【ブルゴーニュ: 126】コート ド ニュイ再確認。ジュヴレシャンベルタン、モレ サン ドニ、ヴォーヌ ロマネ。

こんにちは、HKOです。
再確認の2回目(最終回)はヴォーヌ ロマネ、ジュヴレ シャンベルタン、モレ サン ドニです。
なんと今回は極めてレアなドニモルテのシャンベルタンを含む3種類です。やったぜ。
刮目してご覧くださいませ。


【データ】
ジャン グリヴォーはヴォーヌロマネに拠点を置く、近年評価が高まっているドメーヌ。一時期ギィ アッカをコンサルタントに迎え、強すぎる抽出で評価を落としたものの、現在はリュットレゾネでの栽培や、一部の畑は馬での耕作を行いながら、収量を引き下げ続け、2000年半ば以降は品質を高め続けている。除梗は100%、新樽率は40%-70%。樽業者は4社を利用している。フラッグシップはリシュブール、エシェゾー、クロ ヴージョ。

ドメーヌ ポンソは1872年にウィリアム ポンソによって設立されたモレ サン ドニに拠点を置くスター生産者。
基本的には有機農法にて栽培を実践しており、畑での剪定を厳格に行い、収穫は極限まで遅らせて葡萄が完全に熟した状態で収穫します。
醸造および熟成時に新樽は一切使用せず旧樽のみ使用し、長時間の高温発酵、SO2をなるべく添加しない、など技術革新と葡萄にキチンと手を入れる事が出来るドメーヌです。ただ全体的にお値段は高め。フラッグシップはシャンベルタン、クロ ド ベーズ、クロ ド ヴージョ、クロ ド ラ ロッシュ、クロ サン ドニ、白はモンラッシェです。

ドメーヌ ドニ モルテはジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者。故ドニモルテ本人はフィネスとエレガンスを追及するワイン作りを目指したが、その目標と裏腹に類を見ないほどの豪華さと重量感のあるジュヴレシャンベルタンで評判を上げた。現在ドメーヌの指揮を執る息子のアルノーモルテはそうした父親の意思を受け継ぎ、エレガントな方向性を追及しています。そのため一時期の豪華さ、重量感はやや落ち着いているみたいですね。
栽培は有機農法、1万本/haの密植、グリーンハーヴェストによる収量制限を行う。樹齢はACジュヴレシャンベルタン 20~50年、一級ラヴォーサンジャックは80年の古木を使用。
酸が落ちない様に早めの収穫を行い、補糖でアルコール度数の強化を行う。
除梗100%、ACジュヴレシャンベルタン新樽率50%、プルミエクリュ以上は恐らく100%?フラッグシップは特級シャンベルタン、特級クロ ヴージョ。


【テイスティングコメント】
生産者: ジャン グリヴォ
銘柄: エシェゾー グランクリュ 2012

約37000円、WA95-97pt(2009)
外観は透明感のあるルビーで粘性は中庸。
熟成による影響かやや樽が前に出すぎている印象。
漢方や枯れた木材、五香粉の様なスパイスの様な風味が前面に現れている。果実はやや遠いがラズベリーやブルーベリーの様な黒く甘い果実味を包含しているように思える。ただ硬いだけだろうか。徐々にイーストの風味も現れる。そこから華やかな鉄、スミレのアロマオイルのような風味、黒糖を思わせる甘い香り。一気に熟した黒系果実の香りが上がってくる。コーヒーやアーモンドなどの焦げ系の香りもある。
熟成肉やベーコンの様な野生的な風味。ワッフルの様な香りに結合。ユーカリ、シナモンなど。エシェゾーらしさは薄いが非常に良いワイン。
ややタニックで酸も力強い。華やかなスミレのアロマオイルやオリエンタルスパイス、エナメルリムーバーの様な香りが口の中に広がっていく。


生産者: ドメーヌ ポンソ
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ ヴィエイユヴィーニュ 2011

約54000円、WA94-97pt(2009)
外観はやや淡いルビーで粘性は中庸。
えもいわれぬような繊細かつ凝縮感のあるクロ ド ラ ロッシュ。花の蜜を思わせるキャンディのような甘やかさとフレッシュなイチゴやフランボワーズの繊細かつハッキリとした熟度が感じられる果実味がある。キャッチーでありながら針の穴を通すような緻密な果実味だ。瑞々しく特徴的。
イースト的でもあり、パンのような香りもある。
タイムやクミン、乾いたスパイスの様な要素、小さな赤い花やラベンダーの風味。シシトウ、茎など。
血液のような要素を感じるが、基本的には動物的な要素はほとんどなくピュア。花の蜜のような華やかで甘やかな香りが主体的。このスタイルはブルーノジャコーザとも思える。
酸はやや際立っており、その分タンニンはしなやか。スモモの様な甘酸っぱい果実を口いっぱいに含んだような瑞々しさや旨みがある。アタリのポンソだ。


生産者: ドニ モルテ
銘柄: シャンベルタン グランクリュ 2013

約90000円、WA95-97pt(2010)
外観は濃いルビーで、粘性は高い。
オレンジ、バラやスミレを思わせる煌びやかな華やかさ、そしてトーストを思わせる樽香、濃密なブラックベリーやダークチェリーを思わせる凝縮感のある果実味が感じられるピノノワール。煮詰めたジャムのような凝縮感。ただそれにしては品がありリキュールのようにも思える。シロップやパウンドケーキの様な濃密な果実味が立ち上がってくる。華やかさと並存。
まだまだ伸びていく。コンポートと言って差し支えないような果実味と黒砂糖のような甘露さ。
キャラメルトフィーや紅茶、バターやバニラのような滑らかな要素。そして徐々になめし革、マホガニーやユーカリのような風味、クミンのような要素。
甘くかつ華やかで艶かしい香り。
最終的には甘さは落ち着きパウンドケーキの要素と華やかさが調和してくる。滑らかで力強く、まさにシャンベルタンといった感じだ。
タンニンはしっかりとあり、酸は緻密。スミレの花や茎、果実に含まれる旨みが口の中にじんわりとシルキーに広がっていく。鼻に抜ける華やかさ。球体感が違う。素晴らしい。


【所感】
再確認というには個性的すぎた...というのが所感。
そもそも特級は個性的たるべしという所ではあるのですが、グリヴォーのエシェゾーもポンソのクロ ド ラ ロッシュも典型的というには生産者の個性が前に出すぎている感じがしますね...

そんな感じでまずはジャン グリヴォーのエシェゾーから。提供直後がかなりバランスを崩していて、樽香が前面に出過ぎている状態。漢方や五香粉、イーストなどの要素が主体的でしたが、そこから徐々に生産者の個性である非常に強いスミレやなめし皮の要素が強く立ち上がってきます。液体が乾いてくると黒糖やコーヒー、アーモンドに転化。熟成肉の様な風合いも。
全体的に後半、かなりグランヴァンらしさが醸し出されてくるのですが、エシェゾーっぽさは希薄ですね。
クロ ヴージョ的というか、グランエシェゾー的というか。広域に伸びていく感じが一切ないのですよね。
ヴォーヌロマネらしいツヤツヤした液体感がない感じ。ボーモンとかを飲むと時折そんな感じのを感じられるのですがね...リリースから少し日が経ってしまったからでしょうか。
今ひとつエシェゾー最高!感がない...
別ヴィンテージとかだと最高感のある出来の時もあるので、単純に経年によるものかも。

次にポンソのクロ ド ラ ロッシュ。
素晴らしいワインです。品質としては正にポンソをスター生産者足らしめる凄まじい一本だと思います。
例えるならばブルーノジャコーザ的です。
はい、つまりブルゴーニュ的ではないと思います。
ポンソは経験が浅い方ではないと思うのですが、正直こんな感じだったっけ!?と結構戸惑ってしまいました。ただ素晴らしくないかというと全くそうではない。偉大なワイン。
極めて瑞々しくピュアで繊細なクロ ド ラ ロッシュ。
パワー感の溢れるレシュノーや自然派的なデュジャック、ブルゴーニュの王道的な他の生産者が作るクロドラロッシュとはもう本当全然違うっていうね。
花の蜜を想わせるピュアな赤系果実、焦点の定まった凝縮感のある風合い。そこに乗ってくる酵母の香りが異質でかなりイースティー、またタイムやクミンのような乾いたスパイスの様な風味が織り混ざってきます。紅茶じゃないしブリオッシュでもない。
別の見方をすると要素が分離しているようにも見えますが、もうとにかくピュアで。素晴らしい。
酸は際立っていますがタンニンはしなやかだし。
とても長期熟成には向いてなさそうですが、これが早めに熟成感がでながら延々と熟成し続けるタイプのそれだ。
とりあえずクロドラロッシュっぽさは置いておいて、偉大なワインである事は間違いないと思います。

