【シャンパーニュ:64】ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)5種テイスティング Part.1

こんにちは、HKOです。
本日はセドリック ブシャール5種類のキュヴェのテイスティングです。
ローズ ド ジャンヌ自体大変手に入りにくいシャンパーニュですので、かなり貴重な記事なのではないかな、と思います。まあ、利くのは僕なんですけどね!!
あと有楽町のディーンアンドデルーカにも山ほど売ってましたね。レアとは...


【データ】
セドリック ブシャールはシャンパーニュの辺境オーブ地区のセル シュール ウールス村に拠点を置くメゾン。2000年設立の若手ながら今最も注目される生産者で、フラッグシップクラスのキュヴェには「ローズ ド ジャンヌ」の名前が冠されています。
畑の管理からラベル貼りに至るまで、ほぼ一人で行い、単一区画、単一品種、単一ビンテージのみのシャンパーニュを作っています。
自社畑はわずか約1.3haのみ。収量はローヌ並みの30hl/ha以下、30~40年程度の古木を使用。馬で畑を耕し、ほぼビオロジックな製法で作られています。
コルドン ロワイヤル式で摘芽、摘房、除葉を行い、自らの手で収穫、選別された房は、更に選果された後、圧搾される。すべてのキュヴェは一番搾りの果汁のみを使用。天然酵母で発酵。
熟成に樽は使用せず、ステンレス槽のみで醸造、熟成されます。補糖やろ過、ドサージュも一切行わず瓶詰めされる。瓶内2次発酵は2ヶ月。ガス圧も4.5気圧と低めとなっている。
今回のコート ド ヴァル ヴィレーヌは、セドリック氏が父から受け継いだ畑。樹齢約40年のピノノワールで造られ、単一年から造られています。ヴィンテージは2013。
コート ベシャラン ブラン ド ノワールはセル シュール ウールスにある単一区画のピノノワールを使用したもの。樽は不使用。ヴィンテージは2008。
レ ウルシュレは0.9haの平均樹齢40余年の単一区画ピノノワールから造られるブラン ド ノワール。ヴィンテージは2011。
オート ランブレは0.1haという非常に小さな畑で造られる5種類の異なるクローンのシャルドネを使用したキュヴェ。樹齢13年。ヴィンテージは2011。
ブレスルは樹齢8年の10種類のブルゴーニュ ピノ ノワールのクローンを植樹した最も若い樹齢の単一区画から作られるブラン ド ノワール。ヴィンテージは2011。



【テイスティングコメント】
生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: コート ド ヴァル ヴィレーヌ ブラン ド ノワール NV(2013)

外観は淡い澄んだイエローで粘性は中庸。
すでに凝縮感があり、蜜の包含した赤りんごやバターの様な風味が突出している。最も溌剌としておりピュアでフレッシュな果実味が突出している。
赤りんごや黄桃の様な蜜を感じさせるフレッシュな果実味を主軸としてエシレバターの様な滑らかさを包含している。カスタードクリームや焼き栗の様なキャッチーさを持ち、それでいて炒ったナッツやドライハーブのような複雑さも併せ持つ。
酸味は柔らかいものの、口の中に広がる旨味はかなり力強い。それでいて上品でリンゴ的な要素の広がりと共にバターやハーブの様な複雑な余韻も残していく。


生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: レ ウルシュル ブラン ド ノワール NV(2011)

外観は淡い澄んだイエローで粘性は中庸。
基本骨子はウルシュル同様蜜の含んだ赤りんごの様な風合いがあるが、こちらの方がバターの風味が際立っている。丸みとオイリーさを感じさせる。フルーツケーキ的な印象を受ける。現段階で最もバランスの良い状態のキュヴェ。
カスタードクリームやフルーツケーキを思わせる、赤リンゴの要素がバターなどの風合いと溶け込んだ魅力的な芳香。その奥にドライハーブやイースト、リコリス、ナッツなどの複雑な要素を包含。ブリオッシュの様なふくよかな芳香が感じられる。ほのかに塩気が感じられるがプレシル程ではない。
酸味は柔らかく旨味の広がり方もヴィレーヌに対して落ち着きがある。しなやかな液体で引っかかりがなく、極めてシルキー。ふくよかな香りと反してリンゴとイーストが溶け込んだ様な余韻がある。



