CRONY(クローニー: 西麻布)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
本日は12月にオープンしたばかりのクローニーに行ってまいりました。


ミシュランの星付きレストランが立ち並ぶ首都高3号渋谷線の下にあります。

このクローニー、スタッフが精鋭揃いで、オープン直後からある種の人たちの中では話題になっていました。
カンテサンスのディレクトールだった小澤氏を軸に、コラージュの小野寺氏、カンテサンスを経て、デンマークのKADEAU、ノルウェーのMAAEMOで修行の後、ティルプスのシェフとなった春田氏など経験豊かなスタッフが揃っています。

スタイルはイノベーティブ、フュージョン。
フレンチとノルディック キュイジーヌの融合。



テーブルウェアも簡素です。



20:00までは予約のみの12皿のおまかせコース。以降はアラカルトなるようです。
店内が混み合っていた為、提供はスムーズとは言えなかったですが、あの席数としては十分ではないかと。
早い時はものすごく次の皿が早い、待つ時は暫く待つ。そんな感じではあります。


シャンパーニュはリシャール フルノー。



まずはスナックからです。


◾︎スナック「石」(★)


ジャガイモとグァンチャーレのクロケットに 竹炭で色付けしたもの。
優しい歯ごたえのクロケットで、ジャガイモと塩気の効いたグァンチャーレがよく合います。


◾︎スナック「菜の花 マスタード」


菜の花にスモークマスタード、エディブルフラワーを添えたもの。ブロッコリーに食感や味は似てますね...。
マスタードがサラダ的な風味を感じさせる。
菜の花、おひたしでしか食ったことねえわ...


◾︎スナック「人参 雲丹」(★★)


人参のペーストを薄く焼き、雲丹のムース、人参のムースを挟んだもの。ポテトチップス的な風味を感じるチップスに挟まれた雲丹のクリーミーで滑らかなムース、程よい人参の甘さを感じる。
人参はフルーティーで果実の風味を感じさせる。


◾︎スープ「チキンスープ トピナンプール」(★★)


とても濃厚でやや塩辛さを感じるスープ。
鳥の出汁の凝縮感とキクイモの土っぽい香りを明確に感じられる。力強い旨味の爆発。


◾︎アントレ「エビ ピクルス 根セロリ」(★★★)


玉ねぎのピクルスの窪みにエビのすり身を入れている。少し紫蘇の風味を感じさせる。香り豊か。
根セロリのソースの滑らかさも素晴らしい。ピクルスは酸っぱさはなく、玉ねぎの甘さをはっきり感じさせるもので、エビの甘みとすごく調和している。ねっとりとしたエビとサクサクの玉ねぎのコントラスト。


すり身が入っています。甘い!


次のワインは食事とも安定したペアリングが出来る、ヴァンジョーヌ。


生産者: ジャン リケール
銘柄: アルボワ グラン エルヴァージュ VV 2010

外観は透明度の高いイエロー、粘性は中庸。
酸化的な香ばしい塩ナッツの香りと柑橘の爽やかさ、バターやクリームのまろやかな香りを漂わせる、
温州みかんやシトラスのような爽やかな果実味、相反する酸化のナッツや塩のニュアンス、そしてMLFの要素。
ほのかにアルコール感があり、ハーブのようなニュアンスや油分を思わせる風味がある。徐々にシロップのような甘みや穀物のニュアンスも。
ボディは酸は柔らかく、旨味がとても突出している。
柑橘のジャムを頂くような味わい。なかなか素晴らしい。


◾︎アントレ「タラの芽 グリンピース ハツ」(★★★★)


タラの芽のムース、初物のグリンピース、鴨のハツ。
しっとりとしたハツとグリンピースの食感のコントラストが面白い。タラの芽の苦みがグリーンピースのローストの苦みと調和し、ハツに立体感を与える。ハツはプレーン、それに塩や複雑な風味を与える役割を果たしている。


◾︎パン「カリフォルニア3つ星"セゾン"の技法と酵母を使ったサワーパン」「ヨーグルト乳清を使ったホイップバター」(★★★+)


外側は厚みがありクリスピー(クイニーアマンのよう!中側はしっとりねっとりとした味わい。
塩気の効いた軽いホイップバターがすごくよく合う。


◾︎ポワソン「萩産鰤 春キャベツ ワカメ 春キャベツのソース ふきのとうのピューレ」(★★★★)


萩産鰤(10kg)のレアステーキと、春キャベツ、ワカメを添え、春キャベツのソース、ふきのとうのピューレを合わせていただく。
ワカメが想像以上に効果的な働き方をしている。芽キャベツはほっこりとしつつも強烈な甘みを感じさせる。
さながら海苔を思わせる風味。内側はレアで皮はパリッと仕上がっている。程よく血合の鉄分を感じさせる。
鉄分とピューレの苦みを芽キャベツの甘さが中和。ソースに甘みがあり、焦がしたところには明確な鰤の風味が現れる。
ピューレはハーブ感があり、ふきのとうのほのかな苦みを感じる。


赤はボルドーを。


生産者、銘柄: シャトー シャンテリュン 2008

外観は透明感のあるガーネット、粘性は中庸。
重くなりすぎず、複雑さを維持しながら果実味を演出している出来の良いカベルネソーヴィニヨン。エレガント。
タイプとしては南アフリカ的なボディを感じさせる。
牛脂やコーヒー豆の様な香りの中にブラックベリーやダークチェリー、カシスのフレッシュな果実味を感じさせる。
ほのかに酸を感じさせる果実の香り。スミレや芍薬の様な風味。土やハーブ類の青さもある。
カリフォルニアには作れない方向性のもので、ハーブ感がしっかりと。グローヴ、そして上白糖の様な風味を感じさせる。
口当たりは軽く、タンニンも酸もシルキーでとてもキャッチー。高いワインではなさそうだけれども、ボルドーはこうあってほしい、という様な作りのワインになっている。


◾︎ヴィアンド「シンシン キノコ 黒ニンニク」(★★★★)


絶妙な火入れのサシの入った赤身、シンシン。ソテーした細切れのアワビダケ、パウダー状にしたマッシュルーム、ブラックトランペット。黒ニンニクの濃密なペーストで構成。
柔らかくふわりとした食感のシンシンのローストにキノコの香りが素晴らしく混じり合う。脂の甘みも大変上品。
そのままでも十分キノコの複雑さ、食感の面白さを感じることが出来るが、スペイン料理的な黒ニンニクの濃厚な風味、甘みが脂によく調和する。春田シェフの火入れは相変わらず素晴らしく、キノコのソースと合まって、赤みの旨味と脂身の甘さを強く感じさせる。
ポーションが大きめなのも嬉しい。



シャンピニオン盛り盛りなので、とりあえず除いてみました。


◾︎チーズ「ロックフォール パン ハチミツ」(★★)


液体窒素で固めたロックフォール、パン、ハチミツ。
全てが固まっている。ロックフォールの独特の風味に甘いハチミツが絡み合う。
口の中でロックフォールが主張するが、溶けてパンやハチミツが調和を始める温度を使った料理。サクサクのパンの食感が楽しい。


◾︎デセール「レモンパイ」(★★+)


レモンクリーム、日向夏、焦がしキャラメルの上にメレンゲを添えたもの。
軽やかなメレンゲの食感。甘みを感じさせるそれに、レモンクリームの酸味、バニラの滑らかさが混じり合い、一体化したスイーツとなる。塩気と甘み、酸味の相反した味わいがそれぞれの美味しさを引き出すデセールとなっている。


◾︎デセール「ひとめぼれのアイスクリーム 獺祭 純米大吟醸 磨き3割」(★★+)


お米の可能性を感じる。さながら南国のフルーツの様や甘みを帯びている。クリーミーな甘さの中で、日本酒の苦みが引き締めてくれる。非常に蕩けるような味わいで、かつビター感を感じさせる。


