【ブルゴーニュ:125】コート ド ニュイ再確認。マルサネ、シャンボールミュジニー、ニュイ サン ジョルジュ。

こんにちは、HKOです。
今回はブルゴーニュ再確認と題しまして、去年1年長い事距離を取っていたブルゴーニュ、コート ド ニュイを再度舐めてみようという企画です。
今回はマルサネの村名単一畑、シャンボールミュジニーの一級畑、ニュイ サン ジョルジュのレ サンジョルジュに次ぐ1級畑をレポートします。



【データ】
ジャンテ パンショは1954年からジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者。
現当主はヴァンサン ジャンテ氏。1989年に当主に就任以降劇的に品質を向上させています。現在は25ha程の畑を所有。
樹齢は高くアン シャンは平均樹齢94年、村名ヴィエイユヴィーニュは平均樹齢65年。
栽培はリュットレゾネ。摘葉およびグリーンハーヴェストの徹底し、収穫は手摘み、小型のプラスティックケースを使用、細心の注意を払い栽培が行われる。
選果は2度行われ、100%除梗、破砕してから、8~10日間低温浸漬。 天然酵母での発酵終了後、プレス。その後新樽比率30%程度熟成。


パトリス リオンは名手ドメーヌ ダニエル リオンの長男であるパトリス リオンが設立したネゴシアン。
パトリス リオンはドメーヌ ダニエル リオンを引き継いだ後、家庭の問題で弟にドメーヌを譲渡、ネゴシアンを立ち上げた。アンリ ジャイエからの影響を受け、オレゴンなどでコンサルタントとしても活躍しています。
このパトリスリオンはぶどうを買い付け醸造するスタイルのネゴシアンで、自社畑同等の品質を維持する為に栽培の指導や収穫日まで指示しています。また自社畑ではビオディナミを実践、収穫したぶどうは入念に選別され、品質の高いぶどうのみを使用します。
今回のレ フュエはシャンボール ミュジニーの北側に位置し、ボンヌ マールの南隣に位置する畑です。
熟成ではトロンセのオーク樽を使用。比率はわかりませんがダニエルでは45%程度だったみたいです。


ドメーヌ ド ラルローは大手保険会社アクサ ミレジムがオーナーのドメーヌ。責任者はジャックセイスのDNAを受け継ぐジャン ピエール ド スメを雇い入れています。
栽培は完全ビオディナミで除草剤、殺虫剤は使用しない。プレパラートを使用するかなり本格的なビオです。
赤ワインは収穫後は除梗、低温浸漬も行わなず、抽出は発酵後一週間後に行う1日3回のピジャージュのみ (状況によってルモンタージュも実施)。新樽率は45-50%以上。樽熟成期間は不明。無濾過で瓶詰めします。


ロベールシュヴィヨンはニュイ サン ジョルジュ最上の生産者。 1977年からネゴシアンへ葡萄の販売をやめて、全てドメーヌ元詰としています。現在はドニ氏とベルトラン氏がドメーヌの運用を行っており、ニュイ サン ジョルジュの村名、一級のみ生産しています。
フラッグシップは何と言っても、レ サンジョルジュ、レ カイユ、レ ヴォークランの3兄弟。そして脇を固める様にプリュリエ、ロンシエールなど5つの一級畑を所有する、ニュイ サン ジョルジュを代表する生産者です。
収量は30-35hl/ha。カイユ、ヴォークラン、レ サンジョルジュは平均樹齢75年。カイユ80年、ヴォークランに至っては100年を超える古木を使用しています。さらに選果は畑で厳密に行い、収穫した葡萄は100%除梗。
低温浸漬は1週間、抽出はピジャージュとルモンタージュを交互に実施。キュヴェゾンは1週間から3週間と比較的長め。プルミエクリュは新樽率30%で18ヶ月の熟成を行います。
2回の澱引き後、軽く濾過して瓶詰めします。



