【シャンパーニュ:65】ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)5種テイスティング Part.2

こんにちは、HKOです。
昨日に引き続きセドリック ブシャール5種類テイスティング第二回です。
今回はヴィンテージがちょっとだけ経過した2008年のコート ド ベシャラン、そしてこの中唯一のブラン ド ブラン、オートランブレです。


【データ】
セドリック ブシャールはシャンパーニュの辺境オーブ地区のセル シュール ウールス村に拠点を置くメゾン。2000年設立の若手ながら今最も注目される生産者で、フラッグシップクラスのキュヴェには「ローズ ド ジャンヌ」の名前が冠されています。
畑の管理からラベル貼りに至るまで、ほぼ一人で行い、単一区画、単一品種、単一ビンテージのみのシャンパーニュを作っています。
自社畑はわずか約1.3haのみ。収量はローヌ並みの30hl/ha以下、30~40年程度の古木を使用。馬で畑を耕し、ほぼビオロジックな製法で作られています。
コルドン ロワイヤル式で摘芽、摘房、除葉を行い、自らの手で収穫、選別された房は、更に選果された後、圧搾される。すべてのキュヴェは一番搾りの果汁のみを使用。天然酵母で発酵。
熟成に樽は使用せず、ステンレス槽のみで醸造、熟成されます。補糖やろ過、ドサージュも一切行わず瓶詰めされる。瓶内2次発酵は2ヶ月。ガス圧も4.5気圧と低めとなっている。
今回のコート ド ヴァル ヴィレーヌは、セドリック氏が父から受け継いだ畑。樹齢約40年のピノノワールで造られ、単一年から造られています。ヴィンテージは2013。
コート ベシャラン ブラン ド ノワールはセル シュール ウールスにある単一区画のピノノワールを使用したもの。樽は不使用。ヴィンテージは2008。
レ ウルシュレは0.9haの平均樹齢40余年の単一区画ピノノワールから造られるブラン ド ノワール。ヴィンテージは2011。
オート ランブレは0.1haという非常に小さな畑で造られる5種類の異なるクローンのシャルドネを使用したキュヴェ。樹齢13年。ヴィンテージは2011。
ブレスルは樹齢8年の10種類のブルゴーニュ ピノ ノワールのクローンを植樹した最も若い樹齢の単一区画から作られるブラン ド ノワール。ヴィンテージは2011。



【テイスティングコメント】
生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: コート ド ベシャラン ブラン ド ノワール NV(2008)

外観は淡い澄んだイエローで粘性は中庸。
骨子はヴァルヴィレーヌと同様だが、バターの要素に対して赤リンゴの蜜の風味が突出し、更にバターの様な滑らかな要素と溶け込んでいる。フレッシュさは落ち着きリンゴのタルトの様な印象を受ける。
基本的にはフレッシュ感のある蜜の溢れる赤リンゴ、白桃、ほのかなシナモンなどのスパイスが、バターの様な要素に溶け込み杏仁豆腐を思わせる風味が感じられる。
ナッツや塩気はかなり控えめで有塩バターをわずかに感じられるがシェリー的な要素はほぼない。徐々にクリームブリュレに発展、リコリスやドライハーブを思わせる香りとなる。
熟成しているものの酸はしっかりと残っている。
当然ながら旨味も充実しており、リンゴの溌剌とした風味とバター、ハーブを感じさせる風味がある。


生産者: ローズ ド ジャンヌ(セドリック ブシャール)
銘柄: ラ オート ランブレ ブラン ド ブラン NV(2011)

外観は淡い澄んだイエローで粘性は中庸。
ミネラリーで非常に堅牢なブラン ド ブラン。ドライシェリーにも通じる塩気を感じるナッツ類の香りが際立って感じられる。ドライハーブやイースト的な香りも突出。プレシル的な堅牢さを感じる。
前面にアーモンドやイースト、そしてアモンティリャードのフロールの様な香りが際立って感じられる。
なかなか果実味に発展して来ず、ライムやレモンを思わせる柑橘の要素を辛うじて感じられる。蜜の面影は感じられるが、かなりドライ。火打石の様なミネラル感もある。
ドライハーブやムスク、リコリスなどの要素。蜜蝋の様なオイル感のある風味もある。堅牢さ的には上位キュヴェを思わせる強さだ。
圧倒的な繊細感がある。旨味というよりも果実の滑らかさが主軸であるという感じが非常にBdB的だと思う。
柑橘やアモンティリャード、イーストやナッツなどの複雑な余韻が感じられる。余韻にほのかな苦みがある。



【所感】
そんな感じで、フレッシュでエネルギーに満ちたコート ヴァル ヴィレーヌ、かなりキャッチーで魅力的なウルシュル、個性的なプレスルに引き続きまして、コート ド ベシャランとオート ランブレです。
まず「コート ド ベシャラン」から。
タイプとしてはコート ド ヴァル ヴィレーヌ、そしてウルシュルに通じるワインで、ブランドノワールの特徴を押さえながら充実した旨味の厚みと非常にしなやかなタッチのキュヴェになっています。
ヴァル ヴィレーヌに見られた果実味の豊かさ、ウルシュルに見られたシルキーなMLF要素が見事に溶け込み、それでもなお赤リンゴの様な風味が突き出している。溶け込んだ要素は杏仁豆腐の風合いを感じさせる。
シナモンなどのスパイス、有塩バターの様なごくほのかな塩気もある。対してシェリーやナッツの様なニュアンスはかなり控えめ。徐々にクリームブリュレに発展。
素晴らしいワインになっています。これかウルシュルが僕的に好みですね。バランス感は双方ともいいので、どちらがベストかっていうとこっちかも。まだ果実味がプリプリしてるので熟成まで時間かかりそう。

次に「ラ オート ランブレ」
正直この中で最も問題児というか個性溢れるというか、特異な存在感を感じさせるキュヴェです。
いえ、ブラン ド ブランとかそういう問題ではなく。
僕ブラン ド ブラン好きなんで...それでもこの超個性は賛否両論呼びまくりですと(HKOの中で)
タイプとしては完全にプレシルに近い。ただシャルドネ自体がフラットな品種だからかもしれませんが、ダイレクトにあのシェリー感がどっかんとくる。っていうかこれアモンティリャードでしょって位。露骨にその要素が分かる。
そこにドライハーブや塩気を感じさせるナッティーな要素、イーストの要素が組み合わさってくる。
果実味もあるにはあるんですが、レモンとかライムとかの辛い系の柑橘ニュアンスですね。ただ感じにくいと思います。メインは前述の要素。
ボディやタッチ自体はブラン ド ブランらしくやっぱり繊細なんですけど、どうしてこんな感じなのか...
あとミネラル感も流石に凄いですね。ギシッとした感じというか。
個人的な好みには合わない感じですね。
酸の感じを見るとプレスルよりは長期熟成しそうな気配が感じられるので、ポテンシャル自体は高いとは思います。
いやでも本当に熟成するのか...謎。


そんな感じです。
ただ何となく思うのが高い方から好みに合わないんすよね。こう、なんとなく凄いのはわかるんだけど、酸化というか酵母の強烈な香りが好みに合わないのかもしれない。
硬ってえーとしか思えない。

対してウルシュルくらいだと凄くいいんですよね。
酵母の香りが控えめの代わりにはっきりとした果実味がありますから。ストレートにシャンパーニュとして優良。
ただこれで改めてローズ ド ジャンヌの全貌が見えた気がします。

ピノノワール100%のコート ヴァル ヴィレーヌ、コート ド ベシャラン、ウルシュル、プレスル。ピノ ブラン100%のラ ボロレ。そしてシャルドネ100%のオート ランブレ。
特異な側面と、優れた側面が同居する評価が高いのもうなづける、凡庸とはかけ離れたシャンパーニュでした。
あ、ちなみにボロレは美味しかったな。



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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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