【ブルゴーニュ:128】熟成ムルソーとコルトンシャルルマーニュ新ヴィンテージを利く

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュです。
ブシャールの熟成したムルソー ジュヌヴリエール、そして正気の沙汰とは思えないですが、リリースしたてのルイジャドとブリュノクレールのコルトンシャルルマーニュを頂きます。


【データ】
ブシャール ペール エ フィスはブルゴーニュの大手ネゴシアン。歴史は長く1731年にミシェルブシャールがヴォルネイの会社を購入した事から歴史が始まります。
次々と畑を買い足して行く中で1960年までは非常に高い品質を保っていたもののアンリオ社に買収される90年代中盤まで、その評価は地に落ちる。以後劇的に品質は向上している。
人手での収穫、選果台での選定、100%除梗、グラビティフロー式の醸造機を導入。新樽比率は区画、ヴィンテージによって変えているそうです。まるでトップドメーヌが如きこだわりですが、ここ最近のネゴシアンは自社で畑を持っているケースも多く、品質の高いネゴシアンは例外無く気を使った栽培醸造をしている印象。
今回のジュヌヴリエールは16.6haのうち斜面上部の最良の区画を2.7ha所有。


ルイジャドはブルゴーニュの1859年創業の老舗ネゴシアンで、ネゴシアン業に留まらず上級キュヴェに関しては154haもの自社畑で栽培まで行っています。そして何と言ってもルイジャドといえば天才ジャックラルディエールの存在でしょう。1970年から醸造責任者としてジャドのワイン作りの指揮を取っています。
自然農法を実践しており表土のみを馬で耕作をしています。100%除梗を行ない、低温浸漬は基本的には使用せず、発酵温度の管理もせず、ルモンタージュも行わず、ごくごく自然の葡萄のポテンシャルに任せてゆっくりと時間をかけて醸造を行っています。オーク新樽比率は最大で50%程度。それでいて非常に素晴らしいワインが作れるのですから、ジャックラルディエールのセンスが光る所だと思います。現在はしっかりとラルディエールのエッセンスを受け継いだフレデリック バルニエが醸造を行っています。今回のコルトンシャルルマーニュはペルナン ヴェルジュレス側にある区画を使用しています。

1979年に設立されたブリュノ クレールはマルサネに拠点を置く生産者。出生はクレール ダユだが、相続によって多くの畑を失い、後にブリュノクレールとしてそれを買い戻している。現在は合計23haを保有する大ドメーヌとなっている。
栽培はリュット レゾネによって行われている。樹齢は40-60年の古木を使用。収穫は手摘みで、除梗は多くて10%とほぼ全房発酵がなされている。低温浸漬を行い、自然酵母による発酵が行われる。
今回のコルトン シャルルマーニュは白におけるフラッグシップ的な存在。
樹齢37年、41年のアロース コルトン側の区画を使用しており、収量は41hl/ha。
年間生産本数は1400本。大樽で発酵し、12ヶ月の熟成を行っています。除梗はしない。
発酵後、新樽比率20~50%で16~22ヶ月の樽熟成が行われる。清澄はしない。


【テイスティングコメント】
生産者: ブシャール ペール エ フィス
銘柄: ムルソー プルミエクリュ ジュヌヴリエール 2005

外観はやや濃いめのイエローで粘性は中庸。
まさに程よく熟成したムルソー ジュヌヴリエール。素晴らしい。クリーミーでありながら清廉なムルソー。
加糖ヨーグルトやバタークリームの様な甘やかな香り、バニラの要素。白桃のコンポートの様な果実味。
滑らかなしっとりとした質感の香りだ。
ヘーゼルナッツや甘栗、リコリスの要素が感じられる。甘みはシロップのような甘露な香りがある。
複雑で濃密な果実の風味が立ち上がっている。
口当たりも完璧で酸は穏やかながら、グリセリン感はしっかりとあり丸みを帯びている。口の中で白桃濃密なコンポートや栗やヨーグルトの要素が広がっていく。広がりと深みがあり、キャッチーな味わい。


生産者: ルイ ジャド
銘柄: コルトン シャルルマーニュ グランクリュ 2013

外観は透明感のある淡いイエローで粘性は中庸。
石のようなミネラル感がありながら、主体としてはボリューム感のある洋梨や白桃、花梨の果実味とバニラや杏仁豆腐の様な風味が混じり合っている。樽とMLFはしっかりと効かせている。
ヨーグルト、バターの様なニュアンス。蜜のような風味とフレッシュハーブ、リコリス。ブリオッシュなどの要素もある。ただ奥にはしっかりとした酸を帯びたシトラスの様な要素もある。
酸はしっかりと骨格を形成しており、ボディも丸みがあり、球体感を感じさせる。洋梨やフレッシュな桃、杏仁豆腐を思わせる余韻を残していく。
凝縮感も強くグランクリュに相応しい作り