【テイスティングコメント】
生産者: ジャンテ パンショ
銘柄: マルサネ シャン ペルドリ 2013

約8000円
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
フルーティーで熟した赤系果実の香りが主体的だが五香粉の様な樽香も合わせて際立つピノノワール。上白糖の様な甘露さが香りから感じられ、密度は高い。
徐々にキャンディのような甘やかさが出てきている。
アメリカンチェリーやストロベリーの熟した果実味、してパウンドケーキ、スミレや鉄のような要素、ほのかにミルクティーやシナモン、オリエンタルスパイスの様な香りがある。こぐわずかになめし革。
モレに近い中庸なタイプだが、非常にクオリティは高く、果実の熟した味わいがある。
アタックは非常に柔らかく甘い香りとは裏腹に静かな、まろやかな酸味を感じさせるもので、タンニンはあまり感じない。例えるならば梅のジュースのような風味でしなやか。ボディは柔らかいが香りは力強くややアンバランスだが美味しいと思う。


生産者: パトリス リオン
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ フュエ 2012

約14000円
外観はやや淡い明るいルビー、粘性は中庸。
一本筋を引いたようなミネラルを包含しており、華やな赤い花の香りや熟したイチゴやラズベリーのジャムの様な果実味がある。その中でほのかな茎や枯葉を感じさせる要素がある。
徐々に果実のエネルギーが表出するが、煌びやかな果皮の香りはなく、落ち着いた蜜やシロップを思わせる甘みがある。赤い花の要素は果実とともに溶け込んでいる。ブリオッシュやバターの要素、蜂蜜のような要素ががある。
アタックは緻密な酸があり、存外しっかりとしたタンニンを包含している。赤系果実やミルクティーの様な含み香りがあり、滑らかに余韻を残していく。バランスが良く清冽な味わいのピノノワール。


生産者: ドメーヌ ド ラルロー
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ キュヴェ ラ ジェルボット ブラン 2011

約8000円
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
しっかりとしたミネラル感があり、旨味と果実味のバランスが極めて良い。ブルゴーニュらしいナッツやバターの様なマロラクティック発酵や樽の要素はあるものの、花梨やシトラスの様な清涼感のある果実味、ほのかな蜜の様な甘みがあり、多少の塩味も感じられる。
バランス感がブルゴーニュならではで酸味と旨味のバランスで醸造起因の要素もフィットした味わい。
酸味は繊細で果実味と旨味のグリセリン感がハッキリとある。ナッツやバターの風味があり、滑らかな味わい。素晴らしい。


生産者: ロベール シュヴィヨン
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ ヴォークラン 2009

約19000円、WA94pt
外観は赤みが落ち着いたルビーで、粘性は中庸。
やや熟成感は現れ始めていて、強い獣香やブラックベリーのジャムを思わせる香りが感じられる。その裏に確かななめし革の様な華やかさとシベットの様な香りが感じられる。
時間が経過するとやや落ち着くが、やはり強い獣香。
オリーブ、焦げたゴムの様な香り、そして黒糖の様な甘い風味、パストラミの様なスパイシーさ、ベーコンのような野生的な風味がやはり主体的。
ユーカリなどのやや青い風味、クローヴの様な風味がある。
タンニン、酸は柔らかいがしっかりとした骨格があり、非常にジューシーで甘みのある余韻を残していく。華やかなスミレの香りや若いすもものような甘みが鼻を抜けていく。



【所感】
まずジャンテ パンショのスタイルから見ていくと、やや強めに際立った新世界的な果実味のあるピノノワールを作る生産者です。ジュヴレ シャンベルタンも例に漏れずその様な造りでしたが、今回のマルサネ シャン ペルドリもそういった造りをしています。
ややキャンディ香があり、それでいて赤系果実の熟した果実味が感じられます。ブルゴーニュ的な複雑感とかバランス感はともかくとして、マルサネの村名としては際立った果実味を持っていますね。
まるでパウンドケーキを想わせます。モレに近い中庸なスタイルだとは思いますが、際立った個性がなく、やはりそこはマルサネといったところでしょうか。
香りの濃密さは特筆すべき部分はあるのですが、ややその代償というか、すこし酸やタンニンがヴィンテージとしては柔らかすぎる感じがします。故に長期熟成向けではなさそうです。ただ今飲むという観点に立つと非常に良いのではないかと思います。
いいワインだと思います。

次はパトリス リオンのシャンボールミュジニー レ フュエ。パトリス リオンは好きな生産者です。
過剰な果実味があるわけではないのですが、華やかな香りと蜜のような緻密な果実味が極めて魅力的な生産者です。ニュイ サンジョルジュを得意とする生産者ですが、今回はシャンボールミュジニーです。
ややシャンボールミュジニーである事を意識しすぎているのか、どちらかといえば肉厚なレ フュエとしてはミネラルを重視している印象を受けます。
ただ華やかな香りと蜜やシロップを想わせるスタイルは健在でシャンボール的な軽やかさと素朴さを残しながら過剰に華やかにならず、落ち着いた要素の中にピュアな蜜のような甘さを感じさせる形となっています。酸もタンニンも十分でいかにも清冽なピノノワールといった印象を受ける一本です。やっぱりバランス感いいですね。

次はラルローのニュイ サン ジョルジュの白。
ラルロー自体はピュアな果実味とやや自然派的なスタイルのピノノワールを作る生産者ですが、シャルドネも素晴らしい事で有名です。特にクロ ド ラルロー ブランは出色の出来。今回は1ランク落ちるものではあるものの、つい唸ってしまう様な素晴らしさを感じる一本となっています。
ブルゴーニュならではのミネラルの質感と醸造起因のナッツやバターの要素、ベタつかない清涼感のある果実味が素晴らしいです。場合によってミネラルが飛び抜けすぎるシャブリ(あとソゼとかルーロとか!や醸造や果実が前に出すぎるニューワールドにはない絶妙のバランス感。
果実味の充実度も高くグリセリン感はあるのにダレた質感はないし、繊細かつ清冽な果実感があるのはブルゴーニュならではですねえ。
バタールやシュヴァリエとかを若いうちに飲むと辛い思いしかしませんが、村名クラスを飲むとブルゴーニュっていいよなぁ、と思ってしまいますね。最高です。個人的には水平した訳ではないので何とも言えませんがクロ ド ラルロー ブランと差が開きすぎている感じはないですね。これで十分かと。

最後はニュイ サン ジョルジュ最高の生産者の最高の1級畑の内の一つヴォークラン。
リリース直後に1回くらいは多分飲んだことあるんですが、大分感じが変わりましたね。
個人的に好みの香りの出方では全くないのですが、ワイン自体の力強さがはっきり分かりますし、ジャミーな熱を感じる黒系果実の風味が顕如に感じられます。
そしてオリーブや焦げたゴムの様な樽香が感じられますね。かなり姿がダイナミックに変わっている印象を受けます。濃密は濃密なんですけどね。
香りの要素はリリース直後と全く異なっている。
リリース直後はもう少しストレートな味わいだったと記憶していますがより複雑になっていると思います。
この獣香は熟成しても消えなさそうですが、とにかく長期熟成のポテンシャルは恐ろしくあるんじゃないかと。この結果をもってシュヴィヨンはリリース直後が個人的には美味いという事がわかりましたので良かったです。80年代90年代は試してみたいですが、概ね印象が変わる事はないんだろうなぁと思います。

最後のヴォークランは好みからは外れましたが、これらのワインを飲んでいるとしみじみとブルゴーニュっていいよなぁって思います。
高すぎるなどの問題点はあるにせよ、僕にとってブルゴーニュは突出したピノノワールの産地である認識にズレはありません。
銘醸地は多々ありながらもこの懐の深さと複雑さはやはり凄いなと思ってしまいますね。





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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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