【日本:14】サントリー 日本ワイン テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はサントリーのワインです。


【データ】
ご存知日本が誇る大手酒造メーカーであるサントリー。
サントリーにおける位置付けとしては下記の通りとなっています。
サントリー ジャパンプレミアム→表記地域の契約農家からサントリーが購入し、サントリーで醸造。(ネゴシアン的なラベル)
フラッグシッブは塩尻マスカットベリーA ミズナラ樽熟成、岩垂原メルロー、ラフィットとのコラボのデュオダミ。
登美の丘ワイナリー→元々は独立したワイナリー。1930年代に寿屋(現サントリー)が事業を継承。ワイナリー長はチーフワインメーカーも務めた渡辺 直樹氏。自社農園で栽培~醸造~瓶詰めまで一貫して行う。(ドメーヌ的な立ち位置)フラッグシッブは登美赤、登美白。

自社農園のものとしては2種類。ブロックD1,2と登美赤。登美の丘 シャルドネ D1,2は特別ブロックD1,2のシャルドネを使ったもの。D1,2ブロックは厳格なビオディナミを実践している区画で、マリアチューン調合液やプレパラシオンの使用などかなり本格的に試験されています。
新樽比率や熟成期間は不明。
そして登美赤は標高500~600mの自家ぶどう園産のカベルネ ソーヴィニヨン45%、メルロー35%、プティヴェルド20%を使用。フレンチオーク樽100%(新樽35%)で熟成。
そしてジャパンプレミアムとしては塩尻のマスカットベリーAで通常のものとミズナラ樽で熟成させたもの。
塩尻の畑は長野県中信エリアに位置する標高約650~750mの区画。標高が高いため日照時間が長く、盆地のため昼夜の寒暖差が大きく、しかも周りを山々に囲まれているため降雨量が少ない。火山灰に由来する腐食に富んだ肥沃な土地で水はけも良好とのこと。
塩尻マスカットベリーAは岩垂原と桔梗が原それぞれ50%で、こちらはオーク樽で熟成の様です。
対してミズナラ樽熟成は北海道産ミズナラ樽(53%新樽)で26ヶ月熟成しています。



【テイスティングコメント】
生産者: サントリー ジャパンプレミアム
銘柄: 塩尻 マスカット ベーリーA 2014

外観は赤みの強いルビーで粘性は低い。
非常にリッチな造りが成された糖度の高いガメイ...の様なフレッシュさがある。ニュージーランドのクリーンなピノノワールにも似ている。
フレッシュなストロベリーやブルーベリーなどの果実味を基軸に、煮詰めた砂糖を思わせる甘露さ(果実と絡まったコンポートではなく)、バニラやマロラクティック発酵を思わせるブリオッシュ、ミルクの様なまろやかさが感じられる。フレッシュでガメイ的なキャンディ香、華やかなスミレ、ローズヒップティー。
そして少し青さのある茎や葉、クローヴなどの香りが感じられる。土や木材を想起する香りはあまりなく、クリーンさが際立つ。
爽やかな酸で、刺さる様なきつさはなく、タンニンも柔らかい。華やかでフレッシュな果実の余韻を感じさせる。秀逸。


生産者: サントリー ジャパンプレミアム
塩尻 マスカットベーリーA ミズナラ樽熟成 2012

外観は濃いガーネットで粘性は中庸。
マスカットベリーA的な甘い香り、そして血液などの鉄分を感じさせる華やかさと共に共にボルドーのスタイルにも近いバニラや炭焼きの様な香ばしい香りが感じられる。
前面にMLFや樽香が出ており、その要素を甘いベリーAの風味が下支えして要素を作り上げている。
ココナッツやバニラ、ブリオッシュの要素の奥に丸みを帯びたグレープ(ナイアガラ的)やブルーベリーの果実味、鉄釘や鞣し革の要素が主軸となる。茎や若い葉、サフランやパストラミハムの様なスパイシーさを感じる。
タンニンは元より少ないが、酸はかなり柔らかくなっている。骨格は強くはないが、酸の柔らかさとタンニンの丸みのバランスが良く引っかかりなどはほとんど感じず、グレープ、鉄釘、バニラの余韻が残る。


生産者: サントリー登美の丘ワイナリー
銘柄: 登美の丘 シャルドネ ブロック D1,2 2014

外観は緑を帯びたストローイエローで粘性は中庸。
柔らかいミネラル感がある。
シトラス、レモンなどの柑橘系、洋梨の様な風味。
爽やかなラムネ系の香りが漂う。杏仁豆腐、滑らかなバターの様な風味が感じられる。フレッシュハーブ。
多少オイリーなニュアンスがある。
酸は柔らかく、ボディはしなやかでなめらか。バターやシトラスやレモンの様な余韻を感じられる。ライトで軽やかな味わい。