◾︎ミニャルディーズ「石」(★★)


冷たいナッツのクッキー


◾︎グァテマラ産コーヒー(★★)



以上、かなり長丁場なディナーになりましたが、どの皿もクリエイティブで目にも舌にも楽しくって飽きは来ませんでしたね。カウンター席だったので調理の様子も見れましたし。
そして肉や魚の火入れも絶妙ですね。
これはティルプスに行った時にも思ったのですが、特に肉料理が絶妙です。そこにキノコなどの土の要素を加えて、黒ニンニクと脂の甘みを相乗させてるのは、かなり好みでした。
価格自体は安くはないですし、ワインの値付けは強気なところを感じますが、全体的な満足度はとても高いと思います。



住所: 東京都港区西麻布2-25-24 NISHIAZABU FTビル MB1F
店名: CRONY(クローニー)
電話番号: 03-6712-5085
営業時間:
18:00~翌2:00
シェフおまかせのコース提供は18:00~20:00(L.O) 要予約
21:00以降はアラカルトを提供(2017年1月から)
夜10時以降入店可、夜12時以降入店可
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【カリフォルニア:58】コルギン カリアドを利く

こんにちは、HKOです。
本日はコルギンのカリアドです。


【データ】
コルギン セラーズはアン コルギンとジョー ヴェンダーによって1990年代初めプリチャードヒルに設立されたワイナリー。所有する畑はヘネシー湖の丘の頂上にあり、近年ⅸエステート(標高950~1,400フィートの前述のヘネシー湖を見下ろす48ヘクタールの区画)の単一畑もリリースしている。当初へレン ターリーがコルギンを手がけていたが、現在は元ピーターマイケルのマーク オーバートが手がけている。栽培責任者はデイヴィッド エイブリュー、醸造コンサルタントはアラン レイノー。
醸造は重力を利用したグラヴィティフロー、オープントップの大樽と密閉式ステンレスタンクの併用を行い、フレンチオークの新樽100%で19ヶ月間熟成後、清澄濾過なしでボトル詰めにてリリースされる。
ちなみにコルギンは3つのフラッグシップ銘柄をもっています。
「ナンバー ナイン エステート」はプリチャード ヒルの標高約350-420mの高台に50haの保有する自社畑。巨石が埋まる急斜面。
「カリアド」はデヴィット・エイブリューの自社畑の3つのブレンド。セントヘレナ西斜面にあるマドロナ ランチ ヴィンヤードを主体として、ハウエル マウンテンのルチア ヴィンヤード、ソレヴィロス ヴィンヤードの葡萄をブレンド。
「ティクソンヒル ヴィンヤード」は1881年に植樹されたセント ヘレナ北、スプリング マウンテンの裾野の1.6ha。
こんな具合です。


【テイスティングコメント】
生産者: コルギン セラーズ
銘柄: カリアド ナパヴァレー レッドワイン 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン53%、メルロー26%、カベルネフラン12%、プティヴェルド9%

外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
徹底的な凝縮感があり、そのくせ果実味は赤系という異端的なワイン。バランス感は新世界なりの甘露さを押し出した重量感のある作り。
濃密で凝縮したイチゴやブラックベリーの甘露なジャム。
コンデンスミルク、フルーツケーキ、バニラの様な滑らかで厚みのある甘露さ。ヨーグルト。ほのかに茎の様な風合いもある。
ワッフルやカカオ、黒糖の様な樽香。結構強めのリコリス、ピーマンの青さ。そしてベーコンなどの燻製肉。
果実は熟していて、果皮の要素は目立っていないが、エナメルリムーバーやインクを思わせる風合いがある。
全体的に要素は強いながらもキャッチーな仕上がりで、ナパらしいナパのナンバーナインとは少し印象を意にする。
酸は穏やかで、タンニンはよく熟しており、丸みを帯びている。グリセリン感があり、余韻に甘みが感じられる。
ミルク、ブラックベリーやダークチェリー、肉の様な旨味が非常に強く広がる。



【所感】
今回はカリアドでした。
ナンバーナインエステートは過去に2ヴィンテージほど記事にしてますので、興味があれば是非どうぞ。
基本的な軸は完全に熟したコンポートの如き甘露な果実味、ミルキーなMLF、焦がした樽香を高密度のボディでバランスを取る形のワイン。カリフォルニア的といえば、大変カリフォルニア的ではあるのですが、どちらかというとその性質はナンバーナインエステートの方が強い様に感じます。
ナンバーナインエステートの全体のバランスの中で構成される果実味はカシスやブラックベリーなどの黒系果実。そしてやや目立ったコーヒーや燻した様な樽香、土の様な香り。
バランス値の振り方としてはラトゥールと近いかな、とも思います。
今回のカリアドはもう少しフレッシュです。
果実味は赤系のイチゴなどを思わせる果実味で、さりとて軽さはなくジャミーで完熟しています。コンデンスミルク、ヨーグルトを思わせる滑らかさが調和している。樽香はその点(強いには強いのですが)ナンバーナインエステートと比べると控えめです。やや果皮の要素は強めだが、かなり親しみやすい作りに仕上がっている印象です。酸は穏やかでグリセリン感があり、タンニンに甘みがあり、かなりわかりやすいですね。
個人的にはナンバーナインエステートより好みかもしれません。ポールホブスのドクタークレインに近く、ボルドーにおいて似たタイプはありません。
流石コルギン...ニューワールドファンにビシビシと響く素晴らしい仕上がりでした。
残すところはティクソンヒル。
できる事ならば3種水平とかできるといいんですが、なにぶん値段がなぁ...



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コルギン カリアド プロプライエタリー・レッド[2010]
価格:66960円(税込、送料別) (2017/2/22時点)



【スペイン:10】産地に拘らず諸々。グランヴァン、新潮流、シェリーをまとめて。

こんにちは、HKOです。
本日はスペインワインをいくつか紹介します。


【データ】
ボデガス ヒメネス ランディは、ダニエル ゴメス ヒメネス・ランディとホセ ヒメネス ランディの従兄弟同士で立ち上げたボデガ。ワインメーカーはダニエル ゴメスが担当。
「世界一のガルナッチャを造る」という信念の元、少量生産で最上のワインを生産しています。
今回のラデラス デル ティエタルはカスティーリャ・イ・レオン州にある標高900m~1,000mの区画から収穫されるぶどうを使用。土壌はエレガントなワインが生まれると言われる花崗岩質土壌。 この畑に植わる樹齢70年超のガルナッチャからこのワインはつくられます。 大樽発酵、2,500Liのフードル樽で6ヶ月間熟成させボトリング。

ベガ シシリアは1864年に設立されたカスティーリャ イ レオン州リベラ デル ドゥエロに拠点を置くボデガ。現在の醸造責任者はハビエル アウサス氏。
1982年、アルバレス家によって買収後には、畑を拡大、最新醸造設備を導入し、品質を向上を実現した。
今回のウニコはユニークという名のフラッグシップキュヴェ。良年のみ生産され、自社栽培面積120haのうち100haはウニコ用となります。
平均樹齢は40年、平均収量は極めて少なく20hl/ha。
収穫は手摘みによって行われます。
木製発酵槽、ステンレスタンク、セメントタンク併用で発酵、樽熟成は6年半から7年行われる。
まず大樽で1年、小型新樽2年(アリエ・トロンセ)、古樽4年(アメリカン オーク)10回以上の樽替と澱引きを行い、濾過は最低限のみ。更に瓶熟成4年を経てリリースされます。 今回の「ウニコ・レセルバ・エスペシアル」は最高峰のウニコ3種類をブレンドし、さらに熟成期間を置いたものです。ヴィンテージは94/99/00。

