【ボルドー:34】ボルドーが誇る白いグランヴァン4種テイスティング #2

こんにちわ、HKOです。
本日は一昨日に引き続き、ボルドー白のグランヴァンです。グラーヴのパプクレマン、ペサックレオニャンのラヴィル オーブリオン。
左岸で白が強い地域といえばグラーヴ、ペサックレオニャンですが、それも一重にオーブリオン ブランの存在と「グラーヴには白も含む格付が独自に存在する事」が大きいでしょう。メドックとは独立して決まるグラーヴ格付は赤よりも、恐らく白に強いブランド価値を与えているのではないかと思います。
※ちなみにラヴィルオーブリオンは(赤が無いので)白のみの格付ですが、パプ クレマン ブランはどうだったかな...と思い出せずにいます。ソムリエ協会的な問題ですねこれ...


【データ】
シャトー パプ クレマンは、1299年から歴史が続くシャトーオーブリオンから数キロ程度の距離に位置するグラーヴのシャトー。「バビロン捕囚」の法王クレマン5世がフランス革命まで保有していたこともある。
その後農業工学者であるポール・モンターニュ、そして現在はその相続人が管理し、運営はベルナール マグレが、醸造コンサルタントはミシェルロランが担っている。70年代に品質を落としたが、80年代に復活している。
パプ クレマンの畑(30ha)は極度に軽い砂利質の土壌の上にある。平均樹齢は27年、平均収量は39hl/ha。
白の生産本数は6000本。栽培面積は2.8ha。樹齢20年、平均収量37hl/ha程度。発酵と11ヶ月の熟成(攪拌あり)は澱の触れたまま新樽70%で行う。清澄も濾過も行う。
ソーヴィニョンブランとセミヨンは半々程度。

ラヴィル オー ブリオンはラ ミッション オーブリオン所有のボルドー最上の辛口白ワインの一つで1927年に、当時のシャトー ラ ミッション オーブリオンの所有者フレデリック ヴォルトナーによって設立された。追加購入したクロ ラヴェイユと含め1927~1930年はシャトー ラ ミッション オー ブリオン ブランとして販売を開始、1934年からはシャトー ラヴィル オー ブリオンとして、2009年からは元のラ ミッション オー ブリオン ブランとして、高い評価を守り続けています。
土壌はラ ミッション オー ブリオンの畑よりも砂利が少なく、粘度が高い土壌。
平均年間生産量1万200本うち95%は輸出されている。
栽培面積はわずか3.7ha、かつ平均収量35hl/haというち低収量。平均樹齢は51年。
発酵と13~16ヶ月間の熟成はオーク新樽で実施。清澄も濾過もしない。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー パプ クレマン ブラン 2004
品種: セミヨン60%、ソーヴィニヨン40%

WA94pt、21000円
外観はやや濃いめのイエローで粘性は中庸。
ボルドーブラン的でありながら、より熟すことで花梨の様な旨味やバターの要素に塩気が混ざり始めている。しかしてクリームブリュレに至らずカマンベールや塩ナッツの要素が表出している。
果実のフレッシュさが削ぎ落とされ、より糖蜜の様な熟した洋梨の甘い香りや花梨の旨味が前面に現れると共にカマンベールや塩ナッツ、バターのニュアンスも溶け込んでいる。ドライハーブ、ローストナッツ、杏仁豆腐や白い花のニュアンスがほのかに感じられる。比較的コートドール的。
シルキーな酸は滑らかで旨味も充実しているが、併せて比較的強めの苦みをアタックに感じられる。旨味は強く、洋梨や糖蜜の余韻に厚みを与えて広がっていく。


生産者、銘柄: シャトー ラヴィル オー ブリオン 1993
品種: セミヨン70%、ソーヴィニヨンブラン27%、ミュスカデル3%

WA90pt、32000円
外観は濃いめのイエローで粘性は中庸
完全に偉大なワイン。シャルドネにも通じる様な素晴らしい熟成を経たボルドーブラン的な味わい。
熟成によって旨味が表出しクリームブリュレや熟した黄桃やリンゴの様な旨味が感じられる。ほのかに感じられる塩バター感がある。どこかブランデーの様なインパクトの強い香ばしさやアルコール感、カラメルトフィー。
カマンベールやドライハーブの香りがバランス良く芳香していく。濃密感があり、強いボディやアプリコットの様な旨味を内包している。
繊細で薄布の様な滑らかな質感。
酸よりもはるかに旨味の層が極めて厚く感じられる。旨味の奔流。カマンベールやカラメルトフィー、黄桃の様な含み香を持ちながら、しなやかなに余韻の旨味が広がっていく。


【所感】
さて、本日はボルドー白の熟成の2本です。
まずはパプクレマン ブランから。
クリームブリュレには発展していないものの、熟成らしい旨味と塩気が表出したボルドーブラン。バターの要素と果実味の要素が個別に感じられるので、完全にまだ溶け込んでいない状態。果実味はしっかりあるので今飲んでなかなかいいと思います。ただボディはかなりしなやかになっているので、すこし以降の熟成でヘタレないか心配です。
ガッチリMLFが効いているので、後味に苦味がありますが、作りとしてはコートドール的にも思えるかもしれません。ニューワールド的ではないですね。
親しみやすい作りです。ポテンシャルにやや不安ありといったところですが、極端に酸やボディがペラペラになってる訳ではないので美味しく飲めると思います。
価格的に言うと悪くないかと。

次に本命ラヴィルオーブリオン。
これは毎度90年代中頃のを飲むと思いますが、やっぱりものすごいワインだなぁと思います。
こう、専門誌の評価だと振るわないみたいですが、やっぱり熟成を経て諸々の要素が溶け込んだ白は感動しますね。
樽と果実味が溶け込んだクリームブリュレや熟した黄桃、酸化によるほのかな塩気と旨味、焦げ香がブランデーに発展した様な香りもあります。多少樽香が強めなのか樽の香りがしっかりと残っていて、かつ果実味もしっかりと残っていることから、かなりいい着地点になっている様に感じられますね。酸はしなやかで、あまり引っかかる感じはありません。
しかし収量が少なく古木が多いという事に起因してるかもしれませんが、ここまでちゃんと熟していて、かつ醸造的な要素が絡んでくると、いわゆるブルゴーニュ最高峰のシャルドネの遜色無いですね。値段はやっぱりいい値段しちゃいますが、価格なりの価値はある様な気がします。
今の所熟成において期待を裏切られた事の無いワインです。

そんな感じでボルドーの白でした。
正直どれもやはり完成度が高い。僕が最初に感動したボルドー白はドメーヌ ド シュヴァリエ ブランでしたけれども、それ以降に飲んだコスブランやタルボーブランなど、基本的に格付けシャトーが作る白はかなりグローバルを意識している様な印象を受けました。
品種ごとの微細な違いはあるものの、「よく熟して」「グローバルを意識した醸造をする」という部分で、かなり真に迫った作りをしていると思います。
その分地域やその土地の個性という意味ではあまり個性的ではありませんが、世界で戦うボルドーですし、赤が伝統的なら白は自由でええんじゃないかとも思います。
値段こそ高いですが、品質は流石といったとこですね。





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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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