【ピエモンテ:16】バローロ テイスティング(ガヤ、プルノット) Part.2

こんにちは、HKOです。
本日は先日に引き続きピエモンテ、バローロをレポートしていきます。

【データ】
プルノットは1923年にランゲワイン協同組合をアルフレッド・プルノット氏が買取り、自身の名前でワイナリーを設立しています。拠点はモンフォルテダルバ。1956年の引退以降は醸造家ペッペ コッラ氏に引き継がれ、更に1989年にアンティノリに引き継がれています。畑の概念を早くに導入した生産者でもあります。
アンティノリに引き継がれて以降は優良畑「ブッシア」をはじめ、バルバレスコにも畑を買い増し、自社畑を少しずつ増やしています。
醸造に関しても、1999年には老朽化したセラーを最新の温度管理機能を備えた施設に一新し、発酵用のタンクは、古いコンクリート製のものから、ステンレス製に変更。熟成用の樽はバリックを採用しながら、スロベニアンオークの大樽もより小さい5,000~7,500リットルサイズへ変更しています。

ガヤはピエモンテにおける最も偉大な生産者のうちの一人です。
ポートフォリオも膨大でバルバレスコやバローロ、そして各々の単一畑。国際品種を使用したダルマジ、買収した生産者のブルネッロなど。いずれも比類なきレベルの高さ。価格も比類なき高さ。
国際品種の導入、単一畑、バリック樽の使用などイタリアにおいて革命的なシステムを数多く取り入れています。
特に単一畑はバルバレスコやバローロの名前をあえて使用せずランゲに格下げして生産しています。
なので、ボトルにはバルバレスコやバローロの表記こそありませんが実態としてはバローロ、バルバレスコの偉大な畑から産出される卓抜したネッビオーロです。
収量制限がなされて収穫された葡萄は、果皮と共に3週間ステンレスタンクで発酵が行われます。 バリック樽で12ヶ月熟成、その後さらにオーク大樽で約20ヶ月間の熟成を行われます。
通常伝統的なネッビオーロは大樽を使用しますが、最近のモダンバローロよろしく(最近は少なくないですが)バリック小樽を使用しています。技術革新も受け止めて比較的モダンな作りと言えると思います。


【テイスティングコメント】
生産者: プルノット
銘柄: バローロ ブッシア 2008

12000円、WA92pt
外観はルビー、エッジは橙を帯びている。粘性は中庸。
ファーストノートはフォン ド ヴォライユやブイヨンの様な動物性の香り、やや塩気を感じるドライシェリーの様な要素が感じられる。燻製肉や腐葉土、そしてドライフラワーの様な華やかさ、エナメルリムーバーの要素が混じる。
ブルーベリーの様な果実味。ナツメグやローリエなどのスパイスやハーブ、濡れた木材の様なニュアンスが感じられる。
酸やタンニンはやや強めで、収斂性はかなり高い。香ばしいフォンやコンソメを思わせる塩気と旨味のバランスを感じさせる。その後薔薇のような華やかな余韻も。
料理と合わせたい。


生産者: ガヤ
銘柄: コンテイザ 1996

54000円、WA93-95pt
外観は濃いガーネットだが、エッジは橙を帯びている。
粘性は中庸。
ファーストノートは熟成香の割にはかなり厚みのある香り。腐葉土や濡れた土、枯葉の様な熟成香、梅しばの様な完全に熟成した様な香りと共に、ナツメグなどで煮込んだソースに近いジャミーな香りがある。クローヴやリコリスなどのスパイス香、ベーコンや燻製肉などの動物的な要素も強めに出ている。シシトウ、イーストの香り、徐々に焼いたゴムの様な焦げ香、黒オリーブの様な塩気もある。
液体としては比較的強めで、酸もタンニンも滑らかだが、ボディは強く、深い旨味が広がっていく。肉や燻製、ドライシェリー、強めのブラックベリーのジャムを思わせる余韻を残していく。
甘露さこそ控えめながら、素晴らしい熟成香を放つ。


【所感】
引き続きバローロです。
名手プルノット、そして大御所ガヤのコンテイザのファーストヴィンテージ1996。
まずはプルノットの銘醸畑ブッシア 2008。
さすがに少し熟成してきている...というか酸化的な側面が出てきていますね。ただ旨味の出方がフォン ド ヴォライユの様で、なかなか良いと思いました。塩気を感じるドライシェリーの様な要素も全体の中でバランスが取れている感じですね。
燻製や落ち葉の様な熟成香もあるのですが、まだまだ経年が足りないのか酸とタンニンはエッジを残しています。というか果実味が落ち始めた時期だからか、過剰に目立ってるってのもあるんでしょうが。
プルノットのワインは若い時分はMLFがかかって比較的飲みやすい(ただしタンニン、酸はキツイ)のですが、これは少し厳しいかも知れない。
ただ料理と共通する要素を多数持っているので、それらを用いながら楽しむのが良いのではないかと思います。

次はガヤのコンテイザ。
何やらバルバレスコ単一畑はランゲからまたバルバレスコに戻すらしいですが、バローロの方はどうなんですかね。
まあこっちはスペルスとコンテイザは畑の名前じゃないから、名乗るべき単一畑は無いし、このままランゲて残るんだろうと思いますが。
あるいはランゲではなく、「バローロ」のスペルスとコンテイザにするとかね。
さて肝心のファーストヴィンテージのコンテイザはというと...香りとしてはかなり熟成が進んでいる感じがしました。20年近くを経過した香りですね、腐葉土、枯葉、梅しばなどの澄んだ香り。ただその中で、まだまだ液体は力強く、いわゆるピークオーバーしたような土だけの香りという弱さとは無縁のものとなっています。(まあ当然すかね。)
タンニンや酸は幾分か柔らかくなっているもののボディは厚く、深い旨みが広がっていきます。
比較的熟成香がはっきり出ていて、ここから更に発展していくのではないかと思います。
ちなみにコンテイザはラ モッラ、スペルスはセッラルンガとから産出されています。なおラ モッラは砂質で柔らかい土壌、セッラルンガはラ モッラと比べると150mほど高い位置にあり粘土質で冷たい土壌のようです。
やはりラ モッラ産のコンテイザの方がボリューム感があり、リッチなのですが、崩れないボディの厚みがその証左なんでしょうね。そういう意味だと華やかなスペルスだともっと馴染んでるかもしれません。




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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