トロ・アルバラは1922年はスペイン、モンティーリャ モリレスに設立された老舗ワイナリー。
現当主であるサー・アントニオ・サンチェス。
産地は独自のスタイルを貫くアモンティリャードの語源にもなったモンティーリャ モリレス。
最高のペドロ・ヒメネスを造り続け、スペインの至宝とも呼ばれています。
気候は大陸性のとても暑く乾いた気候で、日照量は年間3,000時間。アルバリサと呼ばれる石灰質土壌で、炭酸カルシウムや珪土が多量に含まれ、保湿性も高い。
冬場にしか降らない雨を土壌に蓄えることで夏場の乾燥した期間でも葡萄に水分を供給できる。
代表的な甘口のドン ペーエキス、ドン ペーエキス グランレゼルバ&セレクスィオン、コンヴェント セレクスィオンなどは、収穫したペドロ ヒメネスを2週間以上天日干しした後で、圧搾(4kgの葡萄から1L の果汁しか得られない)、ステンレスタンクで発酵。ワインを蒸留したスピリッツで酒精強化して発酵を止めた後に、タンクまたは樽で熟成したもの。ソレラ システムは使用しない。極めて少量の為、1930年代から貯蔵されている。


【テイスティングコメント】
生産者: ダニエル ゴメス ヒメネス ランディ
銘柄: ラデラス デル ティエタル 2013

外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
例えるならばラヤスやアンリ ボノーを想起させる冷涼さを感じるエレガントなグルナッシュ。
薔薇やスミレ、エナメルリムーバーを思わせる華やかな香り、そして熟したプラムやブルーベリーのジャムの様な果実味、甘酸っぱさがある。
漢方やプーアル茶、若い葉や茎。血液の様な鉄のニュアンス。ジビエやパストラミハムの様なスパイシーさ。
クローヴやリコリスなどのスパイシーな香り。徐々に黒糖の様なニュアンスも混じってくる。
タンニンと酸のバランスが絶妙で、甘いタンニンがしっかりとした酸を包んでいる。プラムやブルーベリーのジャムの様な余韻があるが、決して重くなく凝縮していて酸が追従している。


生産者: ヴェガ シシリア
銘柄: ウニコ レゼルヴァ エスペシャル NV
品種: テンプラリーニョ60%、カベルネソーヴィニヨン25%、メルロー10%、マルベック4%

ややオレンジを帯びたガーネットだが若々しくはある。
粘性はやや高め。熟成を帯びてやや酸化的な側面があり、生肉やドライシェリー、ナツメグの要素と共に、濡れた木材や黒オリーブの様な塩気を感じさせる要素がある。
干したダークチェリーや紫スモモの様な果実味の甘酸っぱい香りと共に、イチジクや炭焼き、漢方の様な要素。
腐葉土や落ち葉、スミレなどのドライフラワー、クローヴなどの風味がある。
樽香がそこそこ強く、甘酸っぱいフルーツの果実味が豊かに感じられる作りで、上白糖の様な甘露さがある。
酸味は柔らかく、タンニンも落ち着いている。
旨味が突出していて、トマトや椎茸の様な旨味成分が爆発している。フルーティーというよりはスープを飲んでいる様な感覚に近い。


生産者: トロ アルバラ
銘柄: ドン ペーエキス コンベント セレクシオン 1946

外観は全く透けない黒、エッジのみ焦げ茶となっている。
粘性は物凄く高い。基本的には黒糖や干したプラムをそのまま液体にした様な粘性と甘露さがある。そこにやや強めのハーブやナツメグ、アルコール感からくるミントの様な清涼感。濃密なソース、ワッフルのような香ばしさ。
超濃厚。強い。
酸が程よく残るが、どちらかというと糖度の高さから刺激が強い。干したプラム、チョコレート、驚くべき糖度を誇っている。なのにも関わらず突出した旨味と立体感があり、平坦な印象がない。



【所感】
まずはヒメネス ランディ。
スペインワインの新潮流と呼ばれるスタイルのワインを作っており、非常に冷涼なタッチのワインを作っています。
濃厚なモナストレルやガルナッチャとは全くスタイルを異にしており、ボディの質感はピノノワールなどのミドル~フルボディ。
冷涼さで言えばラヤスやアンリボノーなどに近いかも。
ただし、井草などのニュアンスより、果皮の華やかさが前面に出ており、そこに酸を宿した熟した果実味を感じる事が出来ます。凝縮感もあり申し分ない。
ジャミーな果実味もしっかりとボディを形成しているし、華やかさが前に出ているものの、(ブルゴーニュの裾物の様に)タンニンと酸が鋭い訳でもなく、バランスがとても良いと思います。この価格帯ではウルトレイア サン ジャックと共にかなり良く出来ていると思います。
エレガントで良いワインですね。すこし印象は弱いですが、個人的な感覚なんで...ワインとしての質は高いですね。

次にヴェガ シシリアのウニコ レゼルヴァ エスペシャル。
ウニコは単一ヴィンテージしか経験ありませんでしたが、こちらはノンヴィンテージ。ただ一応これが上位に当たるみたいですね。 ヴィンテージは94/99/00で、既に16年熟成...!
ていうのもあり、結構な熟成感、酸化のニュアンスが感じられました。
熟成起因の野性的で塩気のある風味、濡れた木材や黒オリーブなどの要素があります。果実味は干したドライフルーツの様な甘酸っぱさ。上白糖の様な甘露さが現れる。
果実味や旨味は10~15年程度、樽は20~年程度、抽出は若々しく、どことなく単一ヴィンテージでは表出し得ない要素の構成となっていますね。熟成の時々で最も目立つ要素がかけ合わさっている様なそんな感じ。
液体はスープのようで、フルーツ感はあまりないですね。
旨味が爆発している。興味深い作りではあるし、美味しいとも思うのですが、とりたてて感動する程のものではありませんでした。

最後はドン ペーエキス。PX(ペーエキス)はペドロヒメネスの略ですね。これ、色が凄くて墨のように真っ黒なんですね。
コールタールの様な色や粘度。
干したプラムを砂糖を入れてさらに漬け込んだ様な甘露さ。
飲む事を躊躇する様な強烈な糖度ですが、決して平坦ではなく、ハーブやナツメグ、ミント、樽香、ソースの要素が重なり合い、この重さ、この濃さでなお立体感を保っている。
高すぎる糖度の刺激が主ですが、酸もまあ程よくあり、べたっとした印象は意外にありません。
かなり良く出来たシェリーですね。甘口なので若くても飲めますが、やはり本懐は複雑さが目立ち始める熟成。
熟成感によって立体感の出して、鮮明になっていくのは面白いですね。









【トスカーナ:11】あのスーパータスカンをもう一度。

こんにちは、HKOです。
本日はスーパートスカーナです。


【データ】
サッシカイアはトスカーナ州ボルゲリに拠点を置くワイナリー、テヌータ サン グイドのスーパータスカンです。
1944年にボルドーのラフィットからカベルネソーヴィニヨンの苗木を手に入れ自家消費用に仕込み始めたことから歴史が始まります。
その評判から販路を拡大し、遂には1978年のデキャンタ誌主催のブラインドテイスティングでベストカベルネ賞を受賞。1985年にはイタリアワインで初めてパーカーポイント100点を獲得、1994年にはボルゲリ・サッシカイアとしてイタリア唯一、単独ワイナリーのD.O.C昇格を果たしました。
ワイナリーを牽引したのはアンティノリの醸造家であった故ジャコモ・タキス氏、2000年代以降サッシカイアで醸造を務めたセバスチャーノ ローザ氏。
サッシカイアが作られるボルゲリはメドック地区に似た石ころだらけの畑、カベルネ・ソーヴィニヨンに最適の地質。
地中海性の温暖な気候が特徴で常に海からの風を受け乾燥し、日中は年間を暖かい一方、夜は冷え込みます。
そこに所有する畑は約90ha。砂質、石灰質、粘土質が入り組んでおり、海に近いことによりミネラル分も豊富。緩やかながら非常に起伏がある地形で、標高200~300mの斜面もあれば80mほどの平地も存在し、とてつもなく入り組んだミクロクリマを形成。
栽培は高密度の栽培や低収量での収穫を行い凝縮した果実を取得。マロラクティック発酵やオーク新樽による熟成を行う。


テヌータ ディ オルネライアはスーパータスカンの中心的生産者。カリフォルニアで経験を積んだロドヴィコ アンティノリ氏によって、1981年ボルゲリに設立されたワイナリーです。ポートフォリオはオルネライア、そして旗艦銘柄であり、わずか7haの畑から作られるメルロー単一品種のマセット。
オルネライア同様、選定を行いながら手摘みした葡萄を再度選果し、除梗した後、温度管理機能付きのステンレスタンク、木製発酵槽で高めの温度でアルコール発酵。約ひと月のキュヴェゾンの後、100%新樽で20ヶ月間熟成される。12ヶ月目にブレンドされ、残り8ヶ月間はさらに熟成。16ヶ月間の瓶熟成後出荷されます。



【テイスティングコメント】
生産者: テヌータ サン グイド
銘柄: サッシカイア 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ブラックベリーやダークチェリーのキャンディの様な香りとバタースコッチ、ブリオッシュ、シロップの様な甘い香りが感じられる。そして個性的なイースト的な要素。華やかさより果実の甘やかさが強調された形。
パストラミハム、エナメルリムーバー、青さを感じるピーマン、少しアーシーな甘草や土の要素が感じられる。
酸味が際立っていてタンニンは控えめ。
余韻は短く、甘草やミルク、キャンディの様な余韻を残す。ボディは強くなく、かなり軽めで2013年のボルドーを更に一回り落とした様な品質。


生産者: テヌータ ディ オルネライア
銘柄: オルネライア 2013

品種: カベルネソーヴィニヨン45%、メルロー38%、カベルネフラン10%、プティヴェルド7%
外観は赤みの強いガーネットで、粘性は高い。
ボルゲリとしてはかなり濃厚なカベルネソーヴィニヨンに仕上がっている。良ヴィンテージの2010年ボルドーにも近いバランスになっている。
熟したカシス、ブラックベリーの濃密な果実味を基軸にし、そこにMLFのクリーミーなバニラや果糖ヨーグルト、西洋杉の香りが混じり合う。黒糖やパウンドケーキの甘露さ。スミレ、薔薇の様な華やかさ。
ベーコンやリコリスの様な風味もある。
青い要素はあまりない。完全に熟している。
酸はしっかりと帯びているが、タンニンは甘く黒系の果実味と甘露さが綺麗な余韻を残していく。収斂さはあるが、余韻に甘い丸みとほのかな苦みを残す。


【所感】
スーパートスカーナ2本です。
なんかかなり久しぶりに飲んだ気がします...4,5年ぶりでしょうか。どういう感じだったっけなぁとちょっと悩みながら飲んだのですが、こんなにボルドーっぽかったっけ?
スタイルはボルドーに似てます。MLFと果実味、樽香の絶妙なバランス感。果実ばかりガツンと出る感じではなくて、バランス。この2本に関しては殊更そう思いました。
ただやっぱり酒蔵毎に結構スタイルが違うみたいで.....

まずはサッシカイア。
2013年、かなり軽めの酒質ですね、
2013年のボルドーは軽く薄めの出来だったのですが、それに輪をかけた様な軽さがあります。
黒系果実の風味はありますが、どちらかといえばリキュールとかではなくてキャンディの様な明るくフレッシュな香りでしょうか。そこにブリオッシュやシロップが混ざっている。
華やかさよりミルキーな甘やかさが強調された感じですね。
やや香りに青さを帯びているものの、香りのバランスは良いです。
ただ酸味がかなり際立っていて、ボディがかなーり軽いですね。飲みにくかったりするわけではないのですが、この手のカベルネソーヴィニヨンの良さってしっかり熟した味わいだと思いますが、それには即してないですね...悪くはないんですが...物足りなさが残るものですね。

次にオルネライア。
こちらもボルドー的風合を感じるんですが、あら不思議。
こちらは2010年にも近しいビックヴィンテージ並の高い熟度を持ったスーパートスカーナになっています。
予想外だったし、控えめにいって最高感あります。
基本的には果実味、MLF、樽でまろやかさや滑らかさを強調しながら、熟した果実の味わいを楽しむスタイルです。
実際カシスやブラックベリーなどの黒系の果実味も凝縮してるし、樽とMLFとのバランスも良い。青さもなく、相当な高クオリティで仕上げられていると思います。
香りも良いですが、アタックも良くてタンニンは甘く、しっかりとした酸もある秀逸。
これ、申し訳ないですけど、オルネライアに軍配上がっちゃいますね...
だって本当によいんだもの...





【ローヌ: 24】エティエンヌ ギガル、フラッグシップの熟成とは

こんにちは、HKOです。
本日はギガルのエルミタージュ エクス ヴォト、そして熟成したラ トゥルクです。


【データ】
エティエンヌ ギガルはローヌ地方において最も偉大なコートロティやエルミタージュを自社畑から生み出しながら、ネゴシアンとしてリーズナブルで高品質なワインも供給する優良生産者。
ギガルの代表的な赤ワインとして、やはり有名なのは単一ブランドを持つコートロティの4つのキュヴェとエルミタージュの混醸キュヴェ。
粘土と酸化鉄で形成されたコートブロンドに1ha保有する「ムーリーヌ(樹齢80-85年)」、砂とスレートで形成されたコートブリュンヌに2ha保有する「ランドンヌ(樹齢30年)」、同じくブリュンヌに保有する1ha「トゥルク(樹齢35年)」、そしてそれらの弟分でありブロンドとブリュンヌに保有する6つのリューディからなる「シャトーダンピュイ(樹齢45-95年)」。
これらのコートロティ群と、エルミタージュの小区画 ベッサール30%、グレフュー30%、ミュレ20%、レルミット20%で構成された「エルミタージュ エックス ヴォト(樹齢70-100年)」。
収量は十分に抑制され、収穫は概ね遅摘みによって凝縮度を上げた状態で収穫される。
除梗は基本的に行われないが、実験的に部分的な除梗を行っている。
自動ピジャージュシステム付きのステンレスタンクを用い、ルモンタージュしながら4週間のマセラシオンを行う。アリエとヌヴェール産の新樽100%で40ヶ月以上(ダンピュイは36ヶ月)にも及ぶ長期熟成を施した上でリリースされる。



【テイスティングコメント】
生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: エルミタージュ エクス ヴォト ルージュ 2009

品種: シラー100%
外観は赤みの強いガーネットで、粘性は高い。
やや酸化が進んでいるものの濃密さは一切隠れてはいない。鉄釘や血液、ナツメグの様な風味が前面に出ているが、徐々にその素晴らしさ復活する。ギュッと凝縮し詰まった果実味が溢れる。
黒糖やカラメル、焼いた藁を思わせるロースト香と、プルーンや干したベリー類などの濃密な果実味を思わせる風味が主軸となる。コーヒー、そしてチョコレート、ベーコン、ミルクポーションなどの風味と、鉄観音、漢方を思わせる乾いたハーブの要素がある。ユーカリ、クローヴなどの風味を感じさせる。土やスイセンの要素などもある。
酸味とタンニンのバランスは良く、旨味が充実している。
カシスやプルーンの豊かな果実味とやや収斂を感じさせるタニックさがある。



