【ボルドー:37】偉大なるグランシャトー、ラフルールとラトゥール2002を利く

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーです。

【データ】
そんなポムロールで最も人気が高い(そして価格が高い)ワインは、ご存知シャトーペトリュス、シャトールパン、そしてシャトーラフルールでしょう。
特にペトリュスより格段に狭い4.5haから生み出されるシャトーラフルール(年間12000本!)は、時として品質はペトリュスを凌ぎ、また入手困難なワインとしても知られています。土壌は酸化鉄や石灰を含んだメルローに適した粘土質です。現在のオーナーはシルビー&ジャック・ギノドー。ジャックギノドーは醸造責任者も兼ねています。
ペトリュスに隣接した畑の面積は4.5ha、年間生産量は12000本、平均樹齢は30年、収量は38hl/haと抑えられています。作付割合はメルロー50%、カベルネフラン50%。コンクリートタンクで15日から21日間発酵、新樽比率50%で18ケ月から20ケ月熟成。樽内でMLFを行う。
セカンドワインはパンセ ド ラフルール。

シャトー ラトゥールはポイヤックに拠点を置くトーチカの様な塔が特徴的な第一級シャトー。ボルドーメドックでは最も「男性的」「頑強」「勇壮」と称される。現在はフランソワ ピノー氏が指揮を執る。ラトゥールはその品質を安定させる為に約60%がセカンドラベルに回される。1974年に至っては25%のみがグラン ヴァン ド シャトー ラトゥールとなる。また、その偉大なワインが産出がされる畑はメドックにおいて最も歴史が古い畑のうちの一つ。レオヴィルラスカーズに隣接する細かい砂利質で非常に水はけに良い土壌である。
栽培面積は65ha、平均樹齢は40年、収量は40hl/ha程度。
マセラシオンは21日間行なわれ、温度調節機能付きのステンレスタンクで30℃を維持したままアルコール発酵。
新樽を100%使用し20~26ケ月熟成を行なう。清澄は行なうが濾過は行なわない。


【テイスティングコメント】
生産者、銘柄: シャトー ラフルール 2002
品種: メルロー50%、カベルネフラン50%

WA89pt、60000円
外観は少し淡い外観のルビーで、粘性は中庸。
土や木々を思わせる繊細で落ち着いた質感のラフルール。
ポムロールとしては極めてグリニッシュな要素が際立つ。
生肉の様な旨味があり、枯葉や腐葉土を思わせる熟成香、そしてプラムやブルーベリーのジャムの様な香りが感じられる。
リコリスやローズマリー、ほのかに(フランに起因するものか)ピーマンの様な青さも感じさせる。ほのかに甘いく香りもある。水飴に近い甘露さ。炭焼き、ほのかに萎れた花の香りなどの要素が感じられる。
少し青さを感じるが、やはり複雑でたくさんの要素を液体の中に潜め渾然一体となっている。
タンニンは柔らかいながら、やや酸味が立ったアタックで、木材やリコリスなどの余韻を残していく。


生産者、銘柄:シャトー ラトゥール 2002
品種: カベルネソーヴィニヨン74%、メルロー25%、カベルネフラン、プティヴェルト1%

WA96pt、90000円
外観はエッジに淡さを残したガーネットで粘性は中程度。
華やかながら重厚で引き締まった体躯。各要素が未だ鮮明で、目が詰まっている。熟成感としては濃いめ。
元々の抽出に起因するものなのか薔薇やスミレのドライフラワーの香りが鮮明で、ジャミーなブラックベリーやカシス、腐葉土や熟成肉の様な香りが主体的に立ち上がっている。そこに有塩バターや炭焼きの様なロースト香が調和していく。蜜を思わせる甘い香りのバランスも良くドライフラワーの要素とバランスがとれている。ほのかに獣香も。
奥の方からリコリスなどのスパイス、ミントやユーカリに近い清涼感のあるアロマも香ってくるが、あくまで強い果実味と強い醸造が熟成したものという感じ。
舌触りはシルクの様に滑らかながら、タンニンも酸味もしっかりとあり、それを抜けた後に椎茸や熟成肉の様な旨味やミルクやジャムの様な余韻を残す。


【所感】
右岸、左岸の最高峰クラスの水平テイスティングです。
主体品種はラトゥールがカベルネソーヴィニヨン(75%)ですが、ラフルールは半々ですね。
収量、樹齢は同程度、新樽比率が100%とラトゥールの方が高く、樽内での熟成期間も6ヶ月程度高いです。
ヴィンテージは2002年。ポイヤック、ポムロール共に平凡なヴィンテージ、若干ポイヤックの方が出来が良いと言われています。
この事から、強いカベルネソーヴィニヨンを主体とし、そのポテンシャルに寄った醸造を行うラトゥール、しなやかなメルローを主体とし、新樽をかけすぎず仕上げるラフルール。前者が強靭で、後者が繊細に作ろうという意図がなんとなく察しがつきます。
では、実際にどうだろうかというと、やっぱり素直にヴィンテージの弱さを受けたのはラフルールという印象を受けます。2002年と少し熟成が進んでいるのもあり、熟成香が主体的になっているのですが、その奥に少しカベルネフラン起因のグリニッシュさが潜んでいます。果実味も残っていますが、前者の要素の方が目立ちます。少し置くと前に出ますが、それでもガンガン来るような感じではないですね。
ただ引いて見ると素直な作りというよりは複雑な要素が並存し立ち上がるタイプとなっていますので、これはこれでヴィンテージとしてはいい落とし所なんじゃないかな、と思います。
ステレオタイプな良し悪しで言うのであれば、きっと平凡なんでしょうけど、通好みに仕上がっているように見えます。

さてそんな中で、ラトゥールはどうだったかというと、これが非の打ち所がない素晴らしい出来でした...
オーブリオン1989の神が乗り移った様な出来ではないのですが、各要素のバランスがかなりいいと思います。
ラトゥールらしく引き締まった体躯で男性的。熟成によって渾然一体となっている訳ではなく、熟成香はありながらも、各々の要素が鮮明。薄さとは無縁の目の詰まった味わいになっています。
もともと抽出と樽香のロースト感が強いラトゥールですか、華やかさはドライフラワーとなり、炭焼きや腐葉土などの樽香、マロラクティック発酵のニュアンス、そこに繊細な蜜の要素が混じり合います。強靭でありながら果実味も徐々に目立ち始めてきており、絶妙なバランス感を見せています。故あってラフルールに物足りなさを感じてしまうのは道理。
より熟成させてよし、今飲んで良しの素晴らしいワインだと思います。

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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