【カリフォルニア:54】カリフォルニア カルトワイン リバイス #2

こんにちは、HKOです。
カリフォルニアのカルトワインを今一度ちゃんと飲み直してみよう第二弾です。
本日はポール ホブスの2012年初リリースのネイサン クームス エステート、そしてスクリーミング イーグルのセカンドワイン、セカンドフライトです。



【データ】
ポール ホブス ワイナリーはロバート モンダヴィ ワイナリーやシミワイナリー、オーパスワンでワインメーカーとして活躍したポールホブスが1991年に設立したワイナリー。ナパ ヴァレーとソノマ マウンテン、ロシアン リヴァー ヴァレーのシングルヴィンヤードを得意としています。
今回は2012年が初リリースとなるネイサン クームス エステート。植樹は2002年。収量は1エーカーあたり3.7t。南西向きの粘土質ロームの土壌。
夜間に手摘みで収穫されたぶどうは密閉式小型ステンレスタンクで天然酵母で発酵。6日間の低温マセレーション、合計28日間のマセレーション。フレンチオーク新樽100%(タランソー、ダナジューなど4種)でマロラクティック発酵を行いながら20カ月の熟成を行う。マロラクティック発酵は自然に実施。無濾過無清澄で瓶詰め。

スクリーミングイーグルは1986年に不動産業で成功したジーンフィリップ女史がナパのオークヴィルに設立したワイナリー。醸造責任者はハイジ バレット~アンディ エリクソン。2011年にアンディエリクソンはスクリーミングイーグルを去った様で、後任はニック ギラクソン氏に引き継いでいます。
ファーストヴィンテージは1992年。栽培面積は24haの畑。年間生産数6000本程度。
オークヴィルディストリクトの、鉄分を多く含んだ赤い土壌で栽培されたブドウは、適度な収量で、Brix値24で収穫。
厳密な選定が行われ1.5tという少量ずつで発酵させる。セギュイン=モロー製のフレンチオークの樽(約60~65%が新樽)で18~20ヵ月間熟成させ、濾過処理なしで瓶詰めしている。
今回はスクリーミングイーグルのセカンドワイン。
ファーストラベルのカベルネソーヴィニヨン比率が約80%ですが、セカンドラベルは約50%で、メルローの比率が高くなっています。生産者本数は約7000本程度。


【テイスティングコメント】
生産者: ポール ホブス
銘柄: ネイサン クームス エステート クームスヴィル ナパヴァレー 2012
品種: カベルネソーヴィニヨン100%

WA93-95pt、62000円
非常に黒に近いガーネット、粘性は非常に高い。
ドクタークレインと比べると、明らかにニューワールド最高峰の王道的なスタイルの作りになっている。
華やかさは共通としつつも、果実の凝縮感や酸が目立つドクタークレインと比べると熟した濃密な果実味とMLF的な要素を強くを感じられる。
熟したブラックベリーやカシスにメイプルシロップの様な濃密さやコンデンスミルクの様なまろやかさが並存する。広域に伸びていく感じだ。ブリオッシュやバニラの要素。そしてフレッシュハーブやユーカリの要素が混じり合い、エナメルリムーバーやスミレ、スイカズラのような非常に強い華やかさと複雑さを放っていく。クローヴ、リコリスなどのスパイス感。
僅かなベーコンの様な燻香、乾いた木片、ややアルコール感。ジンジャーブレッドの様な風味。
こちらもタンニンが甘く、酸が滑らか。決して弱い訳ではなく、滑らか。グリセリン感も豊かで球体感がある。旨味が充実していてメイプルシロップやコンポートの果実の余韻が残る。ややキャンディっぽさもある。


生産者:スクリーミング イーグル
銘柄: セカンド フライト オークヴィル ナパヴァレー 2012
品種: カベルネ ソーヴィニヨン 48%、メルロ 43%、カベルネ フラン 9%