生産者: エティエンヌ ギガル
銘柄: コート ロティ ラ トゥルク 1993
品種: シラー93%、ヴィオニエ7%

外観はエッジにオレンジを帯びたガーネットで粘性は中庸。
乾いた漢方と濡れた土、グローヴ、オリエンタルスパイスなどの複雑なハーブ、スパイスなどの熟成香に加え、熟成肉などの旨味の塊。オレンジを感じさせる要素。
ブラックベリー、ブルーベリー、スモモなどのジャム。
焦げたゴム、炭焼きなどのスモーキーな焦がした香り。
薔薇、スミレのドライフラワーなどの華やかさが複合的に重なり合い複雑さを感じさせる。徐々に上白糖の様な甘みが出てくる。
酸やタンニンはかなり落ち着いていて驚くくらいエレガントで滑らか。やや酸が富んでいるが気になるレベルではない。やや薄めの繊細な旨味があり木材、ハーブ、オレンジ、鰹節系の旨味が広がっていく。



【所感】
ギガルのフラッグシップキュヴェ2種です。
大分前に2009年のロティ3兄弟とエルミタージュのレポートをしましたが、2009年のエルミタージュは大変素晴らしかった覚えがあります。
今回あれから3年経ってどうなったでしょうか。
エルミタージュはフレッシュでよく熟した果実味が顕著でしたが、現在は干して果実味が凝縮した様な表出の仕方をしています。多少酸化のニュアンスはありますが、基本的には順当に熟成した様な印象ですね。極端に変わる訳ではなく甘露さを軸としています。樽香には藁のニュアンスが入り込み
樽香、MLF、その果実味が混じり合ったカラメルやコーヒー、そして野生的なベーコンの風味が出ています。
丸みがあり、ボリューミー。ニューワールドでもこのクラスの凝縮感と果実味はあまりないんじゃないかと。
どことなく品があり、シラーズとは異なった果実味を見せていますね。MLFの使い方はフランスならではって感じがします。

次はラ トゥルク。
オフヴィンテージの70年代熟成ランドンヌはピノノワールにも似たエレガンスを醸し出していましたが、こちらはどうなのか。
90年代というのもあり、そこまでエキス化している訳ではないですね。ただし明確に熟成はしていて、アーシーな要素や野生的な要素が前に出ています。
オレンジの様な揮発香とともにまだまだジャムを思わせる果実味、そしてロティらしい華やかさを残しています。
上白糖の様な甘露な香りも放っています。
ただし液体はエレガントで、酸がやや立っているものの、香りの印象から比べると、大分円熟した印象を受けます。
アタックのエキス感とは相反していますが、果実の香りとのバランスに大きな違和感は感じません。
とても良いワインに仕上がっていると思います。

やはりギガルはいい。
少しモダンな造りではありますが、シャプティエやポール ジャブレとは印象を異にした素晴らしいワインとなっていると思います。






【ラングドック:5】ペイルローズの熟成クロ シラー レオーヌ。


こんにちは、HKOです。
本日はラングドックの名手、ペイルローズです。


【データ】
ドメーヌ ペイルローズはラングドック地方最高の生産者の一人。現在の当主はマルレーヌ ソリア。収穫以外は一人で全ての工程をこなしています。代表的なキュヴェはクロ デ シスト、そしてシラー レオーヌです。
クロ デ シストはシスト土壌の7つの区画に植えられたシラーを主体に仕込まれるキュヴェ。僅か25hl/haという超低収量のブドウを使用している。
またシラー レオーヌはクロ デ シストと共に双璧を成すキュヴェ。シラー90%とムールヴェドル10%で仕込まれており、収量は25hl/haと極少。畑は16ha程度、生産量はわずか30000本。ワインの熟成期間は最新ヴィンテージが2005であることからも分かるように非常に長い。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ペイル ローズ
銘柄: クロ シラー レオーヌ 1992

外観はやや濃いめのガーネット、粘性は高い。
果実味はとても若々しい。
焼いた松茸の様な熟成した香りが主軸。
ブラックベリーの甘いリキュールや干したプラムの様な果実味がある。溶剤や炭焼き、タバコの焦げた様なニュアンスがある。ドライフラワーや薔薇の様な華やかさ。ややインキー。ローズウッドやグローヴの要素が感じられる。
タンニンと酸は力強く、凝縮感はしっかりとあり、いかにも南仏系の果実味が漂う。
全体的にパワフルだか、香りは少し抑え気味な印象がある。


【所感】
ペイルローズはラングドック最高峰の生産者の中では異端に感じます。例えばマス ジュリアン、ラグランジュ ド ペール、マス ド ドマ ガザック。どこか国際的な評価を目指した部分があって(=フランスだとかそういう話ではない)味わい的にも非常にわかりやすいのですが、ペイルローズはワインとしての資質は高いのですが、いまひとつ方向性を掴みかねています。
前回は2005のクロ デ システ、レオーヌは樽香が際立った、やや塩気を感じさせる(熟成による酸化的なニュアンス)だったのですが、今回のは樽香は維持しながら松茸などの熟成香を表出しているものになるのですが...

香りが弱い!

もともと堅牢でさほど強い香りという訳ではないのですが、落ち着きすぎです。南仏系ではあるものの掴み所のない熟成の方向性ですね。
そもそも華やかではないっていうのもあるんですが、果実香も強い訳じゃないですからね。
もう少し注視が必要な生産者です。
世間的な評価は高いんですがねえ...(あと値段も)



SALLE À MANGER de Hisashi WAKISAKA(サラマンジェ ド イザシ ワキサカ:銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
本日は休日出勤、悠々自適に業務できる美味しい話ではあるのですが、午前から午後に業務が被るので、ほとんどの場合、ランチには行かず、コンビニのお弁当を食べている事が多いです。
しかしながら今回はラッキーにもお昼の時間が空いていて行ってきました、サラマンジェ イザキ ワキサカ。

コリドー街付近の雑居ビルの地下にあります。
立地としては良いですが、目立ちにくい場所にありますね。

今回は3500円のランチを頂きました。


■アントレ「タヴリエ ド サプール」(★★★)


ハチノスのフリット、ルッコラのサラダ。
パン粉でカラッと揚がった、内臓っぽいしっとりとした食感のハチノス。ケイパーやマスタードの酸味かつスパイシーがあるソースが内臓の脂身にとてもよく合う。
ちょっと素朴な料理。


■メイン「国産ホルスタイン種 バヴェットのソテ エシャロットソース」(★★★★)


でっかいステーキ!
見たとき「おおお」ってなる嬉しいサイズ感。
ちなみにバベットというとハラミというイメージですが、シェフ曰く明確に異なるそうで、フィレの隣にある平たい肉、との事。カイノミ。希少部位ですね。
肉質は目が粗いが、とても柔らかくジューシーで、ほのかにレアに仕上げられている。
ソースのマスタードの素朴さ、玉ねぎの甘い香ばしい風味、牛肉の出汁の風味。目が粗い肉だから、よくソースをすくい取ってくれる。脂も適度に乗っています。
ちなみにジャガイモも名脇役でチーズ焼きで美味い。


■デザート「ブランマンジェ」

パンナコッタ。生クリームの風味とバニラがいいですね。
美味しい。


初見のお店だったので、手堅く行きましたが、かづの牛にしても良かったですね...少し勿体無かったかも。
素朴でトラッドですが、料理はとても美味しく、しかもありがたいことにランチはお得な価格帯なので、是非また時間のある時に行きたいですね。
かなりオススメです。

リヨンだと神楽坂のルグドゥノム ブション リヨネがありますが、こっちの方が僕的には近くて行きやすいです。
カワカマスのクネルやセルヴェル ド カニュも次は是非行きたいもんです。



住所: 東京都中央区銀座7-2-8 TAKAYA-GINZAビル B1F
店名: SALLE À MANGER de Hisashi WAKISAKA(サラマンジェ ド イザシ ワキサカ)
電話番号: 03-6280-6481
営業時間:
11:30~13:30(LO) 
18:00~23:00(LO)





銀座 一二岐(ぎんざいぶき:東銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日はランチで一二岐に行ってまいりました。
新橋、銀座界隈では予約必須の超有名割烹です。
ミシュランガイド東京版 2017でも*1を獲得しています。



