Esquisse(エスキス:銀座)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。



こんにちは、HKOです。
本日は銀座の名店、エスキスです。
名店と言っても古典的でクラシックなものではなく、よりモダンで軽くドレッシーなプレゼンテーションで魅せるお店。
ずっと楽しみにしていて、それなりにちゃんと経験を積んだら訪れようと考えていましたが、いよいよフレンチ探訪も終盤に差し掛かってきて訪問の決心がつきました。



シェフは、メゾントロワグロでセカンドシェフ、新宿のトロワグロではシェフを務めたリオネル ベカ氏。
シェフパティシエは、エノテカピンキオーリでシェフパティシエ、タテルヨシノとシャトーレストラン ジョエルロブションではシェフ、NYのラトリエでシェフパティシエを務めた成田一成氏。
シェフやパティシエだけではなく名ソムリエも招聘し、スーパースター軍団を形成しています。
ミシュランガイド2016 東京版では*2を獲得しています。



流麗で清涼感溢れるウェルカムプレート。



木目と白を基調にした美しい店内。


■シャンパーニュ
生産者:テタンジェ
銘柄: ブリュット レゼルヴ NV

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
蜜やシロップを思わせる繊細な甘露さの中に複雑性が見て取れる。バターやミルクポーション。徐々にナッツのような香ばしい香りが主体的になってくる。
全体的にふくよかな香が感じられつつ、シトラスやリンゴ、石のようなニュアンスが感じられる。
フレッシュハーブを思わせる風味もある。それらの香りのバランス感がとても良い。
酸はしなやかでエッジは落とされていて、溌剌とした果実味とバターの風味、シロップが口の中に広がっていく。


■フィンガーフード「キヌサヤの細切り フォアグラのテリーヌ 蕪 アプリコットパウダー」(★★)


オリエンタルスパイスの風味、やや酸味を感じるサクサクとした蕪、細切りのキヌサヤのほのかなハーブの風味、その後に滑らかなフォアグラのテリーヌのオイリーな風味が広がっていく。繊細な組み合わせで、野菜の食感とフォアグラの丸み、風味が非常に素晴らしい。


フィンガーフードからして構築美が感じられる。
確実に前菜も素晴らしいと確信できる。
間違いない。


■パン「天然酵母を使ったバケット 、リュスティック、オリーブオイルで風味づけしたフォカッチャ」(★★)
バター「フロマージュブランと発酵バター 岩塩」(★★★)


パンは見た目ほど硬くなく、酸を感じるフワフワのフロマージュブラン+発酵バターと岩塩をつけて頂く。物凄く滑らかで美味しいペースト。
3度くらいお代わりした。


次は白を基調にした見目麗しい前菜です。


■アントレ「野菜のブイヨンを染み込ませた佐賀産のホワイトアスパラガス ブラータチーズ カリフラワーのスライス 削ったホワイトアスパラガス サフランと生ハムのパウダー」(★★★+)


白を基調にした美しいプレゼンテーション。
ホワイトアスパラガスに溶かしたブラータチーズを潜らせ、スライスしたアスパラやカリフラワーを添えている。瑞々しくエキスに満ちたザクザクとしたホワイトアスパラガスに、チーズの複雑な酸味やサフランの香りが漂う。ほのかにパッションフルーツのような風味もあるような気がする。複雑なスパイスとチーズ、酸味が絡み合う技巧的な料理。


次は魚介のラビオリ。


■アントレ「ヤリイカ アカガイ ミルガイのソテー オープンラビオリスタイル スナップエンドウ 九州熊本産晩白柚 乾燥わかめ ブロッコリーのペースト」(★★★+)


ヤリイカと貝類のソテーをブロッコリーのペーストとクリームのソースに浮かべ、パスタを上に敷いたオープンラビオリスタイル。スナップエンドウ、乾燥わかめを散らし、そこにはカリフラワーのペーストを。
ディルやナスタチウムなどのハーブの香りが際立つひと皿。アカガイの貝としては強めの味わいにディルとナスタチウムの風味とクリーミーなソースが良く調和する。スナップエンドウのプチプチとした食感も楽しい。ミルガイは強めの食感があり、スナップエンドウの食感との緩急が面白い。強めの塩を感じるパスタは全体の塩気を補強してくれている。全体的にスープの影響かクリーミーさが際立つ。ヤリイカは言うまでもなくクリーミーさと相乗した。
こちらも技巧的で複数の要素を編み込んでいる料理。ハーブの要素がまたテクニカルだ。


