【アメリカ:55】オレゴンとカリフォルニアの熟成ポテンシャルを図る

こんにちは、HKOです。
本日はオレゴンのピノノワール、そしてカリフォルニアのカベルネソーヴィニヨン、シャルドネです。

【データ】
ボーグル ファミリーは現在の当主の祖父にあたるウォーレンとクリスが1968年にサクラメント川沿いに設立した家族経営のワイナリー。現在事業拡大が進み600haもの畑を所有しています。現在は長男のウォーレン ボーグル氏が実質的な指揮を取っています。肥沃なデルタ地区で何十年にもわたるボーグルファミリーの葡萄栽培の伝統を守り続けています。
今回のシャルドネはクラークスバーグで栽培されたぶどうを使用し。50%ステンレス スチール タンク、50%樽で醗酵させ、一部マロラクティック醗酵させてシュール リーで熟成。廉価ながら手のかかった一本です。

ドメーヌ ドルーアンは現在オレゴン最高の生産者の一人といっても良いのではないでしょうか。
1988年にアメリカ オレゴン州のウィラメットバレーに、ジョゼフ ドルーアンが設立したワイナリーです。
ドルーアン ファミリーの長女ヴェロニクがワインメーカーを担当。ドメーヌ ドルーアン の自社ぶどう畑はウィラメットバレーのレッドヒル南側斜面に125ha保有。栽培面積は85ac。主要品種はピノノワールで一部シャルドネも生産されています。オレゴンにおいては最高密度の7700本/haの密植栽培を実施。
手摘みで収穫後、除梗し自然酵母にて発酵。
新樽を20%含むフランソワ フレール社のフレンチオークで、12―15ヶ月熟成。パンチダウンを毎日2回行い、自然なマロラクティック醗酵の後、ボトリング前に澱引きします。醸造はグラヴィティ フローに沿って作られた施設でぶどうに負担をかけない様に実施されます。

ケイマス ヴィンヤーズはワインメーカー兼オーナーのチャック ワグナーと、彼の両親、チャーリーとローナ ベル グロスが3人で1972年にナパヴァレーに設立したワイナリー。ナパ ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニョン、そして特別な年しか作られないバレルセレクションのスペシャル セレクションを造っています。老舗らしい時代に流されないクラシカルな作りで、非常に高い評価を受けています。スタンダードキュヴェのカベルネソーヴィニヨンはワインスペクテーターで90点を下回った事はないそうです。
スペシャルセレクションは生産量全体の20~30%程度のポジティブセレクション。オークノール、ヨーントヴィル、オークヴィル、ラザフォード、セントヘレナ、カリストガのヴァレーフロアが75%、アトラスピークとハウエルマウンテンのマウンテンサイドが25%。区画別に醸造。11月から12月に試飲し良いと判断したものをボトリングする。


【テイスティングコメント】
生産者: ボーグルヴィンヤーズ
銘柄: シャルドネ 2014
品種: シャルドネ 100%

1800円
外観は透明に近いイエローで粘性は中庸。
少し嬉しくなってしまうような典型的なカリフォルニアのシャルドネ。デイリーレベルのものだが、極めてキャッチーで美味しい。
パイナップルやパッションフルーツを思わせる爽やかで濃密な果実味と共にコンポートの様なシロップの甘さ、バターの様な香りを感じさせる。
ほのかにノワゼットの様な香りもあるが、極僅か。
基本的には果実の香りとマロラクティック発酵のニュアンスが主体的。
存外にしっかりとした石のようなミネラル感があり、フレッシュハーブやリコリスが付帯する。
酸味はしっかりとあるが、アルコール度数に起因する粘性が感じられ、とろりとした質感。パインのような果実の風味と苦味、滑らかな旨味を感じさせる。美味しい。


生産者: ドメーヌ ドルーアン
銘柄: オレゴン ピノノワール 1994
品種: ピノノワール100%

WA87pt
外観はオレンジを帯びたルビー、粘性は中庸。
濡れた木や腐葉土、キノコの様な熟成感。牛脂やなめし皮。円熟したブラックベリー、ダークチェリーのジャムの香り、イチジクの様な香り。八角の様なスパイシーさがある。また鉄釘や血の香り、ベーコンなどの風味、MLF的なミルクなど。複雑な味わいで旨味が物凄く感じられる。
酸は落ち着きタンニンも軟化している。
旨味が非常に前面に出ており、梅芝の様な味わい。
じんわりとしたピノの味わい。ジャムにしたブラックベリーの余韻。素晴らしい。


生産者: ケイマス ヴィンヤード
銘柄: スペシャルセレクション カベルネソーヴィニヨン 1998
品種: カベルネソーヴィニヨン100%

34000円、WA96pt(2001)
外観は非常に濃いガーネットで粘性は高い。
かなり若い体躯のワインで、新世界的な果実の充実感と共に爽やかなミントの様な香りが感じられる。
ブラックベリーやプラムのジャムを想起させる濃密な果実味と共に糖蜜やブリオッシュの様な甘やかさ、比較的爽やかなミントやハーブの様な香りを強めに感じさせる。炭焼きや焦げたゴム、ほのかにピーマンや薔薇のドライフラワー、エナメルリムーバー。
燻製肉の様な香ばしい香りとマホガニー、リコリスなどの要素が感じられる。
熟成の要素はあるものの、若い。非常に若い。
酸もタンニンも落ち着いていて、タンニンも非常に甘い。
ピーマン、薔薇のドライフラワー、ブラックベリーのジャムの様な余韻が残る。


【所感】
まずはお買い得の一本、ボーグルヴィンヤード。
僕のボーグルヴィンヤードとの出会いはジャンジョルジュ トーキョーのグラスワインでファントム(ジンファンデルとプティシラーのブレンド)を飲んだ時で、まあこれはさぞかしお高いんだろうなぁ、よく出来てるなぁ、と思ったんだけど、蓋を開けてみれば4000円程度でしたと。
そんな感じで、かなり気になるワイナリーになってたんですが、じゃあ白はどうなんだろうと、買ってみたのがこのシャルドネ。なんと1800円。大丈夫かよ。
流石に高級とは言えないまでも、物凄く良く出来たカリフォルニア的なシャルドネ。爽やかな酸を帯びた果実味、そしてマロラクティック発酵の滑らかでバター的な要素が、シロップの様な甘露な要素と結合しています。ミネラル感も意外とあり、しっかりとした作りです。
粘性がありトロリとしていて、グリセリン感もあります。
果実味は確かに粗野ですが約2000円は安い。倍でもまあ納得します。いいワインです。

次は変わってオレゴンの熟成ドメーヌ ドルーアン。
なかなかレアな一本です。
熟成香が主体的でありながら出汁感は希薄で、ジャムの様な果実味と牛脂の様な風味がかなり前面に感じられます。
若いヴィンテージではさぞかし凝縮した果実味があったのだろうと容易に推測できます。果皮の要素もまだ残っていて華やかさも残っています。熟成ジャミーです。
ただ樽はブルゴーニュと同じものを使っているからか腐葉土やキノコ、濡れた木の様なニュアンスはとてもブルゴーニュ的だと思います。
そういう意味で言うと、新境地というか、醸造的なものはブルゴーニュなんだけど、凝縮した果実味はオレゴンというかアメリカ的。アンビバレンツで面白いです。
なかなかオレゴンの熟成ピノは飲む機会が少ないのですが、これはかなりいいですね。
最高のピノっぽい透明感のあるエキス感のあるワインではありません。

最後はケイマスのスペシャルセレクション。
以前だいぶ昔にピノを飲みましたが、そん時はあまりパッとしませんでした。じゃあ得意のカベルネはどうだこの野郎といった感じでチャレンジ。
いやー、若いですね。ピッチピチです。
流石にこんなもんじゃ熟成香が強くなったりしないかー。
黒系果実の糖蜜を思わせるジャミーさとブリオッシュの甘露さが主軸となり、そこにほのかにミントやハーブなどのアロマが絡んできます。スパイスなどの要素もありますが、基本的に熟成を感じさせるのは生肉の要素とジャムの様な果実味くらいでしょうか。ただ香りの甘みとMLFがビシバシ来るので、基本的にはあまり目立ちません。
酸とタンニンこそこなれてますが、タンニンの甘さは若々しいし、なんというか、若い状態。
まだ熟成の溝にまで至っていない。若く美味しく飲めるタイミングといったところでしょうか。
相当熟成ポテンシャルあると思います。

どれも非常に好みのワインでした。






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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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