料理長は中井隆裕氏。日本料理の料理人として18年のキャリアとソムリエの資格も持っているとの事。
なるほど...ワイン選びが素晴らしいのはそのためかも。

今回はまずランチで。



日本酒は黒龍 龍 大吟醸で。



美味そう。


◾︎先付「揚げ胡麻豆腐」(★★★+)

揚げた胡麻豆腐に山葵、出汁つゆを添えて。
外側はサクッと上がっていて、とろりとクリーミーな胡麻豆腐とのコントラストが非常に楽しい。
胡麻の風味と出汁の風味が最高。


◾︎小鉢「カツオの南蛮漬け」(★★★)

玉ねぎ、人参の豊かな食感。甘酸っぱいタレでマリネされた鰹。強い食感と味わいの鰹に酸味と甘みの豊かな風味がよく合う。小鉢ながら延々と食べたい逸品。


◾︎炊き合わせ「茄子、里芋、南瓜の炊き合わせ」(★★)


ホクホクの南瓜、しっとりとした里芋、ジューシーな茄子の炊き合わせ。繊細な餡に絡む柚子の清涼感がいい。


◾︎焼き物「鰆」(★★★★+)


美しい照りのある鰆。
皮はパリッと、焼き目はしっかりとした食感で、内側はフワッとした柔らかさ。充実したエキスを蓄えていて、みりんのほのかな甘みと超合う。塩も絶妙。旨味とも相乗。
適度に脂が落とされており、脂を蓄え、しっとりと仕上げるフレンチとはちょっと違いを感じる。


◾︎「鮪の藁焼き」(★★★★)


鮪を串打ちし、藁がくべられた火で藁の芳醇な香りをつけながらサッと火を通し、外側をパリッと焼いている。
燻製の様な香ばしい香りを纏った鮪。半分刺身みたいなもんですが、外側はパリッと皮の食感がある。
塩・ニンニク、あるいはポン酢で頂く。
塩、ニンニクで頂くと鉄分と燻製の風味が引き立ってくるし、熟成香の様な深みのあるポン酢を使えば、燻した香りと鉄分、ポン酢の酸味が複雑な風味を出してくる。
絶妙。

ちなみにご飯は北海道ななつぼし。
写真は撮り忘れたけど、釜で炊いた艶やかな色合い。
美味すぎて3杯食べた。特に焼き魚と一緒に食べると、甘みが引き立ってお代わりが相当捗る。最高。
家でやろうってったって出来なさそうなこの美味さ...


◾︎デザート「紫芋のアイスクリーム」(★★)


黒蜜とラム酒を合わせたソースを添えて。
芋の風味と黒蜜がすごいいい。マデイラ+バニラアイス的な風味というか。最高。


素晴らしかったです。
これは夜も行きたいな...近いし。


住所: 東京都中央区銀座2-14-6 第2松岡ビル B1F
店名: 一二岐(いぶき)
電話番号: 03-6278-8110
営業時間:
火~土
ランチ 11:30~14:10 (L.O.13:10)
月~土
ディナー 18:00~23:00 (L.O.21:00)
ランチ営業

BURGAZ ADA(ブルガス アダ:麻布十番)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
本日はオスマントルコ時代の伝統宮廷料理を供出する、麻布十番のお店ブルガス アダに行ってきました。


モスクではなく、雑居ビルの一角で営業しています、


店内はほぼテーブルですが、ごく1席のみカウンターがあります。



歴代皇帝に供出された料理のレシピを継承する数少ないレストランの一つ。現存する4000のレシピをイスタンブル大学と協力して復元をしたらしいです。オーナーシェフはメフメット ディキメン氏。
虎の子のスパイスや調味料はトルコから取り寄せているみたいです。
で、公式HPによるとエルドアン大統領も寄ったとか。


あまりトルコ料理は詳しくないので「へーすごい」しか感想が出ないですが、日本におけるトルコ料理の最高峰って事で、ものすごい気になってました。


今回注文したのは、アミューズ、前菜×2 スープ、魚、肉、デザートの7種コース「スルタンの宴」です。
アルタイル感ある...
※ちなみにお料理名は口頭で聞いたものを文字に転記している故、表記間違えなどご容赦ください。
何分馴染みのない言葉なのでね...



まずはビール。


◾︎アミューズ「イマム バユルド」(★★)


蒸した茄子の上にトマトとチーズなどを添えているイタリアン的な料理。
茄子にしっとりと脂と甘さを感じる。揚げ浸し的な感じだろうか。茄子の甘さとトマト、チーズの旨味ががっしりと強く感じる味わい。これは合うよなぁ。


◾︎パン「ポワジャ」「ハーブバター」(★★)

水を使っていないミルキーでフワフワのパン。
美味しい。たまに売ってるミルクパンみたいな感じ。
生地が甘いので、ピリッとした刺激のあるハーブバターが引き立つ。バターの生乳分が強く、ほのかな蜂蜜とピリッとした唐辛子が効いたスパイシーなハーブバター。
美味しい。



◾︎前菜「ソウク メゼ(冷前菜)の彩り(14~19世紀)」

一口サイズの伝統的な冷前菜7種類が並ぶ。
(右上から時計回り)マンダルソテ、ラキャルタ、小エビの冷製仕立て、ファワ、ラハナドルマ、メルジュメッキ。
全体的に唐辛子の登場率が高いですね。




・ファワ(★)
そら豆のペースト。サイコロ状のねっとりとしたペーストで、穀物的な甘みと、ディルの爽やかさ。ほのかに辛味を感じる。

・ラハナドルマ
1世紀に生まれたロールキャベツのルーツ。
松の実とレーズンを炊き込んだピラフをロールキャベツ状にしたもの。スパイシーかつハーブのような風味。
やや甘い味付け。

・メルジュメッキ
スパイシーなレンズ豆をレタスで巻いたもの。
唐辛子の辛味を帯びた旨味。歯ごたえの良いレンズ豆を、レタスの瑞々しい爽やかさが包み込む。

・アジュレズミ(★)
発酵させた唐辛子、野菜、トマトのカナッペ
ほのかにベリーの風味を感じさせる。
トマトの青さと唐辛子の辛さが際立つ。
サクサクとした食感が楽しい。
辛味とフルーティーな甘みのコントラスト。

・マンダルソテ(★)
バージンオリーブオイルでソテーしたキノコ、ざくろの酢を使ったもの。
さほど酸味は感じない。キノコのプリプリした食感。オリーブオイルと香味野菜の甘みが際立つ。

・ラキャルタ
1月かけて漬け込んだカツオの塩漬け。
ビールとよく合う。

・小エビの冷製仕立て(★)
タラゴンとガーリックのタマトマソースを添えて。
小エビのボイルを唐辛子のソースで和えたもの。
辛味とハーブの風味が小エビとよく合う。



◾︎スープ「トルコ産レンズ豆のスープ」(★★)


美味しい。カボチャのスープにも近い濃厚さ。
独特の唐辛子の風味がここにもある。ほのかな穀物の食感と濃厚な出汁の風味が素晴らしい。




◾︎前菜「スジャック メゼ(温前菜)の彩り(14~19世紀)」

(右上から時計回り)パルクスコレチ、ピラーキ、ミュジベル、シシケバブ、キョフテ、ボレッキ、ソワンドユメータ。


・シシケバブ(★★)
シシケバブといえば羊肉ですが、こちらは帆立貝のシシケバブ。様々なスパイスでマリネし、串を打って焼いたもの。
タイムなどの芳しい香りを放つ帆立貝。

・キョフテ(★)
ハンバーグのルーツとなった料理。
牛肉と羊肉のミンチにし、スパイスを練りこみ焼いたもの。
ハンバーグ的かと思いきや魚肉の練り物に食感は近いかも。こちらも大変スパイシー。

・ボレッキ(★★)
ほうれん草とトルコ産フェタチーズのパイ。甘いほうれん草とほのかに塩気を感じるチーズの組み合わせ。味の方向性はアルザスのガレットに近い。しっとりとしたパイ生地も良い。

・ソワンドユメータ
14世紀のレシピ。スルタンの朝食で供出。
ネギを入れてメレンゲでふんわり仕上げたオムレット。
クネル的な柔らかい口当たり。プリンのような生乳っぽさもある。

・パルクスコレチ(★★)
この中ではかなりエッジの立った味わい。
唐辛子とスパイスの効いた白身魚のほぐし身のソテー。唐辛子を使ったオリーブオイルだろうか。脂と魚、唐辛子の相性は素晴らしい。パンとかとも合いそう。

・ピラーキ
国産インゲン豆とトマトソースを和えた煮込み。
特別不思議な料理ではないと思う。

・ミュジベル(★)
キャベツとハーブのキッシュ。
かなりねっとりとした練り物で、質感はお好み焼きに近い。
キャベツや生地はそんな感じだが、やはりはっきりしたスパイス、唐辛子が効いている。



◾︎魚料理「ホウボウの蒸し焼き フォン ローリエ 松ヤニの香り」(★★+)

フィルムに入って供出。



14世紀のレシピ。本来は羊の腸に入れて調理するものらしい。
フィルムで包んだ魚と野菜を低温で蒸し焼きに、ホウボウは最後に少しグリルを。ソースはフォンとルッコラ、干し野菜。ローリエと松ヤニで香り付け。
濃厚なクリームスープのようなまろやかさがある、しっかりと出汁のきいた一皿。レモンの清涼感と酸味がフレンチにはない調和。まろやかさの中にさんが際立つ。
ホウボウはホクホクでしっとりとした質感。フォンのスープとは当然ながら素晴らしい調和。



◾︎肉料理「スプリングラムチョップ グリル エーゲ海地方のタイム ケキッキの香り(15世紀)」(★★★+)


乳飲み子羊のハーブグリル。カリフラワーのソース。
ガルニチュールはリンゴと柘榴の酢でマリネした赤キャベツ、ハーブベイクドポテト、芽キャベツ、大根のビネグレット、ペコロス。スナップエンドウ。人参、胡瓜、ミントをみじん切りにしたもの。
ケキッキのオレガノとタイムの中間を行くスパイシーさ、そして唐辛子の辛さを感じるスプリングラム。とてもジューシーで、脂身から甘さすら感じる。
めちゃくちゃ柔らかく、筋を感じさせず、乳臭さも殆どない。旨味とスパイスが驚異的な調和を見せる。
結構品のある食感というかエキス感なんだけど、スパイスの強烈さでインパクトを感じる。
ガルニチュールもふんだんにスパイスが効いていて、皿全体の一貫性を感じるし、カリフラワーのソースはエッジを丸めてくれる。



◾︎デザート「3種盛り合わせ」(★★)


・モハルビ
水菓子、レーズン、あんず、ダマスクローズのシロップ

・ケッサネタトゥルス
栗をカカオのシロップで煮詰めたもの。イチゴを添えている。11世紀のレシピでマロングラッセの原型ともなっている料理。
濃厚なシロップと、爽やかなイチゴ、甘さ控えめの栗。
甘さ控えめの栗にシロップが丁度合い、甘みを与えている。

・クラビエ
信州ふじリンゴのパイとのこと。


最後はチャイで締め。美味しかったです。
なるほど、全体通しての印象は古来のレシピを少量多皿、現代的なプレゼンテーションで、といった感じ。
他の料理の基礎になったというのもあり、基本的な調理方法としてはシンプル。
方向性はイタリアン的であったりフレンチ的であったりヨーロッパの文化を多分に含んでいますが、決定的な違いはスパイスじゃないかと。塩やバターは控えめながら、どの料理にも強烈なタイム、オレガノ、唐辛子などのスパイス香があり中東の雰囲気を感じさせます。東欧と中東の中間に位置する料理ならではの今で言うフュージョン的な感じでしょうか。
騎馬遊牧民らしい羊肉などが多いのも印象的です。
スパイスで組み上げられた芳醇な香りと刺激、肉料理の巧みなレシピは非常に興味深いです。
多少文化的側面での楽しみ方に偏った感じはありますが、羊肉の火入れはとても良かったですし、素朴ではありますが、料理としても良かったと思います。


住所: 東京都港区麻布十番3-7-4 麻布六堂 3F
店名: BURGAZ ADA(ブルガス アダ)
電話番号: 03-3769-0606
営業時間:
[月~土]
18:00~22:00(L.O.)
18:00~21:00 コース料理
21:00~23:00 コース、アラカルト

【ブルゴーニュ:144】フランソワ ラマルシュ、珍しいヴォーヌロマネ1級畑


こんにちは、HKOです。
本日はちょっと地味な生産者2名のヴォーヌロマネです。
ちょっと前日までのは豪華すぎたと思うんですが、こんかいはまあ平準的なものです。


【データ】
バロン ダヴランはヴォーヌ ロマネのネゴシアン。
実はこのワイン、ヴォーヌ ロマネの有名ドメーヌが
名前を伏せて造っている特別なワイン(だそうです)
他に情報がない...


フランソワ ラマルシュはモノポールのグランクリュ ラ グランド リュを保有する、ヴォーヌロマネの名門ドメーヌ。
20世紀初頭に設立。現在は長女のニコルが指揮を執っています。
継承後はビオロジックに転換、収穫も100%手摘み、選果も2回実施するなど、品質向上の改革を行い、現在は精密なワインを生み出しています。
除梗はヴィンテージに応じて変動、無破砕。低温マセレーションの期間を長くし、発酵中の醸しはルモンタージュ。
16~20ヶ月の樽熟成において、新樽率は村名40%、1級60%、特級80~85%。
ラマルシュの代名詞、ラ グランド リュは1933年に取得。
1992年まではプルミエクリュに収まっていましたが、INAOに働きかけグランクリュへ昇格しています。
今回のクロワラモーはヴォーヌロマネの1級畑。樹齢40年。
収穫量は42hl/ha。
除梗は80~100%、木桶で15~18日発酵。
新樽80~100%で16~20ヶ月熟成。マロラクティック発酵。


【テイスティングコメント】
生産者: バロン ダヴラン
銘柄: ヴォーヌロマネ 2014

外観は澄んだルビーで粘性は中庸。
極めてフレッシュで溌剌とした剥き出しのピノノワールといった風合いのワイン。一見ニュージーランドの様にも感じられる。しかしながらその中にヴォーヌロマネを想起させるグリニッシュさや鉄分、スミレの様な華やかさが存在している。
搾りたてのダークチェリーやブルーベリーの様な果実味があり、比較的ドライな果実味。スミレやなめし皮、鉄分などの要素どお香の様な香り、茎の青さがバランスをとっている。紅茶やオレンジなどの要素も。徐々にキャンディの様な甘さが現れる。
酸味は豊かでタンニンは控えめ。余韻は程度良くある。
フレッシュな果実の要素が強く、ヴォーヌロマネの特徴は控えめ。


生産者: フランソワ ラマルシュ
銘柄: ヴォーヌ ロマネ プルミエクリュ ラ クロワ ラモー 2014

外観は透明感のある明るいルビー、粘性は中庸。
目の詰まった甘露なブラックベリーやダークチェリーの果実味、青いハーブと濃密なメイプルシロップ、鉄分を強めに感じるなめし皮の要素が調和する。基本的には果実味が主体的でメイプルの様な樽香とミルクティー、ブリオッシュの様なまろやかさが一体となっている。パストラミハム、グローヴなど。
香りの丸みに対して、液体の凝縮感は控えめで、やや酸が立っている以外は作りの骨格はアルマンルソーにも近くなっている。ハーブやほのかなベリーの甘露さな余韻が残る。