前菜最後は華やかなプレゼンテーションのチコリ。


■アントレ「冬の花に見立てたアンディーブ(チコリ) 黒トリュフと蕗の薹のペースト ほうれん草のスープ」(★★+)



チコリを冬の花をイメージして配置。間に黒トリュフと蕗の薹のペーストを。底はほうれん草のスープ。
チコリはほのかに酸味が効いており、かなり歯ごたえを残している。さっと湯通しした白菜くらいだろうか。
黒トリュフと蕗の薹のペーストは、鼻に抜ける強いトリュフの香りと蕗の薹のハッキリとした苦味が同居している。苦味をかなり感じるが、その分ソースはクリーミーかつ滑らかで刺激的な蕗の薹の苦味の印象を和らげ、独特の風味だけ残している。
こちらも調和の料理で、苦味とクリーミーさが相乗し、チコリの食感とエキスが複雑に絡み合っていく感じ。


さていよいよメイン。
魚料理は鰆です。


■ポワソン「ヨーグルト パセリ マスタードでマリネした鰆の低温調理 ジャガイモ オリーブ ケッパー トリッパ ドライポルチーニ 南仏産のスパイスを使ったアンチョビペースト 酸味の効いたトマトとキュウリのスープ」(★★★★+)

ヨーグルト パセリ マスタードでマリネした鰆を低温調理+表面バーナー。
トマトとキュウリを使ったスープ、ポルチーニ茸、オリーブ、ジャガイモ。柑橘の風味。火を入れたトリッパ。
スパイシーなアンチョビペースト。
かなり酸味の強いスープだが間違いなく旨味を包含している。強い酸味の中でジャガイモの甘さが非常に落ち着く。
とはいえ全て酸味が味わいを引き上げている。
例えばトリッパはこの中で違和感の残る牛肉の内蔵だが、このスープの中においては味わいを引き締め、旨味を際立たせているように感じる。
低温調理された鰆は蕩けるように柔らかく、マスタードやヨーグルト的な酸味とオイル感、パセリの個性的な風味を帯びている。エキスは完全に包含していて、ハーブ的でありつつ酸味と塩気が効いた素晴らしい味わいになっている。
アンチョビペーストもスパイスが効いているが、今回の鰆の調理法に共通点があり、かなり精度が高く調和していると思った。


こちらも素晴らしく美味しかった。
低温調理のしなやかな肉質が最高だ。


肉に合わせて赤ワインを注文。
ブルゴーニュ、ボルドーは無視して、オススメのプロヴァンスのACパレットの赤ワインを。


生産者: シャトー シモーヌ
銘柄: パレット ルージュ 2005

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
ムールヴェードル主体でありながら色は淡く、スパイシーな特徴は残しながら繊細な香りとボルドー的なキノコを思わせる熟成香を感じさせる。
牛脂や生肉からの強い旨味を感じさせる熟成香。
血液のような風味もあり、鳩に合うのは自明の理といったところか。ドライフラワーの要素も。比較的抽出感を感じる。
オリーブやレッドカラントのドライジャム、甘さはほとんど感じず、塩気を感じさせる。焦げたゴム、燻製のような香ばしい香り。濡れた木や獣香、八角、リコリスやクローヴのようなスパイシーな要素が感じられる。
タンニンは完全に落ち着いており、酸味が際立つ。
旨味とのバランスが取れており、梅のような旨味と広がる華やかさを余韻として感じられる。


そしてメインがこちら。
たまに嫌な思いをする鳩です!


