【南アフリカ:7】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.2

こんにちは、HKOです。
本日も引き続き南アフリカです。

【データ】
マリヌーファミリーワインは、2007年に南アフリカ スワートランド地域に設立されたワイナリー。
ワインメーカーはクリスとアンドレア マリヌー。
サスティナビリティー農法を実践し、醸造においては、極力人為的な介入を避けています。発酵は野生酵母で行い、無濾過無清澄で瓶詰め。
今回のシラーは7つの畑をブレンドし、50%の全房発酵。計15%の新樽を含むフレンチオーク、500リットル、2000リットルのフードルで14か月間の熟成。
スワートランドのテロワールをワインで表現することを追求しており、フラッグシップは土壌毎にリリースされるボトルとなっている。シュナンブランは「グラナイト」「クォーツ」「シスト」、シラーは「グラナイト」「アイロン」「シスト」。非常に少量生産で、お値段驚きの1万5千円。強気ですね...サディ ファミリーに比肩しそうな勢いです。ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年も1級)。

ニュートン ジョンソンは1985年にウォーカー ベイに設立にしたワイナリー。当主は南アフリカ最大のワイン会社ステレンボッシュ ファーマーズ ワイナリーで輸出を担当していたデイヴ・ジョンソン氏。当初はネゴシアンに専念していたが、1996年にはエステイトを入手し、自らのワインを作り始めました。
現在ワイナリーの運営は、オーナーのジョンソン氏とその二人の息子によって行われており、息子のゴードン氏はニュージーランドのハンターズ等で修行を重ねたワインメーカーです。
平均収量36hl/haは樹齢8-10年。土壌頁岩、水晶の混ざった風化した花崗岩質土。
全て手作業でブドウは栽培され、試行錯誤を重ねながら努力を重ねています。醸造は重力を使用した設備でブドウに負担を与えないよう細心の注意が払われ、天然酵母醗酵、フレンチオーク樽11ヶ月(新樽28%)にて熟成される。
ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年は2級)。

ブーケンハーツクルーフは南アフリカのフランシュック地区に1776年に設立 された最古のワイナリーの一つ。醸造は南アフリカの天才ワイン醸造家と称されるマーク ケント。エレガントで力強いローヌスタイルを目指しています。
ワイナリーはフランシュック地区の山々に囲まれた谷にあり、東向き斜面の25haのブドウ畑。日照時間が少なく生育が遅いため、長い成熟期間により複雑なテクスチャを生み出します。
フラッグシップは7つの椅子が並ぶラベルのブーケンハーツクルーフシラー、カベルネソーヴィニヨン、セミヨンの3種類。
カベルネは5日の低温浸漬。日当たり3回のルモンタージュを2週間行う。シラーより若干高い温度で発酵。スロベニアンオーク新樽100%で27カ月熟成。
ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年は2級)


【テイスティングコメント】
生産者: マリヌー アンド リーウ ファミリー ワインズ
銘柄: スワートランド シラー 2014
品種: シラー100%

外観は濃い色調のガーネット、粘性は中庸。
端的に良く出来た部類のコート デュ ローヌ クラスという印象を受けます。ラールのシラーはコートロティを思わせる複雑さや風格がありましたが、少しデイリー的な印象を受けました。
ブルーベリーやダークチェリーの様な酸味を帯びた果実味があり、エナメルリムーバーや生肉の様な要素が主体的に浮かび上がってきます。冷涼にも感じ取れますが、しっかりとした蜜の要素もあります。バタートーストやシラー由来のブラックペッパー、タールの様な風合い。グローヴや血の要素も感じます。
シラーとしては軽めのボディ。香りは精彩を欠いているものの、タンニンと酸のバランスは比較的良く、グリセリン感の甘さ、熟した黒系フルーツの余韻を残していきます。すこし苦味を感じさせるのも特徴的ですね。


生産者: ニュートン ジョンソン
銘柄: ファミリー ヴィンヤーズ ピノノワール 2015
品種: ピノノワール100%

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
ブルゴーニュ的ピノノワールというよりはソノマヴァレーやニュージーランド的な方向性が見て取れるピノノワール。非常にクリアで淡い出汁のような精緻さのあるワインです。
華やかな香りと赤系の小果実のキュートな果実味が主体的。瑞々しいイチゴやクランベリーの果実味と共に華やかなスミレやスイセン、そして茎、ユーカリのグリニッシュさを纏っています。果実味は蜜やシロップというよりは果実本来の糖がもたらす香りが感じられる。
そこに鉄釘やグローヴ、シナモンの要素が混じり、ほのかに削りたての製材のような清涼感のある香りを得られます。
タンニンは控えめながら、酸は充実していて香りの印象とは合致します。赤系の果実味とグリニッシュさ、ほのかな苦みが余韻に残っていきます。


生産者: ブーケンハーツクルーフ
銘柄: カベルネ ソーヴィニヨン 2014

外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
非常にキャッチーで明るい性質のカベルネソーヴィニヨン。
熟したブラックベリーやカシスの様な果実味かあり
甘露なダークチョコレートやミルク、ワッフルの様な果実味。ほのかにグリニッシュなピーマンの様な風味。
どこかムートン的な風味が感じられる。スミレや薔薇の様な華やかさ、ほのかなタバコ、土の様な要素、シダーウッド、グローヴなどの風味。
酸味は豊かでエレガント。タンニンは柔らかく、グリニッシュさやミルク、黒系果実の様な酸味を帯びた果実味の余韻を感じられる。
ボディは決して重々しくなくキャッチーながらミディアムなカベルネソーヴィニヨンになっている。最高!


【所感】
まずはマリヌーのシラーから。
ちょうどミドルレンジに当たるキュヴェで、ストリート オールド ヴァインがローレンジ、シングルヴィンヤードがハイレンジに当たります。
1級に位置付けられているだけに期待も上がりますが、ボトルが悪いのか、そもそものクオリティが低いのか、あるいは私がこのスタイルを好まないだけなのかはわかりませんが、今ひとつパッとしない印象を受けました。
ニューワールド的な丸みや凝縮度を持っているわけでもなく、ローヌのシラー的なスパイシーさとエレガンスがある訳ではなく、どこか半端な印象を受けます。
たまに見かける中間的なシラーというか、そんな感じです。よく出来た(モダンな造りの)コート デュ ローヌ的な感じとでも言いましょうか、そこそこ熟した感じはあるのですが、悪く言うと安っぽい感じがします。
黒系のやや酸味を帯びた果実味と生肉、そしてエナメルリムーバー、バタートースト的な風合いを感じられます。
イースト感がそこそこあります。
香りに精彩を欠きますが、比較的軽めのボディの割には味わいとしてはバランスが良い様な気がします。
ただ、あくまでグレードとしては中、なので上位はどの様に仕上がっているかはわかりません。
ちょっと確認は必要ですね。




次にニュートン ジョンソンのファミリーヴィンヤード。
かなりクオリティの高いピノノワールだと思います。
ただいわゆるブルゴーニュという訳ではなく、繊細なタイプのソノマヴァレーだとか、ニュージーランド的な方向性を向いている様な気がします。
その一端には恐らく新樽やMLFの要素を強く感じないからかもしれません。比較的クリーンで良く熟した赤系の小果実を思わせる果実味が感じられる形となっています。
そして華やかなスミレや鉄、適度なグリニッシュさがあり、ナチュラルな味わいとなっています。
いわゆるグランヴァン的な味わいではないものの、非常に良く仕上がったピノノワールです。酸も充実していて、かなり冷涼なスタイルの味わいになっています。ニューワールドらしい余韻の苦味があります。
比較対象としてはブルゴーニュではなく、ニューワールドの比較的モダンな造りの生産者と比べるべき生産者だと思います。




最後はブーケンハーツクルーフのカベルネソーヴィニヨン。
これはもう...毎度の事ながら素晴らしい。
ちょっと誇大的な表現でいうと、かなり軽めで酸が感じられるシャトームートンロートシルトやオーパスワンに近いと感じました。悪い表現でいうと、オフヴィンテージの際にしっかりと手を入れて作ったそれら、といった感じ。樽やMLFがしっかり効いていて、果実の甘露さと奏上して仕上がる1本。凝縮感や濃密さこそ控えめですが、抑制されていながらバランス良くキャッチーに仕上がっている。
とにかくこのクオリティがこの価格というのはなかなかすごいのではないかと。(順調に寝上がってはいますが)
熟した黒系果実の果実味とダークチョコレート、ミルク、スミレや薔薇の華やかさ。そしてごく僅かにピーマンの様な青さがある。タバコや土の要素があり、醸造的な要素でしっかりと武装をしている感じです。
酸味は豊かでタンニンは滑らか。ロワールまで酸味はありませんが、やっぱりボルドーのオフヴィンテージっぽいんだよなあ。
とはいえそれが悪い訳ではなく、最も恐ろしいのがニューワールドには成し得なかったボルドー的な風合いを感じさせる味わいを再現するワイナリーが出てきてしまったことですね...こわ。


スポンサーサイト
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR