【カリフォルニア:52】新旧カリフォルニアワイナリー比較

こんにちは、HKOです。
本日はカリフォルニアの新進気鋭のワイナリーと老舗ワイナリーのキュヴェです。



【データ】
ワールズエンドはサンテミリオンのシンデレラワイン 「ル・ドーム」を造ったジョナサン マルタスがナパ ヴァレーに2008年に設立したワイナリー。
サンテミリオンやオーストラリアなどで17年間かけて蓄積したワイン醸造やブドウ栽培をナパ ヴァレーで再現。
シュヴァル ブランのコンサルタント、ジル パケ氏などのサンテミリオンと同じチームで、彼らのサンテミリオンでの醸造方法をほぼそのまま導入した。
フラッグシップはカベルネソーヴィニヨン100%の「グッドタイムズ バッドタイムズ」、同じくカベルネソーヴィニヨン100%の「クロスファイア」。今回はシラー65%、カベルネフラン35%の特殊なセパージュの「ウェイヴレングス」。ナパ ヴァレー西のシュガー ローフ マウンテンの単一畑。土壌は粘土質ロームや火山岩などの複合。
二組の選果台にて、ブドウの房単位での選果の後、粒単位での選果、発酵前の長時間の低温浸漬。
コニャック産木製大樽にて発酵し、新樽にてマロラクティック発酵後、24カ月をMAXに熟成する。

ハイツ セラーは1961年にカリフォルニアに設立された老舗ワイナリー。ハイツファミリーによって運営されており、平均生産量は4万ケース。280haもの広大なぶどう畑を所有。
中でもマーサズとベラ オークスという伝説的な畑はあまりにも有名。その後購入されたトレイルサイドも高い品質を誇っている。
ステンレススティールで発酵し、アメリカン オークのタンクで1年、リムーザン産のオーク樽で2.5年で熟成。収穫後5年目から、少量ずつ5年を費やしリリースされる。



【テイスティングコメント】
生産者: ワールズエンド
銘柄: ウェイヴレングス 2009
品種: シラー65%、カベルネフラン35%

外観は濃いガーネット、粘性は高い。
果実味の充実度や華やかさは新世界シラーそのものなのですが、樽の感じはボルドーはサンテミリオン、焦げたコーヒー豆の様な香ばしい樽香とマロラクティック発酵に起因するミルクの風味、新世界シラーに感じられるブラックベリーやダークチェリーのコンポート、シラーらしいスミレの華やかな果皮の要素、ピーマン、西洋杉を燻した様な香り、藁、やや乾いた様な土の香り。
ニューワールドのふくよかさ、シラーの華やかさ、ボルドーと醸造手法が見事に統合されている。
差分や違和感がない。
ややタニックだったが、温度があがりまろやかさが増した、口の中でマロラクティック発酵にブラックベリーのふくよかさ、果実味の密度が高く、品もありバランスがいい。


生産者: ハイツ ワインセラーズ
銘柄: マーサズ ヴィンヤード カベルネソーヴィニヨン 1981
品種: カベルネソーヴィニヨン100%

外観はエッジにオレンジを帯びた淡いガーネット、粘性は中庸。
提供直後はかなり枯淡な味わいで、熟成香主体。果実味は失っている。消毒液や濡れた木や土の要素が前面にある形。
ユーカリやミント、ピーマンの様なカベルネソーヴィニヨンの芳香、甘草。そして徐々に不在かと思われていた果実味が復活してくる。コンポートしたブラックベリーやプルーンの様な濃密な果実味が現れてくる。ミルクの様な要素。キャラメル、ワッフルなどの甘やかさが(もちろん濡れた木などの熟成香を主体的としながら)どんどん現れていく。パストラミハムのスパイシーさやスミレのドライフラワーや鉄分を感じさせる要素。コーヒーの要素もある。
酸味やタンニンは柔らかく、甘みや甘みが綺麗に乗っており、グリセリン感が綺麗に感じられる。
濡れた木や消毒液、ブラックベリーの要素がしっかりと感じられる。


【所感】
まずはワールズエンドから。
非常に興味深いワインで、生産者の出自であるサンテミリオンとカリフォルニアのシラーの特徴双方併せ持っている印象を受けました。
具体的には果実味の観点とマロラクティック発酵のニュアンスは非常にニューワールド的で抜群の華やかさと果実味の濃密度があります。例えるならばコンポートの様な凝縮感があり、華やかさはスミレを思わせる煌びやかなものとなっています。方や樽はサンテミリオン的で黒土ではなくコーヒー豆を思わせる香り。マロラクティック発酵の風味と混じり合いボルドー的な風合いを感じさせます。妙な差分や違和感を感じさせず、高い完成度を維持していると感じました。ややタニックなので、あと1年くらいでいい感じになりそうです。
次にハイツセラーのマーサズ。伝説的な畑ですが、やや枯れ気味の枯淡な風合いがあります。
ただ徐々にコンポートの様な黒系果実やキャラメルなどの果実、樽が合わさった様な香りが出てきます。
もちろん熟成香主体ではあるものの、相当な熟成を経てこの味わいは体躯の強さを証明していますね。
香り自体は熟成カベルネの複雑さの王道的な部分もあると思います。もう少し若ければ...と思う部分もありながらハイツの偉大さがよくわかる1本だと思います。余韻も美しくアタックもしなやかなのでかなりいい線いっているなと思いました。
どちらも良いワインだと思います。ハイツは特に若いワインを飲みたいですね。家にトレイルサイドがあるので近々レポートします。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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