■ヴィヤンド「ラカン産小鳩のロースト(モモ肉 胸肉) 野蒜 うるい ケール レバーペーストをつけてカリカリに焼き上げたピジョンの頭」(★★★★+)



手前が胸肉、奥がモモ肉、頭をカリカリにレバーをつけてローストしたしたもの。
まずは胸肉から。やはり鳩独特の内臓や血のような野生的な味わいが肉からも感じられる。ただその野生的な風味も肉汁を使ったソースに絡めるとほとんど感じられない。
特筆すべきはこの肉質の目の細かさ。シルクというか、継ぎ目が無い。舌触りが恐ろしくいいし、均一。
味も個性と考えれば、かなり素晴らしい調理がなされていると思う。
モモ肉は非常にジューシーでエキス感は抜群に良く美味だか、目はやや粗めかなと。味わいはモモのほうが好きかもしれない。



(コニチワー)


頭はカリカリに揚げられておりクセも無く、皮のフライのような味わい。内臓的な要素も無く、非常に食べやすい。
口に入れるまでに度胸はいるが。
よくソースが絡んだ野菜のソテーも非常に良い。
干しぶどうの存在感もあり、鳩によくあった。


いや、鳩美味かったわ...びっくりだわ。
そして頭食えた俺すげえわ。肉質が本当に継ぎ目が無くてシルキーなんですよね...ちょっとびっくりしてしまいました。

次からはデセール。成田氏ワールドです!!!!



■プレデセール「カスタードクリーム、メレンゲ、様々な形のラズベリー(パウダー・フレッシュ・キャンディ)、フルール ド ビエリエールのバニラアイス」(★★★+)


シャーレの中にカスタードクリーム、メレンゲ、様々な形のラズベリー(パウダー フレッシュ キャンディ)、フルール ド ビエリエールのバニラアイス。
カスタードクリームのまろやかさとラズベリーの酸味が調和する。そこには食感も組み込まれて、チュイルのサクサクした食感やラズベリーの種や身のプチプチした食感が華を添える。
バニラアイスはビールらしい苦味があり、甘さや酸味の中に、更に特異的に感じられるのが面白い。しかして複雑味の付加であり、違和感の残る苦味では無いのがポイント。



■デセール「チョコバナナ エスキス風」(★★★★)



バナナのスフレとクレープ、チョコレートソース、キャラメリゼしたバナナ、かぼちゃのペースト、ミルクのアイス、バニラ風味のクリーム、京都丹波の黒豆、黒米、粟、麦、カカオ アニス ピスタチオのパウダー、エストラゴンのオイル。
バナナのスフレは非常に柔らかく、泡状のバナナのクリームにチョコレートソースが絡み合う。
キャラメリゼしたバナナには生クリームとかぼちゃのクリームを添えて頂く。キャラメリゼしたバナナはかなり燻製っぽさが強く感じられた。バニラ風味のクリームとは完全に調和。甘く煮詰められた黒豆、黒米、粟、麦も非常に面白かった。食感が多重的に感じられる。
とにかく一皿の情報量が多く、複雑。食べる順番によっては壊れそうな繊細さがある。しかして芸術的で、幾つもの要素が折り重なる味わいに感動してしまった。



■ミニャルディーズ「ラズベリーのホワイトチョコレート、カヌレ、フィナンシェ」(★★)


ねっとりとしなやかなカヌレ。カヌレといえば硬いイメージがあったが、こいつはそんなことはない。フィナンシェもジューシー。小菓子一つとっても、かなりレベル高い。


いやー美味しかったです。
どの皿も非常に構築美に溢れている。
ある側面、理解をするのにリテラシーというか、多分そういったのがあるとより楽しめる感じなんですが。
すごく作り込まれた味わいの組み合わせだなあと。
それでいて後味ゴチャッとしてないのすごいですね。
あとやっぱり料理の方向性はミッシェル トロワグロに似ているなぁと感じました。
また是非行きたいところです。記念日的な時に...



住所: 104-0061 東京都中央区銀座5丁目4-6 ロイヤルクリスタル銀座9F
店名: Esquisse(エスキス)
電話番号: 03-5537-5580
営業時間:
Lunch >>12:00-13:00(L.O.)
Dinner >>18:00-20:30(L.O.)
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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