【スペイン:10】産地に拘らず諸々。グランヴァン、新潮流、シェリーをまとめて。

こんにちは、HKOです。
本日はスペインワインをいくつか紹介します。


【データ】
ボデガス ヒメネス ランディは、ダニエル ゴメス ヒメネス・ランディとホセ ヒメネス ランディの従兄弟同士で立ち上げたボデガ。ワインメーカーはダニエル ゴメスが担当。
「世界一のガルナッチャを造る」という信念の元、少量生産で最上のワインを生産しています。
今回のラデラス デル ティエタルはカスティーリャ・イ・レオン州にある標高900m~1,000mの区画から収穫されるぶどうを使用。土壌はエレガントなワインが生まれると言われる花崗岩質土壌。 この畑に植わる樹齢70年超のガルナッチャからこのワインはつくられます。 大樽発酵、2,500Liのフードル樽で6ヶ月間熟成させボトリング。

ベガ シシリアは1864年に設立されたカスティーリャ イ レオン州リベラ デル ドゥエロに拠点を置くボデガ。現在の醸造責任者はハビエル アウサス氏。
1982年、アルバレス家によって買収後には、畑を拡大、最新醸造設備を導入し、品質を向上を実現した。
今回のウニコはユニークという名のフラッグシップキュヴェ。良年のみ生産され、自社栽培面積120haのうち100haはウニコ用となります。
平均樹齢は40年、平均収量は極めて少なく20hl/ha。
収穫は手摘みによって行われます。
木製発酵槽、ステンレスタンク、セメントタンク併用で発酵、樽熟成は6年半から7年行われる。
まず大樽で1年、小型新樽2年(アリエ・トロンセ)、古樽4年(アメリカン オーク)10回以上の樽替と澱引きを行い、濾過は最低限のみ。更に瓶熟成4年を経てリリースされます。 今回の「ウニコ・レセルバ・エスペシアル」は最高峰のウニコ3種類をブレンドし、さらに熟成期間を置いたものです。ヴィンテージは94/99/00。

トロ・アルバラは1922年はスペイン、モンティーリャ モリレスに設立された老舗ワイナリー。
現当主であるサー・アントニオ・サンチェス。
産地は独自のスタイルを貫くアモンティリャードの語源にもなったモンティーリャ モリレス。
最高のペドロ・ヒメネスを造り続け、スペインの至宝とも呼ばれています。
気候は大陸性のとても暑く乾いた気候で、日照量は年間3,000時間。アルバリサと呼ばれる石灰質土壌で、炭酸カルシウムや珪土が多量に含まれ、保湿性も高い。
冬場にしか降らない雨を土壌に蓄えることで夏場の乾燥した期間でも葡萄に水分を供給できる。
代表的な甘口のドン ペーエキス、ドン ペーエキス グランレゼルバ&セレクスィオン、コンヴェント セレクスィオンなどは、収穫したペドロ ヒメネスを2週間以上天日干しした後で、圧搾(4kgの葡萄から1L の果汁しか得られない)、ステンレスタンクで発酵。ワインを蒸留したスピリッツで酒精強化して発酵を止めた後に、タンクまたは樽で熟成したもの。ソレラ システムは使用しない。極めて少量の為、1930年代から貯蔵されている。


【テイスティングコメント】
生産者: ダニエル ゴメス ヒメネス ランディ
銘柄: ラデラス デル ティエタル 2013

外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
例えるならばラヤスやアンリ ボノーを想起させる冷涼さを感じるエレガントなグルナッシュ。
薔薇やスミレ、エナメルリムーバーを思わせる華やかな香り、そして熟したプラムやブルーベリーのジャムの様な果実味、甘酸っぱさがある。
漢方やプーアル茶、若い葉や茎。血液の様な鉄のニュアンス。ジビエやパストラミハムの様なスパイシーさ。
クローヴやリコリスなどのスパイシーな香り。徐々に黒糖の様なニュアンスも混じってくる。
タンニンと酸のバランスが絶妙で、甘いタンニンがしっかりとした酸を包んでいる。プラムやブルーベリーのジャムの様な余韻があるが、決して重くなく凝縮していて酸が追従している。


生産者: ヴェガ シシリア
銘柄: ウニコ レゼルヴァ エスペシャル NV
品種: テンプラリーニョ60%、カベルネソーヴィニヨン25%、メルロー10%、マルベック4%

ややオレンジを帯びたガーネットだが若々しくはある。
粘性はやや高め。熟成を帯びてやや酸化的な側面があり、生肉やドライシェリー、ナツメグの要素と共に、濡れた木材や黒オリーブの様な塩気を感じさせる要素がある。
干したダークチェリーや紫スモモの様な果実味の甘酸っぱい香りと共に、イチジクや炭焼き、漢方の様な要素。
腐葉土や落ち葉、スミレなどのドライフラワー、クローヴなどの風味がある。
樽香がそこそこ強く、甘酸っぱいフルーツの果実味が豊かに感じられる作りで、上白糖の様な甘露さがある。
酸味は柔らかく、タンニンも落ち着いている。
旨味が突出していて、トマトや椎茸の様な旨味成分が爆発している。フルーティーというよりはスープを飲んでいる様な感覚に近い。


生産者: トロ アルバラ
銘柄: ドン ペーエキス コンベント セレクシオン 1946

外観は全く透けない黒、エッジのみ焦げ茶となっている。
粘性は物凄く高い。基本的には黒糖や干したプラムをそのまま液体にした様な粘性と甘露さがある。そこにやや強めのハーブやナツメグ、アルコール感からくるミントの様な清涼感。濃密なソース、ワッフルのような香ばしさ。
超濃厚。強い。
酸が程よく残るが、どちらかというと糖度の高さから刺激が強い。干したプラム、チョコレート、驚くべき糖度を誇っている。なのにも関わらず突出した旨味と立体感があり、平坦な印象がない。



【所感】
まずはヒメネス ランディ。
スペインワインの新潮流と呼ばれるスタイルのワインを作っており、非常に冷涼なタッチのワインを作っています。
濃厚なモナストレルやガルナッチャとは全くスタイルを異にしており、ボディの質感はピノノワールなどのミドル~フルボディ。
冷涼さで言えばラヤスやアンリボノーなどに近いかも。
ただし、井草などのニュアンスより、果皮の華やかさが前面に出ており、そこに酸を宿した熟した果実味を感じる事が出来ます。凝縮感もあり申し分ない。
ジャミーな果実味もしっかりとボディを形成しているし、華やかさが前に出ているものの、(ブルゴーニュの裾物の様に)タンニンと酸が鋭い訳でもなく、バランスがとても良いと思います。この価格帯ではウルトレイア サン ジャックと共にかなり良く出来ていると思います。
エレガントで良いワインですね。すこし印象は弱いですが、個人的な感覚なんで...ワインとしての質は高いですね。

次にヴェガ シシリアのウニコ レゼルヴァ エスペシャル。
ウニコは単一ヴィンテージしか経験ありませんでしたが、こちらはノンヴィンテージ。ただ一応これが上位に当たるみたいですね。 ヴィンテージは94/99/00で、既に16年熟成...!
ていうのもあり、結構な熟成感、酸化のニュアンスが感じられました。
熟成起因の野性的で塩気のある風味、濡れた木材や黒オリーブなどの要素があります。果実味は干したドライフルーツの様な甘酸っぱさ。上白糖の様な甘露さが現れる。
果実味や旨味は10~15年程度、樽は20~年程度、抽出は若々しく、どことなく単一ヴィンテージでは表出し得ない要素の構成となっていますね。熟成の時々で最も目立つ要素がかけ合わさっている様なそんな感じ。
液体はスープのようで、フルーツ感はあまりないですね。
旨味が爆発している。興味深い作りではあるし、美味しいとも思うのですが、とりたてて感動する程のものではありませんでした。

最後はドン ペーエキス。PX(ペーエキス)はペドロヒメネスの略ですね。これ、色が凄くて墨のように真っ黒なんですね。
コールタールの様な色や粘度。
干したプラムを砂糖を入れてさらに漬け込んだ様な甘露さ。
飲む事を躊躇する様な強烈な糖度ですが、決して平坦ではなく、ハーブやナツメグ、ミント、樽香、ソースの要素が重なり合い、この重さ、この濃さでなお立体感を保っている。
高すぎる糖度の刺激が主ですが、酸もまあ程よくあり、べたっとした印象は意外にありません。
かなり良く出来たシェリーですね。甘口なので若くても飲めますが、やはり本懐は複雑さが目立ち始める熟成。
熟成感によって立体感の出して、鮮明になっていくのは面白いですね。









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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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