【南アフリカ:4】ラール ワインズ3種テイスティング


こんにちは、HKOです。
本日はラール ワインズの赤白を水平で、白を垂直で頂きます。
前回は西ケープのウォーカーベイ ディストリクトのピノノワール、そしてシャルドネでしたが、今回はコースタルリージョンのスワートランド ディストリクトから生まれる南仏品種です。


【データ】
ラールワインズは2008年にドノヴァン ラール氏によって設立されたワイナリー。拠点は西ケープ州 スワートランド。年産僅か6000本のブティックワイナリー。
ブドウは主にスワートランドの10か所の畑のものを使用。白には花崗岩ベース、赤には片岩ベース。 こうしたブドウは、補酸はせず、天然酵母のみで醸造。
白は小さなバスケットプレスで全房のままプレス、最小限の澱とSO2とともに樽に移し発酵。全体的に澱とともに10か月間熟成、その後ブレンドし、瓶詰。 赤は全房(除梗する場合もある)のまま抽出は最小限に留めつつ、果皮とともに2か月おいておきます。その後、白ワインと同じバスケットプレスでプレスし、2年目のフレンチオーク樽で22か月熟成させます。無濾過、無清澄その後ブレンドし、瓶詰。
今回のラールホワイトはシュナン ブラン、ヴェルデホ、シャルドネ、ヴィオニエのブレンド。主にスワートランドのブドウ、一部ステレンボッシュのものを使用しています。
ラールレッドはシラーとグルナッシュのブレンド。スワートランドの畑から。シラーは頁岩、グルナッシュは砂質土壌で構成。
ケープクラシフィケーションでは1級を獲得しています。


【テイスティングコメント】
生産者: ラール ワインズ
銘柄: ラール ホワイト 2014
品種: シュナンブラン50%、ヴェルデーリョ、シャルドネ、ヴィオニエ

外観は透明感のあるイエローで粘性は中庸。
果実味は甘露でボリューム感のあるリッチなワイン。
ただミネラル感も豊かで、引き締まった部分があり、どこかシャサーニュモンラッシェを思わせる様な果実の甘露さとMLFの醸造的な要素を感じられる。バランス感と言うべきか。果実味の要素自体は異なる。パッションフルーツや花梨などのフルーツのコンポート、ほのかに白胡椒やハーブの香り、焼き栗、バターの様なまろやかさを帯びている。徐々に濃密な、白い花の蜜を思わせる凝縮した香りや穀物的な側面も現れる。酸を思わせるのに甘露は豊か。
酸はシャサーニュほど豊かではないものの、しっかりと存在していて、ニューワールド的なMLFと樽、明るいフルーツの要素が含み香として残る。素晴らしい。


生産者: ラール ワインズ
銘柄: ラール ホワイト 2015
品種: シュナンブラン50%、ヴェルデーリョ、シャルドネ、ヴィオニエ

外観は透明感のあるイエローで粘性は中庸。
果実味はこちらも非常に高く濃密だが、合わせて酸味もあり重さを感じさせない。
いかにもシュナンブランといった感じの味わい。
ミネラル感は充実している。穀物的な香り。
蜂蜜を思わせる濃密な香り、そしてりんごやカリン、洋梨のドライフルーツ、上白糖を思わせる甘露な香りがある。ヨーグルトドリンク、白い花やドライハーブ。シナモン。
香りの構成自体はそこまで複雑ではないにしろ、凝縮度は極めて高い。
酸はこちらも柔らかいながらしっかりと存在していて、充実した果実の余韻を感じさせる。
酸味を帯びたドライフルーツの果実味の余韻。甘露で馥郁たる余韻。


生産者: ラールワインズ
銘柄: ラール レッド 2015
品種: シラー80%、グルナッシュ20%

外観はやや濃いめのガーネットで粘性は高い。
いわゆるローヌに非常に接近した造りのシラー。
スパイシーさと果実味が非常に際立っている。
黒胡椒やパストラミハムを思わせるスパイシーな香りと、薔薇やなめし皮の様な華やかさ、そしてダークチェリーやブルーベリー、インクの様な果実味を感じる。樽の要素もあり、炭焼きや燻製などの要素。そして土や漢方、オリエンタルスパイス。乾いた草、井草の様なニュアンスも感じられる。リコリスなどの要素も。
非常にコートロティ的でローヌに近い味わいのワインだと思う。
酸やタンニンはしっかりとあるが、どちらかといえば酸の方が支配的でスパイシーかつ黒系果実の余韻を残していく。クオリティの高い赤だと思う。ポストローヌ。


【所感】
まずはラールホワイト2015から。
こちらは熟度の高い王道的な作りで後日取りまとめるアルヘイトのカルトロジーに近しい方向性。
濃密でよく熟した果実をクリーンに仕上げた感じ...シュナンブランです。ドライフルーツや上白糖のような甘露さがありますが、こちらの方がカルトロジーと比べるとMLFをしっかりとかけているようで、ヨーグルトドリンクなどの要素も感じられます。高い凝縮度がありますが、あまりアルコール度数は感じません。穀物的な香りを感じさせながら、果実の甘露さとクリーンさが目立つ作りになっています。ただ酸味があるので極端な重さは感じませんね。

対して2014はどうか。
馴染んでいるという見方になるだろうか。
当然ボリューム感は高く甘露であることは変わりはないのですが、MLFと果実味のバランスがどうにもシャサーニュモンラッシェを感じさせるようになった。
いや果実の要素は全然違っててローヌ的だし、MLFからくる香りもどうにもニューワールド的ではあるんですが、仕上がりがとても似ているように感じました。
白胡椒やハーブの風味がありますし、時折焼き栗のようなニュアンスも混じってきます。
徐々に品種特性っぽい要素も出てきますが、パワー感とクリーンな荒々しさを感じる2015と比べると品があるようにも感じますね。

最後はラール レッド 2015。
これがとてもローヌ的なんですよね。コートロティっぽい。北部でも肉付きの良いエルミタージュとはまた少し違う。
スパイシーさや漢方、乾いた草のニュアンスと共に、よくローストされた樽に起因する土や炭焼きのニュアンスなどが漂います。果実味は程よく冷涼で、ダークチェリーやブルーベリーを想起させる要素。豊満で豪華なニューワールドのシラーズとは一線を画す、エレガントなシラーに仕上げていると思いました。
タンニンだけではなく、酸味も充実していて、シャプティエやポール ジャブレ エネ的な雰囲気かなあと思います。

白はかなり力強くパワフル(酸もしっかりあります)に作られているのに、赤は抑制の効いたエレガンスをまとっているのが面白いですね。
まあ白もクリーンではあるのですが、果実のパワーが非常に強い。
なんとなく、赤もシラーズやギガルっぽく作れるんでしょうけど、きっと抑制しているんじゃないかなーとも思っています。あえて。

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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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