【カリフォルニア:57】カリフォルニアカルトワイン&注目の生産者 Part3

こんにちは、HKOです。
記事を書くのをサボっていたらあっという間に自転車操業です。書けてないネタが著しく多いので、ちょっと遅延するかも...がんばります。


【データ】
ダラ ヴァレはグスタフ ダラ ヴァレが1986年にオークヴィルに設立したワイナリー。畑はオークヴィル東側にあり1982年に購入したもの。ファーストヴィンテージは1988年。
95年に現当主が他界され、現在はナオコ ダラ ヴァレの所有となっています。1992年にはハイジ バレッドのコンサルティングにより、フラッグシップのマヤがWA100点を獲得しています。
ワインメイカーを務めたのはハイジ バレット、トニー・ソーター、ミア クライン!現在はアンディ エリクソンが手掛けています。コンサルタントはミシェル ロラン。
発酵はステンレスタンク、フレンチオークで熟成。新樽比率70%。


スポッツウッド ワイナリーは1982年にノヴァック家によってナパヴァレーに設立されたワイナリー。
設立当初はデヴィットエイブリュー、トニーソーダーが栽培醸造を務めたが、現在は醸造はジェニファーウィリアムズ、コンサルタントにローズマリー ケークブレッド、ベスノバックの3人の女性陣によって運営されている。
畑自体の歴史は極めて長く、120年以上も前に植樹され、複数の所有者を経て1910年にアルバート スポッツウッドが所有ののち、現在のノヴァック家の手に渡った。その後専業グロウワーとしてシェーファー、ダックホーンにぶどうを卸していたが、1982年のワイナリー設立とともに元詰めを開始した。ナパの中では女性的なスタイルとして知られているようです。オーガニックの自社畑産果実を使用。フレンチ オークで20ヶ月の樽熟成。新樽比率は60%。


カーディナルはナパヴァレーのオークヴィル地区に拠点を置くワイナリー。経営母体はジャクソン ファミリー ワインズ。オーナーはバーバラ バンク、醸造家はラ ホタ、ロコヤも務めるクリストファーカーペンター。
カーディナルは以下7つのアペラシオンをブレンドしています。ダイヤモンド マウンテン、スプリング マウンテン、ハウエル マウンテン、マウント ヴィーダー、スタッグス リープ、セント ヘレナ、ヨーントヴィル(河岸段丘)。ワイナリーの中でも優れた畑を使用し、最高峰のブレンドワインを醸造しています。特に主軸となるマウンテンは火山性由来の岩だらけの土壌で急斜面。
男性的な複雑な味わいのワインを見事に造りだしています。
天然酵母を使用して発酵。100%フレンチオーク新樽で22ヶ月熟成ののち、無濾過で瓶詰め。


コルギン セラーズはアン コルギンとジョー ヴェンダーによって1990年代初めプリチャードヒルに設立されたワイナリー。所有する畑はヘネシー湖の丘の頂上にあり、近年ⅸエステート(標高950~1,400フィートの前述のヘネシー湖を見下ろす48ヘクタールの区画)の単一畑もリリースしている。当初へレン ターリーがコルギンを手がけていたが、現在は元ピーターマイケルのマーク オーバートが手がけている。栽培責任者はデイヴィッド エイブリュー、醸造コンサルタントはアラン レイノー。
醸造は重力を利用したグラヴィティフロー、オープントップの大樽と密閉式ステンレスタンクの併用を行い、フレンチオークの新樽100%で19ヶ月間熟成後、清澄濾過なしでボトル詰めにてリリースされる。


【テイスティングコメント】
生産者: ダラヴァレー ヴィンヤーズ
銘柄: ナパ ヴァレー カベルネソーヴィニヨン 1998
品種: カベルネソーヴィニヨン89%、カベルネフラン11%

