【ローヌ:22】ローヌ スター生産者比較テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はローヌです。結構錚々たるラインナップだと思います。ダンピュイはともかくとしてレルミット、マリーブーリエはなかなか...


【データ】
クロ デ パプは、17世紀からシャトーヌフ デュ パプに拠点を置く生産者で、代々名門のアヴリル家によって運営されてます。もともとクロ デ パプという名前で生産していましたが後にAOCシャトーヌフ デュ パプが制定され、併合されています。
現当主はブルゴーニュ、ムートン ロートシルト、オーストラリアのワイナリーで修行を積んだポール ヴァンサン アヴリル氏。保有している畑は特に教皇の畑(クロ デ パプ)を含む35ha。それらを24の区画に分け、土壌を選別しその区画に最も適正なブドウを植えています。もともと自然派志向でしたが、2011年にはビオディナミ認証を取得。十分な選果を行い、収穫します。
熟成には新樽ではなく旧樽を使用。

アンリ ボノーはラヤスやボーカステルに並ぶシャトーヌフ デュ パプ最高の生産者。
最新の濃厚なシャトーヌフではなく、より古典的なスタイルで、その栽培、醸造の哲学はジャック レイノーに近い。ただこちらの方がより適当で雑多であるのだけど、出来るワインはローヌ有数の恐るべきものとなる。シャトーヌフで十分凄まじい味わいではあるが、ボノーのフラッグシップであるレゼルヴ ド セレスタンはそれを遥かに上回る。
樹齢は60年程度。基本はラヤス同様極端な遅摘みを行う。醸造は古典的で、熟成は小樽か大きめのドミ ミュイ、フードルで48ヶ月熟成が行われ、無濾過で瓶詰めされる。
最高のワインは良年にのみ、わずか12000本程度のみ詰められるレゼルヴ ド セレスタンとマリーブーリエ。

エティエンヌ ギガルは、ローヌ地方において最も偉大なコートロティやエルミタージュを自社畑から生み出しながら、ネゴシアンとしてリーズナブルで高品質なワインも供給する優良生産者。
ギガルの代表的な赤ワインとして、やはり有名なのは単一ブランドを持つコートロティの4つのキュヴェとエルミタージュの混醸キュヴェ。
粘土と酸化鉄で形成されたコートブロンドに1ha保有する「ムーリーヌ(樹齢80-85年)」、砂とスレートで形成されたコートブリュンヌに2ha保有する「ランドンヌ(樹齢30年)」、同じくブリュンヌに保有する1ha「トゥルク(樹齢35年)」、そしてそれらの弟分でありブロンドとブリュンヌに保有する6つのリューディからなる「シャトーダンピュイ(樹齢45-95年)」。
これらのコートロティ群と、エルミタージュの小区画 ベッサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、レルミット20%で構成された「エルミタージュ エックス ヴォト(樹齢70-100年)」。
収量は十分に抑制され、収穫は概ね遅摘みによって凝縮度を上げた状態で収穫される。
除梗は基本的に行われないが、実験的に部分的な除梗を行っている。
自動ピジャージュシステム付きのステンレスタンクを用い、ルモンタージュしながら4週間のマセラシオンを行う。アリエとヌヴェール産の新樽100%で40ヶ月以上(ダンピュイは36ヶ月)にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされる。

シャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのエルミタージュで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。今回はパヴィヨン ルージュとロレ ブランの2本です。
共に完全なビオディナミによって栽培がなされています。
シャプティエは1808年にタン エルミタージュに設立された老舗ドメーヌ。点字ラベルで有名なこの生産者は、コート デュ ローヌなどのデイリーラインに力を入れる一方で、ローヌ随一のフラッグシップラインも手がけています。
それが「セレクション パーセレール」。単一畑区画名入りのエルミタージュで畑の個性を強く押し出したスタイル。現在は「パヴィヨン」「レルミット」「メアル」「ロレ」「グレフェ」などの合計14の畑がリリースされています。今回はパヴィヨン ルージュとロレ ブランの2本です。共に完全なビオディナミによって栽培がなされています。
今回のレルミットはエルミタージュと単一畑。パーセルの樹齢畑80年以上。新樽+1年樽+2年樽で18~20ヶ月熟成。マロラクティック発酵を行う。



