【日本:15】日本ワインの個性を感じさせる5本。ガレージワインから大規模生産者まで。


こんにちは、HKOです。
1回レストランを挟みましたが、日本ワイン最後は長野県の2つのワイナリー、山梨県の3つのワイナリーをお送りします。


【データ】
あまり情報が無かったので割愛。
ちなみに畑の所在は下記の通り。ご参考までに。
ヴォータノワイン...長野県塩尻市洗馬
井筒ワイン...長野県塩尻市桔梗ヶ原
五味ワイン...山梨県甲州市塩山
中央葡萄酒...山梨県甲州市勝沼
勝沼酒造...山梨県甲州市勝沼


【テイスティングコメント】
生産者: ヴォータノワイン
銘柄: 洗馬 K4 ケルナー 2014
品種: ケルナー100%

ガレージワイン。
外観は濁りのあるイエロー、粘性は高い。
ヨーグルトの様な独特な香り、やや酸味を感じさせる果実味のしっかりとした温州みかんや黄桃のコンポートの様な果実味がある。バニラや時折バタークリームのような香りも感じさせる。白い花の香りも。
かなり個性の強い味わいだが、ヨーグルトの風味がかなり個性的だと思う。
ボディはかなりしっかりとしていて、やや苦みが残る。
フルーツヨーグルトややや酸化的な出汁のような余韻を感じさせる。


生産者: 中央葡萄酒
銘柄: グレイス甲州 鳥居平畑 プライベートリザーブ 2015

品種: 甲州100%
小樽発酵、熟成。
外観はやや緑がかった透明色、粘性は中庸。
限りなく日本酒の吟醸香に近いニュアンス、そして甲州の酸味の豊かさ、マロラクティック発酵のニュアンスが感じられる。メロンやチーズ、バタークリームのような香りの奥に、シトラスやレモンを思わせる柑橘の果実味のニュアンスが隠れている。ピュアな柑橘の風味が特徴的。フレッシュハーブ、白胡椒のようなニュアンス。
反面酸は滑らかで、非常にバランスが良く、口当たりにまろやかさはないが、含み香がシャープ、鼻から上がる香りがまろやかで面白い。


生産者: 五味葡萄酒
銘柄: サンクルージュ プレミアムセレクション キュヴェ アカツキ 2015
品種: メルロ、カベルネソーヴィニヨン、ブラッククィーン、マスカットベリーA、ベリーアリカント

外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
いわゆるマスカットベリーA的な味わいで、生食用ぶどうに近い香りのワイン。
フォキシーなブドウの果肉の香り、グレープ味を思わせる果皮の香りと構成はシンプルだが、ややマロラクティック発酵がかかっていてバターの香りも伴っている。ほのかな黒糖っぽい甘い香りもなかなかキャッチーで良いと思う。
タンニンも酸も非常にフレッシュでピュア。果実の甘さも十分に感じられる。


生産者: 勝沼醸造
銘柄: アルガーノ モンテ 2015
品種: マスカットベーリーA100%

外観は澄んだルビーで粘性は中庸。
いわゆるマスカットベリーA的なもので、煌びやかなキャンディー香を有したもの。
より鮮明なストロベリーやクランベリーの様な果実味とスミレの様な果実味。ボジョレーヌーヴォーにも似ている。
酸は溌剌としており、タンニンは控えめ。透明感のあるキャッチーな果実味がある。


生産者: 井筒ワイン
銘柄: マスカット ベリーA 遅摘み 樽熟 2012

外観はやや濃いめのルビーで粘性は中程度。
ブリオッシュやフルーツケーキの様な樽香と果実の甘みが調和した香り、クローヴやリコリスなどの強いスパイスの香り、そこにスミレや溶剤、やや酸化気味の果皮の要素、なめし革の要素が感じられる。
そして、徐々にマスカットベリーAのフォキシーなニュアンスが奥から現れてくる。マスカテルフレーバー。白ワイン的なフォキシーさに華やかさと醸造起因の要素が乗っかった形。シロップの様な甘露さがはっきりとあり、この甘さもマスカット的な果肉の香り。
タンニンは穏やか。酸はやや立っているが、MLFによってかなり減酸されていてミルクを思わせるまろやかさと果皮のほのかな華やかさ、シロップの様なタンニンの甘さを感じる。


【所感】
まずはヴォータノワインのケルナー。
辛口でありながら、かなり重い酒質のケルナー。
かなり独特の風合いを持っており、最前面にはヨーグルトを思わせるMLFの要素を感じる。そこに温州みかんやバタークリームなどの要素が乗ってくる。
やや酸化的な味わい。かなり酸が落ち着いている。
この中では最も個性的なワイン。
次に相対的に日本ワインの個性と国際的なクオリティを持つ中央葡萄酒の甲州。
日本酒のテイストと共通点が多いワインで、メロンの様な香りやチーズやクリーム。そして甲州ならではのシトラスやレモンを思わせる酸味豊かな果実味とハーブの香りが感じられる。酸は滑らかでバランスが良く、非常にクオリティが高い。ワイン的な醸造要素、日本酒的なアロマ、魅力的な酸味を感じさせる1本です。

次に赤。マスカットベーリーAを主軸にしたワインです。
なんといってもベリーAの魅力はフレッシュでキャンディを思わせる華やかな果実味です。シンプル、若いと言ったらその通りなんですが、それがまたカジュアルで個人的には結構好きだったりします。
今回の印象としてはピュアなアルガーノモンテ、MLFを効かせたサンクルージュ、そして樽とMLFをボルドースタイルでかけた井筒、といった感じがします。
アルガーノモンテはマスカットベーリーAそのもの=ガメイを思わせるフレッシュさがあるワインで、スミレや赤系のベリーの香りがとりわけ華やかに感じられます。
サンクルージュは基本的な骨子はベリーAですが、バターや黒糖の香りが感じられ、酸もやや穏やかになっている様な気がします。
井筒の樽熟は全面にブリオッシュなどの樽とMLFが混じり合った香り、フルーツケーキを思わせる果実味と結合した香りを主軸として、その中にベリーA品種由来の香りがある感じでしょうか。
そう考えると、なんか不思議なもので、ベリーAの個性は必ずどのワインにも見られます。醸造がどうあれ、あのキャンディみたいな華やかな赤系果実の香りは変わらないんですね。かなり個性の強い品種だと思います。
そんなに多くない比率のセパージュでもやはり感じ取ることができるので、面白いと思います。
ただ品種のタイプからして国際的に高い評価を得られる様な風味の品種ではないのですが。ただ日本固有のスタイルとして残していって頂きたいものだと思いますね。









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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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