【アルザス・ロワール:13】アルザスの熟成リースリングを利く

こんにちは、HKOです。
本日は温めまくっていたアルザスです。


【データ】
ヒューゲルは1639年にアルザス地方リクヴィール村に設立された、大手ワイナリー。現在は12代目にあたります。
アルザスの代名詞とも言えるワイナリーです。
ヒューゲルが保有する自社畑の殆どはグランクリュに分類され、契約農家からもブドウを購入しています。平均樹齢は35年。ヒューゲルのセラーは16世紀に中世リクヴィールの中心の地下にあり、100年以上の大きな木樽と共に、使用中の世界最古の樽である1715年産の有名なセント カトリーヌも所有。
今回のジュビリー リースリングとピノノワールは、1989年の創立350周年を記念して生産が始まったワイン。最良の年にのみ造られ、自社所有する最も古い畑のブドウのみ使用。
ジュビリー ピノノワールは1966年に植樹されたフロスティグ畑の斜面から作られるワイン。樹齢42年、収量は35 hl/ha
。ブルゴーニュクローンを使用。100%除梗。2週間漬け込み、約10ヶ月小樽で熟成、一部新樽を利用する。
ジュビリー リースリングは特級畑シュナンブールの中心部にある最良の区画より収穫されたブドウを使用。土壌は第四紀のシリカを含む砂利質層、中心部はコイパー、マール、ドロマイトとジプサム、そしてヴォージュ砂岩層とムッシェルカルク層。そして東端部はリアス式の泥石灰岩層から形成。樹齢は30年、収量は45 hl/ha。
重力によってプレスし、18℃から24℃で温度管理された樽や大樽で発酵。澱引きは一度だけ、低温での安定化は行なわず、冬の寒さで自然に清澄。翌年の春には、軽くろ過したワインを瓶詰めし、私たちのセラーにて市場へ出荷するまで瓶内熟成させます。


ドメーヌ アルベール マンは、17世紀にマン家とバルテルメ家が統合して設立されたワイナリー。現当主はモーリスとジャッキー・バルテルメ兄弟。品質へのこだわりから借金をしながらグランクリュの優れた畑を少しづつ買い足し、現在は総面積21ヘクタールを所有。アルザスでは比較的大規模ワイナリーとなりました。保有畑のグランクリュの割合が高く、シュロスベルグ、シュタインブルグラー、ペルシベルグ、フルシュテントゥム、ヘングストを所有。
ビオディナミを実践しテロワールと環境を尊重したワイン造りを行っています。木樽で発酵し、熟成はステンレス タンクで9ヶ月。年間生産量は7400本。平均収量は28.5hl/ha。


【テイスティングコメント】
生産者:アンリ エラール
銘柄: ゲヴェルツトラミネール レゼルヴ パルティキュリエール 2014
品種: ゲヴェルツトラミネール100%

外観はやや濃いめのイエローで粘性は高い。
ゲヴェルツの華やかな香りが前面に出たトロピカルでアロマティックなキュヴェ。
ライチとパッションフルーツの濃密で特徴的な果実味が主体的で時折アプリコットのような風味を感じさせる。存外ミネラル感はしっかりとあり火打石のような風味を感じさせる。クリーンな作りだが、ヨーグルトやフレッシュハーブ、蜂蜜のような風味が感じられる。ボディはしっかりとあり、球体的で粘性がある。
冷やして飲むとボディの厚さとフレッシュな果実味が際立ち非常に南国的な風合いを感じさせてくれる。


生産者: ヒューゲル
銘柄: ジュビリー ピノノワール 2008

外観は淡いルビー、粘性は低い。
熟成感はかなりでている様に見受けられるが、今ひとつ香りが迫ってこない落ち着いたピノノワール。
基本的には鉄や血液の香りが主体的で果実部分はあまり主張してこない。スミレなどの花の香り。
ほのかに感じられる果実味はレッドカラントなどのほのかな香り。そして青いハーブのニュアンス。枯葉や土、キノコ、比較的明瞭な獣香がある。
タンニンや酸はかなり落ち着いていて、もう少しでぴーくが過ぎそうなニュアンスを感じる。引っかかりはほとんどなく、過剰なシルキーさ。余韻にはスミレキャンディーやレッドカラントの様な余韻が残る。近々ピークアウトしそうな気配がある。


