【ドイツ:8】エゴン ミュラー 2014 シャルツホーフベルガー水平



こんにちは、HKOです。
本日はエゴン ミュラーのシャルツホーフベルガーの水平です。
エゴンミュラーはドイツ最高峰の生産者でありますが、幸運にもアウスレーゼまでではありますが、水平する機会に恵まれました。
特にアウスレーゼはゴールドカプセル程ではないにせよ、手に入りにくい一品で大変楽しみにしておりました。


【データ】
エゴン ミュラーはオルツタイルラーゲであるシャルツホーフベルガーの最大所有者であり、モーゼル最上の生産者。
現当主のエゴン4世は、ガイゼンハイムワイン醸造大学で学んだあと、 フランス、アメリカで醸造技術を学び、2001年より自らワイン畑に立ち、指揮を取っています。
虎の子のシャルツホーフベルガーは標高170-320mに位置する気温が低いスレート質土壌が非常に強い土壌を保有。植わっているリースリングの樹齢は100年以上。
収穫は手摘みで1haあたり6000l以下です。発酵はステンレスタンクか大樽で天然酵母を使い発酵。
保有畑はシャルツホーフベルガー以外ではヴィルティンゲンやザールブルク、オックフェンなど複数の畑を所有。
今回はシャルツホーフベルガーの水平で、通常の収穫期に収穫された完熟ぶどうを使用したカビネット、最低1週間以上レイトハーベストされたぶどうを使用、オーク古樽で発酵、熟成したシュペトレーゼ。最後はゴールドカプセルの選定から外れてしまった貴腐葡萄を使用したアウスレーゼの3種類。この上にアイスヴァイン、アウスレーゼ ゴールドカプセル、トロッケンベーレンアウスレーゼがあります。
トロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)はまさに恐ろしい金額で...なんというか飲む機会あんのかな...という感じです。


【テイスティングコメント】
生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング カビネット 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性は中庸。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は9%。
豊かなミネラル感。
樹脂の様なペトロール、クリアかつピュアなライチやマスカット、洋梨の果実感を感じられる香りで、樽のニュアンスは希薄に感じられる。この中では香りは控えめ。
徐々にペトロール香が発展、クレソンの様な香りが伴い始める。糖度が低いのもあるかもしれないが、香りの甘みも控えめ。白い花やフレッシュハーブ、イーストの様な要素が現れる。
大変心地よい酸、旨味、甘みのバランスで旨味と甘味にほのかな酸が余韻を残す。ダシ粉の様な強い旨味成分とほのかな甘みがあり、フレッシュなマスカット、花やネクタリンの様な余韻がある。


生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング シュペトレーゼ 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性はやや強い。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は8.5%。ヴァンダンジュ タルティヴ。
石の様なミネラル感。
香りに凝縮感や集中度が見え始め、香りの輪郭や強さが鮮明になっている。クリアなライチやマスカット、洋梨の果実味を中心としながら、ハチミツの様な風味を伴う。ペトロール香はより控えめに感じられる。
重さを感じるアウスレーゼと比べると軽やかで、香りも開放的な雰囲気がある。クコの実、白い花、フレッシュハーブの様なニュアンス。徐々に白桃のニュアンスに発展。
糖度は確かに上がっているものの、酸はよりシャープになり旨味も増している。カビネットのバランス感にも驚かされるが、シュペトレーゼも同様に非常にバランスが良い。
パイナップルやシトラスを思わせる清涼感のある余韻と白桃を思わせる甘さ、ダシ粉の旨味が一体化してふくよかに広がっていく。


生産者: エゴン ミュラー
銘柄: シャルツホーフベルガー リースリング アウスレーゼ 2014

外観は淡い緑がかったストローイエローで粘性は中庸。僅かに発泡を感じる。アルコール度数は8%。グランノーブル。
シュペトレーゼをより発展させたもので、主軸の要素は同じくそう変わらないが、香りの密度はより高く、輪郭はより鮮明になっている。
ライチやマスカット、洋梨の香りに糖蜜やハチミツなどの甘い香りと大根の様な複雑味が伴う。ペトロール香はシュペトレーゼ同等に控えめ。ジャスミンの花の様な香りもある。
他にもクレソンや蜜蝋やヨード香が感じられる。フレッシュな果実味は黄桃のコンポートに発展。甘味にピュアさと洗練さが同居する。
複雑であると共に液体の重量感が極めて重い。
シュペトレーゼより更に糖度が上がる。多少甘味に寄りながらも充実した酸と旨味があり、こちらも非常に良いバランス感覚。舌触りは滑らかなのに後を追う旨味と甘味、更にややシャープな酸が余韻を引き締める。