外観は濃いガーネットで粘性は高い。
濃密な旨味が感じられる。腐葉土や濡れた木材、チョコレートやリキュール、炭焼きの様な熟成と樽の香りがしっかりと感じられる。黒糖やミルクポーションなどのまろやかさがある。まだまだ若々しく熟度の高いカシスやブラックベリーの果実味。キャラメルトフィー、パウンドケーキ。
全体的に甘露さが残りつつ熟成香が感じられる。ドライハーブや漢方の様な枯れ葉の様なニュアンスも漂う。
ドライフラワーなどの要素、パストラミハム、ベーコン。
クローヴの様な風味がある。
タンニンに甘みがあり、酸は穏やか。非常に旨味は強い。
ブラックベリーとリキュール、クローヴの余韻、パストラミハムのスパイシーさを感じられる。美味い。


生産者: カーディナル ワイナリー
銘柄: カーディナル カベルネソーヴィニヨン 2010
品種: カベルネソーヴィニヨン86%、メルロー14%

WA96pt
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
濃密で凝縮度の高いカベルネソーヴィニヨン。
キャッチーな甘露さとというより甘露さはありながら香ばしく筋肉質なワインとなっている。
ビターなチョコレートやコーヒー、カシスやブラックベリーのリキュールを思わせる果実味、ドライフルーツの様な凝縮感がある。MLFの要素は控えめでどちらかといえば樽と果実味がはっきりと出ている。トラディショナルなカリフォルニア。スミレの様な華やかさ、ミントの爽やかさ、ベーコンなどの香ばしい肉の香り、甘草や鉛筆の芯、そしてジンジャーブレッド。血液の様な要素もある。
多少熟成(酸化)は始まっているものの、基本的には若々しく液体は力強い。
タンニンが非常に甘く、酸は柔らかい。滑らかでクリーミーな舌触りの中に、ジャムの様なカシスやブラックベリー、血液、木材の様な余韻が感じられる。


生産者: スポッツウッド ワイナリー
銘柄: ナパヴァレー カベルネソーヴィニヨン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン92.4%、カベルネフラン7.6%

WA99pt
外観は濃いガーネット、粘性は非常に高い。
かなりクラシカルなカベルネソーヴィニヨン。
非常にポテンシャルは高そうだが、現状でいうとかなり硬い印象を受ける。非常に濃厚な風味。
ミルクポーションやバターの様な滑らかなニュアンスの奥に、重いニュアンスが漂っている。そしてシロップの様な香りも感じられるが...抽出はかなり強い、漢方やかなり焼きの強い樽の炭焼き、燻製の様なニュアンスがある。強いスミレやなめし革。土っぽい。
黒糖に転化しそうな熟したブラックベリーやカシスの様な果実味、ピーマンを思わせるすこし青さを感じさせる複雑なニュアンス。パウンドケーキの様な濃厚さ、燻製肉やベーコン、そしてタバコ、リコリス、クローヴなどのスパイスが感じられる。
酸味とタンニンは充実していて、果実味はピーマンやブラックベリー、カシスの様な充実した余韻を感じられる。
重量感と球体感はあるものの不足感を感じる。


生産者: コルギン セラーズ
銘柄: ナンバーナイン エステート プロプライエタリーレッド 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン62%、メルロー19%、カベルネフラン11%、プティヴェルト8%

WA99pt
外観は濃いガーネットで粘性は高い。
ものすごいグリセリン感。甘露で凝縮した果実味とMLFの要素が高濃度で整ったワイン。かなりの熟度と重厚感がある。
香ばしくまろやかなミルクチョコレートやメイプルシロップをかけたワッフル、そして過熟したプルーンやブラックベリーのジャムを想起させる果実味が主体となり、ミントの様な清涼感とスミレや熟成肉の様な旨味を包含した要素。シダーウッド、甘草、ハチミツの様な複雑なニュアンスが感じられる。トーストなど。若干の塩分がある。
全体的にシロップの様な甘露な香りに彩られ、しっかりとした樽、果実の甘みやほのかな酸を感じさせる複雑な作り。
タンニンは柔らかく、その中でしなやかな酸がある。
ブラックベリーやプラムの果実味とともに、ミルクティーの様な余韻、わずかな塩気が口内に広がり余韻となる。
素晴らしい。



【所感】
本日は典型的とも神に愛されたとも言えるナパのカベルネソーヴィニヨンなどのボルドー品種を中心に見ていきたいと思います。ラインナップはダラヴァレ、カーディナル、スポッツウッド、コルギンの4種類です。
いずれもカルトワイン、あるいはグランヴァンと呼ぶに相応しいものばかりだと思います。
ではまずは一旦ダラヴァレは置いておいて、カーディナルから。
樽と果実味かはっきりと感じられるワインです。
その分、少しMLFは控えめにも感じられます。筋肉質な凝縮した黒果実の果実味、そしてチョコレートやコーヒーを思わせるビターなロースト香、肉やミントの様な香りも感じられます。
ただ堅牢とまでは行かず、トラディショナルなカリフォルニアを思わせる甘露な香りはしっかりと感じ取れます。
そういう意味では樽の利き方はラトゥール的ですが、果実味がとてもわかりやすいので、受ける印象はかなり違うと思います。またアルコール度数の高さからか、タンニンが極めて甘く滑らかでジャミーな舌触りと余韻を感じさせます。
グランヴァン然とした素晴らしいワインです。

次にスポッツウッド。
女性的でマルゴーっぽいと称されますが、ヴィンテージなのか抜栓直後でバリカタだったからか、どちらかというとポイヤック的。いや、グリニッシュな複雑なニュアンスがある辺り、少しタイプは違う様な気がします。
前面にMLFやロースト香、強烈な華やかさがあり、果実味は少し隠れ気味です。ただ徐々にグラスから黒糖やシロップ、黒系果実の甘露さが現れてくる。そのパワフル感はかなりソリッドにも思えます。ハーブの香りとほのかなピーマン香があり複雑。こう、親しみやすい感じではないと思いました。
ポテンシャルはありそうなんですが、どうにも...こう気難しい感じのあるワインですね。

コルギン。
今までコルギンを飲んでダメだ、と感じたことはないのですが、今回も...本当に素晴らしい。流石です。
濃いワインが好きなら香りや味わいの粘性にまず驚かされそうです。ねっとりとした強烈なエネルギーを包含する液体というか。また果実味と醸造要素が「いずれの要素もバチバチに濃いにも関わらず」バランスがそれぞれ取れているのがとても驚きです。樽と果実味、果実味とMLF、MLFと樽、抽出、わずかな酸化要素がこれまた見事に絡み合って、複雑でありながら親しみやすい香りを作り上げている。
凝縮感があり、それでいてタンニンや酸は柔らかい。
黒系の果実で抽出もしっかりとしていながら渋みや酸味をほとんど感じさせない作り。
ネガティブを切り詰めて、ポジティブを最大化した作りと言っていいかも。非の打ち所がないワインです。

最後はダラヴァレ。これは熟成したものですね。
1998年ヴィンテージです。
なかなかいい感じの熟成だと思います。熟成起因のアロマが表出していながら、果実味も十分に残っていて、熟した黒系果実と黒糖の様な濃密な甘露さを感じます。ボディはしっかりとあるので出汁系ではないんですが、この枯葉や腐葉土、ドライフラワーの様なアロマがまた素晴らしくて。
わずかな燻製肉の様な風味もカリフォルニアの熟成っぽくていいです。
飲む人が飲めば若いかもしれませんが、適度に熟成香が露出しながら果実の風味をしっかりと感じられるのは素晴らしいですね。若い状態での飲み頃から少し過ぎたいい感じの香りと味わいだと思います。

やはりカリフォルニアはカベルネソーヴィニヨンの聖地といった感じがします。そうそうぺらぺらのワインが出来ることもなく、十分に熟した親しみやすい味わい。手をかけてやれば傑作ができる。
ボルドーの抑揚の効いた、ヴィンテージに合わせたスタイルも偉大である。という前提を置いた上で、単純に完成度と安定性の高いプロダクトという意味ではカリフォルニアは随一だと思います。
今更ながら強くそう思います。

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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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