生産者: ヒューゲル
銘柄: ジュビリー リースリング 1985
品種: リースリング100%

外観はやや濃いめのイエローで粘性は中庸。
ペトロール香が落ち着き、バターや豊満なシロップに漬けたスポンジケーキの様な芳香がある。熟した洋梨な黄桃の果実味。イーストやヘーゼルナッツの様な芳香。
白カビの要素やほのかにシェリーの様な塩気を感じる芳香も混ざってくる。ドライハーブの様なニュアンス。
甘くふくよかな香りに塩気が混ざる絶妙なバランス。
酸味は柔らかく、旨味が非常に充実。
ほのかなペトロール香や温州みかんやスポンジケーキの豊満な風味が凝縮感とともに広がっていく。


生産者: アルベールマン
銘柄 フルシュテントゥム リースリング 1997
品種: リースリング100%

外観はやや濃いめのイエローで、粘性は高い。
リースリングらしいペトロール香を携えながら、しかしてその要素だけ浮くわけではなく、完全に果実味と結合している密度の高いリースリング。
火打石の様なミネラル感。
ペトロール香に随伴する黄桃、マンゴーのコンポートやハチミツの様な甘露な果実の香りが漂う。バターやフレッシュなグレープ、ドライハーブ。そして蜜蝋やリコリスなどの果実味が感じられる。ペトロールと蜜の様な香りが際立っている。
とろりとした強い粘性をアタックからも感じられ、アルコール感は控えめながらグリセリン感は突出。しなやかなペトロールと核種系果実のボリューム感のある余韻が感じられる。



【所感】
まずはアンリ エラール。
ゲヴェルツラミネールで外した事はそもそもあまりないんですが、これも例によってデイリーワインとして大変良いワインになっています。ちなみにこれはカルディで購入しました。ライチやパッションフルーツの様な南国果実の果実味を強く感じられるものです。ボディもしっかりとあり、典型的ながらも手の出しやすいワインだと思いました。

次はヒューゲルのジュビリー。
まずはリースリング。
素晴らしいリースリングだと思います。
アルザス リースリングの偉大なワインはミネラル感が堅牢ですが、ジュビリーは流石にいい感じに落ち着いています。
マロラクティック発酵起因のバターや熟したシロップ、黄桃などの果実味、白カビやシェリーの様な風合いも感じます。甘くふくよかな中に塩気を感じる作りです。
古酒ながら甘露さがあり、枯れていない。元がとても力強いワインであったのではないかと思います。
秀逸です。ほのかにペトロール香も品種特性も感じられるのがいいですね。素晴らしいと思います。
それに対しピノノワールは些か弱い体躯である印象を受けました。ヴィンテージは2008年と比較的若いながらもどこか弱く、香りが上がってこない。
熟成感もかなりあり、鉄や血液の香り、枯葉や土、キノコが主体的、ほのかに赤系の果実も感じられるが微弱。
なんとなく熟成前酸化的な気もしますが、あまり魅力のあるワインにはなっていませんね。近々ピークアウトしてしまいそうなアンバランスさを感じます。

次はアルベール マン。特級畑のフルシュテントゥムから作られるリースリング。
密度の高いリースリング。ミネラル感は充実、核種系コンポートや蜂蜜の様な甘露な果実の風味とペトロール香がよく馴染んでいる。とろりと粘性のある濃密な作りが20年近く熟成しても残っており、ボリューム感も豊か。秀逸なリースリングです。

しかしピノノワールはともかくとして、辛口にも関わらずリースリングの長期熟成は目を見張るものがありますね...
特にジュビリー リースリングは80年代にも関わらず、あの味わいは恐ろしい...
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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