【ブルゴーニュ:130】ルシアン ル モワンヌ 2013 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日は久々のブルゴーニュ、リュシアン ル モワンヌです。個人的には結構好きな生産者で、著名畑を沢山購入しているってのも印象的です。


【データ】
リュシアン ル モワンヌは、1999年に立ち上げられた名だたる1級特級のみを瓶詰めする新進気鋭のネゴシアンです。
年間生産量は100樽以下。発酵後のワインを買い付けて瓶詰めするが、このネゴシアンの最も卓抜したところは、優れた生産者を見抜く力と、購入したバルクワインに適した樽を仕付けるセンス。
購入したワインは(当然バルクで買ったワインなので)徐梗されているもの、されていないものにバラツキがあるが、そのスタイルにあわせてシャサン社と連携を取りながら100%新樽で熟成、マロラクティック発酵を行っていく。
その評価はかなりのもので、もともとのワインの品質の良さと樽熟成の巧みさが非常に高く評価されています。
フラッグシップは白はモンラッシェ、赤はシャンベルタン クロ ド ベーズ。


【テイスティングコメント】
生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ ヴォークラン 2013

18000円
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
この中では少しタイプが異なり、野生的で力強く、蠱惑的なワインで外交的。
強めの獣香や抽出の血液や鉄を全面に感じる。そこに五香粉のオリエンタルな要素、ややドライなダークチェリーやブルーベリーの果実味。燻製肉の様な香が混じる。
塩気がやや感じられ、チーズ、ドライイチジクなどの要素、そして茎や空豆の様な少しグリニッシュな要素もある。時間を置くと獣香は落ち着き、藁や果実味が全面に出てくる。ドライさも甘露になり、シロップを思わせる形に落ち着く。クローヴなどのハーブも。
ややタンニンが優勢で、酸も強めに感じられる。
ボディはこの中では薄く、鉄や花やドライなダークチェリーの余韻を残す。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: クロ ド ラ ロッシュ グランクリュ 2013

32000円
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
この中ではやや青さを感じるピュアな果実味と華やかさがあり、外交的なワイン。
ミネラルが目立つ。鉄分や血液を思わせる華やかさとダージリン、ダークチェリーやブルーベリーのコンポートを思わせる果実味、グリニッシュな茎や草の要素と調和し一塊となる。バタートーストや麦の様なニュアンス、プーアル茶、生肉、そしてクローヴやジンジャーブレッドの様な香りが感じられる。この中では最も軽妙で凝縮感というよりは薄く伸びていく様な香りの広がり方をする。やや繊細にも感じられる。
ラトリシエールやクロヴージョと比べるとやや酸味が前に出ているが、バランスはけして悪くはない。血液やダージリン、ミルクポーション残す様な余韻を残す。タンニンは柔らかめ。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2013

38000円
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
この中では比較的堅牢で厚みのあるワイン。内向的だが、後から筋肉質で外交的な側面が見えてくる。
鉄を想起させるやや強めの果皮の香りと乾いた草を思わせるお香の要素がまず全面を占めるが、徐々に甘露なダークチェリーのリキュール、ブランデーやトーストのような香ばしい樽香が現れる。ヴォーヌロマネとの共通点をかなり感じる。更にブランデーやリキュールの様な香りが発展していく。果実味や樽が力強いのに血液の妖艶さがある。
アセロラ、炒ったアーモンド、なめし皮、ベーコンやクローヴなどの要素も。
こちらも酸とタンニンのバランスが良い。どちらが突出するわけではなく、柔らかい球体を形成。ラトリシエール同等の舌触りと余韻を残す。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: ラトリシエール シャンベルタン グランクリュ 2013

39000円
外観は赤みの強いルビーで粘性は中庸。
この中では最も華やかで優美、球体感を感じさせる丸さを感じさせる。極めて外交的なワイン。
華やかなスミレとともに現れる、烏龍茶の様な乾いた草の香り。それに伴ってストロベリーのジャムやダークチェリーの濃密な果実味。鉄分、ミルクポーションの様な丸さが調和する。徐々にコーヒーや炭焼きのニュアンスが現れ、燻製肉やシナモンやクローヴの様な要素も感じられる。
堅牢さは控えめで華やかさと果実味のバランスが取れている。
優しいアタックでタンニンと酸のバランスが絶妙。アルコール度数は高くないが、バランスによって球体感が生み出されている。旨みと酸味の調和。ミルクポーションとストロベリー。烏龍茶の様な余韻を残す。


生産者: ルシアン ル モワンヌ
銘柄: コルトン グランクリュ レ グランド ロリエール 2013

22000円
外観は淡いイエローで粘性は中庸。
MLFの影響を強く受けすぎていない、ピュアなシャルドネ。樽は比較的しっかりとかかっている。
石を砕いた様なミネラル感がはっきりとわかる。
洋梨やカリンのコンポートを思わせる甘露な果実味だが、MLFの影響はなく、よりピュアで透明感がある。
その中にナッツや僅かの塩気、アカシアの様な華やかさ。
そしてフレッシュハーブやリコリスなどの要素も。時折温州みかんの様な柑橘のニュアンスも現れる。
イーストやごく僅かにヨーグルトも感じられる。
酸は想定より強くはなく、比較的飲みやすく作られている。こちらにややMLFの影響はあるかもしれない。
洋梨やヨーグルトなどの余韻を残している。


【所感】
今回はヴォークラン、クロ ド ラ ロッシュ、クロ ヴージョ、ラトリシエール、コルトンです。
いやあ、凄いラインナップです。
全体的に見た時の共通点は、やはりバシッと醸造が決まっている点ですね。不自然にナチュラルだったりしないし、ピュアすぎたりしない。ネゴシアンだからかもしれませんが、やはり醸造か個性を出すところでもあると思うので、その分しっかりと主張をしてきている様な気がします。
さて今回の5本...1本は白ですから別途にするとして、赤4本はなかなか個性があります。
ヴォークランは NSGの中でも最も筋肉質で力強いというイメージがありますが、そこは野生的なアロマと血液を思わせる抽出に反映されています。その分タンニンの表出が強いのですが、どことなく他のグランクリュと比較するとボディに軽さを感じます。果実味もありますか、この中ではやや控えめと言った感じでしょうか。
クロ ド ラ ロッシュは丸みのあるコンポートを思わせるピュアな果実味と共に、グリニッシュな要素が主張しています。凝縮というより広く伸びて行く様なアロマ。
タンニンより酸を優先させたワインになっています。
クロ ヴージョはこの中では最も堅牢。それこそラトリシエールと比べても硬さが目立ちます。やはりヴォーヌロマネとの共通点が多く見られる香りですね。樽や果実味、華やかさがかなり突出しています。堅牢ですが、ラトリシエールと比べて遜色は全く無いクオリティだと思います。
ラトリシエールはこの中では最も凝縮感があり華やか、ジュヴレシャンベルタンとしては親しみやすい果実味があり、外交的です。華やかさと果実味のバランスがとても良くて、球体感もしっかりと感じられる様な気がします。
クロ ヴージョとラトリシエールが突出、クロ ド ラ ロッシュが追従して、ヴォークランは少し違った方向性の様なきがしています。
ただクオリティはどれも高いです。いいですね。
個人的に意外なのがラトリシエールの作りで、シャンベルタンと同じ等高線上にある割には冷たさというか堅牢さが控えめという印象を受けます。比較的高い樹齢なのだろうか...その割にはミネラル感などがやや控えめにも見えるが。どちらかというとクロ ド ラ ロッシュのテクスチャーがそれっぽいんですがね。凝縮度は足りていないんですが。他の畑は妥当だと思います。


最後はコルトン。コルトンの名前ですが、白ですね。
有名なリューディー、ロニェの下部に位置するコルトンで、一般的な評価としては然程高くはありません。
またどちらかといえば赤を産出するリューディーの様ですね。下部らしく果実味はボリューム感があり、その分酸や凝縮度はそう高くはないです。
ミネラル感はやはり強く、樽の影響も少なめで、透明感があるワイン。(酸化的?)塩気も少し感じます。
ワインとしての完成度は高いと思いますし、コルトンっぽいなあーとも思うのですが、他の生産者のあのマゾいコルトンと比べるとかなりキャッチーに作られている様な気がします。
以前頂いた事のある1級アベイ ド モルジョと比べると全然いいので、(値段はかなりお高めですが)手堅いと思います。










関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR