【カリフォルニア:56】カリフォルニアカルトワイン&注目の生産者 Part2

こんにちは、HKOです。
毎度ありがとうございます。
本日もカリフォルニアでございます。


【データ】
ケイネズワイナリーはアンダーソンヴァレーに拠点を置く新進気鋭の生産者。
ブルゴーニュ愛好家であるオーナーのピーター ケイネズは、証券業界を引退後、2007年にデムス ヴィンヤードとセリーズ ヴィンヤードを購入。栽培から醸造まで一貫して行っており、頻繁に畑に出てビオディナミによる栽培に深く関わりながら高品質のピノノワールを作り続けています。
これらの畑では海抜が高く冷涼なぶどうが作られ、アントヒル ファームズやリオコなどにも供給されている。
栽培はビオロジックからビオディナミに転換。白においては10月下旬に集荷したブドウを選果後、房ごと圧搾。自然酵母で発酵。フレンチオークのバリックで熟成。
赤においては自然酵母による全房発酵。重力を利用してプレス機から直接樽へとワインが移され、瓶詰めまで澱引きせず、SO2添加もほとんど行わない。
今回のデムス ヴィンヤードはフレンチオークのバリックで16ヶ月熟成。新樽比率は40%程度。
海抜約427-518mと非常に標高の高い斜面にある畑で、表土が厚い。樹齢は約30年。


ロスト&ファウンドはマスターソムリエのジェフ クルスとバルトロミー家によって、2010年にロシアンリヴァーヴァレーに設立された、新進気鋭のワイナリー。
バルトロミー ファミリー ヴィンヤードは元々ジンファンデルが植樹されていたが、ピノノワールに植え替えしています。ピノ ノワールのクローンは 113 、777 、Jackson 。113 は全房発酵。100%フレンチオーク(15%新樽)にて10ヶ月熟成。生産本数は200ケース。


タリー ヴィンヤーズは1948年からオリヴァー タリーがアロヨ グランデAVAで野菜の栽培を始めた事から歴史が始まります。90年代までは野菜農家としてのほうが有名で、ワイン造りを本格的にスタートしたのは1986年から。
サン・ルイス・オビスポ郡アロヨ・グランデAVAは、太平洋から直接ヴァレーに流入する冷たい海風、海岸からたちこめる霧が影響して冷涼な栽培環境を形成しています。
ブルゴーニュ系品種に適したセントラルコースト屈指の地域です。パソ ロブレスと比べてワイナリー数は1/4程度。
今回のローズマリーズ ヴィンヤードはリンコン ヴィンヤードから1マイルほど西のヒルサイドにある畑。砂岩層とローム層からなる乾いた土地質。樹齢は30年。
面積は現在28エーカー(シャルドネ11エーカー、ピノ17エーカー)。フレンチオーク小樽18ヶ月間熟成、新樽比率は30%。


【テイスティングコメント】
生産者: ケイネスワイナリー
銘柄: デムズ ヴィンヤード ピノノワール 2013

外観は淡いルビー、粘性は中庸。
カリフォルニア的な果実味の要素を持ちながら、ブルゴーニュを思わせる極めて繊細な体躯と質感を持っている。ソノマヴァレー的な側面が垣間見れる。アントヒルファームに近しい。
海藻や海苔の様な風合いと茎や枯葉の様なニュアンス、そしてフレッシュなクランベリーやストロベリーの様な果実味、鰹節の様な多少の酸化的な要素がバランス良く調和する。パウンドケーキや紅茶、抽出は淡く赤い花。
燻製肉や血液、そしてクローヴ、トーストの様なニュアンスが感じられる。
酸とタンニンのバランスが良く、旨味がしっかりとある。
青みが前に出ていて、そこに赤系ベリーの酸味と旨味、ミルクの要素が包含されていく。



生産者: ロスト アンド ファウンド
銘柄: ピノノワール 2012

外観はルビーで粘性は中庸。
果実味が非常に豊かでストロベリージャムのような甘露な味わいが感じられる。
非常に甘露なストロベリーやプルーンのジャムの様な充実した果実味(キャンディや香料の様な強烈な香り)、バニラやミルクポーションの様なまろやかさが調和している。
強烈な凝縮感がある。パウンドケーキ、バナナケーキの様なニュアンス。徐々にクローヴや茎などのニュアンスも出てくる。スミレの様な香りがあり、滑らか。徐々に茎の香りも感じられて、徐々に混じってくる。燻製肉やミルクやバター。クローヴやクミン、シナモンなど複雑さを感じられる。
酸味と旨味のバランスが絶妙で、タンニンも穏やか。
タンニンに甘みが感じられ、滑らかで、ミルクやキャンディの様なはっきりとした果実味の余韻がしばらく続く。