最後はドニモルテのシャンベルタン。
こいつがやっぱり凄い。とてつもない巨大な規模感、存外の熟度といった感じです。風合いで言うのであればクロード デュガのグリオットシャンベルタンにも似ている。
バラやスミレ、オレンジに至るような強烈な華やかさ、トーストを思わせる樽香、煮詰めたジャムのような黒系果実。これらが徐々に変化していく、ジャムはリキュールやコンポートに、樽香はそれらに連動し黒糖やキャラメルトフィーへ。バターやバニラは独立していく。なによりその果実の凝縮感が素晴らしい。
醸造酒とは思えない様な濃密な芳香を持っていて、むせかえるような甘さや複雑さを醸し出しています。
そこに華やかさという一本筋がしっかり通っていて、ともすれば堅牢にも思える感じ。ただ他者を拒絶するような感じではなく、ちゃんと打てば響くようなキャッチーさも併せ持っているのがいいですね。
熟成ポテンシャルは包含するタンニンやグリセリン感から一目瞭然。各要素が溶け込んだ後でも十分に果実感を残す事でしょうね。
アルマン ルソーやクロード デュガが提案するジュヴレ シャンベルタンの最高峰キュヴェから考えると、これもさほどブレてはいないので、正しい在り方と言えるのではないかと。やっと確信が持てました。

ドニモルテが一番の収穫でしたね。
ジュヴレ シャンベルタンのあるべき姿をようやく握れた様な気がします。
ポンソも偉大でしたし、ジャン グリヴォーは典型的とは言い難いですが素晴らしいワインだったと思います。


クロ・ド・ラ・ロッシュ[2012]ポンソ

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価格:59,184円(税込、送料別)


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見えるところに来てしまうと・・・

HKO様

またまたご無沙汰です。
いつも楽しく拝見させて頂いております。

さて、今回もグランクリュ3本とぶっ飛びの内容で
目を丸くしつつも色々と叫びながら読んでおります(苦笑)

先日のエゴン・ミューラーも「おぉ~」となりました。
アウスレーゼ05のハーフがたぶんどこかのセラーで
眠っておりまして・・まだ飲んだことがないワタクシめには
興味津々の内容でございました。
"果実味と適度の甘さ"と書いてるのを見まして
あやうく探し出して開けそうになりました^^;
完全に蛇足ですが89のベーレン・アウスレーゼがお宝であります・・
(輝かしいゴールドキャプセル)でもきっと開けられない・・(笑)

おっと憧れのエゴン・ミューラーでお話がそれました。

今回は何をおいてもドニ・モルテです。そう、シャンベルタン!!!
この写真のシャンベルタン!すっごい輝いて見えます。
先日、ワタクシの視界に運良く(悪く?)入ってしまいまして
ヴィンテージは2012でしたが後のことはどーでもイイとばかりに
この手につかんでしまいました。
その時の気持ちは"ねんがんの○○をてにいれたぞ!"ですね^^
ブルゴーニュ好きの人の目の前でやればどうなってしまうかは
HKO様もご存じの通り・・・

ドニ・モルテはジュヴレ村名しか飲んだことがないワタクシには
恐れ多いとも思ったのですが・・・まぁ仕方ないですよね・・うんうん
初めて買ったシャンベルタンがドニ・モルテだったので
たぶん記念のお宝になる予感がしております。
またまた開けられない・・・あはは・・はぁ

そんなときにHKO様も偶然に記事にして下さったので
これは報告せねばとコメントを出させて頂きました。
えっ!いちいちせんでいいって・・スミマセン・・・

と、ともかく詳細な検証をありがとうございました。
今後も楽しみながら見させて頂きます。

ではではまたお会いしましょう。
プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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