【ボルドー:33】ボルドーが誇る白いグランヴァン4種テイスティング #1

こんにちは、HKOです。
今回より2回に渡ってボルドーの白ワインをいただいていきます。ソーテルヌやアントル ドゥ メールなどの安ワイン以外は今ひとつ地味さを感じるボルドー高級白ワインシーン。
今回はそのボルドー高級白ワインの代表格とも言える4本をレポートします。(※ちなみに先に言っておきますと今回もオーブリオン ブランはありません...例の如く...)

まずはメドック1級格付けシャトーが作る白ワインからです。


【データ】
エールダルジャン(銀の翼)はシャトームートンロートシルトによって1991にリリースされたACボルドーの白ワイン。平均年間生産量は1500~2000ケースで栽培面積はわずか6ha。平均樹齢9年で収量は45hl/ha程度。直接圧搾、またはマセラシオン・ペリキュレールの後、50%新樽、50%旧樽にて発酵。シュールリー状態で毎週パトナージュされ、瓶詰めする前の短い間のみタンクに移される。すべてのプロセスで12~14ヶ月程度。瓶詰め前に清澄処理、濾過処理される。ソーヴィニヨンブラン主体。

パヴィヨン ブラン デュ シャトー マルゴーはシャトーマルゴーが作るソーヴィニョン ブラン100%の白ワイン。シャトー アベル ローランというシャトーマルゴーから数100m程度の小さな建物で作られており、葡萄はソーヴィニヨンブランのみ植えられた12haの葡萄畑で生産される。年間生産量は40000本程度。栽培面積は12ha、
平均樹齢25年。収量は25hl/ha程度。
オーク樽(新樽は1/3程度)で発酵。瓶詰めの前に10ヶ月間熟成。、清澄処理(瓶詰め時にベントナイトとカゼイン処理)と濾過処理の両方が行われる。ソーヴィニョン・ブラン100%。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトー ムートン ロートシルト
銘柄: エール ダルジャン 2013
品種: ソーヴィニヨン ブラン70%、セミヨン29%、ミュスカデル1%

WA91-93pt(2013)、15000円
外観は淡いイエローで粘性は中庸。
ボルドーブランらしい白い花や黄桃のような果実味に加え、比較的ソーヴィニヨンブランの青草の特徴が前に感じられる。
爽やかなパッションフルーツ、黄桃の蜜を思わせる豊かな果実味と共に、ボルドーブランらしい百合やジャスミンの花の要素、比較的強めの青草の要素が表出している。フレッシュではあるのだが、バニラやバターの要素やナッツも感じられる。
蜂蜜などのアロマも。樽は比較的しっかりと効いている。
非常に爽やかな果実味と青草が前面に出ているが、決して安っぽくはなく、果実はしっかりと凝縮し、リッチには作られている。
口当たりも酸味が豊か、旨味も充実し、口の中で甘い果実の余韻を残していく。味わいの遷移がとても素晴らしい。余韻に爽やかかつ厚みを感じる黄桃やリンゴの様な含み香とほのかな苦みを残す。やや軽めの酒質。


生産者: シャトー マルゴー
銘柄: パヴィヨン ブラン デュ シャトー マルゴー 2008
品種: ソーヴィニヨン ブラン100%

WA91-93pt、35000円
外観は淡いイエローで粘性は中庸。
ボルドーブランらしい白い花のニュアンスは感じられるが、樽のニュアンスとマロラクティック発酵がよりしっかりされていてコート ド ボーヌの上質なシャルドネを想起させる香り。
モカや塩のきいたバター、ナッツを思わせるオイリーかつ香ばしい香りと共に熟した黄桃や洋梨の様な果実味が前面に現れている。豊かな蜜を内包した焼栗、ほのかな白い花の要素、フレッシュハーブ、リコリスのアロマがある。青草の要素は殆ど感じられない。ミネラルがしっかりと存在し、香りも力強くリッチに感じられる。
非常にコートドール的。
酸は柔らかく、ボディはふくよかでバランスの良いグリセリン感がある。こちらも酸、旨味、余韻の甘みの遷移が素晴らしく、口の中で複雑な樽香やミルク、果実の香りが混じりながら余韻を残していく。ほのかに苦みはある。



【所感】
今回はムートンのエールダルジャン、マルゴーのパヴィヨンブランです。
まずムートンのエールダルジャンから。さすがムートン、大変良く出来ています。
スタイルとしては熟し、凝縮した果実とリッチな醸造でボリューム感を出しながら、ソーヴィニヨンブラン由来の青草の様なニュアンスをしっかりと演出した様な味わいになっています。
高級ワインになる程グリニッシュなニュアンスは敬遠され、まあつまり(ちょっと種類が違う一部の新世界や冷涼である前提が浸透している地域以外では)ソーヴィニヨンブランの比率は下げるものですが、堂々とソーヴィニヨンブラン主張してきました。
実際の所、果実にしっかりと凝縮感があり、舌に乗せた時に厚みを感じられるし、リッチな醸造でバターやバニラのニュアンスが出ているので、何気に高級ワイン的な質感はあるんですが、それだけに青草のニュアンスに違和感を感じる部分もあります。(樹齢の低さや終了に起因するものかもしれません)
画一的な高級ワインの価値観に沿って考えると逸脱したものであるとは思います。ただバランスも良く、ワインとしての完成度は非常に高いので、個性として考えればとても良いのではないかと思います。
2013年のムートンは正直行けてなかったのですが、白はまあ良かったんじゃないかな、と思います。

次にパヴィヨンブラン。
これも素晴らしいボルドー白だと思います。
しかもソーヴィニヨンブラン100%!こりゃ仮に熟してたとしても青さ出るんじゃないがねと思って挑んだのですが、これがびっくりしちゃうんですが、殆ど青さが感じられない。コート ドールの質感を感じられるワインです。
まあその実醸造的要素がとても大きく影響していると思うのですが、それもいい。
例えるならば古典的なムルソー的だろうか。ジャスミンや百合のニュアンスはそのままに、MLFや樽の要素が前面に出ていて、それをきちっとした果実味でボディと質感を与えています。繊細な酸と旨味も良いですね。良いヴィンテージのムルソーシャルムにも似通った感じですね。新樽比率から見るとやや樽が目立っている様にも感じます。
クオリティは高いですが、価格もかなりイケイケドンドンなので、お得感は希薄です。
ロワールや新世界とは全く異なるソーヴィニヨンブランの一面を垣間見るという意味では非常に価値のある1本だとは思います。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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