【南アフリカ:5】フュールバーグ2種テイスティング

こんにちは、HKOです。
お次はフュールバーグ、ラールが栽培醸造を務めるワイナリーです。

【データ】
フュールバーグはステレンボッシュとフランシュックの境界に位置するワイナリーで、2010年よりドノヴァン・ラール氏が栽培・醸造を手掛けています。生産量は8haの作付面積から4万本程度。畑はステレンボッシュの標高の高い山間の畑に保有。
今回はホワイトとリザーブ レッドの2種類。
ホワイトは主にはステレンボッシュ、一部スワートランドの真砂土、小石砂利、粘土質の畑から。ブドウは可能な限り早摘みし天然酵母で全房発酵。225Lと400Lのフレンチオーク樽(30%新樽)で3~9ヵ月熟成。
リザーブはステレンボッシュにある二層の粘土質土壌の畑。早摘みしたブドウは破砕はせず除梗。選果後、タンクに移し3~5日後の低温浸漬後、自然に発酵。ちょうどよい抽出具合圧搾後は225Lのフレンチオーク樽(新樽50%)で22ヶ月熟成。


【テイスティングコメント】
生産者: フュールバーグ
銘柄: フュールバーグ ホワイト 2015
品種: シュナンブラン、ヴィオニエ、ヴェルデーリョ

外観は透明感のあるイエローで粘性は中庸。
グランヴァン的な側面がある。ラールホワイトと比較するとより王道的なピュアな果実味を押し出したシャルドネに近い作り。
ミネラル感は控えめ。
シナモンやジンジャー、そしてライムやカリンの様な繊細な果実味。かなり強い蜜やシロップの様な甘露さがある。
白い花やフレッシュハーブ、茎の香りがバランスをとりながら支配的。あまり樽の要素は感じられない。リコリスやバニラ、ヨーグルトの様なニュアンスがある。
果実のピュアな甘さのみでMLFに頼らない。
基本的にフレッシュで酸味豊かな冷涼なシュナンブラン。
しかしてかなり味わいに厚みがあり、酸とともに甘露なカリンやライムの豊かな柑橘や核種の果実味が溢れている。


生産者: フュールバーグ
銘柄: フュールバーグ レッド 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン、プティヴェルト、メルロー

外観はやや濃いガーネットで粘性は中庸。
基本的な骨子はボルドーというよりニューワールド的な果実味の表出を感じる。とはいえ味わいはどの地域にも似通っておらず果皮の華やかな香りと樽が最も強い。
やはりボディの構成はラールに近しく感じる。
ビスケットやキャラメルトフィー、バニラを思わせるふくよかな香りと、エナメルリムーバー的な華やかさ、そして薔薇やスミレなどの華やかな香りが主軸となる冷涼さを帯びた複雑さがある。そしてカシスやブラックベリーの熟した蜜を思わせる果実味が付随し、繊細に作られている。青っぽさはなく、かなり熟した感じ。生肉やローリエ、鉛筆の芯、漢方、リコリスなどの要素がある。
旨味たっぷりで、酸は穏やか、タンニンは甘く作られており、しなやかで果実味に満ちている。
黒系果実とキャラメルや、エナメルリムーバーの様な余韻が感じられる。


【所感】
まずはホワイトから。
これまたクリーンさを感じさせるシュナンブラン。
ただ高級ワイン的な風合いはとても感じられますね。スパイシーで凝縮した蜜やシロップの様な甘露さが感じ取れます。そこに白い花やフレッシュハーブといった要素が調和している。
MLFは控えめで果実本来の凝縮度と酸を角を潰さずに、そのまま表現している感じでしょうか。ヨーグルトがありますが、酸はしっかりとしていますので、コッテリとかけた様なタイプではありません。
果実味も柑橘要素なので、語弊を恐れず言えばシャブリ的な風合いがあります。
新樽比率30%はブルゴーニュでいうと、クリアに感じられるレベルの比率なので、それがそのまま出ている感じなのかもですね。
次はレッド。ボルドーブレンドですね。
なかなか個性的で、どの地域にも寄らない作りになっています。ニューワールド的な果実味の表出を感じますが、ボディははるかにエレガントで、果皮や樽の要素がしっかり効いています。ボディと抽出はブルゴーニュ、果実味と樽の方向性はニューワールド。それらが少し既存のワインとはアンマッチで繊細に作られたニューワールドのカベルネソーヴィニヨンを強く印象付けます。故に青っぽさは殆ど無くボディだけ軽く感じるんですよね。
旨味たっぷり、タンニンや酸は柔らかくしなやかです。
本来的には...ニューワールド風味の味わいはもっとボディは強くあるべきだし、ボルドーならもっと青さが出てても不思議じゃないのですが、アンビバレンツなバランスがとても魅力を引き出している様に感じますね。

うーん、ここまで飲んでみて、白はどうにも樽を聞かせてヴァン ド ガルドに仕込むっていうのはあまり見られないですね...ハミルトン ラッセル然り、アルヘイト然り、そしてクリスタルム然り...です。
クリーンに仕上げながら、早飲みできる様にキャッチーに仕上げている様な気がしますね。これはこれで良い方向性ですが、堅牢に仕上がった長期熟成を見込んだワインを仕込み始めたら...カリフォルニアに比肩し始めるかもしれないですね。赤は申し分ないかと。
面白い地域ですね...本当に。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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