【ブルゴーニュ: 129】ムルソー2種テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はムルソー2種類のテイスティングです。


【データ】
モレ ブランはルフレーヴの元醸造長を15年務めたピエールモレ氏のドメーヌのネゴシアン部門。
元々はラフォンのメタイエの一人でしたが、当代ドミニクラフォンが全量自社栽培を行う方針に切り替えた事で、その後はルフレーヴの醸造に参画。以降は15年要職に就き、並行して自身のドメーヌも運用していました。
ドメーヌの栽培は100%ビオディナミによって行われており、ネゴシアンものもほぼ同等と言われています。
ピエスを使った発酵、熟成を行っており、新樽比率は村名25%、1級30%程度と控えめ。
ドメーヌのトップキュヴェはバタールモンラッシェですが、ネゴシアンものはモンラッシェ、コルトンシャルルマーニュもポートフォリオとして揃えている。

フィリップ ブシャールはアロースコルトンにある1923年設立のコルトン アンドレの子会社。ブルゴーニュに150ac、ローヌに100acもの畑を保有する大規模ネゴシアンです。半数以上が1級畑、特級畑で構成されており、今回のフィリップブシャールは自社畑のみを取り扱い、醸造から貯蔵まで全て自社で管理しています。
今回はオスピス ド ボーヌラベルのムルソー ジュヌヴリエールです。


【テイスティングコメント】
生産者: モレ ブラン
銘柄: ムルソー 1999

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
やや酸味と旨みを感じさせる果実味にバターの厚みのあるMLFの要素が混じる。
比較的ミネラル感が強めに感じられる。
鉄分や有塩バター、ドライハーブの要素が前面に出ている。ドライハーブとバター、そしてミネラルが結合していて、果実味はやや酸味の強いものが別離している。
花梨やグレープフルーツを思わせる果実味、杏仁豆腐の様な要素、カシューナッツの様なオイリーな要素が目立ってくる。
酸味は香り程強く無いがソリッド、含んだときに旨味、鉄分。余韻に花梨のほのかな甘露さを残していく。


生産者: オスピス ド ボーヌ(フィリップ ブシャール)
銘柄: ムルソー ジュヌヴリエール キュヴェ フィリップ ル ボン 2007

分厚い果実味に満ち満ちた甘露でボリューミーなムルソー。それでいてしっかりとしたミネラル感がある。
程よい熟成が生み出す樽と果実味の馴染み方。カスタードクリームやバニラの様なまろやかな香りと共に、洋梨や白桃のコンポート、そしてブリオッシュなどのイースティーな要素。裏にはしっかりとした旨味を包含するネクタリンやチーズ。そしてドライハーブを思わせる青っぽさ、そして酸化的なドライシェリーを思わせる香りがある。
甘草などの風味がある。
液体も厚みがあり、酸も程よく存在する。
口に含むと旨味を感じさせるオレンジやレモンを思わせる酸味とバターの厚みが余韻を残す。


【所感】
まずはモレブランから。
以前、ドメーヌボトルのピエールモレのムルソーを頂きましたが基本的な作りはあまり変わっていないような気がしています。
オイリーでミネラル感が漲っていて、酸がソリッド。
ルフレーヴ的なクリアさが見て取れるものでしたが、今回のは骨子は似た感じでありながら、若干の酒質の緩さを感じさせる様な印象があります。
熟成起因の部分も多分にあるとは思いますが、よりMLFの要素が顕著で、酸味が若干減退気味でした。
不思議な事に鉄分を思わせる要素があり、ドライハーブなどの清涼感、バターの様なオイリーさを兼ね備えながら、そことは乖離する形で酸味を思わせる果実味があります。
要素の結合はまだなされておらず、ムルソーとしてはソリッドで、ピュリニーやシャサーニュと比べるとオイリーで引き締まった印象に欠けるものとなっています。
悪い言い方をすれば凡庸なシャルドネ。極振りしていないだけに目立つ要素がなく、不思議な感じで熟成が進んでいる形ですね。
料理と共に楽しむのであれば申し分無いですが、ムルソーとしてはまあ、普通かな、というのが所感です。

それに比べるとフィリップブシャールのジュヌヴリエールはよくできています。一級畑というアドバンテージがありつつ、しっかりと熟した果実を適切に醸造している感じがする。
ボリューム感があって、リッチなムルソー。大手ネゴスらしい安定感のある造りです。ブシャール ペール エ フィスとはあまり関係ないみたいですが、たまたまなのか造りの方向性は似ていますね。
よく熟したコンポートの様な果実味に、骨格を形成するレベルの酸を残しながらMLFを行って、樽もギリギリまで効かせている感じ。この果実味と醸造的要素が上手い事結合...溶け込んでいて、カスタードクリームやバニラ、ブリオッシュを思わせる香りを表出させています。
2007年としては妙に溶け込んでいる気がしますが、熟成感は希薄なので、まあこんなものかと。
ちゃんと酸化的な旨みは出てますけどね。
今の切り口で見たときにはかなりクオリティの高いものだと思います。
ただこれから熟成が進み、様々な要素を持っていくにあたって、早めにピークが訪れる作りになっているが故に、リッチてボリューム感がありながら、熟成感のある出汁やブランデー、濡れた木の要素を内包する...と言った最高峰のムルソーに至る事が出来るかというと、ちょっと厳しいかな、と。
少なくともあと7年は必要ですし、このリッチさが7年も持ってくれるとは思えない...その頃にはシェリー的なムルソーになってるんじゃないか、とも。
まあ、たかだか7年程度でこの品質を楽しめるのであれば、万々歳ですかね。15年以上待たなくてはいけない堅いワインでない事は、それはそれで良いのではないかと思います。





関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR