Le Mange Tout(ル マンジュ トゥー:市ヶ谷)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。

こんにちは、HKOです。
本日は市ヶ谷のル マンジュ トゥーに行ってまいりました。



市ヶ谷からかなり離れた場所にあり、徒歩10~15分程度歩いた住宅街の中にあります。しかも市ヶ谷から見ると上り坂になってるんですよね。
食べる前に運動をせよということでしょうか。

ル マンジュ トゥーは名シェフ谷昇氏のレストラン。
フランスのクロコディルやシリンダーで修行し、シザーブルでシェフを務めた後、1994年にルマンジュトゥーをオープン。ミシュランガイド東京版 2016では*2を獲得しています。



Luna Seaフォント。



キラキラと輝く華やかなウェルカムプレート。素敵です。



まずはピルスナーウルケルで喉を潤します。
ピルスナータイプとしては、かなりエールに近い、コクのある香りと味わいです。エールとしては軽いですが。

さて、そんな感じで。


■アミューズ「30種類の野菜のカプチーノ パンデピスとパルメザンのサブレ」(★★★)

香味野菜とキノコの香りが際立つ非常に濃厚なスープです。液体としてはサラサラとしてますが、液体の奥行きというか濃密度がすごい。非常に強い旨味。塩気の裏にある野菜の甘みが際立ってるような気がする。ここまでくると動物性(牛)の要素も感じてしまいます。
ものすごく味わい深い。
パンデピスとパルメザンのサブレは、シナモンや八角形でのようなスパイシーな香りがあり、噛みしめるとパルメザンの塩気、旨味がガツンとくる。野菜のカプチーノとも非常に良く合います。

複数の野菜が絡み合ったとても複雑な風味。
大変素晴らしい。


■パン「カルピスバター ライ麦のパン」


乳成分の強い無塩バター。
ボルディエよりクセはなく、よりクリームというより生乳っぽい。滑らかなタッチ、パンが進む。


■アントレ「函館産時鮭のスモーク セルバチコ ルッコラのサラダ 香草のソース 唐辛子のペースト」(★★★)


桜チップでスモークした函館産の時鮭に香草のソース、唐辛子のペーストを好みで!
一見シンプルなスモークサーモンにも見えるが、スモークの香ばしい香りと抹茶を思わせる青さを纏った香草のソース、そして辛味が控えめで甘みを感じる唐辛子ペーストが複雑さを助長する。
サーモンはプリッとしていながら、口の中でねっとりと溶ける。塩気や脂は適切。サラダはフレッシュでルッコラの苦味が際立つ。


次はサラダ的な立ち位置の一皿。


■アントレ「アスページュ ソバージュ フロマージュブランのクリームソース」(★★★)


3週間しか旬のないというアスパラガス ソバージュを繊細にソテーした一皿。ソースはフロマージュを使ったクリームソース。
今最も食感が豊かな時期らしく、シャキシャキとしたフレッシュな食感。ネバっとした粘り気があり、とろろのような少し刺すような舌触り。その分ソースがよく絡む。フロマージュブランのソースはクリームソースのまろやかさ、そしてチーズの旨味、酸味がしっかりと感じられる。
特に包含する酸味が香ばしいソテーの風味と良く絡み合う。


次はスープなのですが、子羊をふんだんに使った具沢山スープとの事で、赤ワインを薦められました。
なるほど...


生産者: フランソワ ゲ
銘柄: サヴィニー レ ボーヌ 2008

外観はルビーで粘性は中庸。
程よく熟成したピノノワール。
少し野性味があり、梅のような風味が少し現れてきている。わずかにバニラやチョコのような風合いも見えてくる。そこにブラックベリーやダークチェリーを思わせる果実味があるが、酸味を感じさせるものというより、程よいジャムを思わせるような風合い。そこに梅やアセロラを思わせる旨味がよく出たブルゴーニュ。


■スープ「子羊のブイヨンスープ」(★★★★+)


谷昇氏のスペシャリテ。
凝縮した羊のエキスと旨味に溢れたブイヨンスープの中に、ゴロゴロとした角切りのバラ肉、椎茸、玉ねぎ?、胡麻、松の実、クコの実が沈んでいる。
非常に香り高く、中華料理の様な妖艶さを見せるスープ。
桑の実や胡麻の香ばしさ、甘くスパイシーな五香粉、ブイヨンの強烈な肉の旨味を思わせる風味が香りとして強烈に現れている。
スープの味も香りも絶妙だが、具も秀逸。
エキス分はスープに溶け出てますが、まだまだジューシーなバラ肉、さながらアーモンドの様な香ばしさと食感がある松の実、甘さを帯びたクコの実。これらがスパイシーでダシのきいたスープに調和し、食感と複雑さを強く与えている。五香粉の甘い香りもクコの実などをキーにしてよく合っている。