生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: プレシル ブラン ド ノワール NV(2011)

外観は淡い澄んだイエローで粘性は中庸。
酵母の影響を強く受けており、赤リンゴの果実味より、ナッツやミネラル感、ハーブ香の方が突出している。非常にイースト的な香りが前面に出ている。かなり堅牢な体躯。
塩を思わせるミネラル感と、パン ド ミを想起させるイースト的な香りが前面に出ている。しかしながら奥にはフレッシュさを帯びた赤リンゴやかりんの様な果実味は存在している。蜜の様な甘さはあまり無く、かなりドライに感じられる。バターやアーモンド、リコリスやドライハーブを思わせる複雑さと共に、アモンティリャード的な要素もある。
酸味は柔らかく滑らかで落ち着きがある。しかしながらこちらも極めて旨味が充実している。柑橘とリンゴ、イーストを想起させる余韻があり、滑らかに口の中に広がっていく。


【所感】
相変わらず凄いです。
まあ個性的な部分も多いんですけど、口に含んだ時の旨味の本流と相反する舌触りのしなやかさがすごいですね。
これはどのキュヴェにも言えることなんですけども。
つい唸ってしまうキュヴェ。
ただ気になるのが、全く酸化的な処理をしていない、むしろ還元的であるべき醸造方法なんですけど、どうにもアモンティリャード的な要素を感じさせるものがあり...結構頭を捻ってしまうんですよね。
要素としてはまあ特徴として歓迎すべき部分ではあるのですが、「何故?」と悩んでしまいます。

では早速キュヴェごとに見ていきましょう。
まずはローズ ド ジャンヌとしては一番下のキュヴェ、「コート デュ ヴァル ヴィレーヌ」から。
※セドリック ブシャールとしてはアンフロレッサンスというキュヴェが一番下みたい。
ヴィンテージもあると思うのですが、かなりフレッシュに作られています。それでいて複雑ですね。
ブラン ド ノワールらしく、それでいて極めてレベルの高い仕上がりです。蜜の様な甘露な香りと赤リンゴのフレッシュな果実味を主体としながらエシレバターの様な塩気とナッツの様な複雑さを感じさせます。旨味が大変分厚く、それでいてさほど酸は際立っていない滑らかさ。以前も一度飲みましたが、この中においてはよりスタンダード色が強いキュヴェだな、と感じました。広がる旨味とボディの厚みはまさに王道って感じです。

次に「ウルシュル」ですが、個人的にはこちらが一番好みでした。ヴァル ヴィレーヌに連なる作りでありながら、よりシルキーに、それでいてふくよか。でもブランドノワールらしいピノノワールの厚みとかはしっかりと感じられる。
アタック感はヴァル ヴィレーヌの方が強いですが、旨味は負けていない。それに香りがまたいいんですよね。
カスタードクリームやフルーツケーキを想起させる滑らかな香り、そして赤リンゴの要素もしっかりと包含している。イースト的な要素はあるものの、後述のプレスルほどではないし、ブランドノワールっぽさと甘露さのバランスが際立って良いと感じました。
熟しているし、醸造にも手間をかけていて、かつ熟成している素晴らしいワインです。

最後は「プレスル」。
一番樹齢が低いくせして何故か一番高いという訳わかんない感じになってるんですが、一体何故なのか...
作りとしては非常に「堅牢」です。
以前ヴァル ヴィレーヌを飲んだ時に感じた違和感といいますか、ローズ ド ジャンヌの個性の部分がよりハッキリと表出してる感じですかね。ものすごいテクニカルな味わい。
果実味よりも先だって感じさせるナッツやイーストの要素。いわゆる食パン的といいますか、そういった要素が強い。またミネラル感もダイレクトに感じられるし、シェリー感もあります。
その分果実味は引っ込んでて、辛うじて赤リンゴや花梨の要素が感じられるといったところでしょうか。
極めて複雑でありますが、それでいて堅牢。ドライ、という感じの風合いですね。人によっては美味しいと感じないかもしれません。
あるいは熟成によって本領発揮系かしらと思うのですが、どうにもイメージが湧かない。すごい難しいタイプなんですよね。読み解くには経験値が必要っぽいシャンパーニュです。

という訳でPart.2に続きます。




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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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