生産者: サントリー登美の丘ワイナリー
銘柄: 登美 赤 2011

外観はやや濃いめのガーネット、粘性はやや強めで、この中ではミエイケノ同様最も国際的な評価を前提にしたワインとなっている。
香りは端的に中凡なヴィンテージのシャトーラフィットロートシルトに近い。比較的強めの樽がかかっていて焼いたゴムの様な香り、そしてやや青みを感じさせるピーマンのニュアンスがある。そこにMLFのミルクポーション的な、カカオクリーム的なニュアンスが主軸として感じられる。
熟したブラックベリーやカシスを想起させる果実味、そしてパウンドケーキ、ピーマンなどの青いニュアンス、焼きを入れた炭焼き、チョコレートの樽の香りが主軸となる。
スミレなどの華やかな香り、毛皮、パストラミハム、リコリスなどの要素がある。
酸味はやや立っているが、タンニンの質感は滑らか。
程よくタンニンに甘みがあり、ブラックベリーやミルクポーションの様な果実味が感じられる。シルキーなタッチで、かなりラフィットに接近してきた。


【所感】
まずはジャパンプレミアムの方から。
今回はマスカットベリーAの通常のものと、ミズナラ樽を使用したもの。
基本的にはいずれもマスカットベリーAらしい色の濃さで、フレッシュかつ糖度の高い赤系果実の果実味、煮詰めた様な甘露さ、そしてしっかりとMLFが効いた滑らかさがあります。国際品種的な醸造というか、比較的果実そのものの個性があるから、醸造の巧みさが相対的に際立ちます。ボルドー的な醸造。少し青さがあるのも特徴的です。
基本的にはそんな感じですが、ミズナラ樽熟成の方はより樽香が焼いた感じのものになっている印象を受けます。
ブリオッシュの様な感じは共通してありますが、より香ばしさ、モカやココナッツの様な甘い香りが前に出ている様な気がします。
樽香はかなり前にでるので、もっと個性的になるかと思いましたが、これが変に風味が際立つというより良く全体の中でバランスが取れていて、より複雑さを感じました。
それとフレッシュな塩尻ベリーAよりミズナラ樽の方が酸がこなれている様な気がしますね。
かなりレベルは高くて、このレベルのベリーAは日本でもなかなかお目にかかる事は出来なさそうです。

次は日本を代表する生産者、登美の丘ワイナリー。
サントリー資本だけあって、スタンダードラインの登美の丘は比較的大きいスーパーでも良く見かけます。
じゃあその品質はどうなのかというと、やっぱり相当高いと思います(値段もやや高めですが!
今回はその登美の丘ワイナリーの中でも極めて実験的なキュヴェであるシャルドネ ブロックD1,2と最上の赤である登美赤。
ある意味ボルドーに近い技術的、工業的に作り込まれた最上級のプロプライエタリーレッドと、生産者としての実験的手法(厳格なビオディナミ)の結果としてのブロックD1,2が共存しているのが面白いですね。国際的に通用する赤を作りながら、実験的なものもリリースするのが、こう、いい(小並感
まずはシャルドネ ブロックD1,2。
正直ビオディナミの影響がどのへんに出ているのかは分からなかったのですが、かなり良くできたシャルドネです。
酸を感じさせる柑橘系の香りとラムネを想起させる甘い芳香を主軸としてほのかなMLFの要素、そしてハーブ感を感じさせます。
今回のワインに関しては柑橘のニュアンスがポイントだとは思いますが、さりとて樽とMLF、ミネラル感から言ってシャブリ的ではないし、コートドニュイ程熟度はないので、なかなかに近いワインが思い浮かばないですね。コトーシャンプノワは酸がもっとシャープですし、他の国は基本的にはここまで冷涼にならない。
ちゃんとキャッチーに作られておりながら、個性的です。
そういえばメゾンルロワのシャサーニュの1級がこんな感じだったような...とも思いましたが、あの生産者は畑とヴィンテージて全く味筋が違うので当てにならないですね!
多分気のせいだ!

最後は登美 赤。
2011年、かなり洗練されています。
前に2007年を飲んだ時は弾けるようなフレッシュな果実味を感じましたが、今回はデュオダミを経て少し変わったのか、ある種落ち着いた、極めて高級感のあるグランヴァン的な造りとなっています。
デュオダミはむしろマルゴー的な側面がありましたが、こちらは素直にラフィット的な印象を強く感じさせるものとなっています。ただ丸のそのままという訳ではなく、日本の気候が反映された、やや冷涼なものとなっています。
言うなれば平凡な年のラフィットに近しいものを感じます。樽とMLFと果実味のバランスが極めてボルドー的で、しっかりと熟した果実味があります。その中にグリニッシュな要素が混在し、毛皮やハムのような要素が感じられます。酸の要素は極めて日本的ではありますが、タッチはシルキーでかなり良く仕上がっていると思います。
これは流石の一言。日本ぽさを酸で残しながらグランヴァンの雰囲気を感じさせるのはいい感じですね。

やはり大手だけあって非常に良く作り込まれているという印象を受けます。日本のカルトワイン、ガレージワインは極端というかかなり個性的なものが多いので、今回みたいなグローバルで通用しそうなキュヴェは指針としては必要だと思います。
この方向で是非突き進んでいってもらいたいですね!







関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR