蓼の青い風味とフルーティーな酸味が感じられるディップ。蓼と稚鮎の苦味が良く合うが、さらにフリットの脂と蓼の青い風味と酸味、アボガドのまろやかさも王道的な調和を見せる。


次は、前菜。


■アントレ「フランス産ホワイトアスパラガスのポシ根セロリのピュレ 青リンゴの香り」(★★+)


ボルドー産ホワイトアスパラガス、ホタルイカ、フランボワーズのソース、根セロリのピューレ、アスパラと青リンゴのジュレ、イカスミのパウダー。
味のベースは2種類のソース。
強いクリームの風味をベースにほのかな根セロリの風味を感じさせるムース、アスパラの青い風味をベースにリンゴのほのかな酸味を感じさせる爽やかなジュレ、香ばしいイカスミのパウダーを添えている。
ボルドー産ホワイトアスパラガスは甘さがベースにありながらもやや苦みを感じさせる。食感はやや強めにポシェされている。グリーンアスパラとの風味の比較ができるが、やはり甘さはホワイトアスパラガスの方が強い。ジュレやムースと頂くとよりまろやかに、苦みを打ち消して酸味が甘みを引き立ててくる。
ホタルイカはやや酸味があり、独特の磯の香りが感じられる。これもソースと良く合う。
ちなみにコリアンダーの風味がなかなかイカしている。


■ポワソン「帆立貝のポワレ 焼いたパンのブルーテ」(★★★★)


軽くソテーし表面をキャラメリゼした北海道産帆立、焼いたパンのスープ、貝柱から取ったスープ、人参と玉ねぎのラビオリを揚げたもの、フレッシュマッシュルーム。
マッシュルームと帆立の出汁の香りが強い。
グラタンのホワイトソースを思わせるまろやかなパンのポタージュ。人参と玉ねぎのラビオリフリットはロックフォールと玉ねぎの甘さ、酸味が感じられる。ロックフォールの風味と合わせ非常に味わいが凝縮していて美味い。
そして帆立がデカイ。大ぶりのねっちりとした食感の帆立。瑞々しいというか力強い食感。火もしっかりと通っているが、決して硬すぎない。
帆立の風味がかなり力強いから、濃厚でクリーミーなソースがよく合いますな。瑞々しい帆立だとソースに負けそう。美味い。


次にお肉料理ですが、塊肉ではありません。
...大丈夫かな。


■ヴィヤンド「豚足と牛タンのガレットと赤座海老 イベリコチョリソーのピュレ リュバーブとセロリ」(★★★★)


ガレットと赤座海老、生ハムの泡、トマトのコンフィチュールとマスタードのピューレ。
トマトとマスタードのピューレがものすごく赤座海老に調和。季節の野菜と甘いベリー。海老自体は小ぶりだが味は凝縮していて、強いピューレとも良くあった。
辛味の強いチョリソーのピューレは自然な味わいの野菜とともに頂くと甘みが際立ってくる。
さて、メインのガレットは...というと。
メッチャクチャモチモチ。豚足のコラーゲンですごくねっちりモチモチしてる。これは強いソースやピューレと良く合う。イベリコチョリソーは同じ豚肉を原料としているので、当然としてマスタードとトマトのコンフィチュールのピューレの酸味、辛味が濃厚な豚足に良く合う。
牛タンの滋味というか精力つきそうなパワフルな味わいとも良く調和している。牛タンは厚く、しっかりとした牛肉の味わいが感じられる。美味しい。


安いコースとはいえ塊肉が無いのは残念...と思いましたが、これはこれで、とてもいいですね!
キュイソンの良し悪しは測れませんが、レシピとして優秀というか、とても美味しかったです。
最後はデセールです。


■デセール「宇和島産ブラッドオレンジコンポート、ソルベ 抹茶のムース カカオとオレンジの香りのグラス」(★★★)


宇和島産オレンジの皮つきコンポート、ソルベ。抹茶のムース。ローズマリーのクッキーの中にはベイリーズのエスプーマとカカオのアイスクリーム。
ソルベは酸味が際立ち鋭く、コンポートは皮の苦味と甘みが際立つ。これらを一緒に頂くとフレッシュさを感じさせながら、非常に複雑な味わいになる。
オレンジの酸味と抹茶の苦味も想像しない調和を生み出している。ベイリーズのエスプーマはアルコール的な苦味と牛乳の成分に満ちたクリーミーさを双方で感じさせる。
最下部にはカカオのクリーム。ローズマリーの風味も確かに感じられて、全体を見ると、ラムレーズンを想起させた。


■ミニャルディーズ「フィナンシェ、クグロフ、チョコレートのわらび餅」(★)




チョコレートのわらび餅はほのかにチョコレートの風味がありながらわらび餅の食感ときな粉の風味がある。
フィナンシェは熱々でしっとりとしている。
これは美味い。出来立ての焼き菓子最高感ある。
クグロフは流石に自信を持っているだけあり美味い。
外側サクサクでクルミのコリコリ感とリキュール的な甘やかさを感じる。美味。


■食後の飲み物「紅芋のビネガー」

コーヒーの後であってんのかな。



料理全体を見たときに思うのが、どれも美味しく手堅いな、と。突拍子もない料理という訳でもなく、クラシカルすぎない、まさにモダンなフレンチ。
各食材との調和がよく図られていて、グランメゾン的なモダンフレンチの方向性に近いな、と感じました。
いわゆるピエールガニャール、ロオジエ、ジョエル ロブションなど。
ただ今回安いコースというのもあるのかもしれないですが、全体的に平均的に良くできていていて、突出する一皿がないなと。これはロオジエにも思いましたが。
これは好みの問題なので、あまり気にしないで頂ければと。品質自体高いです。満足度も高いです。
でも多分記憶にはあまり残らないだろうな、という感じ。

美味しかったです。
なんだかんだ言って使いやすそうなお店です。



住所: 東京都港区南青山5-2-11 R2-A棟 B1F
店名: L'EMBELLIR naoto kishimoto(ランベリー ナオト キシモト 南青山)
電話番号: 03-6427-3209
営業時間:
Lunch:11:30~14:00 (Last Order)
Dinner: 18:00~21:00 (Last Order)
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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