【南アフリカ:6】南アフリカ優良生産者の最上のキュヴェ Pt.1

こんにちは、HKOです。
本日は引き続き南アフリカのワインを集約していきます。


【データ】
グラハム ベックは1991年に設立したスパークリングの最大手メーカー。例年高い評価を得ています。
拠点を置くのはウェスタン ケープ。その中で最も濃密な石灰岩質土壌を持ち、赤い頁岩や砂岩質、シストの混ざった風化した花崗岩質土壌の上に肥沃な石灰質土壌が広がる土壌環境を持っています。ミクロクリマで恵まれた日照量があります。当主はマムやモエ エ シャンドン等シャンパーニュを代表する蔵を含め多くの蔵でヴィンテージを経験。今回はフラッグシップのキュヴェ クライヴ。
シャルドネ20%はシャンパーニュ樽にて醗酵、それ以外はステンレス タンク(MLF無し)を使用。熟成は最低60ヶ月。年間生産本数は4500本。赤い頁岩と砂岩質のカルー土壌の上に肥沃な石灰質土壌。平均収量は52hl/ha、樹齢は13.5年。
ケープ クラシフィケーション 2016では3級格付(去年は4級)

ハミルトン ラッセルは1975年に設立されたウォーカーベイ地区にあるヘメル エン アードに拠点を置く生産者。南アフリカの中でも、気候は冷涼で、非常に収量を抑えて生産しています。
22haのピノノワール、30haのシャルドネを生産。
ワイナリーは大西洋の海岸から3キロという近さにあり、大西洋を渡ってくる冷たい風の影響で南アでもっとも涼しい環境の畑となっています。フレンチオーク新樽比率56%で9ヶ月熟成。
ケープ クラシフィケーション 2016では2級格付(去年も2級)

アルヘイト ヴィンヤードは2010年に設立された新進気鋭のワイナリー、ファーストヴィンテージは2011年。
畑は一切持たず、契約栽培家からの葡萄で醸造を行っています。
主力は樹齢30~80年のシュナンブラン ベースのカルトロジー。
当主のクリスとスーザンは大学卒業後ナパ、西オーストラリア、サンテミリオンのアンジェリス、オーストラリアのクレアヴァレー、モーゼルのワイナリーで研修、その後ニュージーランド、ラングドック、プロヴァンス、北、南ローヌを周遊後現ワイナリーを立ち上げています。
今回のカルトロジーは4区画からのシュナンブラン88%、残りはセミヨンで構成。全体の35%を占めるのがスカーフバーグ畑からのシュナンブラン。この畑は海風の影響を受ける標高440~550mに位置し、35~50年の古木が植わっています。
房ごとゆっくりプレス後低温のタンクで24時間静置。この際酵素やSO2(亜硫酸塩)など、添加物は一切加えず醸造。古樽にて熟成。
ケープ クラシフィケーション 2016では1級格付(去年も1級)


【テイスティングコメント】
生産者: グラハム ベック ワインズ
銘柄: グラハム ベック キュヴェ クライヴ 2009
品種: シャルドネ81%、ピノノワール19%

外観はやや濃いめのストローイエロー、粘性は中庸、泡は溌剌と立ち上っている。
ニューワールドの極めてリッチなスパークリングで、シャンパーニュとは完全に異なる特徴を持っていて、むしろ、ドメーヌ シャンドン カリフォルニアによく似ていると感じた。
オイリーなミネラル感と共に完熟したパイナップル、リンゴの果実味が感じられる。熟成による摩り下ろしリンゴ的なニュアンスや甘栗の様なほのかな甘さ、イースト、フレッシュハーブ、白い花の様な風味が感じられる。
酸は強くなく、泡の刺激はあるものの、どちらかといえば丸みがあってリッチな口当たり。あまり際立った樽のニュアンスがなく、豊かな果実味が主体的に感じられる。品質はかなり高いキュヴェだと思う。


