【ブルゴーニュ: 127】ルロワのクロ ヴージョ。メゾン古酒とドメーヌを垂直で。



こんにちは、HKOです。
本日はドメーヌ ルロワの特級クロ ヴージョ、そしてメゾン ルロワの熟成した特級クロ ヴージョです。
いつかはドメーヌ ルロワの特級、あとメゾン ルロワの熟成ワインを飲みたいとは思っていたのですが、こんなにも早く実現するとは思いませんでした。
もう、ある種の感動がありますね。飲んでみて、その感動はもっと強く胸に迫ってきました。
正直先日の若いロマネコンティよりもずっと。


【データ】
マダムルロワが手がけるのは次の3つのライン、ドメーヌ部門のドメーヌ ルロワ、個人所有のドメーヌのドーヴネイ、そしてネゴシアン部門のメゾン ルロワ。目下最も手に入りやすく価格も安いのがメゾン ルロワですが、それでも並のドメーヌとは比べものにならないほど高品質かつ高額です。
メゾン ルロワはラルー ビーズ ルロワ率いる説明不要のブルゴーニュ最高のネゴシアン。栽培は厳格なビオディナミを行っている生産者のものから買い付けを行ない、新樽率100%で熟成、無清澄、無濾過で瓶づめが為されます。
ドメーヌ ルロワは、マダムルロワ自身の哲学が全て詰め込まれた自社畑で作られるプレステージライン。例え下位アペラシオン...例えば広域名称ワインですら、ルロワが全力を傾け、驚異的な品質を実現しています。しかしながらメゾンに比べると圧倒的にに値段は高く、希少性も非常に高いことで知られています。目印は赤いキャップシール。髙島屋と分割所有しています。
栽培は勿論厳格なビオディナミによって行われます。除草剤、殺虫剤、合成肥料、その他科学的処置は行われておらず。伝統的な方法で瓶詰めされます。無濾過、無清張。新樽率は100%。
超低収量で木1本あたり4房、1haあたり16ヘクトリットル。不良果以外を取り除いたのみで除梗はしません。


【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ルロワ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2006

WA93pt、216000円
外観は赤みのしっかりとあるルビー、粘性は高い。
基本の構成要素はDRCと近い。華やかで凝縮感があり、複雑だ。ヴォーヌロマネのグランクリュを思わせる。
薔薇やスミレの花束を思わせるむせ返るような華やかさがあり、そこにトーストやオレンジ、収穫したばかりのイチゴやクランベリーのフレッシュな赤系果実。熟したラズベリージャム、ミルクポーションなどの風味が一塊になり立ちのぼってくる。茎のような要素も。五香粉や八角を思わせる要素やカカオ的な樽の要素も感じられる。
薔薇のアロマが落ち着いてくると、徐々にエナメルリムーバーを思わせる華やかさが現れる。樽香はカカオ的なものから燻製香に。なめし皮やパストラミハムの要素も強めに表出してくる。ローリエやクローヴなどスパイスやハーブの香りも豊か。
ピークのメゾンと比べると、コロコロと表情を変える忙しいキュヴェだ。
タンニンと酸のバランスは良い。どちらが強いということは無いが、タンニン、酸共にパワフルであると思う。旨味は非常に強く、華やかな薔薇や茎を思わせる含み香にオレンジやジャムの余韻を残していく。


生産者: メゾン ルロワ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 1981

240000円
外観は淡いオレンジで、粘性は低い。
物凄い澄んだ古酒だが、内包している香りの力強さと複雑さが段違いに高い。数倍の香りの強さと濃度の出汁といった感じ。それでいて雑味はない。
その香りも非常に複雑で、椎茸や濡れた土、腐葉土などの熟成香、梅しば。比較的強めの鉄分を帯びた熟成肉が一塊になって立ち上がる。また果実味は生き残っていてドライフィグやデーツの様な干した果実のような甘みが立ち上がってくる。ほのかにコーヒーの香りも残る。醤油を一滴垂らした出汁。スミレのプリザーブドフラワー。クローヴやナツメグの様なスパイスの香りも内包している。
複雑で熟成香に満ちているのに、甘いフィグやアプリコットの香りがあるのに、非常に澄んだ印象がある。
酸やタンニンは完全に溶け込んでいる。
しかし存外に厚みがあり、旨味の層が非常に厚い。
土や熟成肉の鉄分、ほのかなグリセリンの甘さが口の中に出汁のように滑らかに広がっていく。
余韻も恐ろしく長く、最後にはシナモンを思わせる余韻を残していく。感動的な一本。


【所感】
ああ、至福。
どちらも本当に凄いブルゴーニュワイン。
言葉にすると陳腐ですが、こういったブログの性質上しっかりと追っていかなくてはなりません。
心していきます。
まずはドメーヌ ルロワから。
全体感から行くと、方向性としてはかなりDRCに近い形で作られています。全房発酵に起因する複雑さ、果皮に起因する伸びていく華やかな香り。おおよそ全房で希釈されたとは思えない果実の凝縮感と艶めいたタンニンの質感。
DRCでいうのならエシェゾーを思わせる華やかさですが、凝縮感はむしろリシュブールのそれを思い起こさせました。
オレンジや赤い花の花束の様な要素の中に赤いベリーの凝縮したエッセンス、ミルクの様な要素を中心としながら、スパイスや五香粉の様な香り。徐々にエナメルリムーバーやなめし皮の要素と姿を変えていく。
シネマティックな遷移を見せる。
比較的若いヴィンテージなので、それだけにタンニンも酸もかなりパワフルだと思います。アタックも強いですが、艶やかで過剰な収斂性はありません。
明らかに発展途上ですが、いまの段階で既に凄まじいレベルにあります。圧倒されますね...!

で、まあそうそうこれ以上はないし、まあ凄いとはいえメゾンだから...と侮ってかかったメゾン版熟成クロ ヴージョ。これがもう恐ろしい感じ。
本日はやはり熟成なんだな...と思わざるを得ない。

っていうか以前メゾンの熟成リュリーを飲んだ時にも感じたじゃないかそれーーー!!!
マイナーアペラシオンでもメチャクチャ凄いんだからクロ ヴージョが凄くないわけなかろう!!
...とまあそんなヤバイ感じのアレです。語彙もヤバイです。

具体的に言いますと、タンニンや酸はほぼ溶け込んでいて、いわゆる古酒の出汁的な液体になっています。
ですが、液体の密度というか粘性というか舌触りというか、そういったものが全然違う。
旨味の層とグリセリン感がほぼ生き残っている状態で、タンニンと酸が柔らかくなっている。
それに加えて香りも複雑で、ドライフィグなどの果実味を残しながら椎茸や腐葉土、梅しば。そして一滴の醤油を垂らした様なヨード感と、旨味を予期させる熟成香。
これらが統合し、幾重にも引かれた濃縮された出汁の様な味わいになっている。
古酒としての透明感があり繊細なのに、分厚くて複雑。
余韻も恐ろしく長く、ちょっと本当に凄い熟成クロ ヴージョって感じですね。官能的だと思います。

ドメーヌはドメーヌで本当に声が出ない程凄いとは思いましたが、やはり熟成したメゾンを飲むと、本懐は熟成なのかなぁ、と思ってしまいますね。
次飲む機会はなかろうかと思いますが、またどこかの機会で飲めると嬉しいなぁ。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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