【テイスティングコメント】
生産者: クロ デ パプ
銘柄: シャトーヌフ デュ パプ 2011
品種: グルナッシュ 55%、 ムールヴェードル 30%、 シラー 10%、 ヴァカレス、クノワーズ、ミュスカルダン 5%

濃い色調のガーネット、エッジにごくわずかなオレンジが混ざる。
熟成による塩気を感じるが、まだ骨子は若々しい。
燻製肉やブラックペッパーの様なスパイス、奥には煮詰めたブラックベリーやプラムの様な果実味を潜ませている。
徐々に塩気が抜け、甘みがアンズやプルーン、井草を思わせる風味、血液を思わせる野性的な風味が現れてくる。
タイムなどのスパイス、枯れた葉の様なニュアンス。そしてビスケットの様なイースト的な要素が現れる。ドライフラワーなどの要素もある。
ボディの割にはソフトタッチなアタック。甘いタンニンと滑らかな酸。
プルーンやアンズの様な甘露な果実味と干し草やイーストの余韻が長く続く。十分な果実味がありながら落ち着いたキュヴェ。


生産者: アンリ ボノー
銘柄: シャトーヌフ デュ パプ キュヴェ マリー ブーリエ 2008

WA92-94pt
外観は濃いガーネットで粘性は中庸。若々しい色調。
重すぎない、エレガントな果実味が感じられる。
ドライフラワーやラベンダーのようなしなやかな華やかさ、プラムやブラックベリーの蜜を思わせる甘やかな果実味があり、MLFの様なミルクポーションのニュアンス。干草の様な風味がある。 ブリオッシュ、漢方や落ち葉の様な風味。なめし皮や血液の様なほのかな野性味も包含している。シナモンや黒胡椒もほのかに感じられる。
徐々に井草などの要素が強まり、ラヤスを思わせる香りの構成に変化していく。
この中では比較的酸味が豊かで、タンニンは控えめ。
酸から旨味への遷移が芸術的で、黒い酸味の豊かなベリーから肉の旨み、そして井草のニュアンスに遷移していく。
余韻はブルゴーニュにやはり近い。極めてエレガント。


生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: コート ロティ シャトー ダンピュイ 2009

WA95pt
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
これぞギガルといったモダンな濃密さや甘露さを持ったダンピュイ。先鋭な華やかさと甘露さと樽のリッチなキュヴェ。
キャンディを想起させる様なよく熟したブラックベリーやダークチェリーの様な甘露な果実味。ミルクポーションの様なまろやかさ。カカオの様な樽香、ハーブを思わせる華やかさがある。キャラメルトフィーやフルーツケーキを思わせる香り。多少インクを思わせる抽出があり、華やかなスミレやミントの様な風味、ほのかな燻製肉の様な旨味も感じる。徐々にカカオの様な強いローストの樽香が強くなり、ビターチョコを思わせる形に。
アタックはやや強め。酸は柔らかいが、タンニンはその分重厚。収斂は低いが、果実のジャムの様な旨味と木材の様な余韻を残す。


生産者: ミシェル シャプティエ
銘柄: エルミタージュ レルミット 2009

WA98pt
外観は鮮明なガーネットで赤みが強く粘性も高い。
抜栓直後はかなり堅牢で香りが上がってこなかったが徐々に本質が現れ始める。やはりこれがエルミタージュといった王道的な作り。過剰に甘露ではなく、かといってスパイシーすぎないバランスのキュヴェ。古典的。
凝縮したブラックベリーやダークチェリーを思わせる果実味、スパイシーな黒胡椒や、血液、パストラミハムや生肉の様な野性的なニュアンス。一体となって揺蕩っている。
果実味は甘さが広がってこないが、黒砂糖やシロップを思わせる甘露さを隠し持っている様に思える。燻製や炭焼きの様な樽香。なめし皮のような鉄分、スミレやドライフラワーの様な華やかさ。クミン、木材。ほのかにイーストの様な風味がある。
ポテンシャルを発揮していないが、凝縮した液体で重さがあるのは間違いない。
アタックは柔らかいながらもグリセリン感が突出、タンニンも甘く、酸は柔らかい。旨みも突出。
ブラックベリーの様な果実味、ハム、スミレの様な華やかさが余韻として残る。