生産者: ハミルトン ラッセル
銘柄: シャルドネ 2014
品種: シャルドネ100%

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
ボリューム感のあるピュリニーの様な印象を受ける。
ミネラリーかつ熟度が高くクリーンなシャルドネ。
ややオイリーなミネラルが突出。
爽やかなライムやグレープフルーツ、カリンの柑橘の風味が感じられる。そこにシロップの様な甘やかさ。フレッシュハーブやほのかにナッツの様な風味。リコリスの要素。
ボディはエレガントで酸もしっかりとあり、滑らかで柑橘やグレープフルーツ、ハーブの様な余韻が感じられる。
バランスが素晴らしく、良いブルゴーニュ的な風合いが感じられる。


生産者: アルヘイト
銘柄: カルトロジー 2014
品種: シュナンブラン89%、セミヨン11%

外観は濃い色調のイエローで粘性は高い。
クリーンかつ凝縮した果実味と酸味を持つよく熟したシュナンブラン。ボリューミーですが、醸造起因の要素は控えめです。アルコールと果実の力に起因するものかと思われます。
パイナップルやパッションフルーツを思わせる南の熱を感じる果実味があり、酸味を帯びた甘露な香りが充満している。そのくせミネラル感は豊かで石を舐めた様な質感がある。白胡椒やフレッシュハーブ、バタークリームの様な香りが感じ取れる。セミヨン起因の白い花の要素もほのかに感じられます。基本的にはクリーンで樽に起因する風味は控えめに感じる。
アタックはやや強めでそれに伴ってパワフルな酸があります。南国系フルーツの含み香、花の蜜の様な甘やかさがほのかに残り、グリセリン感のある丸さも感じられる。


【テイスティングコメント】
まずはグラハムベックから。
ドメーヌ シャンドン カリフォルニアに代表されるニューワールド的なリッチなスパークリングになっています。シャンパーニュとは完全に異なる特徴を持っています。
パイナップルやリンゴ、甘栗の様な果実味を感じられる。
そして独特のイースト香が感じられる。
このワインも樽の要素やMLFの要素は控えめで、酸は意外と柔らかく、リッチな果実味がありながらクリーンな作りとなっている。シャンパーニュを飲み慣れているとかなり違和感は出るでしょうか。品質は高いです、泡としてはビッグなワインと思います。




次はハミルトン ラッセル。
クリーンなシャルドネです。
ですか、シャブリの様にソリッドでステンレスタンク的という訳ではなくコート ド ボーヌの村名に収まる様な作りだと思います。
果実味のボリュームがあり、厚いミネラルを感じられるワインになっています。
柑橘のニュアンスに蜜の様な甘やかさが主軸になり、ほのかにナッツの様な風味が感じられます。酸もエレガントで滑らか。バランスも良く、レベルの高いシャルドネになっています。質感は村名のピュリニーに近いので、ブルゴーニュの好きな方には親和性の高いワインとなっています。




最後はアルヘイトのカルトロジー。
こちらも樽の要素が控えめでミネラルをしっかりと感じられるクリーンな作りとなっています。ただロワールのエレガントなそれと異なり、かなりボリューミーで重量感のあるシュナンブランになっています。南アフリカの暑さを感じさせる果実味で、あまり冷涼さを感じさせない熟度です。シュナンブランのみだとただひたすらにビッグなワインに見えますが、ここで良く作用しているのは11%のセミヨン。これがキンモクセイを思わせる華やかさと清涼感を演出している。これがなかなかいいですね。
アタックはアルコール感からも見て取れる様にパワフルでグリセリン感を感じさせるものとなっています。
従来これくらいの重さがあるワインであれば、樽やMLFでまろやかさや香ばしさなどの複雑さを演出するのが、一般的なのですが、このワインに限ってはストレートにボリューム感を出しているので、多少素っ気無さというか、そういったものを感じてしまいます。 いいワインではありますが、化粧の小慣れたブルゴーニュやカリフォルニアに慣れていると、「折角化粧をすればすごく良くなるのにもったいない...」と思ってしまいます。
そんな感じです。
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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