WA96pt、157000円
濃い色調のガーネット、粘性は高い。
これがセカンドとは決して思えない程の濃密さ、各要素のバランス感の良さ。オーパスワンと構成は近いが、こちらの方が重さや凝縮感、濃密さを感じる。
まず目立つのはリキュールやコンポートを思わせる凝縮した甘みのプルーンやブラックベリーの様な果実味。その中にキャラメルトフィーやバニラ、ミルクコーヒー、それに溶け込む様な形で華やかなスミレやハーブの要素が併存している。燻製した肉、素直なシダーウッドの香りやリコリスの要素も感じられる。
焼き栗やトーストの様な要素。パウンドケーキの様な甘露さ。ハチミツやシナモン、オリエンタルスパイスの様な風味が漂う。極めて素直でありながら、凝縮感と濃密感が半端ない。
徐々に煮詰めた小豆やハーブやスパイスの香りが強まってくる。
球体感はファーストラベルに劣るが、非常に豊かなグリセリン感があり、旨味が充実。酸もタンニンもまさにシルキーといった感じ。タンニンも驚くほど甘く、滑らかで籠いっぱいの熟した果実を僅かな液体に集約したかのような優美な余韻を残していく。キャラメルトフィーやメイプルシロップの余韻。鼻に抜ける香りは力強い。


【所感】
言葉にならねえ....


って位すごいですね。
以前、これの一つ上のスクリーミングイーグルとポール ホブスのベグストファー ドクタークレイン ヴィンヤードをやりましたが、ぶっちゃけ今回のも感動という意味では遜色ありません。2本ともファーストラベルとして扱ってもなかなかこれらの品質に追従できるワインは無いのではないでしょうか...いやホント。

まずポール ホブスのネイサン クームス エステート。
前回のベグストファー ドクタークレイン ヴィンヤードが、非常に凝縮感と華やかさ、そして酸の美しさに際立った、鋭角的なワインでした。新世界的ではありますが、ナパのカベルネソーヴィニヨンとしてはかなり異質な質感。
今回のネイサンクームスは、そういった意味ではいかにもナパヴァレー的なカベルネソーヴィニヨンの王道を感じさせる甘露な作りではありながら、華やかさや酸の美しさ、鋭角さを残した作りとなっています。
果実味とその他の醸造要素が溶け込んでいるかというと、そうではなく、基本的には熟しながら酸を帯びた果実に対して樽の香り、MLF要素が互いに引き寄あい、一塊ではなく、華やかさ、甘露さ、まろやかさなどの複数の軸を作っている形。
極めてバランス感が良く、グリセリン感も高いので、ナパヴァレーとしては若干異質感はありますが、非常にワインとしての完成度は高いと思います。
タンニンも非常に甘く、滑らか。突出して官能的な味わいです。

次はセカンドフライト。
これはですねー、セカンドとかそういうんじゃないですねー。レベルの高いワイナリーのフラッグシップクラスのワインと競合できる位の、超絶レベルの高いセカンドワインだと思います。
ちなみにファーストラベルの方が堅牢ですが、個人的にボルドーのファースト、セカンドほど大きな違いは感じませんでしたね。どちらもクオリティが突出している。逆にメルロー比率が高くて、セカンドフライトの方がキャッチーなので、僕的にはこちらの方が好みですね。
感覚としてはナパヴァレー オークヴィルの典型とも言えるような作りの延長線上にある王道的な作りを限りなく熟度を上げて各要素のバランスを完璧にしたって感じでしょうか。タンニンも驚くほど甘く、グリセリン感も十分。
セカンドとは言えない、別のワインとして扱ってもいいくらいの代物だと思います。完璧!

しかしやっぱりカリフォルニアのカベルネソーヴィニヨンはハマりますね...
タンニンの甘みやキャッチーさが非常に分かりやすい。それでいて複雑さや構築にまで気を使っているのだから恐ろしい。
つくづくニューワールドの怖さを知った次第です。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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