【所感】
さてさて、今回はローヌの有名生産者です。
シャトーヌフ デュ パプはクロ デ パプと、先日亡くなられたアンリボノーのマリーブーリエを。
コートロティはギガル3兄弟の弟分であるシャトーダンピュイを。エルミタージュはシャプティエのフラッグシップ、レルミットです。豪華ですね。

まずはクロ デュ パプ。
スパイシーで甘酸っぱい果実味に満ちた素晴らしいシャトーヌフだと思います。果実味の厚みがあり甘露ですが、酸もあるから重苦しくない。そこに枯れた葉や井草、イースト的なニュアンスが複雑さを添えていく。滑らかな酸と甘いタンニンがあり、アタックも非常に良いです。
凝縮感のあるクオリティの高いワインですが、伝統的ともモダンさとも切り離された普遍的な魅力を持つグルナッシュだと思います。

次はアンリ ボノーのマリーブーリエ。
最上位キュヴェはお馴染みレゼルヴ ド セレスティンですが、今回は一つ下のマリーブーリエ。
とはいえ、さすがのアンリ ボノー。シャトーヌフにおいては群を抜いて繊細かつエレガント。
果実味より前に果皮から抽出される優美な華やかさがあり、その内側に蜜のような黒系果実とブリオッシュなどのMLFのニュアンス。
どこかブルゴーニュ的な構成なんですよねえ。
漢方や黒胡椒のニュアンスはローヌ的なのですが。
そこから徐々に井草の香りが強くなり、ラヤス的な独特の青さ、ハーブ感の際立つバランスになっていきます。
ボディも酸が立っていて、旨味独特の果実味を活かした余韻を感じられます。そういうとこもブルゴーニュ的なような気がします。相変わらず素晴らしい...

次はギガルのシャトーダンピュイ。
こちらはもう...モダンですね!相変わらずの果実味の超充実度。濃密な甘露さ!
クロ デ パプやアンリ ボノーが抑制した品の良さだとしたら、ギガルのダンピュイは全力の密度、凝縮度、そこから放たれる強烈な華やかさや樽のロースト感。豊満で華美。
これに尽きます。
キャンディにも似た黒系果実の熟したハッキリとしたニュアンス、MLFのまろやかさが樽と完全に調和してキャラメルトフィーやフルーツケーキ、そして燻製肉の様な風味もあります。果実の熟度に絶対の信頼を置いた、醸造の強さ。完全に受け止めています。
これはこれで凄い...そして素直に美味い!
アンリ ボノーと真逆でタンニンは際立っていますが、ジャムの様な果実味とグリセリンが収斂性のキツさを中和している気がします。素晴らしいです。

最後はシャプティエのフラッグシップキュヴェのひとつ、レルミット。パーカーポイント98点という強烈無比な得点を計上しています...が、飲んだ段階では正直僕の好みから外れてしまった事をお伝えしておきます。
パーセレールの上位に位置するものは典型的なヴァン ド ガルドである事は理解していて、熟成パヴィヨンがもう、すごい味わいなのも分かるんですが...
めっちゃつらい。香りが上がってこない。
複雑さは段違い、明らかに一塊感のある雰囲気。でも香りが上がってこない。甘露さや樽香も充実。スパイシーでトラディショナルな作り。香りが上がってこないのですよ。
タンニンや旨み、グリセリン感は凄いのだけど、香りが引っ込んでいるのは正直つらい。
なまじっかポテンシャル的なものが見えるだけに...。

3本が良かっただけに、飲みたかったレルミットがこれで正直落胆を隠せないです。これは熟成したもの飲まないとダメですね。きっと。
今回はレルミット以外は甲乙つけ難い素晴らしいワインになっていたかと思います。









スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR