【南アフリカ: 8】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.3

こんにちは、HKOです。
話題の南アフリカです。

【データ】
ブディノは南アフリカの名門ワイナリー。
今回のワンダリングビーストは名手ドノヴァン ラール氏がブディノとコラボレーションし、スワートランドで作るシラー。土壌はスレート・頁岩を含むローム質土壌。生産本数は4000本。
初ヴィンテージの2013はデキャンタ誌で最高評価を獲得しました。
サスティナブル農法、収量は50hl/ha、樹齢20年のシラーを使用。夜間手摘みで収穫されたブドウは、更に厳しく選果され、熟度の高い茎を使用し全房醗酵(天然酵母100%)。
オーク樽(300L)にて6か月(新樽なし)熟成。

フラム ワインズはステレンボッシュに拠点を置くワイナリー。 当主はボッシェンダル ワインで12年ワインメーカーを務めたティナス クルーガー氏。設立は2013年。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では4級となっています。
ブドウはスワートランドやロバートソンなど様々な地域の物を購入し、自身のワインを作り上げています。
今回のピノタージュはクランウィリアム北西の丘のブドウを使用。鉄の混じった赤い砂質土壌。


グレネリーはステレンボッシュ地区シモンズバーグ山脈の東側のより涼しい斜面に位置する老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では3級となっています。
醸造は2007年よりシャトーフューザルやアンジェリュスを経験したルーク氏、2009年よりバーデンホーストのアディ氏が醸造コンサルタントとして携わっています。
2003年より、シャトー ピション ロングヴィル コンテス ド ラランドの元オーナー、メイ エレーヌ ドゥ ランクザン夫人が出資、2005年に最初の実験的なケープブレンドを生産。
今回のレディーメイはピション ロングウィル コンテス ラランド元オーナーが南アフリカで手掛けたグレネリー社のフラグシップ。
醸造設備は重力に逆らわないグラビティシステムを採用し、全て天然発酵で生産。
ステンレスタンクで天然発酵後、フレンチオーク新樽に移し、マロラクティック発酵。フレンチオーク新樽で24ヶ月熟成

ミヤルストはミパーフ家によって運営されている1756年創立の老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016ではブルジョワ級となっています。
オーナーはラフィットで修行を積んだハネス マイバーグ氏。
ステレンボッシュ市から15kmほど。保有する畑は花岡岩が露出した丘で、海から近く、夏でも涼しく湿気を帯びた風が流れるようです。畑の作付面積は110ha(カベルネ ソーヴィニョン、カベルネ フラン、メルロ、ピノ ノワール、シャルドネ)。
フラッグシップはルビコン。オーナーの出自のボルドーブレンドでファーストリリースは1984年。
品種ごとにステンレスタンクで発酵。マロラクティック発酵終了後にブレンドをする。その後、バリック(70%がヌヴェール産の新樽、30%がヌヴェール産とアリエ産の2年目樽)で21ヶ月樽熟。さらに数年にわたる瓶熟を経て出荷される。


カノンコップは1910年にステレンボッシュに設立された老舗ワイナリー。ティムアトキンのケープ クラシフィケーション 2016では1級となっています。現在は4代目。幾多もの受賞履歴を持つワイナリー。
シモンスバーグ山脈の麓に100haのブドウ畑を所有。(50%が樹齢50年以上が含まれるピノタージュ、カベルネソーヴィニョンが35%、メルロは7.5%、残りがカベルネフラン。
今回のポールサウアーはボルドーブレンド。
収穫量4トン/ha、樹齢は平均24年。オープンタンクで発酵。225Lのフレンチオークで24ヶ月熟成(新樽100%)。
最高級キュヴェは生産本数3500本の「ブラックレーベルピノタージュ」



【テイスティングコメント】
生産者: ブティノ
銘柄: ワンダリング ビースト シラー 2015
品種: シラー100%

外観は濃いガーネット、粘性は高い。
当初血液を思わせる鉄分や華やかさが前面に主張をしていた。その方向性はオーストラリア バロッサバレーのそれだが、冷涼で甘露さは控えめだった。2日程度時間を置くと甘やかさとロースト香とのバランスが取れて来た。
鉄分や薔薇の様な華やかさ、漢方の様な風味がやはり強いが、炭焼きや燻製肉の様な焦げた風味、そしてプラムやブラックベリーの果実味が感じられる。黒糖とイースト。
漢方が入り混じった様な甘露さもある。ただし冷涼でやはり華やかさを主軸としており、若々しい酸を思わせる果実味がある。多少のアルコール感もある
酸味がしっかりとあり、タンニンは控えめ。ボディに丸みがあるので香りと味わいに差分はない。華やかでフレッシュな黒系果実の余韻が残る。



生産者: フラム ワインズ
銘柄: ピノタージュ 2014
品種: ピノタージュ100%

外観は透明感があり均一なガーネット、粘性は中庸。
ねっとりとしたやや土の香りが漂うピノタージュ。
主体的には果皮の香りが強く野生的で、血の香りや燻製肉や薔薇のドライフラワー、エナメルリムーバー。
そしてスモーキーな煙草の様な香りが感じられる。そこにねっとりとしたプラムやブラックベリーのジャムの様な香りがある。ジャム的ではあるものの、酸味を残しており、若干の冷涼さを感じさせる。やや塩気があり海藻的なニュアンスも。
イースト的な酵母の香りがほのかにあり、ネッビオーロ的な側面は確かにあるが、エッジは控えめで丸みを感じる。
徐々に果実味は干した杏の様なニュアンスに変化していく。
香りはあまり魅力的ではないが、口に含んだ時の旨みや厚みは白眉で、ややタンニンと酸にキツさはあるものの厚みがあり、香りとのバランスは良い。
杏や血の様ななどの余韻がある。



生産者: グレネリー
銘柄: レディ メイ レッド 2011
品種: カベルネソーヴィニヨン85%、プチヴェルド10%、メルロー5%

外観は濃い色調の黒いガーネット、粘性はやや高め。
非常にボルドーに近いストラクチャーを持つカベルネソーヴィニヨン。非常にスモーキーかつ乾いた土の様な香りが突出する。ラトゥール風の方向性。
乾いた土や煙草、カカオの様な強いローストをかけた樽香、そしてミルクポーションや生乳などの要素がそれらに一体化する。そして甘草やクローヴなどといったスパイス、インクやドライフラワーなどの要素が際立って感じられる。果実味の甘さは控えめでフレッシュなカシスやブラックベリーの様な果実味がある。ほのかなピーマンの様な複雑な青さ、蜜の様な甘さ、ローズウッドも感じられる。
ボルドーの良年と比べると少し冷涼でドライさを帯びている。
酸がやはり前面に出ており、ややシャープ。タンニンもやや荒れ気味の印象。香りに対して、やはりボディはやや不足気味で、粘性は低め。舌触りもドライである。
カシスやシダーウッド、甘草のような長い余韻がある。
やや暴れ気味だが、スタイルとしてはなかなかいい。



生産者: ミヤルスト
銘柄: ルビコン プロプライエタリーレッド 2013
品種: カベルネソーヴィニヨン70%、メルロー20%、カベルネフラン10%

外観は澄んだガーネットで、粘性は中庸。
グレネリー同様スモーキーでありながら、よりこちらの方が繊細でグリニッシュさが際立っている。グレネリーがラトゥール的ならば、こちらは(MLFの要素は控えめながら)ラフィット的な作りであろうと思います。
土やタバコ、薫香の様なローステッドな香りと共にシダーやミント、そして甘草やユーカリなどの青っぽさを比較的強めに感じる事ができる。そしてベーコンや鉄釘の様な香りを帯びている。果実味はカシスやブラックベリー。甘露かというとドライだがチョコレートに発展しそうなポテンシャルはある。コーヒー豆などもある。ほのかにMLFの滑らかさがあるが、基本的には青さと樽の要素が際立つ。
酸味は豊かだが、比較的タッチに丸みがあり、エッジは効いていない。タンニンも色調と比較すると柔らかい。
グリセリン感があり、口当たりに厚みがあるので熟成ポテンシャルは高そう。酸味を帯びたブラックベリーやアプリコット、ローズティーな樽の余韻を感じさせる。



生産者: カノンコップ
銘柄: ポール サウアー 2012

外観は透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
非常によく出来たクオリティの高い典型的なメドック格付ワインのバランスを踏襲しているが、その中から感じ取れるアルコール感は少しカリフォルニアを感じさせるものもある。
乾いた土、西洋杉やカカオの様な焦がした樽の香りと、ミルクポーション、甘露なカシスやブラックベリーのリキュールの様な香りが見事に調和している。インクっぽさに少しカリフォルニアを感じる。ほのかにタバコやリコリスの要素を感じ取れる。ドライフラワー、華やかさより生肉や燻製肉などの旨味を包含する形がほのかに熟成を想起。
ジンジャーブレッドの様な要素があります。
全体的に樽とMLFの要素のバランスが非常によく取れていてメドックを想起させる作り。その中でインクや果実の熟度が少し新世界寄りになっている印象があります。
やや酸が強めでタンニンの線の細さがあります。収斂性はやや高く荒さが感じられる部分があります。若々しいカシスやアプリコット、ワッフルなどの余韻。
グリセリン感はなく、少し繊細にも感じられました。




【所感】
パパッと行きます。長いので。
今回はシラー、ピノタージュ、そしてボルドーブレンド3本ですね。
まずはブティノのワンダリングビースト、シラーから。
端的な印象としては、スパイシーさはあまりなく小ぶりで軽やかなオーストラリア シラーズといった感じでしょうか。
ローヌ的ではないですね。全体的に華やかで、漢方や炭焼きに近い方向性の樽香が目立ちます。
果実味は黒系の甘露な果実。黒糖やイースト的な要素もあります。酸が前にでており、フレッシュですね。
果実味と樽香、華やかさが前に出る、という点でシラーズ的だと思います。ただギラギラした凝縮度や華やかさではなく、酸が主体的な軽やかさを感じるので、その点やはり冷涼だと思います。ローヌ型やオーストラリア型どちらかに完全に寄っているわけでは無いので、少し印象としては希薄な感じですね。悪くは無いです。マリヌーなんかと近いかもです。

次、フラムのピノタージュ。
これはすごく勧められたものではあるのですが、ちょっと期待値が高すぎたのか、そこまで感動はしませんでした。
よく出来ているとはおもいますが。
どこか南仏を感じさせる完成系のワインでして、原種のピノノワールというよりサンソーを強く受け継いでいるような感じでした。果皮の香りが強く野生的で、華やかさが前面に立っています。エナメルリムーバー的。サンソーとかシラーっぽい特徴が強いです。樽香はややスモーキーで煙草や土っぽさが出ている、ブルやボルドーのような品のあるタイプまではなく、もっと...言い方は悪いですが粗雑な感じですね。
果実味は非常に充実していて、ジャミーで濃厚。ほのかなイーストや海藻的なニュアンスもあります。
ネッビオーロに近いといえば近いところにありますが、酸やタンニンのキツさはそこまでではないですね。
香りと味わいのバランスはとても良いと思います。
こちらも印象的かと言われればワンダリングビースト同様微妙なとこですね。

次から3本はボルドーブレンドです。
まず前提として、非常によく出来ていると思います。
素直に美味いと思います。特にカノンコップのポールサウアーは白眉だと思います。全体的にやや厳しめですが、期待の表れだと思って下さい。

まずはグレネリーのレディーメイですね。
一見して非常にボルドー的なテクスチャーやストラクチャーを持つワインだと感じました。スモーキーで土のニュアンスを感じるので、樽の使い方はラトゥール系に近い印象もあります。果実の充実度はそこまで高くないので、あくまで方向性ですね。次いでマロラクティック発酵と果皮のニュアンスが主体的です。少しインキーにも感じるくらいには。
果実味は少し繊細とも言える形になっていて蜜のような甘露さを感じさせる黒系果実を感じさせます。ドカンとグリセリン感がある感じではないですね。冷涼でやや中凡なボルドーのヴィンテージにも近い作りかと。
故に酸がシャープ。タンニンも抽出から感じられる通り暴れ気味。やや細めのボディではありますが、決してバランスを崩しているほど酷いわけではないので、価格としては良作と言えそうな気はします。