【所感】
相当なグランヴァンばかりだったので少し小粒感が漂う今回のエントリーです。
1本はバロン ダヴランという生産者の村名ヴォーヌロマネ、そしてフランソワ ラマルシュのクロワラモーです。
まずはダヴランの村名から。
キャンディ香漂う極めてフレッシュな剥き出しのピノノワール。醸造をクリーンに行い、樽熟成を早めに引き上げて市場投入した感じの味わい。ちょっとニュージーランド的かも。
たまーにこんな感じのブルゴーニュもありますが、あまり見ないですね。
ただ面白いのがヴォーヌロマネの特徴だと思うんですけど、華やかの中にある鉄分とか青さのバランス感がちゃんと表現されていて、なかなかいいんじゃないかと思います。強いて言えばシモンビーズ的?かもしれません。
お次はフランソワ ラマルシュ。
元々はあまり評価の高い生産者ではありませんが、僕が飲み始めた時には世代交代で見事な復活を遂げて、今では傑出したグランエシェゾー、グランド リュを生み出しています。
そんなラマルシュにおいて「えっ、そんな畑持ってましたっけ?」的な地味な1級畑です。
クロワラモーといえばジャックカシューですが、彼の畑で優れたワインを生み出しているので、テロワールとしては悪いわけではないです。
ラマルシュのクロワラモーは凝縮感こそ中凡で、酸もやや立ち気味ではあるものの、香りの立ち方や方向性はスター生産者のそれを強く感じさせるものになっています。
例えるならばアルマンルソー的な、そんな感じです。
ぎゅっと詰まった甘い黒系果実、メイプルシロップ、ハーブの香り、鉄分の要素がバランス良く調和し、MLFの要素も感じられます。これらの調和がとても素晴らしく、非常にキャッチーな作りになっています。
ヴォーヌロマネらしい妖艶さより親しみやすさの方が強く感じられるワインですが、ワインとしての完成度は極めて高いと思います。
ちょっとグランド リュと飲み比べたいですね。





【ブルゴーニュ:143】ジョルジュ ルーミエ 2014 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はジョルジュ ルーミエのリュショットとアムルーズです。


【データ】
ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
今回は2本、現当主の名前でリリースされているシャルム シャンベルタン、そしてジョルジュ ルーミエ名義のレ ザムルーズ。レザムルーズは特に人気が高く、ミュジニーと共に(もはや辟易してしまいそうな)価格高騰を起こしている希少な一本です。


【テイスティングコメント】
生産者: クリストフ ルーミエ(ジョルジュ ルーミエ)
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ 2014

外観はやや濃いめの透明感のあるルビー、粘性は中庸。
冷たいタッチのリュショットで冷涼感と堅牢さを感じさせる。
ピュアさはそのままに、やや焦がしたロースト感、瑞々しいスミレやバラの香り、ローリエや若い葉の様なハーブを軸に、ブラックベリー、ダークチェリーの瑞々しい果実味、爽やかなオレンジ感を付帯する。
甘い香りは蜜の様な甘いシロップの香りから徐々にブリオッシュ、黒糖に発展していく。そしてベーコンの様な燻製感。オリエンタルスパイスなど。
恐ろしい事にタンニンや酸はシルキーで、グリセリン感があり、丸みを感じさせる。ほのかな酸味から旨味へ、そして甘みに転化する素晴らしい遷移。ミルク感とブラックベリーの果皮を思わせる余韻が感じられる。
レザムルーズと比べると香りの凝縮感は控えめだが、ボディは力強い。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2014

外観はやや濃いめの透明感のあるルビー、粘性は中庸。
石の様なミネラル感と、ピュアでありながら強烈な凝縮感を包含している。
目の詰まったような熟した濃密なイチゴやラズベリーの様な果実味がある。それでいて重みはなく、ほのかなローリエやグローヴが混じり合うエレガントさを感じさせる。
果糖ヨーグルトやパウンドケーキの様な甘露なタッチ、ダージリンの様な紅茶や木材の香り。スミレやバラの華やかな香りを軸とする。軸となる要素は多いが、お互い調和がとれていて渾然一体となっている。ブリオッシュや瑞々しい葉、燻製肉などの複雑さ、オリエンタルスパイスなどの要素が感じられる。
タンニンは柔らかいが酸はしっかりと決まっている。
ハーブやイチゴ、スミレの様な余韻と引き締まった酸が拡散的に感じられる。余韻に華やかさと濡れた青さがあり、非常にハーブ感があり、華やかさかつ軽やかです。
香りの凝縮感はアムルーズだが、ボディはリュショットの方がだいぶ力強い。

【所感】
2014年も当然ながら良いです。最高です。
高価格帯では樽が目立ちながら、ピュアで凝縮した果実味が際立った2010年。
樽香を落とし、抽出がやや強めだった2011年。
樽の要素を残しながら甘露な果実味を放つ2012年、
ピュアな果実味に回帰し、焦がした風味を最小化。十分な果実味を孕む2013年。
そして今年2014年は2013年を更に発展させたような、あるいはヴィンテージの差分となるのか、ピュアさを維持しつつ2012年にほど近い豊満な果実味を感じられる作風になっています。
凝縮感、濃密な果実味、ピュアさがキーワードだと思います。

まずは主要なキュヴェの特徴を。
■レ クラ
村名シャンボールミュジニーの上位互換といった風合い。
ボンヌマールにほど近い立地ですが、醸造的な要素が特級と差分があるからか受ける印象は異なります。ピュアさと凝縮感。

■ボンヌ マール
一連のキュヴェとは独立したスタイル。 軸は豊満な果実味と樽の要素を感じられます。
焦がしは年によって違うようですね。濃密な詰まった果実味と樽とほのかな華やかさ。

■レザムルーズ
レ クラの上位互換。(ミュジニーの下位互換が正しいのかもしれませんが、飲んだことないので...)
レ クラと比較すると、より凝縮感が向上し、凝縮した甘露さがあります。
その点ボンヌマールと近いかもしれませんが、果実味にハーブの青っぽさや柑橘のような酸、旨味を感じさせる風合いが乗るので、より最小化された形。
凝縮した果実味とピュアさ、青さ、樽香。

■シャルム シャンベルタン
果実味や甘露さの放出はボンヌマールと近いですが、より抽出が際立つ形になっています。したがってより筋肉質で引き締まった印象を受けます。
濃密で詰まった果実味と抽出の華やかさ。

■リュショット シャンベルタン
シャルムと比べるとより冷涼かつ堅牢です。樽と抽出、青さが際立ち、果実味は甘露ですが、遅れてやってきます。
一見シャンボール的な字面ですが、この間を大きく分かつのが抽出で、華やかさはシャルムと共通点を感じさせます。前面は樽と抽出、青さ、背景にある果実味。

生産者の性質上ピュアには仕上げてくるのですが、かなり畑ごとにキャラクターを変えてきていると思います。
故に畑を見定めながら飲むのが良さそうです。

2014年は果実がよく熟しており、レザムルーズはピュアさを保ちながらも果実味に満ち、凝縮感においても2013年の上を行きます。
リュショットも同様ですが、そもそものキャラクターからして(アルマンルソーでもそうなんですが)果実味は抑え気味なので、キャラクターを崩壊させるような感じにはなっていません。
面白いのは口当たりで、香りはこんな感じなんですが、レザムルーズはシャープで、リュショットは球体感のある粘性を感じさせるアタック。一見逆じゃない?とも思うのですが、時間経過で果実味が出てくるリュショットのポテンシャルからすれば、確かに妥当かもしれません。
エレガントでピュア、落ち着いた印象のワインですが、基本的には果実味が豊かで明るい性質のワインだとは思います。

しかしルーミエ、相変わらずいいですね。
よくクリストフ名義のリュショットやシャルムが少し下に見られる事が散見されるのですが、決してそんな事はなく特徴が違うだけの傑出したワインになっていると思います。





プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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