生産者: タリー ヴィンヤーズ
銘柄: ローズマリーズ ヴィンヤード ピノノワール 2013

WA95pt
外観はルビーで粘性は中庸。
果実味とマロラティック発酵のバランスが良く、果糖ヨーグルトや黒系の甘露な果実味が感じられる。
カリフォルニア的。
フレッシュなストロベリーやダークチェリーの様な果実味があり、蜜の様な繊細な甘露さがある。茎やリコリス、そしてすこしその中に炭焼きやカカオのニュアンスがある。そこにミルクやウォッシュチーズの様なまろやかさも並存。比較的抽出は強くスミレや薔薇のニュアンス、そして漢方、ベーコン。クローヴ、シナモンなど。
基本的には果実味と青みが調和した、熟したタイプながら抑制の効いたスタイル。
酸とタンニンはやや立ち気味でこちらも旨味が充実している。華やかな花、そしてなめし革の様な華やかなニュアンスとともにやや黒系チェリーの風味が感じられる。



【所感】
先日は白のレポートとしましたが、今回はピノノワールです。カリフォルニアのピノノワールの方向性は大体下記のような方向性に大別できるかなと思いました。
(1)果実味とMLF、樽の甘さを強調したいわゆるカリピノ
※オーベールやリバースマリーみたいなタイプ
(2)抽出と果実味の凝縮感を強調したドライピノノワール
※タンタラやピゾーニエステート、コブみたいなの。
(3)優しい抽出、全房発酵、冷涼感を出したIPOB系
※アントヒルファームスなど
(4)ブルゴーニュコピー
※キスラー、カレラなど。(でもたまに1に寄る事はある)

まあ特にキスラーなんかは年によってぶれるんですけど、まあこんな感じじゃないかと思います。うーん、そういう意味では意識をしていても(4)が100%ハマる生産者はいないかも。

今回はそんな中でもほとんどが(3)、あるいは(1)と(3)の間みたいなワインが大半を占めているような気がします。
まずど真ん中の(3)としてはケイネズワイナリー。
果実味の方向性こそソノマ的だと思いますが、全体を見渡すと非常に繊細かつナチュラルに仕上げられています。
ボディの質感としてはブルゴーニュ寄り。
アントヒルファームスやスクライブと同じスタイルを持つピノノワールだと思いました。
やや特殊なのはそういった瑞々しい果実味やグリニッシュさ、紅茶の要素がありながら、独特の磯っぽさ、かつお節のような出汁っぽさを放っている部分でしょうか。
エイジングによる酸化なのかわかりませんが、あまり今まで感じたことのなかった個性です。
基本的にロースト感やMLFは控えめに、瑞々しく仕上げられたワインになっていると思います。

次はロスト アンド ファウンド。
こちらもソノマ的で、近しいのはキスラー、あるいはオキシデンタルあたりかなと思いました。
いいワインですね、あそこまでのクオリティは無いですが、かなり良く出来ています。
しっかりとした凝縮感や香りの高さがあって、赤系の果実味と共にミルクポーションやパウンドケーキを思わせる甘露な香りがあります。華やかさも並存しており、ブルゴーニュとは趣を異にしながら、(1)と(4)が混じり合ったような質感のワインになっています。
残念ながら国内流通は少ないみたいなのですが、これはいいワインですね。カリフォルニアの陽と複雑さ、繊細さを併せ持ったピノノワールだと思います。好みです。

最後はタリーヴィンヤーズ。似たような名前のジンファンデルの生産者がいますが、それとは違うやつです。
タイプとしては(4)の風合いを持つ(1)。
醸造的要素を多分に感じさせながら高い熟度の果実味を持っています。そもそも果皮が薄いのか、抽出時間が短いのか、果実の方向性としては赤系に寄っています。
樽やMLFはかなりしっかりと掛かっているのですが、かつ青みも持っています。抑制の効いたスタイルでもあります。
ただ基本骨子はカリフォルニアのそれなので、キャッチーな魅力は十分にあります。こちらも良く出来たワインになっています。


やっぱりカリフォルニアのピノはいい...
ブルゴーニュも好きだけど、全く違った魅力があるのが面白いですね。









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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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