次にミヤルストのルビコン。
基本的にはレディーメイと近しいハッキリとした樽香を押し出しながら、より香りの青さやハーブっぽさが目立つような形になっています。
マロラクティック発酵のニュアンスは抑え気味ですが、レディーメイがラトゥール的ならば、こちらは香りの青さからラフィット的かと思います。樽香とハーブのニュアンスを基軸にして、基本的なボルドーを思わせるカシスの果実味。甘露さが出てきたらチョコレートに発展しそうな感じもあります。こちらも酸味が充実しているのですが、ボディはしっかりとしていて、舌触りに丸みや厚みを感じます。
タンニンはシルキーですが、レディーメイと比べると熟成しそうな雰囲気がありますね。味わいとしてはレディーメイよりこちらの方が好みです。

最後はカノンコップのポールサウアー。
典型的なメドック格付的な味わいですが、アルコール感や果実味はむしろカリフォルニアのナパヴァレー的な風合いを感じさせます。こちらも樽香、抽出共にが強いですが、リキュールを思わせる濃密な果実味、マロラクティック発酵的なミルクポーションのニュアンスがとても良くバランスが取れていると思います。バランス感の良さはボルドーにも通じる所があるような気がしています。
酸が強く、骨格やボディが少し繊細にも感じられますが、バランス感が良いので違和感はほとんどありません。
とても美味しく飲めるボルドーブレンド。ピークはやや早めに来るかもしれませんが、今飲んで非常に美味しいワインとなっていると思います。

やはり味わいの方向性...「良いカベルネとはこういうものだ」という基軸が定まっている品種に関しては非常に完成度高く仕上げてきているような気がします。
ブーケンハーツクルーフなんてそうなんですが、(南アフリカならではのボディの軽さはさておいて)非常にキャッチーな作りを実現している。誰が飲んでも美味しいと感じる美味さを作ってますね。
対してシラーやピノタージュなどの南仏に所以する品種が今ひとつ物足りなさを感じてしまうのは、ローヌやオーストラリアを目標にしておらず、自身の作りを追求しているからかもしれません。
ブーケンハーツクルーフは国際的な作りをしていると思いますが、今のところ極端に垢抜けたシラーはハーテンバーグくらいしか思い浮かばない...
これがカチッと定まれば、もっと評価が上がって来ると思います。しかし没個性になりますがね。
上記の地域のデグレ、安いだけになってしまいますから、独自の方向は見据えつつ完成度を上げていっていただけると最高ですね。



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【ブルゴーニュ:136】クリュ ボージョレの誘い。ジュリエナ、ブルイィ古酒とムーランナヴァン。

こんにちは、HKOです。
本日はクリュ ボージョレをいくつか取り上げてみます。


【データ】
生産者に関してはあまり情報がないので、割愛。
テロワールのみ記載します。

ムーラン ナ ヴァンは、 10年程度の中長期熟成が可能な、強靭なタンニンを備えたワインを生み出すAOC。
特徴が似たAOCシェナと隣接し耕作面積は約670ha。15の区画がAOC名に併記を認められている。中でもクロ デ ロッシュグレは優れた畑のうちのひとつで、 標高は高く300mを超え、赤い表土はマンガンを多く含む。全体的な畑は標高230~390mにあり、マンガン含有度が高いもろい花崗岩の土壌である。

ジュリエナは、2~5年程度の中期熟成が可能な個性的で力強いワインを生み出すAOC。
クリュ ボージョレの中で最北に位置し、マコネ地区のサン ヴェランと隣接、AOCサン タムールの西側に位置する。
標高230~430mの南斜面に畑は位置し、サン タムールより標高が高く急斜面。土壌は痩せて乾いた花崗岩・片岩質土壌。

ブルイィは軽やかで繊細なガメイを生み出すAOCで長期熟成に向かず、収穫から4年以内に飲まれる事が望ましいとされている。
クリュ ボージョレの中で最も南に位置する。耕作面積が最も大きく約1,330ha程。片岩と花崗岩の混ざった土壌の畑だけからAOCブルイィを名乗ることができる。
このAOCではガメイのみでなく、シャルドネ、アリゴテ、ミュスカデの混醸を認められている。

生産者によっても異なるかと思いますが、大筋この中だとムーランナヴァンが力強く、追ってジュリエナ、ブルイィとなる様ですね。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ デ ロジエ
銘柄: ムーラン ナヴァン エグゼクティブ セレクション 2015

外観は紫を帯びた濃いガーネット、粘性は中庸。
当然ガメイ的な性質は非常に強いが、タンニンと酸の体躯が非常に強く、時折ニュージーランドの良いピノノワールを思わせる側面が見え隠れする。
香りはキャンディっぽく、かつ黒胡椒やスパイスの様な香りが先行して感じられる。茎や燻製肉、そしてブラックベリーやブルーベリーの様な果実味、やや強めに抽出した様なスミレやバラの要素、焦がした木材の様な香りが感じられる。クローヴやサフランなどの要素もある。
どこかシラーを思わせる要素も拾うことができる。
タンニンはガメイとしてはかなり力強く、酸もしっかりと聞いている。しかしボディとしてはやや水っぽく、アルコール感は控えめで、抽出と酸が際立っている感じだ。
華やかさと黒系果実の果皮の素直な余韻を残す。



生産者: ドメーヌ デュボ
銘柄: ブルイィ 1998

透明感があり一切の濁りがない淡いルビー、粘性は中庸。
驚くべきガメイ。美しく熟成したガメイの本質を知ってしまった。非常に繊細でありながら果実味は充実している。
熟したストロベリー、レッドカラントの様な果実味があり、甘露な上白糖の香りを伴ってくる。
瑞々しく華やかで、ほのかにオレンジの香りも感じさせる。小さな赤い花や紅茶、グローヴやハーブの香りを漂わせる。粘土や出汁のような香り。生肉やチーズの要素。
酸やタンニンは完全に落ち着いており、濃密な出汁や梅しばの様なエレガントな酸味と旨味が突出している。
優しいタッチで、瑞々しく、熟成クリュ ボジョレーの素晴らしさを十分に感じさせる。


生産者: ドメーヌ ド モパス
銘柄: ジュリエナ 2001

外観はやや濁りのあるルビーで粘性は中庸。
古酒感がかなり出てきている。梅酒的。
輪郭はしっかりと残していながら梅やアセロラ、プラムの様な果実味が感じられる。少しシェリー的で鉄分や塩気のある燻製肉や出汁のような風味が感じられる。野生的ではないが、味の方向は熟成に寄っている。ドライイチジク、トースト、スミレのドライフラワーのような華やかさ、土の要素。シナモンなどの要素。
酸やタンニンは落ち着いているものの、少し酸が跳ねている、というか生きている。梅やアセロラ、果皮のような余韻が残る。



【所感】
まずはムーランナヴァン。
これはAmazonのやつですね。Amazonの公式見たら酒販担当の森山氏という方が頑張って選んだみたいです。ジョルジュデュブッフの監修付き。
個人的にはまああまり期待できんなぁ、とは思っていたのですが、これがなかなか良くてですね。
ガメイの軽やかさや果実味は当然ながらあるのですが、骨格がしっかりしていて、ちょっとピノノワールっぽく仕上がっているな、と思いました。それと結構スパイシーな側面が強く、どことなくシラーを思わせる黒胡椒的なニュアンスもあったりして意外と起伏に富んでいるのがいいですね。
香りもタンニンも酸も豊かなので、比較的ボディは厚いのかな、と思わせるのですが、そこはガメイ、流石にそこまでは至らず、やや軽めのボディで、フルーティーな余韻を残していきます。

次からはガメイの熟成。
まずは最も軽いとされるブルイィの熟成から。
しかも推奨4年以内ですが、今回のは98年。18年程度の熟成を経ているものとなります。
これが、ちょっと予想していたより遥かによくってビックリしました。もともと「大丈夫か...?」というところから始まっているとはいえ、それでも超綺麗に熟成している。
その枯淡っぷりは、まあ確かに?80年とか70年代のワインを飲んでいる様な淡さで、過ぎていると言えなくもないのですが、それを置いても良いワインになっていると思います。
全体的に出汁っぽいのですが、その中にちゃんと果実味がある。果実味は熟した赤系果実で上品な甘露さが漂っており、それを主軸にしてオレンジや紅茶、チーズなどの風味。
含み香としては梅しばの様な感じですね。
極端に複雑なわけではないのですが、キッチリと削ぎ落とされて良い部分が残っているブルイィだと思います。
なかなか出会えないだけにオススメしにくいですが、オススメです。

次にジュリエナ。
梅酒的な味わいで、方向性としては先ほどのブルイィに近い円熟の仕方をしていると思います。ただこちらの方が幾分かシェリーの様な塩気や鉄分、燻製肉の様なニュアンスが出ています。少し酸が跳ねているので、こちらの方が幾分かバランスの悪さがありますが、これはこれで十分にガメイの熟成の良さがわかる作りにはなっているな、と感じます。いいワインだと思います。

やはりガメイの熟成も大方の予想通りピノノワール寄りの熟成となる様ですね。ただ飲み頃は...というか熟成はやっばりこちらの方が遥かに早く訪れるのがよくわかりました。
こう、ピノノワールでいうと80年代あたりの熟成感を90年代から感じられるのはお得といえばお得か。
ただしょうもないワインも多かろうと思うので、選ぶときは慎重さが必要かもしれません。
逆にティボーリジェベレールやルイジャドのムーランナヴァンなんかは良く出来過ぎている感があるので、手軽さはちょっとないかも。あれはピノノワールと同等の曲線しか見えない。








CRAFTALE(クラフタル: 中目黒)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
本日は中目黒のクラフタルです。



目黒川沿いを歩いていきます。



中目黒からは少し距離があります。



店内はアニス同様カジュアルで北欧風の趣。
シェフは大土橋 真也氏。
ジョージアンクラブ、ジョエルロブションを経て、渡仏。
パリのサチュルヌに従事、帰国後はレストランアニスを経てクラフタルのシェフに就任しています。
ミシュランガイド東京版 2017では*1を獲得しています。

ドリンクペアリングは良く見かけますが、クラフタルはパンペアリングというのがあるそうです。
なにそれ超楽しそう。


シャンパーニュはガストン シケです。




◾︎アミューズ「帆立 くるみ マッシュルーム フォアグラ」(★★★+)


ゼブラウッドに見立てたホタテのチップス クルミオイルでマリネした生ホタテ くるみパウダー マッシュルーム フォアグラのテリーヌ
磯香を強く感じさせるサクサクのチップスに瑞々しいホタテの食感と風味、クルミの芳醇な香り、フォアグラの滑らかなタッチが折り混じる。ホタテの淡白さと磯の香りのマッチングがよく、複数の食感が混じるのも面白い。



◾︎アントレ「天然鰤 黒大根 タプナード 柚子と大根のムース」
(★★★★)



パンペアリング「ムクロジ大根 甘酒の蒸しパン」


天然鰤を刺身状に。はちみつビネガーでマリネした黒大根、トリュフのタプナード 雪にみたてた柚子と大根のかき氷状のムース。
サクサクとマリネされた酸味のある黒大根、そして柚子と大根の清涼感のあるソルベが脂が豊かな鰤の豊かな風味を引き立てている。岩塩やタプナードの塩気も秀逸。
甘酒の蒸しパンはかなり酒感が強く、大根の風味と調和する。鰤もプリプリでかなり美味しい!



◾︎ポワソン「鱈 サボイキャベツ 白子のフリット」(★★★+)




バンペアリング「シュー 鱈のブランダード」


サヴォイキャベツで包んだ鱈のポシェ。ベシャメルソース。芽キャベツのロースト 白子のフリット キャベツのソース グリーンマスタード ブールブランソース。ペアリングのパンは鱈とジャガイモを練り合わせたソースを潜ませたシュー。
やや硬めに火入れされた鱈、そこにグラタン状にしたベシャメルソース。ベシャメルソースの適度な酸味と鱈のホロホロっとした淡白な風味が非常によい。滑らかなブールブランソースもクリームソース的な風合いで好相性。
白子のフリットはねっとりとした白子をカラッと揚げていて、白子だけだと重くなりそうだけど、マスタードソースの酸味と辛味でさっぱりといただける。
ペアリングのパンはシューの中にたっぷりと鱈のクリーミーなブランダードが入ったもの。



◾︎ヴィヤンド「NZ産子羊背肉のロースト 韃靼蕎麦」(★★★★)



パンペアリング 「そば粉のガレット 菊芋 キノコ」

NZ産子羊背肉の韃靼蕎麦の実をつけてロースト。そば粉のニョッキ、シンプルに焼き上げたネギ、藁状の乾燥ネギ、ゆり根とラクレットチーズのソース。ジュ ド アニョー。トリュフのソース。
濃厚かつ生乳感のあるゆり根とチーズのソース、トリュフの土の香り豊かなソース、スタンダードなジュ ド アニョー。
子羊のローストはしっとりと火が入っている。
蕎麦の実のカリカリとしたクリスピーな食感で羊の臭みをほぼ感じさせない。脂身部分はジューシーで
ローストした甘いネギがいいアクセントになっている。
ごぼうなど土の風味を感じさせるガレットが、非常にトリュフソースや羊、ネギと調和する。


◾︎デセール「モンブラン ティラミス」(★★★+)


チョコのクランブル エスプレッソのアイス マロングラッセ 凍らせた白スグリの上にマスカルポーネチーズのムース、栗のアイスクリーム メレンゲを添えたもの。
マスカルポーネのふくよかさに包まれながら徐々に白スグリの酸味やコーヒーアイスのトースティーな風味、ショコラの甘さが現れる。上の栗のアイスとメレンゲの口溶けがとても良くて滑らか。
中に栗の実自体も入っている。複雑。



かなりイノベーティブですね!
のっけのアミューズからキタァーって感じです。
味わいもかなり複雑で技巧的でものすごい好みのタイプの味わいです。
美味いです...デセールまで隙がない。
そして、パンペアリングがまた絶妙で、それだけでも一つの料理として成立している感じ。
だから料理とも驚異的に合う。パンという領域を超えているような印象すら受けます。
ある意味新機軸...そしてコストもマッハっぽい。
こちらとしては嬉しい限りなんですが大丈夫なもんでしょうか...
次は時間のあるときに高い方のコースも頼んでみたいですねえ。


住所: 東京都目黒区青葉台1-16-11 2F
店名: CRAFTALE(クラフタル)
電話番号: 05055901398
営業時間:
ディナー 17:00~22:30 (L.O.21:00)
【土・日】ランチ 11:30~14:00 (L.O.13:00)
※土日限定
ランチ営業、日曜営業

【シャンパーニュ:73】フィリポナ、レ サントレが見せるクロ デ ゴワゼの本懐

こんにちは、HKOです。
本日はフィリポナです。


【データ】
フィリポナは マレイユ シュール アイに拠点を置く1697年設立の老舗生産者。現在の社長はシャルル フィリポナ氏。
力強さとフレッシュさに力を入れており、それらに傾倒する姿勢は、多くのポートフォリオがピノノワールの比率が高めになっている点に現れています。樽内発酵後7~10年澱上で寝かせたワインをベースにして、基本的に木樽にて約80%マロラクティック発酵を行い、20%をステンレス発酵させた果汁をブレンドしています。
自社畑は20ha。プルミエクリュ(マレイユシュールアイ、ムティニティ、アヴネイ)、グランクリュはアイ。全体の35%を自社畑で賄っています。
フラッグシップは1935年から所有しているマレイユ シュール アイにある石灰土壌によって形成された45度の急斜面の畑、クロ・デ・ゴワセ(5.5ha)です。瓶内熟成は8年~10年、ドザージュ4g/L~5g/L。
...だったのですが、近年はクロ デ ゴワセの中の有料な小区画を個別にリリースしておりまして。それが今回のレ サントレです。グラン サントレとプティット サントレの中間の傾斜45度の区画(ジョリヴェ ブラン)から。表土は薄い。樽発酵後、ドザージュは4.5g/l。デゴルジュは2015年10月。
ロワイヤル レゼルヴ ブリュットはリリース年のワインにソレラシステムで保管された20-25%のリザーブワインを加え、その後約3年間瓶内熟成。マロラクティック発酵は一部行う。グランクリュとプルミエクリュが中心。ドサージュは8g/l。
ロワイヤル レゼルヴ ノンドゼは25%~40%のリザーヴワインを加え3年間瓶内熟成。ドサージュは4.5g/l。


【テイスティングコメント】
生産者: フィリポナ
銘柄: ロワイヤル レゼルヴ ブリュット NV
品種: ピノノワール65%、シャルドネ30%、ピノムニエ5%

外観は透明感のあるイエローで、粘性は中庸。
爽やかな青リンゴや熟した柑橘の様な果実味が基軸となり、ほのかに塩気と鉄分を帯びている。
フレッシュハーブやハチミツ、やや強めのシロップの様な甘露さが感じられる。
酸はシャープながらほのかに丸みを帯びている。
優しい柑橘やリンゴの様な余韻を残す。


生産者: フィリポナ
銘柄: ロワイヤル レゼルヴ ノンドゼ NV
品種: ピノノワール65%、シャルドネ30%、ピノムニエ5%

外観は透明感のあるイエローで、粘性は中庸。
少しハーブ感があり、香りの甘露さはこちらの方が際立っている。豊かなミネラルがあり、藁や熟したオレンジ、リンゴの様な果実味も感じられる。フレッシュハーブなどの要素。
酸は明らかにシャープで、ボディもロワイヤルと比べるとシャープ。柑橘の風味が口の中に広がっていく。


生産者: フィリポナ
銘柄: レ サントレ エクストラブリュット 2006
品種: ピノノワール70%、シャルドネ30%

外観は透明感のあるイエローで、粘性は中庸。
強固なミネラル感が感じられる。
その上で麦やバター、カスタードクリーム、塩気を帯びたナッツの様な少し熟成を帯びた風味を感じられる。熟した洋梨、黄桃、シロップの様な濃密な甘露さがある。バニラやブリオッシュ、ドライハーブの様な風味が感じられる。
濃密な果実味、カスタードクリームと豊かなミネラルを骨子として麦や鉄っぽさなどの複雑な要素が調和する。
ハーブの様な爽やかさがあるアタック。酸は滑らかで旨味が非常に充実。ミントや爽やかな洋梨、シロップの様な風味と旨味が感じられる。



【所感】
フィリポナです。
サントレ以外がやや雑なのは、サントレがすごく良かったからに他なりません。かなり差があります。
そしてサントレのレベルの高さといったら。大袈裟かもしれないですが、かなりいいです。
クロ デ ゴワセもまあ美味しかったんですが、手抜いてたんじゃねえの?って位には差があります。
熟成によって醸造要素と果実味がしっかりと溶け合って、甘露さと塩気、ブリオッシュやバニラなどの滑らかな要素がしっかりと感じます。果実味も申し分無く、極めてリッチ。
それでいてハーブの要素などもある。
ただ青臭くはない。
若々しい強靭な体躯のワインではないですが、ほのかに感じる麦の要素や鉄っぽさが一風変わった複雑さを与えています。熟成がかなり良く進んだシャンパーニュに更に複雑な要素が付加されている感じといいますか、ピノノワールの質感が非常に目立って出ている感じですね。基本的にはエイジングの複雑さが基軸になっているシャンパーニュだと思います。超クオリティです。ちなみにクロ デュ メニルとは全く違いますね。ハイ。
価格的には確かに高いですが、相当レベルも高いので、極限を見たい人は買っても良いと思います。
コスパ云々はあると思いますが、そもそもフラッグシップなんてそんなもんでしょ。飲める人が飲めばいい。

ちなみにスタンダードなラインもそれなりに良いとは思います。ブリュット、ノンドゼ共に割としっかりと果実味があって美味しいですか、ブリュットの方が舌に絡むほのかな甘みがあり、逆にノンドゼは香りはふくよかでリッチなんだけど、舌にシャープさが残ります。そのままドサージュとリザーブワインの関係性が出てるような気がしますね。
あくまでスタンダードなシャンパーニュの枠に収まる味わいではあるものの、クオリティはさすがに高いと思います。






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【シャンパーニュ:72】話題のMCⅢ、垂涎のベルエポック ロゼ古酒を含むシャンパーニュ4種

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュです。


【データ】
クリストフ・ルフェーヴルは1996年に設立されたRM。
1986年からマムでヴィニョロンを経験しつつ、 自分の土地で有機ブドウの栽培を一から始めた。スタッフは現在も1名。今回のキュヴェ ド レゼルヴは樹齢約23年 。一次発酵は自然酵母で14日間。イノックタンクで10ヶ月間シュール・リー。瓶内発酵で3年間6ヶ月。2009年のデゴルジュマンは2013年12月 。収穫量は47hl/ha 。土壌は泥土質・黒土(ピノ・ムニエ)粘土質・石灰質(ピノ・ノワール)。
一次発酵時の補糖は無し。ドザージュは8g/L。SO2は収穫時と瓶詰め前に合計35mg/L添加。


エドシック モノポールはシャンパーニュ史上最も歴史あるブランドの一つで、1785年にドイツ人羊毛商のフロレンツ・ルードウィッヒ・エドシックが設立。ランスを本拠地として、織物とワインの事業を始めたことがメゾンの起源。
今回のキュヴェはスタンダードラインであるブルートップ。
フラッグシップはキュヴェ レア。


ジャン ヴェッセルはブージィに拠点を置く1930年に創設されたレコルタンマニピュラン。畑はグランクリュを中心とした14ha生産本数は年間約12万本。作付の90%はピノ ノワール。栽培はリュット レゾネ。ブドウの収穫は手摘みで、2台の圧搾機でプレスする。
今回のロゼ ド セニエはマセラシオンで色調を抽出。24~48時間のマセラシオンを経て色素を抽出する。ドサージュは9g、瓶熟最低3年。フラッグシップはル プティ クロ。


ペリエ ジュエは1811年、エペルネに設立された老舗メゾン。クラマン、アヴィーズ、マイィなどグランクリュを中心に、65haの自社畑を所有し、シャルドネを得意としています。現在主流の辛口シャンパーニュやヴィンテージシャンパーニュを他社に先駆けてリリースしたことでも有名です。
現在の期間銘柄はエミール ガレがデザインした美しいボトルでが印象的なベルエポック。
100%グラン・クリュの畑の葡萄のみを使用。シャルドネはクラマンとアヴィズ。ピノノワールはマイィ、ヴェルズィ、ブージィ。ブレンドの赤ワインは、アイのレ・グート・ドールのピノ・ノワールから。ボトリングの後7年間セラーで熟成。


MCⅢはモエ エ シャンドンが送る最上級のプレミアム ノンヴィンテージ キュヴェ。2016年9月に初リリースとなりました。創業から270年以上にわたり磨かれてきた3つの高度な技術(熟成、 アサンブラージュ、 発酵)を駆使し、 メゾン独自のスタイルを進化させた究極の作品とのこと。
醸造担当者はブノワ ゴエス。
※ドンペリニヨンは完全に別ブランドと捉えている様ですね。
メタル(ステンレススティール製タンク)、 ウッド(オーク カスク)で熟成された優れたヴィンテージ ワインと、 より熟成期間が長くガラス(瓶)の中で澱と共に熟成されたヴィンテージ シャンパンをアッサンブラージュ。
ヴィンテージは以下の通り。
2003年...ステンレスタンク醸造、熟成
2002年...オーク熟成、ステンレスタンク貯蔵
2000年...オーク熟成、ステンレスタンク貯蔵
1999年...瓶内熟成
1998年...オーク熟成、瓶内熟成、ステンレスタンク貯蔵。
1993年...瓶内熟成
ボトルデザインも高級感があり、ガラスボトル、メタルキャップ、メタルプレート、ボトルを包むボックスは木製です。
ドザージュは5g/l。店頭販売はしてないそうです。




【テイスティングコメント】
生産者: クリストフ ルフェーブル
銘柄: キュヴェ ド レゼルヴ NV
品種: ピノ ムニエ80%、 ピノ ノワール20%

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
ブリオッシュや熟した赤リンゴや洋梨のような豊かな果実味、マロングラッセの様な香りが主体的に感じられる。
リッチな果実味の香り。豊かな果実味からピノムニエの比率が高そう。バニラや白い花の要素も感じられる。
酸はシャープでエッジがあり、口に含むとライムやシトラス、ハーブ、そして特徴的なスミレなどの余韻が残る。



生産者: エドシック モノポール
銘柄: ブルートップ ブリュット NV
品種: 70%ピノ ノワール、20%シャルドネ、10%ピノ ムニエ

外観はやや濃いめの色を帯びたイエローで粘性は中庸。
ピノノワール比率の高そうな厚みのある酸を感じさせる風合いのシャンパーニュ。
ミネラル感はしっかりとある。
熟した赤リンゴやカリンの様な厚みのある果実味を主軸に、塩ナッツやバターの要素がおり混じる。これらの要素がかなり強く、ハーブのニュアンスなどはかなり控えめ。
蜜の様な甘い香りは控えめなドライに仕上がったシャンパーニュ。
ただし、香りとは対照的にドサージュによるものか蜜の様な甘い舌触りがあり、酸味は控えめで、やや体躯としては弱めに感じられる。ハーブや赤リンゴなどの余韻が感じられる。



生産者: ジャン ヴェッセル
銘柄: ブリュット ロゼ ド セニエ NV

外観は赤みの強いピンクで粘性は中庸。
ウイユ ド ペルドリがブラン ド ノワールの割には軽やかでシャープだったのに対して、こちらはピノノワール的な側面を強く感じさせる風合いがある。バターやミルクポーションのような滑らかな質感と、煮詰めたストロベリーや熟したリンゴのようなふくよかな果実味、ハーブやリコリスのようなグリニッシュな香り、そしてナッツの風味が結合する。紅茶を思わせる枯れた葉などの要素もあり、ロゼとしてのテクスチャはありながらふっくらとボリューム感のある甘露な仕上がり。
酸も比較的優しく、ドライながらほのかに甘やかさを感じさせる。リンゴやハーブを思わせる余韻が残る。


生産者: ペリエ ジュエ
銘柄: ベル エポック ロゼ 1989

外観はややオレンジ色を帯びたピンクで粘性は中庸、泡はまだまだ生きている。
ドライフルーツ、ネクタリン、ラズベリーやアセロラのジュースの様なエレガントで非常に繊細な旨味と、塩気と旨味を付加したクリームブリュレの様な風味が混じり合う。蜜の様な甘みと、クリームの香りが調和。完全にクリームブリュレではなく塩気と旨味を相当表出している。ほのかな枯葉と土の様な風味、そして焼き栗、バタークリーム、クルミなど。ドライハーブなどの風味。
酸は滑らかで非常に強い旨味がある。
ネクタリンやアセロラの様な旨味と土の様な余韻を残す。
エレガントで強い旨味が感じられる。美味い。



生産者: モエ エ シャンドン
銘柄: MCⅢ(エムシースリー) NV

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
還元的と言われるMECとはイメージを異にしており、やや酸化的で熟成を経たボリューム感のある香りが漂う。
タッチに丸みがあり、柔らかい。
よく熟したリンゴやアプリコット、温州みかんの様な果実味があり、濃厚な蜜の様な風味が主体的。シェリーや塩ナッツの様な風味も付帯する。そして濃厚なバターやドライハーブ。まずは濃厚な旨味の本流がある
徐々にクリームブリュレに発展し甘露な姿を見せる。
そして、ハチミツ、ドライフルーツの濃密さ。
やや酸化的で、深い出汁の様な旨味が突出した味わい。
酸はとても柔らかくシルキー。熟したリンゴ、アプリコット、ナッツ、木材の様な余韻。余韻にしなやかな甘さが残る。長い余韻。コクのあるアタック。極めて複雑な味わいのレイヤード。


【所感】
今回のハイライトは間違いなく、ベルエポック ロゼの古酒とMCⅢですが、ほかにもいくつか飲んでます。
まずはそれから消化していきたいと思います。

1本目、クリストフ ルフェーヴル。
ブリオッシュやマロングラッセの様な甘露さと熟した果実味が魅力的なシャンパーニュです。リッチな香りで個人的に極めて好みなタイプ。酸は黒ブドウ主体としてはシャープに仕上がっていると思います。総合的にはやはり豊満な印象を受けるんですか、酸が引き締めていて、良いバランスのシャンパーニュだと思います。
意外とこういうタイプはないので、見つけたら欲しい1本ですね。

はいはい、次行きますねー。
2本目、エドシック モノポール、ブルートップ。
何を今更...というブツですが、じゃあ今飲むとどうなのよ、って事でシャンパーニュ飲みたかったし選んでみました。
まあ手堅い作りですね。
基軸はもちろんフレッシュでドライなんですが、少し酸化的なニュアンスがあるというか、そこがちょっと個性的だな、とも思います。基本的にはドライな果実味主体で、あまり青いニュアンスがなく、割とちゃんと作ってあるなーと。
体躯は酸化気味だからかもしれませんが、やや弱めに感じられました。
今更驚く様なものでもないのですが、しっかりと作っているなーとは思います。

3本目、ジャンヴェッセル、ロゼ ド セニエ。
やっぱり美味しいですね、ジャンヴェッセル。
前回飲んだウイユ ド ペルドリがBdNの割には軽く感じたんですが、こっちはピノの側面がよく出ています。
MLF的な要素がしっかりとあって滑らかで、熟した赤系ベリーや核種系の果実も感じられて完成度は高いです。
ボリューム感ありますね。複雑だし、値段なり...というか値段以上の価値は感じられる1本だと思います。
酸は優しいのでシャープネスを楽しむ人には物足りないかもしれませんが、個人的にはかなり美味しく感じる作りでした。

さて、次からがハイライト。ベルエポック ロゼ 1989。
もともと還元的な作りの生産者だと思うので、まだまだしっかりと香りが残っています。泡もしっかりとあるので、まだ熟成しそうですね。
ただそうは言っても1989。熟成したニュアンスが全体に行き渡っていて、若々しさとは無縁の強烈な旨味が感じられます。
軸は2本、アミノカルボニル、樽、MLFが溶け合うクリームブリュレ、そして旨味、ネクタリンやアセロラの様な塩気を帯びた果実味です。こいつらが溶け合い、相互で影響しながら相乗していく。そして枯葉や土の要素が複雑さを与えています。
もう少し若いともっとこってりとしたクリーム感かあると思うんですけど、これは塩気感も相まって、物凄くいい状態になってると思います。旨味がすごい出てる。
こう、ポンポンと消費されるシャンパーニュのイメージがあるけど、熟成させるとこんなに良くなるのか....と少し感動しました。

最後、今年リリースされたばかりのモエ エ シャンドンのフラッグシップ、MCⅢです。これ、店頭だと売ってないみたいで、全然見かけないんですよね。レストランとかだけなのかな?たまたまモエ エ シャンドンのブースで飲めたのでラッキーでした。
今回のMCⅢは先述した通り、マルチヴィンテージ...まあノンヴィンテージです。複数ヴィンテージのアッセンブラージュ自体特別な事はないのですが、03のステンレスタンク醸造で果実味を残しながら、オーク樽で酸化感、樽香を演出し、90年代のワインで熟成香を与える...というかなり妥当性のある計算づくの作りだと思います。しかも全ワインがいわゆるリザーブワイン級の熟成ワイン。面白いですね。
こちらも元々は還元的なシャンパーニュだとは思うんですが、複数の熟成、発酵のパターンと複数のヴィンテージを組み合わせる事で、様々な色を持つシャンパーニュになっています。
若いヴィンテージはステンレスタンクで果実味を切り出し、一部樽の要素や酸化的な要素を混ぜる。そして古いヴィンテージは瓶内で変化させたものを使う。だから熟成したヴィンテージのような深みもあるし、オーク熟成のヴィンテージの樽を使った樽香、ほのかな酸化感ある。基軸はステンレスタンクのエッジやフレッシュさ。本来同居しない要素が同居している。異次元の複雑さがあり、それをキャッチーにまとめあげている。
畑を重視しそのポテンシャルを見せつけるわけではなく、醸造技術に品質の高さに求めるわけでもなく、複数のアッセンブラージュ一点のみでその技巧や素晴らしさを表現している。
料理だと...そうだなー、素材が極端に言い訳でもないし、火入れや味付けがすごいわけでもないんだけど、レシピがすごい皿って感じ。
これはこれで最高峰といった感じだ。しかもまた色が変わるんだろうね、時期が変われば。
気軽に手に入る様な時期は来るんだろうか....











【NZ・オーストラリア:22】オーストラリア最高峰のカルトワイン2種

こんにちは、HKOです。
本日はオーストラリアのワインです。

【データ】
カーリーフラットはフィリップとジェニ・モラハンが、オーストラリアのマセドンレンジズに1998年に興したワイナリー。マセドンレンジズはブルゴーニュに良く似たオーストラリアで最も冷涼な産地。気候は大陸性気候で、標高は560m。最高気温は16度。玄武岩のローム土壌の畑で、ピノノワールとシャルドネの栽培に適しています。
2008年以降、ビオディナミへの転向しており、手作業で収穫を行っています。収量は30hl/ha。除梗比率は年によって変えている様ですが、2010年は70%を除梗し、発酵に回します。低温浸漬を行った上で、区画ごと、クローンごとにステンレスタンクで発酵。ピジャージュは1日3回程度。複数階に渡る多重構造の発酵蔵によりグラヴィティフローを行う事が可能です。その後40%新樽で24ヶ月熟成を行い、無清張で瓶詰めされます。


クリス リングランドはバロッサバレーに拠点を置くオーストラリア シラーズ最高のカルトワイナリーで、ワインアドヴォケイトでは100点4回、97-99点6回が献上されています。以前はスリーリバースシラーズと呼ばれていました。あまりに流通が少なすぎて(80ケースほどらしい)有名ではありませんが、まず間違いなくオーストラリア最高の生産者の一人だと思います。1エーカー1トンの低収量。所有しているシラーズの樹齢は100年近くになります。収穫したぶどうはマロラクティック発酵を行いながらフレンチオーク新樽100%で42ヶ月の熟成が行われます。その他の生産や醸造方法に関する記述は見つかりませんでした。謎めいたカルトワイナリーですが、その実力は確実に本物です。
今回のランドルズヒルはスリーリバースのセカンド的な存在。バロッサ イーデンヴァレーのストーン キムニー クリーク(ポドゾル性土壌+砂質土壌)のシラーズを使用。
樹齢は20%が18年、80%か108年。収量は1エーカーあたり1トン。新樽のラドワ ホッグスヘッド樽で32ヶ月熟成。
生産本数1500本。


モリードゥーカーは2005年に南オーストラリア マクラーレンヴェールに設立されたワイナリー。ワインメーカーは左利きのサラとスパーキー。91年にバルクワインの販売で成功し、その後はマーキス フィリップスに参画。2005年に自社元詰を開始しています。
このモリードゥーカーの面白い所はユニークなボトルデザインもさることながら、目新しい試みが目立つ事です。
独自の指標(マーキス フルーツウェイト)でワインの果実味を厳密に審査し、3~4のレンジのワインに分けたり、マーキス ウォーター プログラム™という独自の栽培方法を自社畑のみならず契約農家にも実践させていたりと、個性的です。
今回のベルベットグローヴはその最上級のもので、標準: 95%に対して実績:95 %第一次発酵、マロラクティック発酵、アメリカンオーク新樽100%にて樽熟成を行う。


【テイスティングコメント】
生産者: カーリーフラット
銘柄: ピノ ノワール 2011

外観は透明度の高い淡いルビーで粘性は低い。
新世界版薄旨ピノノワールの決定版。
過度に装飾がある訳ではなく、過度に熟している訳ではなく、絶妙のバランス感をこの薄い液体の中で見せている。
デュジャックの作るシャンボールミュジニー。クリーンで透明度の高いワイン。
全房発酵を思わせる青い梗の香りと瑞々しく熟したイチゴやラズベリーの様な果実味。これらを基軸として、ほのかなミルクティーを思わせるまろやかさと、鉄釘やなめし皮の様な華やかさ、グローヴやリコリスなどのスパイスが絡み合う。香りは徐々に練乳イチゴの様な甘やかさを表出していく。そして乾いた木や葉、スミレの花、オレンジ、ユーカリなどの要素も付随していく。
薄い色調ながら十分な複雑さを内包している。
舌触りは非常に滑らかでシルクの様。酸やタンニンはあまり感じさせず、旨味と果実の甘さがじんわりと口の中に広がっていく。イチゴや茎、なめし皮の様な余韻が長く続く。



生産者: モリー ドゥーカー
銘柄: ベルベット グローブ シラーズ 2007

2007はセカンドヴィンテージ。
黒に近い濃密なガーネット、粘性は非常に高い。
驚異的な超凝縮度、厚み、アルコール感、甘露さが際立つシラー。全てがパワフルでそれでいて調和がとれている。
非常に熟したブラックベリーやプルーン、黒系果実のリキュールなどを思わせる甘露な香り。インク、そしてコーヒーやビターチョコレートの様な焦がした香りが前面に現れている。プーアル茶やタバコの要素。瑞々しい薔薇。
燻製肉やベーコン、そしてごくほのかにユーカリの様な要素も感じられる。黒胡椒、シナモン、甘草などの要素も感じられ複雑。
バロッサヴァレーのシラーズの典型というには素晴らしい。オイリーさより果実味のストレートな力強さを感じる。
舌触りはまさにベルベットの様で、酸味もタンニンも力強いのに、アルコール度数に起因するものなのか、驚くほど滑らか。風味も明確でブラックベリーやプルーンのリキュール、ユーカリ、薔薇などが複雑に折り重なった味わいを見せる。ただしアルコール感は極めて高いため、アタックは強烈。ほのかな苦味もある。


生産者: クリス リングランド
銘柄: ランドル ヒル シラーズ 2010

外観は透けない黒に近いガーネット、粘性は高い。
強烈な凝縮度、強烈な果実味、強烈な華やかさ。
強靭な抽出、樽香、果実味が突出。角を取る様にMLFが効いている。
全てが鮮明で異次元の力強さを感じさせる。
炭焼きや焦げたゴム、キャラメルトフィーのウイスキーの様な甘露な樽香、そして石油、エナメルリムーバーや薔薇の様な鮮明な華やかさ、カシスとブラックベリーのリキュールの様な果実味、ユーカリの様なハーブ香が感じられる。さながらインクの様な濃密さ。杉の木の様な風味。
ベーコン、シナモン、グローヴの様な要素。色気がムンムン。
タンニンや酸は豊かなのにもかかわらず、非常にタンニンが滑らかでツヤツヤ。引っ掛かりがない。
グリセリン感がしっかりとあり、しっかりとした酸を感じるブラックベリーとキャラメルトフィーの余韻が感じられる。



【所感】
やっぱりオーストラリアとニュージーランドのワインは私に合うのか、今回のワインは全て最高感あります。
特にオーストラリアの面白いところはアデレードヒルズやマセドンレンジズでは冷ややかなタッチの極端に薄旨ピノノワールやグルナッシュ、リースリングが産出されるのに対して、バロッサヴァレーや一部のマクラーレン ヴェイルなどはメチャクチャ熟したシラーズやカベルネが産出される、幅の広さ。だって、クリスリングランドやグランジ、ヌーンの様な特濃ワインが生まれる一方で、ヤウマやルーシーマルゴー、カーリーフラットみたいなのが作られるとは思えない...
ソノマ、オレゴンとナパヴァレーみたいな関係性だとは思うんですが、良いワインは軒並み高騰しているナパ、ソノマと比べるとまだ落ち着いてますからね...
カリフォルニアの様な洗練されたものではないですが、こう、ワインの核がしっかりしているワインは多いと思います。

さて、まずは薄い方。カーリーフラット。
私はここのピノノワールの大ファンなんですが、やっぱり最高ですね。
さながら自然派、梗のニュアンスがしっかりとあるブルゴーニュのピノノワール。デュジャックに近いかもしれない。
しっかりとした熟度はありながらクリーンで透明感のあるワイン。新樽を使いながら過剰な焦げのニュアンスは控えめのものになっている。よく熟した赤系果実...練乳とイチゴ、ラズベリーの果実味が、茎やハーブの様な香りと見事にバランスが取れていて、なめし皮やスミレの要素が控えめにおり混じっていく。全体的に控えめなのですが、ちゃんと出るところは出ている。淡い作りでありながら果実味ははっきりとある。強烈な華やかさを見せる作りではないのですが、このバランスの取り方が最高ですね。

お次は濃い方。モリードゥーカーのベルベットグローヴ。
コッテリ濃厚シラーズです。
果実の凝縮度がめちゃくちゃ高く、アルコール感と甘露さが前面に出ています。弾けそうな果実のエネルギーがあり、パワフル。それでいてタンニンも酸も極めて滑らかで、シルクと表現するのにふさわしい。
熟したプルーンやブラックベリーのリキュール、コーヒー、ビターチョコレートの樽香、インク、燻製肉やユーカリの様な要素があります。
もちろん果実味が主軸になっていますが、醸造的な要素も果実を活かす形でバランスが取られており、非常に上品に仕上げられています。
口当たりなどの印象はいわゆるカリフォルニアのPP100点ワインにも近いですね。ワインとして好みを抜いた時に、非の打ち所があるかと言われれば、無いワインではあります。
飲み疲れる...とかはあると思うのですが、隙のないワインです。金額なりの価値のあるワインだと思います。

最後も濃い方。クリスリングランド。
強靭、筋肉質、堅牢を体現した様なシラーズです。
とにかく果実のボリューム感と凝縮感が驚くほど高く、それらを樽と抽出の強さで堅固に抑え込まれている様な感じでしょうか。バランス感が偏っているわけではないんですが、各々の要素が力強すぎて硬く見える感じがしますね。
そしてこれが解れるところが全くもって想像できません。
とはいえ、ものすごいワインで、樽の要素、抽出の要素、リキュールの様な果実味が規格外にデカく、濃密。
この規格外に持っていくのも骨格に果実味がなければ負けるので、いかに熟した果実を使っているのかわかります。
アルコール感も高くグリセリン感があり、ツヤツヤで、タニックだけどシルキーなタッチ。ハーブやベーコンなどの風味が複雑さを助長しています。
現状でも美味しく頂けるんですが、少し解れてきた感じの方がいいでしょうねえ。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

クリス・リングランド CR バロッサ シラーズ 750ml
価格:4998円(税込、送料別) (2016/12/19時点)








【ボルドー:39】サンテミリオン第一特別級A2本、パルメの伝統的かつ異質なワイン。

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーのグランヴァン3種です。


【データ】
シャトーパルメはメドック第三級でありながら第一級に匹敵するスーパーセカンドとして扱われるシャトーのうちの一つ。
小塔のある個性的な建造物のあるシャトーだが、製法は伝統的。
主だった特徴としてメルローを多く使用している点とマセラシオンの期間が28日から30日間と非常に長い点が挙げられる。90年代後半からセカンドラベル(アルテレゴ)を導入し劇的な品質向上している。
栽培面積は52ha。平均樹齢35年程度の葡萄を、平均46hl/haの収量で栽培。除梗を行った後、破砕をし、アルコール発酵とマセラシオンはステンレス槽で28~30日間行われる。新樽45%で20~21ヶ月熟成後、無濾過で瓶詰めが行われる。
今回のヒストリカル19thセンチュリーは19世紀のボルドーワインが酒精強化の為にエルミタージュをアッセンブラージュしていた事からインスピレーションを受けて作ったもの。250ケース。コルナスからコートロティの北部ローヌのシラーを30%混醸。新樽40%で18ヶ月熟成。

シャトーパヴィはサンテミリオン最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。所有者はジェラール&シャンタン・ペルス。サンテミリオン有数の大きな畑を保有。もともと人気があるシャトーではあったものの、前所有者の元で作られるワインそのものは必ずしも評価の高いものではなかったようで、1998年に所有者が変更になりセラーへの設備投資を増強して以来品質が劇的に向上した。
栽培面積は35ha、平均樹齢43年、平均収量は28~30hl/ha。発酵とマセレーションは温度管理された小型の開放型の木製タンクで4~週間。熟成は細かい澱に触れたままオークの新樽で18~22ヶ月。樽内マロラクティック発酵。、清澄も濾過もしない。年間10万本程度。

シャトーオーゾンヌはサンテミリオンにおいてシュヴァルブラン(現在はそれにパヴィとアンジェリュスが加わる)に並び最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。現在はヴォーティエ家が所有しています。メドックの5大シャトー、ペトリュスやディケム、その他のサンテミリオン第一特別級Aと比較して最も生産量が少ないシャトーで、生産量は僅か2万本程度。 保有畑はラ ガフリエールとパヴィに隣接する平均樹齢50年程度の7ha(粘土と砂で構成)。収量は35hl/ha。低収量に抑え葡萄が完熟するまで待ち、すべて手摘みで収穫。畑と除梗後の2回選果。アルコール発酵は木製タンクで実施。ルモンタージュは軽めに行う。
マロラクティック発酵を行いながら、新樽比率100%で19ケ月から23ケ月熟成。無濾過で瓶詰めする。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトーパルメ
銘柄: ヒストリカル 19th センチュリー 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は強い。
極めて豊かな果実味があるが、樽香に紛れてシラー的な特徴は然程強くは感じない。(ねっとりとした上白糖のような果実味は確かにシラー的と言われればシラー的)
熟したブラックベリーやプルーンのような果実味、バニラやミルクポーションの様なまろやかさと果糖ヨーグルト、そして焦がした木材、メイプルシロップの様な樽香が調和している。甘く滑らかトースティな香りが主体的。
ほのかに薔薇やスミレの華やかさがあるが、あくまで果実味主体。血や鉄分、ユーカリやリコリスなどのハーブ香がある。青臭さはない。
やや酸に寄った味わいで、タンニンは滑らか。
フレッシュな黒系果実とメイプルシロップの様な余韻を感じさせる。やや線が細く、ミディアムなボディとなっている。


生産者、銘柄: シャトー パヴィ 2005

WA98pt
外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
やや酸化を帯びてソースの様な濃密な香りになっている。
ナツメグやデーツ、トマトソースの様な香りを主軸として、ブラックベリーのジャムの様な香りを感じさせる。
ミント、焦げた西洋杉、熟成肉の様な野生的な香り。
リコリスなどの要素がある。
タンニンは見るからに強そうだが、意外とこなれており、酸も柔らかい。収斂性は高く、ソースや熟成肉の様な余韻を感じさせる。重厚なワイン。


生産者、銘柄: シャトー オーゾンヌ 2008

WA98-100pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ほのかに熟成感が出始めており、濡れた木材の香りが出始めている。果実味も豊かだが、熟成感と均衡を取る様な繊細な状態となっている。
濡れた木材や杉の木の香り、枯葉の要素と共に、加糖のないジャムを思わせるブラックベリーやダークチェリーの様な果実味が感じられる。ピュアな果実味。リコリスやローリエなどのスパイス、ハーブの要素もしっかりと感じ取れる。それと共に燻製肉や生肉のような、少し野生的なニュアンス。徐々にミルクティーやバタートーストのような香りも現れる。青い葉やドライフラワー。ちょっとハーブ的な風味がある。
酸も強いがタンニンもやや刺々しい。
甘露なミルクやベリーの果皮の余韻が残る。さすがにオーゾンヌだけに余韻は長いが、こちらも熟成ならではの線の細さを感じる。


【所感】
まずはパルメのヒストリカル19thセンチュリー。
色物ですね、別地域のワインを混ぜているのでVdTになります。ただ流石はパルメ、非常に素晴らしいワインに仕上げています。基本的な方向性としては樽やMLFの要素が前に出るワインなので、ボルドー的と言えます。
もちろんシラーが混醸されている事で上白糖を思わせるボリューム感のある甘露さ、果実味はしっかりと出ていて、ボルドーにはあまり無いタイプだと思います。
そしてやはり興味深いのがそのエネルギッシュさですね。
2013年ボルドーは繊細なので、よりわかりやすいんですが、ボルドーのヴィンテージの弱さを北部ローヌのシラーのパワフルさが見事に補完している形となっています。
ともすれば、安定感は2013年ボルドーらしからぬものだと思います。
勿論70%はマルゴーなので、ボディそのものの線の細さや酸に寄った作りではあるのですが...グリニッシュさは希薄。酸はシラーではよく出るので、特に違和感はないと思います。ヴァン ド ペイの応用性の高さが非常に面白いですね。しかしボルドーとローヌって遠いのに大変ですね...
ぶどうで持ってくるってのも違和感あるし、やっぱバルクワインなんでしょうか。

お次はパヴィ。
サンテミリオンのグランクリュクラッセAで最も堅牢で強靭なタイプだと思っています。
残念ながらやや酸化気味のコンディションではありましたが、並外れた強靭さと果実味の凝縮感は十分に感じられました。故に非常に惜しい事をしたものだと。
凝縮感においてはボルドーの典型と言うよりはむしろカリフォルニアにも近いものになっており、参加前においては果実味の発露も相当なものであったと思います。
参加した事によりソースやジャムの要素が色濃く現れていますが、その香りの強靭さたるやボルドーではそうそうないものではないかと。
見るからにタニックそうですが、その実舌触りはシルキーで程よい熟成を感じさせる作りとなっていると思います。

最後はオーゾンヌ。
やはり繊細で複雑な要素がおり混じったワインである事がよくわかります。タイプとしてはオーブリオンやラフィットの様な方向性に近いです。香りや味わいがそうであるというよりは、重くなりすぎず、複雑さを強く感じさせる部分ですね。今回の2008年は果実味と熟成香の均衡が極めてよく取れている状態です。
枯れた木材や葉、ハーブやスパイスの複雑な要素に砂糖の含まれていないピュアな黒系果実、そして熟成肉のような旨味を感じさせるアミノ酸的な風合いを感じさせます。
ただ味わいはやや酸が前に出ており、タンニンもまだこなれていない状態。アルコール度数の高さで滑らかに感じさせるワインでもないですから、やや刺々しさを感じさせるものとなっています。オーゾンヌとしては最上級のヴィンテージに当たりますが、熟成の狭間ともいうべき微妙なラインに位置しているのかもしれません。
ただ香りから若かりし頃の素晴らしさが窺いしれるというものです。香りに若々しさが残るので、これからタンニンや酸がこなれた時にどう進化を遂げていくのか非常に楽しみです。

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Ciel et Sol(シエル エ ソル: 白金台)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。


本日は白金台のシエル エ ソルへ行ってきました。
いやーしかしここの周り、星付きレストラン多いですね。
ジョンティアッシュ、ルカンケ、あとティルプスも近かった筈。特に前2つは近所以外の何物でもない...


今回のシエル エ ソルは奈良県のコンセプトショップ、「ときのもり」のなかにあるレストラン施設。
プロデュースは名店オトワレストランの音羽和紀氏。


シェフは音羽和紀氏の次男、音羽創氏が務めます。
ル マンジュ トゥーやオトワレストランの後に渡仏しベルヴェデールで修行、帰国後はオトワキッチン、シテ オーベルジュで料理長を務めた後、シエル エ ソルの料理長に就任しました。
ミシュランガイド2017東京版では*1を獲得しています。



店内は結構カジュアルです。
テーブルがちょっと会議机っぽくも見える...


食前酒は安心院スパークリング。
シャルドネだが非常にフルーティ。



◾︎アミューズ「蒸しパン サモサ」(★★)


大和真菜で色付けた蒸しパンにホイップクリーム、柚餅子。
大和ポークとクルミ、トマト、クミンを使ったサモサの2種類。
蒸しパンは容積の割には密度が低い。ちょっと綿菓子の様なイメージの縮み方をする。野菜の深みの中に柚子の爽やかさとホイップクリームの滑らかな風味。
サクサクのサモサは肉の旨味と塩気がしっかりと感じられる。パリパリとした食感が素晴らしく合う。大葉の様な清涼感のある風味がある。



■アミューズ「三輪そうめん 蕪 蟹」(★★★)


蕪のスープ、三輪そうめん、ラディッシュ、セルフィーユ、柚子。
柚子の華やかな香りが非常に爽やか。
蕪のカルボナーラと言うべきか。やや硬めに仕上げられたそうめんに蕪のクリーミーなスープが絡み合う。
少量だが時折磯風味を醸し出す蟹も良い役割。



■アントレ「カンパチ グリュイエール 青大根」(★★★+)


スモークしたカンパチに酸味をつけた青大根、グリュイエール、緑胡椒、レモンを散らしている。
最初に来るのがレモンの爽やかさ、そこに徐々にグリュイエールの塩気と生乳の風味、サクサクとした青大根の食感、ほのかなスモークを帯びたカンパチの味わいがくる。
グリュイエールチーズがいい仕事をしており、うまい具合に塩気を与えている。大根で水っぽくなっていない。
二口目はカンパチのプリプリ感に驚くのと、チーズが酸味を帯びてヨーグルトの様な風合いを感じさせる。
爽やかで濃厚な前菜。



◾︎スープ「トピナンプール」(★★+)


キクイモのポタージュ ベーコンのエスプーマ ナッツ クルトン。
極めてクリーミーでありながら、キクイモの土を思わせる濃厚なスープ。ベーコンの香ばしい風味もしっかりと感じられる。クルトンの食感がアクセントになっている。
非常に濃密度の高いスープで、食感を織り交ぜる事で結構ボリューム感を感じさせてくれる。



■ポワソン「鰆 ブイヤベース コリアンダー」(★★★★)


しっとりと火を入れた鰆。イカスミで色をつけたブイヤベースソース、アンチョビ、ケッパーを使った焦がしバター。非の打ち所がない火入れ。皮はパリパリなのに、身は非常に柔らかくエキスが充満している。
それに少し酸味と塩気を感じさせる焦がしバター。様々な魚介の風味が凝縮したブイヤベース、そしてイカスミの香ばしい風味が見事に調和していく、ディルの風味も主張し、なかなか複雑なソースになっている。


■ヴィヤンド「蝦夷鹿 マンジャリ 白人参」(★★★★)


蝦夷鹿のロースト、ソースポワヴラードにマンジャリショコラを。白人参とリンゴのペースト。
これも火入れはかなり完璧で、しっとりと、野性味溢れる鉄の風味際立つ鹿の風味がよく出ている。ソースも絶妙でショコラの香ばしさを感じさせる。
そしてリンゴのペーストは野生的な蝦夷鹿の風味を和らげて甘さと塩気の対比を感じさせる。白人参のペーストはマッシュポテト的な生乳感とほのかな甘みがあり、クリーミー。これも蝦夷鹿の個性を和らげる。美味い!


■デセール「宇陀金ごぼう 栗 ショコラ」(★★★+)


宇陀金ごぼう、その外側には栗のクリーム、ショコラムースとスポンジケーキを添えて、内側には甘栗を含めている。栗とショコラ、そしてごぼうの土の風味が驚くほど調和している。極めて甘露ながら重くない。爽やかな余韻。
チョコや栗はもともと土っぽい要素と会いやすいのかな。
クッキーやメレンゲ、栗の食感の違いも面白い。


■ミニャルディーズ




ごめんなさい、僕「なんだメッチャ地味な感じのとこだなー」と思ってたんですけど、いいですね!ここ!
メチャクチャいいっすね!
プレゼンテーションも素晴らしいし、火入れも隙がなくて、魚も肉も非常に美味しい。デザートまで隙がない。
そして値段が安い!
いやいや、お得すぎでしょ、夜なのに6000円台でこの皿数とクオリティ...謝ろうよ。
内容としては全体的に和をやはり感じさせますね、店内の作りからしてそうなんですけど、奈良的な感じなんでしょうかね。(※すいません、あまり奈良知らないんですけど)
ちゃんとフレンチの技法で仕上げてあって違和感が全く感じられません。
とても美味しかったですね。
ここもまた行きたいです。



住所: 東京都港区白金台5-17-10 ときのもり 2F
店名: Ciel et Sol(シエル エ ソル)
電話番号: 03-6721-7110
営業時間:
ランチ 12:00~13:30 L.O.
ディナー 18:00~20:30 L.O.

L'orgueil(オルグイユ:南麻布)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。


本日はオルグイユに行ってきました。
以前から話題になっているレストランで、シャンパーニュとのペアリングを重視...というかシャンパーニュ、コトーシャンプノワ、ロゼ ド リセイしかワインは出さないという偏重ぶり...そういう極端なタイプ、結構好きです。
店名の意味は「傲慢」。なるほどさもありなん。


シェフは加瀬史也氏。
レ クレイエールやカンテサンスで修行を積んだシェフが2016年に青山にオープンしたお店です。
ミシュランガイド2017 東京版では*1を獲得しています。

3種類のペアリングコースを注文。
まずはペルトワモリゼ。

生産者: ペルトワモリゼ
銘柄: ル メニル シュール オジェ ブラン ド ブラン NV

(以前テイスティングコメントを書いたので割愛。)


◾︎アミューズ「相模湾産鯖、玉ねぎのタルトフランベ」(★★★)


炙った香ばしい風味と鯖の豊かな脂と食感、玉ねぎの甘さと酸味が良く引き合う。またカリカリの生地の食感も良く素晴らしい。
ほのかにある酸味がシャンパーニュと美味く引き合っていく。


◾︎アントレ「スペイン産フォアグラのテリーヌ リンゴのキャラメリゼ」(★★★★)


フォアグラのテリーヌ、100度調理のリンゴのキャラメリゼ、クランブル、リンゴの皮とロゼシャンパーニュのソース、シードルビネガーでマリネしたビーツ、シェーブルチーズを使用。リンゴの優しい甘みとクランブルの豊かな食感に程よく塩気が効いたフォアグラが混じり合い厚みを与えている。調和が素晴らしい。甘酸っぱいロゼのソースもリンゴの風味によく合っている。基軸はリンゴで、そこにフォアグラが混じり合い、滑らかに余韻を引いていくといった感じ。


生産者: マチュ プランセ
銘柄: ブリュット プルミエクリュ 2002

外観は淡いイエロー、粘性は中庸。
クリアな質感のミネラルを持ちながらバターの風味が際立ったシャンパーニュ。牛脂、穀物や赤リンゴや花梨などの果実味、そしてイーストやドライハーブのような香りが感じられる。ややオイリーさが目立つ熟成シャンパーニュで、若干閉じているようにも見える。
酸味は穏やかで、気泡が心地よい。
リンゴや柑橘、ハーブの余韻を感じられる。


◾︎アントレ「真鱈白子の米粉揚げ ラングスティーヌ」(★★★+)


白子の米粉揚げ、マンゴービネガーでマリネした駿河湾産ラングスティーヌ、ラングスティーヌとエストラゴンのソース。食感にマスタードとオリーブを揚げたものを。
蕩けるような暖かい白子、そこに強い塩気を帯びた磯を思わせるエビのソース、ラングスティーヌの別種の滑らかさ、食感が絡み合う。比較的はっきりした味だが、白子の滑らかさとはしっかりと手を取り合っている、
ほのかに熟成を経たシャンパーニュの旨味と海老の旨味と良く合う。


◾︎ポワソン「大分県産鰆 蕪のソース」(★★★★)


大分県産鰆を繊細に火入れ、蕪のソテー、蕪のペースト、鰆と柚子のソース。
絶妙な塩気と火入れの鰆。ホロホロと触ると崩れるような柔らかさ。にも関わらず完全にエキスを保っており、それが塩気と相乗し旨味を際立たせている。蕪のソースは滑らかでクリームソースのような舌触り。旨味を綺麗に包み込んでいる。熟成シャンパーニュのほのかな塩気で調和を見せている。


生産者: オリビエ オリオ
銘柄: コトーシャンプノワ リセイ ルージュ アン ボーモン 2009

透明感の高いルビーで、粘性は中庸。
基本的にはクリーンなピノノワールである事は想像が付くが、やや熟成感のある香りで複雑さが現れ始めている。
際立っているのは血の様な野生的な香り。
瑞々しいブラックベリーやブルーベリーの果実味があり、香りからも酸味とトマトを思わせる旨味が伺える。 そし
て牛脂や漢方、ハーブ類などがあり、繊細で精緻なワインである事がわかる。ブルゴーニュではない事はわかる。
酸味はやや鋭く、苦味と甘い余韻、そして肉や血の様な鉄を思わせる要素が残っていく。



◾︎ヴィヤンド「蝦夷鹿のロースト」(★★★+)


適切に火入れされた香ばしい蝦夷鹿。マスタードで揚げたカブリ、軽く揚げた里芋、赤ワインと蝦夷鹿のソース、里芋と大和真菜。
鹿の旨味と野性味がこれまた塩で非常に引き立っている。
ソースは言わずもがな合う。火入れも完璧で、いい味出しているのは芋。蝦夷鹿の味が強いので芋とコトーシャンプノワでバランス良く穏やかに調和し合っている。


◾︎デセール「ティラミス」(★★★)


暖かいマスカルポーネソースとふんわりとしたコーヒーが染み込んだスポンジ、カカオアイス、食感豊かなクルトン。確かにティラミス。温度の差がいい感じで、暖かい部分が主軸になるので風味が引っ込んでいない。カカオは濃厚なので味わいはハッキリ出ていて、この温度差でバランスが取れているといった感じ。クルトンの食感も面白い。


そんな感じです。
こう、シャンパーニュ縛りのコース、面白いです。
コンセプトはそんな感じなんですが、コンセプトに引っ張られる事なく料理が主軸。かなりいい感じのレシピになっているなぁと感じました。
主菜も良いですが前菜が白眉。食材同士の調和が非常に巧みで完成度が高い。絵的にも素晴らしい。
そしてやはりコンセプト通りシャンパーニュ地方のワインとは好相性で非常に良くペアリングをする。
面白い。この価格でいいのか、安いぞ。
これはまた行きたいですねえ。非常に好みでした。


住所: 東京都港区南青山4-3-23 オリエンタル南青山201
店名: L'orgueil(オルグイユ)
電話番号: 03-6804-5942
営業時間:
12:00~15:30(L.O.13:00) 18:00~23:00(L.O.19:30)
ランチ営業

深町(ふかまち:京橋)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
今回はミシュランガイド 2017 東京版の*1を獲得している深町に行ってまいりました。

実は昼ごはんの予定を何も立てておらず、そういえばと思い出したのが、この深町。
ただご存知の通り超人気店で、「予約満席」、あるいは並んでいたらもう諦めようと、やや早めの11:10くらいに行ったら、予約以外の1席に奇跡的に滑り込む事が出来ました。


超ラッキーです。
もちろんコースは選べないので、かき揚げ丼で。
さすがに凄い評価高いし、異次元の味わいなんだろうなーと思って楽しみにしております。

結論、異次元でした。えっ、これ二千円代で頂いちゃっていいの?的な。


大将とお弟子さんが真剣な目で素材と向き合っているのを横目に、まずはお茶と漬物が出てきます。


程なくして遠くにいても感じる、炊き上がったご飯のい~い香り。
これでもう期待値上がりまくりです。


◾︎かき揚げ丼(★★★★+)

ひええ...来ちゃいましたてござるよ!


グリーンアスパラガスのデカさが相当です。


めっちゃうまそう。


タレはあまり主張をせず、ほのかに甘辛い品のあるタレ。どちらかというと素材を活かす系でしょうか。
極太のアスパラガスは火が入って甘くジューシー。エキスをしっかりと閉じ込めています。
かき揚げの層は厚く2.5cmくらいはありそう。
具は恐らく、ユリ根、ネギ、小エビ、ホタテ、茗荷、舞茸、ムカゴ(?)など。
とても具沢山です。

凄い、完全に素材の味が判別できる!
かき揚げってこういうものか!

太白胡麻油とその技術なのか、すごく目の細かいサクサク感があります。口に入れると溶ける系の。それでいて素材の味がしっかり感じられる。
ホタテやエビの甘さは際立っているし、ユリ根のホクホクさとか茗荷の清涼感のある風味だとか、これがはっきりと感じられるんですよね。

量も結構多いのでお腹いっぱい...
大変満足感のあるかき揚げ丼です。
と同時に、これはコースを頂かなくてはなるまい...と思いました。個別の素材の良さがさらにしっかりと感じられるんじゃないかなーと。

美味しかったー。


住所: 東京都中央区京橋 2-5-2
店名: 深町(ふかまち)
電話番号: 03-5250-8777
営業時間:
昼=11:30-14:00 L.O.13:30
※土日祝 12:00-15:00 L.O.13:40
夜=17:00-22:00 L.O.21:30

Thierry Marx(ティエリー マルクス:銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日はこないだオープンしたティエリーマルクスに行ってきました。既にビストロマルクスへは行っています。
そちらは過去の記事をご参照ください。


お馴染み日産が入っている銀座プレイス。


「星の請負人」ティエリーマルクスはフランスの最も名高いシェフの1人。
「ルドワイヤン」、「タイユヴァン」といったパリを代表するレストランで修行を積み、「コルディアン バージュ」の総料理長も務め2つ星を獲得しています。自身のレストランであるシュール ムジュール パール ティエリーマルクス以外、自国外でも活躍しています。
日本ではマルクスの下で8年師事した小泉敦子女史が腕を振るっています。


ランチのコースは1種類のみです。
シャンパーニュはテタンジェとビルカールサルモンのブラン ド ブランが開いてました。


◾︎スナック「根菜のピューレ キクイモ パルメザンチーズ トリュフオイル」(★★★)


根セロリのピューレ、ヘーゼルナッツ、レンコンチップス、トリュフオイル。
根菜の土の様な香り、ナッツのカリカリ感の食感が楽しい。土の風味と、キクイモのまろやかさが調和する。
パルメザンの旨味も良く出ていて、滑らかだが、しっかりとした旨味が感じられる。


◾︎スナック「3種のグリッシーニ(ごま 栗 チーズ)」
濃厚なチーズ、ごまのカリカリ感、栗の甘やかさが表現されたグリッシーニ。


◾︎アミューズ「熟成平目のタルタル 椎茸のチップス ピンクペッパー」(★★★★)


トマト、椎茸、ディル、クルミをまぜた熟成した平目のマリネ。小松菜のマリネ、ピンクペッパー、椎茸のチップス。
コリコリとしたクルミの食感と、絶妙な塩の要素が調和。ディルの風味も清涼感がある。旨味が凝縮。
そこにオリーブオイルのふくよかさが上手く酸を抑えている。玉ねぎの様なしゃりしゃりとした風味もあり、食感的にも楽しい。


◾︎アントレ「フォアグラ うなぎ」(★★★★★)


本店のレシピ。フォアグラと燻製したうなぎ、リンゴのサラダとうなぎ風味のクリーム。
プリプリとしたフォアグラのポワレと非常に味が濃厚で燻製の香りが漲る凝縮したうなぎのかけら。クリームは塩気と出汁が効いていて、エスプーマの様な緩さがある。
一緒に食べると絶妙。フォアグラに燻製の香りと塩気を調和させ、リンゴの甘いピューレが造反し、互いの味を引き立て、クリーミーさをソースでふくよかさを演出している。非常に高いレベルでの調和を見せている。
互いの良さを引き立てあう組み合わせ!素晴らしい、


◾︎アントレ「もやしリゾット」(★★★+)


エスプーマで覆われています。


スプーンにはセップのオイルが。

もやしで作ったリゾット、セップ茸、パルメザンチーズを使用。スプーンにはセップのオイルが。
パルメザンの濃厚なソースとセップ茸の馥郁な香りが主軸となり、主役であるもやしの食感が楽しい。
クリーミーで発酵っぽい酸味がほのかにある。甘みと塩気と酸味の調和が素晴らしい。ブールブランソースにも似ていると思う。


◾︎ポワソン「金目鯛 カリフラワー」(★★★★)


伊豆下田産金目鯛、玉ねぎのソテー、カリフラワーのピューレ、花山椒、キンメのバターで焼いたカリフラワー、カリフラワーの先端を刻んでレモンとマリネしたもの。レモンクリーム。
クリームシチューを想起させる様な濃厚なカリフラワーのソース。甘くソテーされた玉ねぎ、それらがふっくらと火入れされた金目鯛に調和する。レモンの風味もクリームに絶妙にマッチ。金目鯛の火入れが白眉で外側はパリパリで中はふっくら。塩気が強めで玉ねぎと合わせる事でバランスが取れていく。
カリフラワーのソテーも脇役ながら部分にキンメの風味が調和しているから違和感なく調和する。


◾︎ヴィアンド「川俣シャモ オレンジ」(★★★★★)




目に見えて繊細な火入れ...美しい。

川俣シャモ(シャモと地鶏を掛け合わせた品種)のロースト。オレンジでキャラメリゼしたごぼう、大吟醸のエスプーマ。
色からも分かる通り、川俣シャモの火入れが絶妙。極限までしっとりと火を入れ、すべてのエキスが残っている。反面、外側が照り焼きになっていて甘みと酸味が感じられる。中華的な側面が感じられる。
皮下の脂のボリューム感も感じられて、しっとりした肉と調和してバランスをとる。また甘辛い風味に大吟醸の香り高いエスプーマと良く合う。鶏肉のエキスがキャラメリゼの甘辛ソースと調和し、ごぼうで食感にアクセント。
とても素晴らしい鶏料理。



◾︎デセール「お重」(★★★+)

展開前。


展開後。

・イランイランのアイス アボガドピューレ グレープフルーツピューレ パンナコッタ

淫靡な香りの漂う香りのアイス、アボガドのまろやかさと柑橘のピューレの酸味が調和。マスカルポーネとゼリーも良い。なんか少し昔を思い出してエロティックな気分になる香りだ...

・メレンゲ フロマージュブラン フレーズ デ ボワのソルベ

メレンゲの中にフロマージュブラン、ストロベリーのシャーベットで構成。酸味優勢のシャーベットにメレンゲが甘さを、フロマージュブランが滑らかさを演出していく。

・洋梨 栗 求肥

求肥に包まれた栗と洋梨、生姜のコンフィチュール。カラメルと洋梨のピュレ。フレッシュな洋梨風味の餡にも感じられる。カラメルの厚みの風味がとても良く働いている。
求肥がしっとりとしていて和風のお菓子といった佇まい。
ワイン的な構成要素。


◾︎ミニャルディーズ4種


・フィナンシェ
外側がカリカリに焼き上げられたフィナンシェ
・ガナッシュ
ナッツを纏わせたチョコレートガナッシュ。
・カシスのパート ド フリュイ
・シュガシュトラン マンダリンソース

ほぼどの皿も好みのものばかり!
大変満足できました。どの皿も食感豊かで、見目麗しく、そして食材の甘さ、酸味、塩気が巧みに調和されているものばかり。
特に「フォアグラ・うなぎ」そして「川俣シャモ」が突出して素晴らしかったです。考え抜かれた調和。
うなぎ、フォアグラ、リンゴがここまで合うとは。
ただ燻製などかなり工夫が凝らされているのがすげえなと。
メインのポーションもかなり多く、味わいだけでもかなりお腹が満足。お値段はやはりグランメゾンだけに強気の金額ですが、基本的には異論の無い味わいですね。
ビストロマルクスとは全く違うレストランみたい...
ちなみにお得意のブリオッシュ フィユテも美味しかったですねえ。


住所: 東京都中央区銀座5-8-1 GINZA PLACE 7F
店名: Thierry Marx(ティエリー マルクス)
電話番号: 03-6280-6234
営業時間:
11:30~15:00(L.O.14:00)
17:30~22:00(L.O.21:00)
ランチ営業

Aroma Fresca(アロマフレスカ:銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日は行きたかったけどなんとなく行ってなかったシリーズ...のアロマフレスカです。
というのも超人気店のイメージがあったので二の足を踏んでおりました、がたまたますんなりと予約が取れたので勇み足で行ってきました。


銀座1丁目のビルの12階。



見晴らしはさほどでもないですが、店内の雰囲気は抜群にいいですね。白を基調としていて、邸宅のような品の良さがあります。



陽光が非常にいい感じです。



シェフは原田慎次氏。
ミシュランガイド東京版 2016では*1を獲得しています。



まずは簡単にスプマンテで喉を潤し、前菜から入ります。
簡単にといってもオペレ ブルット ロゼ。
なかなかのものです。


◾︎アミューズ「小さなお皿をいろいろ」
・ 「うなぎとキャビア ジャガイモのフィルム」(★★★)


スモークしたうなぎ、キャビア、ジャガイモのフィルム。
燻製にされた香ばしいうなぎ、その滑らかな脂分。
ここにキャビアの塩気がハマる。パリパリとしたジャガイモのフィルムの食感も楽しい。カルダモンの風味も素晴らしい。


・「アジアの香りの車海老フライ」(★★★)


カダイフ包みにした車海老。出汁を使ったエスプーマ、根セロリのピューレ。頭から尻尾までカリカリに揚げられている。
エビの甘みが際立っていて、カダイフとしっかり揚げられた尻尾などの豊かなパリパリ食感が楽しい。甘みを引き立たせる塩具合も素晴らしい。ほのかに感じられるティーマサラの香りもエビに合っている。


・「フォアグラのフラン スパイス風味のポップコーン添え」(★★★)


フォアグラのフランに五香粉を添えたポップコーン。
五香粉の香りが強い。ラズベリーのジャムの甘さと酸味が濃厚なフォアグラのフランに合う。パリパリのポップコーンの香ばしさとクリーミーなフランも素晴らしく調和する。



◾︎前菜「軽く昆布で〆た松皮鰈のカルパッチョ仕立て」(★★★★)


華やかなプレゼンテーション。
昆布締めにした鰈、カラスミのソース、西洋ワサビのペースト。
鰈はかなりしっかりとした食感で力強い。それが昆布の旨みとオリーブオイルの滑らかさ、西洋ワサビの辛味で引き立っている。ビネガーと甘みも良く調和。
カラスミのソースは独特の風味がありながら塩気というより、オリーブオイルと混ざり合ってかなりクリーミーに仕上がっている。またヒラメの上に乗っている大根おろし的なものはしっかりとした出汁や醤油?の風味が載っていてヒラメのカルパッチョを引き締める。
酸味と辛味の調和が素晴らしい。


魚料理と思うくらいにガッツリ盛られてます。



◾︎パスタ「ベニズワイガニとカラスミのカッペリーニ」(★★★)


冷たい一口パスタ。
ベニズワイガニの磯のふくよかな風味、カラスミの香ばしい風味、カッペリーニの爽やかなオリーブオイルの風味が豊かに香る。小麦の風味も豊かで美味しい。


◾︎パスタ「フレッシュポルチーニのスパゲティ」(★★★★)


ペペロンチーノベース。大きく切ったポルチーニと大きいニンニク、そして出汁の泡を添えたもの。
ポルチーニの香りが大変豊かで芳醇。
辛味とオリーブオイルのまろやかさが良くパスタに絡んでいる。バジルの爽やかな風味。ポルチーニも食感と香り豊かで素晴らしい。


◾︎「パッションフルーツとレモンのシャーベット」


かなり引き締まった酸味のシャーベット


ここで猪に合わせて赤を投入です。



生産者: サン ファビアーノ カルチナイア
銘柄: カベルネソーヴィニヨン 2011

外観は濃いガーネットで粘性は高い。
程よい熟成感を感じながらも、明るい果実味の感じられるカベルネソーヴィニヨン。ブラックベリーやプラムのジャムのような豊かな果実味があり、ミントやハーブのような爽やかな風味が混じる。炭焼きのような馴染んだ樽の香り、ほのかにアルコール感を感じる。焦がした様な果実の甘みが基本骨子。華やかさは控えめで毛皮の様な風味、甘草的な風味もある。パンの様なイースト香。
イタリアらしいカベルネソーヴィニヨン。レベルは高い。
酸味、タンニン共に落ち着いており、舌触り滑らかで黒系ベリーの濃密な果実味が感じられる。
余韻にほのかな苦味がある。



◾︎メイン「猪のロースト 天然茸とトランペット茸 辛味大根添え」(★★★★)



断面はこんな感じ。


柚子を混ぜた辛味大根、甘辛いジュ ド マルカッサンのソース。脂身が豊かでかなりボリューミーな味わい。
クセは全くなく、力強い豚肉といった感じ。
キノコのソテーも絶品。焦がした香り豊かな茸の風味がソースを受け止め、猪肉にしっかりとした甘辛さを与える。
猪には比較的脂が多いが、辛味大根がさっぱりと洗い流してくれる。柑橘の余韻も素晴らしい。ポーションが多く、また味わいも脂身も濃いため、疲れる人は疲れるかもしれない。でも個人的にはかなり好きな感じですね。ワインとのペアリング前提で。


◾︎ドルチェ「マンゴープリン モスカートダスティのゼリー」(★★★)


濃厚なマンゴープリン、そこに爽やかなモスカートダスティとグレープフルーツの酸味が調和。すごく爽やかなデセールとなっている。特にモスカートのアロマティックな清廉さは素晴らしい。


■ミニャルディーズ



恐ろしいバランス感の良さというか、プレゼンテーション、香り、食感、味わいに至るまでかなり高いレベルで調和している気がします。
強烈な一皿は感じなかったのですが、押し並べてレベルが高く、外れを感じさせる皿がほぼない感じ。
凄い。ランチですらこれなのだからディナーだとどうなることやら。
特に気に入ったのがカルパッチョとスパゲッティー、あと猪ですね。カルパッチョは食感と香り、イカスミの感じが凄いよかったし、パスタはポルチーニの香り豊か、猪は脂っぽいですが、それを抑える形の辛味大根がよかったですね。
ワインも頼むとなかなかいいお値段しましたが、仕上がりの満足感は高かったです。(ちょっとだけワインの値付けが高かったのは気になりましたけど)


住所: 東京都中央区銀座2-6-5銀座トレシャス12F
店名: Aroma Fresca(アロマフレスカ)
電話番号: 03-3535-6667
営業時間:
[月・火・土]
17:30~23:00(L.O.20:30)

[水・木・金]
11:30~15:00(L.O13:00)
17:30~23:00(L.O.20:30)

【ブルゴーニュ:135】ジャン マリー フーリエ、ネゴシアン事業開始から3年の今。

こんにちは、HKOです。
本日はフーリエのネゴシアンものです。


【データ】
エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ最上の生産者である事に疑いを持つ人はまずいないでしょう。
叔父であるアンリジャイエ氏からは1985年にクロ パラントゥをはじめとする大部分の畑を受け継いでいます。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。フランソワフレール社の3~4年乾燥させた樽を使用。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。フラッグシップは一級レ ボーモン、特級エシェゾー。そしてアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥ。


フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ品質を考慮するとまだ良心的な生産者とも言えます。
栽培はリュットレゾネ。なるべく自然に近い状態で栽培を行っている。葡萄に負担をかける摘房はせず、摘芽で収量制限をおこなっている。樹齢はいずれも高く、樹齢100年のクロサンジャック、樹齢85年のコンブオーモワンヌ、樹齢74年のグリオットシャンベルタンを保有しています。厳重に選果された葡萄は100%除梗し、半分が破砕される。低温浸漬は自然な温度によって行われ、その後アルコール発酵。空圧式のプレス機て圧搾の後、この手の生産者では珍しい最大20%という低い新樽比率で18ヶ月熟成。そして無濾過、無清張で瓶詰めされます。
...というのはドメーヌの話。今回はネゴシアンボトル。醸造は同じかも知れませんが、葡萄は買い葡萄を使用しています。ネゴシアン開始から3年。ネゴシアンボトルは進化しているのでしょうか。
本拠地ジュヴレシャンベルタンの特級、マゾワイエールとラトリシエール、そしてクロ ヴージョから見ていきましょう。


【テイスティングコメント】
生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: ブルゴーニュ パストゥグラン 2000

かなり果実味は残っており、ジャミーな果実味が残っている。
瑞々しいブラックベリーやストロベリーの果実味があり、蜜を思わせる甘露さを感じさせる。梅しば、水に濡れたスミレの花や枯れた葉や土の香りが感じられる。ドライフラワー、そして茎や生肉、複雑なクローヴやハーブ系の香りが際立っている。クラスとしてみると良い。
香りは若々しいが、口当たりはまさに古酒といった感じ。
タンニンは柔らかいながら、酸はやや強く、旨味が良く押し出されている。鰹節や梅しば、アセロラの様な複雑な余韻を残していく。



生産者:ジャン マリー フーリエ
銘柄: マゾワイエール シャンベルタン グランクリュ 2014

生産本数は3樽
外観は透明度の高い赤みの強いルビーで粘性は中庸。
華やかさと甘露のバランスが良く、清涼感があり、高域に伸びていく様な果実味を感じる。
高度に熟したストロベリーやクランベリーの様な果実味、上白糖の様な甘露さ、瑞々しいスミレ、血の鉄分の様な華やかさ。オレンジを思わせる清涼感がある。
甘露さと華やかさの奥にフルーツケーキ、ミルクティーの様な樽香。ジンジャーブレッド、当初からごくわずかに獣香がある。徐々に更に華やかさと野性味が増していき、なめし革や生肉の要素が主軸になってくる。
酸は柔らかく、タンニンも滑らかで申し分ない。ジワリと広がる旨味があり、お香やスミレ、そして血やストロベリーの様な余韻を残していく。



生産者:ジャン マリー フーリエ
銘柄: ラトリシエール シャンベルタン グランクリュ 2014

生産本数は5樽
外観は透明度の高い赤みの強いルビーで粘性は中庸。
マゾワイエールと比べるとやや堅牢さに寄った作り。
華やかさより果実の重みや甘露さが重点的に現れている。
甘露で密度の高い凝縮感のある果実味、マロラクティック発酵の加糖ヨーグルトの様な香りがやや強めに出ている。
ブラックベリーやストロベリーのコンポートを思わせる果実味。黒糖、キャラメルトフィーの様な樽香。ジンジャーブレッド。華やかさは控えめで、奥になめし革や血の様な風合いがある。ほのかにフレッシュハーブを思わせる青さがある。
徐々にシナモンやジンジャーなどのスパイシーさが現れてくる。
タンニンは柔らかいが、わずかに酸が際立っている。
ジンジャーやブラックベリー、スミレなどの余韻が長く続く。余韻にほのかな苦味が感じられる。


生産者:ジャン マリー フーリエ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2014

生産本数は3樽
外観は透明度の高い赤みの強いルビーで粘性は中庸。
性質としてはラトリシエールに近い。
この中だと果実に重量感がある方で、ラトリシエールからさらに華やかさを控えめにした形と言える。
加糖ヨーグルトの様なMLFの風味やブラックベリー、ダークチェリーのコンポートを思わせる甘い果実味がある。
黒糖やフルーツケーキの様な樽香。ややスパイシーさがありグローブやローリエの様な風味も感じられる。徐々に華やかさが前面に現れ、スミレや鉄釘の様な風合いが現れる。ブリオッシュなどのイースト的な要素も。
甘露さを維持するラトリシエールと比べるとクロ ヴージョは早めに華やかさが出てくる。
酸味は柔らかいが、ややタンニンに毛羽立ちがある。
鉄やスミレ、青い葉の様な余韻が残る。やや堅牢さがあり、比較的苦味も強く感じる。



【所感】
まずはフーリエ比較の前にエマニュエル ルジェから。
これがもうパストゥグランと思えない程しっかり熟成していてビックリでした。
正直枯れてるだろうと思ったのですが....しっかりと果実味が残りながら、熟成香も出ている。やや酸に毛羽立ちを感じるのですが、香りは絶妙です。
まずは赤系の果実味と蜜の様な甘露さがあり、梅しば、枯れた葉、土の香りが感じられます。ドライフラワーやグローヴなどの複雑な要素も液体に溶け込んでいて、パストゥグランのクラスとしては絶妙な熟成を感じます。
先述した通り酸はやや強いのですが、旨味が強く、鰹節やアセロラの様な出汁を思わせる複雑な余韻を感じます。
さすがはルジェ、パストゥグランからして熟成を楽しめるとは...

次はフーリエです。
いわゆるネゴシアンもので、2011年は品質としては高いながらもフーリエとしては正直微妙でした。悪くはないのですが、全体的に果皮の要素が強く出すぎている感じがしてパッとしていませんでした。今回の2014はどうかというと...

メチャいいです。
2014のドメーヌものを飲んでないですが、すげーよく出来ています。マゾワイエール、ラトリシエール、クロ ヴージョ全部いい。
それぞれに差分はもちろんあるのですが、いずれもクオリティ高いです。

まずはマゾワイエールから。
華やかさと甘露さのバランスが絶妙で、熟した赤系果実とスミレ、鉄分、オレンジの様な要素が主軸となっています。
高域に伸びていくようなエシェゾータイプの煌びやかさを感じます。ほのかにミルクティーの要素があります。
供出から野生的な側面がありますが、徐々に華やかさとともに伸びてきます。
ラトリシエールは華やかさより果実味やMLF、樽香がはっきりと現れています。仕上がりの果実味とバランスをとった醸造なのかもしれません。比較的強い醸造的な要素が見て取れます。黒系果実のコンポートや黒糖、キャラメルトフィーの様な樽香をしっかりと感じますね。印象としては中域に止まる様な作りで、一定の華やかさもしっかりと持っているのが特徴的です。
クロ ヴージョはラトリシエールと似た質感を持っていますが、よりスパイシーさが際立っています。中域のワインですが、ラトリシエールと比べると落ち込むのが早いというか、別の要素に変質するのが早い印象を受けました。
少し足の短さがある様な気がします。

全体で見てみると、マゾワイエールが華やかさと甘露さのバランスがよく取れていて、ラトリシエールはやや果実味に寄った作りになっていると思います。
クロ ヴージョもラトリシエールに方向性は近いと思いますか、華やかさはラトリシエールから更に控えめになっていると思います。
また時間経過による変化がクロ ヴージョの方が早く、ラトリシエールはやや堅牢で、香りを維持しています。マゾワイエールも香りの維持としてはラトリシエール程ではないにせよ長く、堅牢であると思います。
またマロラクティック発酵と樽香については、果実味の強いラトリシエールとクロ ヴージョが割とはっきりと出ているのに対して、ややマゾワイエールは控えめで、ピュアさに寄った作りとなっていると思います。
副次的な要素としてはラトリシエールとマゾワイエールが徐々に獣香が出てくるのに対して、クロ ヴージョはスパイシーさが目立ってきます。
そういう意味でいうと、テロワールの違いをうまく演出している様にも見えますね。

しかし本来的に言うとマゾワイエールの方が果実味の厚みがあると思うんですが、ラトリシエールの方が果実味が強いのは...標高が高い事に起因する凝縮感なんでしょうかね。
なんとなく府に落ちない感じがあるんですが....
でもまあ美味しいから良しとしましょう。













プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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