官能的なスープでした。子羊のブイヨンスープというシンプルな名前に似合わない複雑な香り。
ここで十分に満足してましたが、次の甘鯛がまた度肝を抜かれる一品でした。


■ポワソン「甘鯛のポワレ エシャロット 生ハム トマトのソース」(★★★★★)


物凄いポワソンが出てきてしまった。
うろこ焼きの技法を使った甘鯛に、イタリアンを思わせる生ハムやトマト、エシャロットを使ったソースを添えている。
しかし、こんなに美しいうろこ焼きはあまり見た事がない。軽やかで桜のように繊細で華やかな逆立ち方。それに身の火入れが本当に完璧。しっとりさとふわっとさを両立した食感。緻密なプチプチとした繊細な鱗の食感。
これは素晴らしい。
油とトマトの旨味が爆発。とろけるような舌触りと裏腹に強烈なトマトと生ハムの旨味が爆発。ピザ的な旨味の抄出。鯛の淡白ながら強い風味のエキス。エキス溢れる鯛、鱗のパリパリした食感、そこに乗ってくる強烈なトマトの風味が調和。ほのかにトマトの甘みを残していく。素晴らしいポワソンだった。


最後はヴィアンド。 仔牛のローストです。


■ヴィアンド「ブルターニュ産乳飲み子牛ロースのロースト ワイルドライス トリュフ ミルクのソース」(★★★★+)


ものすごいボリューム感。そして火入れも完璧。
乳飲み仔牛ロースをしっとりとした質感を残しながらロースト、甘みのあるジューシーな肉汁を完全に閉じ込めている。またその甘みや乳飲み仔牛の乳臭さにミルクのソースが本当に良く合う。
ミルクのソースはいわゆるブールブランみたいなバター的なソースというより、ほぼ生乳(ホットミルク)を思わせるもの。
プレーンで旨味は希薄だが、極めて淡い繊細な味わい。
付け合せも秀逸でプチプチしたワイルドライスはソースに絡めると、しっとりとしたミルクリゾットに。トリュフの香りが香るアンディーブも皿全体の複雑さを与えるのに一役買っている。


本当に絶妙の美しい火入れだな...


なかなかお腹いっぱいになったところでデザートとフェーズに。デザートはプレデセールとグランデセールの2皿構成。


■デセール「メロンソーダ ミルクのシャーベット」

まさかのメロンソーダ。
もちろんただのメロンソーダではない。
メロンソーダに球体のメロンの果肉が2つ、メロンのシャーベットが1つ、ミルクのシャーベットが1つ沈んでいる。
生のメロンとメロンのシャーベットの食感のコントラストと温度差を楽しむ。徐々に溶け出すミルクのシャーベットはさながらアイスクリームで、上質のまろやかさをメロンに与えている。
メロンソーダ自体もリアルなメロンの風味が強い。
瑞々しいメロンの甘みと青さ、弾けるような発泡の清涼感を残した大人の豪勢なメロンソーダ。


■デセール「抹茶のケーキ フランボワーズのシャーベット」


グランデセールは煎茶がよく合いそうな抹茶のケーキ。
最上部には抹茶のムース、順に小豆入りのショコラ 道明寺粉 フランボワーズの薄いゼリーが折り重なる。脇にはフランボワーズのシャーベットを添えている。
完全に和菓子の色合いが濃い...がその中にショコラの濃密な甘さや香ばしさ、タイトな酸味のフランボワーズの洋の要素が混じり、溶け合う。
抹茶の苦みや青い風味、小豆の風味。はっきりとしたチョコレートの余韻。濃いデセールだが、フランボワーズのアイスの酸味や風味が引き締めてくれる。


■ミニャルディーズ「ガレット ブルトンヌ」
ブルターニュ産のバターをふんだんに使ったガレット。
コーヒーによく合いました。


いや、素晴らしかったです。
どの皿も極めて完成度が高い。ハズレの皿は一切なし。
これ、なかなかないんですよね。
あと、谷昇シェフ。出自が出自なので、いわゆる古典的なフレンチを出してくると思ったのですが、そんな事はなく、どちらかというとモダンキュイジーヌに影響を受けた美しく軽やかな皿が多かったような気がします。
塩気や味はしっかりしているのですが、脂っぽいとかそういうのはなくて、野菜をしっかりと使った料理が多かったような気がします。
イノベーティブまでは行かず、しかしてトラディショナルではない...ロオジエ的というんでしょうか。
上質なモダンキュイジーヌだと思います。
マダムによると本領発揮はジビエの季節とのことで、次はぜひその時期に訪れてみたいと思います。


住所: 東京都新宿区納戸町22
店名: Le Mange Tout(ル マンジュ トゥー)
電話番号: 03-3268-5911
営業時間: 日曜定休
18:30~21:00(L.O)
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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