【所感】
目下の最新ヴィンテージです。
まず外観。カビネットからアウスレーゼまで並べるとこれまた綺麗に気泡の違いが明確です。カビネットは気泡が多く、対してアウスレーゼはほぼありません。2016年にリリースされるヴィンテージが2014年と比較的早く蔵出しされている事がわかります。
糖度を残したアウスレーゼ(8%)は気泡が少なく、アルコール度数がシュペトレーゼ(8.5%)やアウスレーゼ(8%)より若干高いカビネット(9%)は気泡が結構目立ちます。
貴腐のアウスレーゼや遅摘みのシュペトレーゼより低い糖度にもかかわらず、アルコール度数が高い事を考慮すると、糖→アルコールの発酵が先述の2本より進み、発泡しているのではないかと推測してます。
目で見えるはっきりした違いですね。
共通点としてはいずれも(いわゆる辛口リースリングで目立つ)ペトロール香はかなり控えめで、樽をあまり感じさせない、クリアかつピュアな果実味が前面に出ています。
マロラクティック発酵も多分してないと思います。
緊張感のあるミネラル感も同じく存在していて、基本的には果実そのものの味わいを非常に強く感じられるものとなっています。
それぞれの違いも非常にわかりやすかったです。
まず粘性。これはいずれも通常の辛口スティルワインと比較すると高いと思いますが、カビネット、シュペトレーゼ、アウスレーゼと順を追って粘性が高くなっています。当然ながら糖度も同じ様に推移していっている為、舌に残る甘さも順当に高くなっていきます。
ただここがかなり良いポイントだと思うのですが、ものすごくしっかりと酸がある。甘さが向上するとともに酸も強まっていき、液体としてベタついた、重苦しい甘さを感じる事はありません。シャープな酸によって清涼感すら感じます。各々の糖度に合わせて、酸で骨格のバランスを取っている印象を非常に強く受けました。
とにかく液体のバランスがどれも素晴らしい。
特にアウスレーゼの蕩けるような甘さと引き締めるシャープな酸と旨味は高次元で絶妙なバランスを取っていて、素晴らしいと感じました。匠の技ですね。
香りとしては先述のようにどれもペトロール香は希薄ですが、やはりカビネットが一番強く表出していたと思います。対してアウスレーゼやシュペトレーゼはかなりその点控えめに感じられます。
フォキシーとまではいきませんが、かなり生のブドウに近い形の香りがあり、ライチのようなオリエンタルな雰囲気と、マスカットを思わせるフレッシュさが同居しています。アウスレーゼに至るとコンポートのような蜜の香りが豊かに感じられますね。フレッシュさはやはりグレードが上がると多少は落ちていき、その分複雑さや(香りの)甘露さが上がっていっています。
香りのテクスチャーや解像度は明らかにカビネットからアウスレーゼにかけてはっきりとしていきます。
グレードの高いアウスレーゼなどは輪郭がはっきりしていて、各々の要素を明確に感じられるようになります。様々な要素がわかりやすく際立っている状態というか、そんな感じです。香りも非常に強く、カビネットで少しぼんやりと感じられた部分は、アウスレーゼに至っては霧が晴れたようにハッキリと明確になっています。大変要素が掴みやすい。
よって、ただ糖度が高いだけではなく、高いなりに酸やミネラルがバランスをとり、香りの鮮明さ、強さにおいても下級のカビネットと比較すると明らかにハッキリと強く表れています。まさに上位互換といった感じ。
糖度の違いだけではなく、内包する要素も異なり、いわゆる糖度だけが軸の格付けワインとは一線を画している印象。アウスレーゼはアウスレーゼなりの複雑さや風格が間違いなくあります。
なお、殆どシュペトレーゼには言及していませんが、全てに置いてカビネットとアウスレーゼの中間に位置する形となっており、どちらかというとアウスレーゼに近く、価格的にもお買い得だと思います。
これを見ると貴腐化したものは少し黄桃の香りが強いように感じました。
この手の水平は殆どないので、大変勉強になりますね。
参考になりました。






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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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