生産者: ブリュノ クレール
銘柄: コルトン シャルルマーニュ グランクリュ 2013

外観は透明感のある淡いイエローで粘性は中庸。
極めてミネラル感が強く、砕いた石や石鹸を思わせるような風合いがある。シャープで引き締まった印象を受ける体躯。新樽の要素は控えめで、熟した柑橘のニュアンスが主体的。基本的にはクリーンで清冽な作り。花の蜜やカリン、ライムの様な果実味があり、オレンジピールなどの要素もある。
イーストやフレッシュハーブ、ホワイトアスパラガスなど。よりミネラル感が際立った作り。
酸はしっかりと存在するが滑らかで、柑橘のニュアンスとミネラルに起因するチョーキーで堅牢なな余韻を残していく。
凝縮感もしっかりとある。


【所感】
まずはブシャールのムルソー ジュヌヴリエールから。
やっば熟成ブルゴーニュはええのう...としんみりと思ってしまう素晴らしい旨さ。
モンラッシェも素晴らしかったけど、こちらもかなりいい。ブシャールの1級以上の白は本当に俺好みの造りのものが多い印象。
全体的にボリューム感やしっかりとした熟度を演出しながらブルゴーニュらしいミネラル感も表現されているのがいいですね。膨らみすぎず、かといって酸やミネラル感が出過ぎないバランスの良さを感じます。
程よく熟成されており、果実の甘露さとMLF、樽香が見事に結合した味わいで、熟成による複雑さはそこまでないものの、非常に溶け込み、馴染んだ良い状態になっているのではないかと思います。
クリーミーでバタークリームや白桃のコンポート、加糖ヨーグルトやヘーゼルナッツの様な香りが漂います。口当たりも丸みがあり過度に酸が立っていたりせず、シルキーでツヤツヤした質感のあるワインになっています。
多分ラフォンやコシュデュリでは堅牢すぎて2005年でこうはならないと思います。(多分あと10~15年位熟成してこの溶け込んだ状態に複雑さを加えて強烈なピークを見せる感じではないかと。)
素晴らしい味わいです。

次に自殺行為とも言えるコルトンシャルルマーニュ2013水平です。
まずブリュノクレールですが、まさに想像通りのコルトンシャルルマーニュというか。長期熟成を前提とした酸とミネラル感が立ちまくった造りとなっています。
クリアでクリスタルのような透明感と堅牢さがあり、引き締まっている。新樽の要素は控えめで、カリンやライムを思わせる柑橘のニュアンスと花の蜜のようなピュアな果実味があります。イースト感などもありますが主軸としては柑橘とチョーキーなミネラルが主体になります。酸も非常にあるので、かなり骨格はしっかりしているなと思いました。こちらはより熟成を待つのがやはり良いという印象です。
対してルイジャドに関しては長期熟成も出来るけど、今飲んでも比較的美味しい作りになっていると思います。
ミネラル感がありながら洋梨や白桃のようなボリューム感のある果実味があり、そこに樽のバニラや杏仁豆腐のようなニュアンスがあります。また澄んだ蜜のような風合いもあり、要素は各々で際立っている形であるものの、キャッチーに作られていると思います。
典型的なコルトンシャルルマーニュを想起して飲むと多少面食らう様なキャッチーさがあります。
また酸とミネラル感もしっかりとあり、骨格は堅牢。凝縮感もありグランクリュにふさわしい作りになっていると思います。
かなり良くできていて、今でも美味しく頂けるので時流にあった作りをしているなと感心しました。

やっぱりブルゴーニュの白は熟成が最高でありながらも、早飲み出来るけど度量も欲しいと考えているので、ルイジャドの様な作りはかなり嬉しいですね。
決してブリュノクレールが悪い訳では無いですが...
そこらへんの予想のつかなさというか、断定できない不確定さがブルゴーニュの魅力だよな...と思ってしまいますね。
勉強になりました!



コルトン・シャルルマーニュ[2013]ルイ・ジャド

コルトン・シャルルマーニュ[2013]ルイ・ジャド
価格:21,600円(税込、送料込)





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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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