【ブルゴーニュ:132】ミシェル ニーロン3種テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はブルゴーニュは白の名手、ミシェル ニーロンの水平テイスティングです。
なお、本テイスティングは10月末都内某所で開かれたロマネ サン ヴィヴァンの会-2にて行われました。
主催者のT様、声をかけて頂いたTさん、この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございます。



【データ】
ミッシェル・ニーロンは1970年代にシャサーニュ・モンラッシェに設立されたドメーヌ。それまではネゴシアンにバルク売りしかしていませんでしたが、当代から元詰めを始めています。その生産数の少なさからラモネやルフレーヴ程の知名度はありませんが、品質の高さはそれらの生産者と比肩すると言われています。
所有する畑は7.5ha。そのフラッグシップは特級バタール・モンラッシェ、シュヴァリエ・モンラッシェですが、複数の1級畑も手掛けております。
ミシェル ニーロンの大きな特徴として、樹齢の高さが挙げられます。樹齢50年~60年のものを中心とし、一部の1級畑の樹齢は90年にも及びます。更に収量を抑え、栽培にはリュットレゾネを採用。そうして結実した凝縮した果実は手摘みされステンレスタンクとバリック樽で発酵。新樽率は25%~50%で約12~14ヵ月熟成されます。
今回は3種類、クロ・サン・ジャン、シャンガン、そして最高峰のグランクリュ シュヴァリエ モンラッシェです。
クロ サン ジャンはクロ・サン・ジャン、レ・ルビシャ、レ・ミュレ、シャサーニュ・デュ・クロ・サン・ジャンの4つの区画からなります。クロ・サン・ジャン自体はそもそも表層土が浅いため赤に向いた畑。
シャンガンは1級区画群の中央に位置する畑で、斜面の中腹にある1級畑。温暖で肥沃な土壌で、こちらも赤で評価の高い畑でしたが、現在はそのほとんどがシャルドネとなっています。
シュヴァリエ・モンラッシェはモンラッシェの兄弟畑の中では最高位とされる、モンラッシェの上部に位置する畑。モンラッシェと比べると極めて冷涼で、表土は薄く、石が多いため、より堅牢でミネラル感に富んだワインが作られるとされています。モンラッシェとシュヴァリエの間には断層が走っており、地質構成も異なる様です。
石灰岩と泥炭岩が交差する白色ウーライトが基岩となっています。ミッシェル・ニーロンの保有する区画はわずか0.22ha。そもそも非常に狭い畑ではあるが、その中でも際立って狭い区画から最上のワインを生み出しています。
情野ソムリエによる評は「グラン・クリュの最上部に位置する為に、酸味の効いた引き締まった味わい。エッジの効いた酸味が強いので熟成に時間がかかるが、熟したシェヴァリエの複雑さはモンラッシェをも凌ぐ」となっています。




【テイスティングコメント】



生産者: ミシェル ニーロン
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ クロ サン ジャン 2005
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
この中で堅牢、かつミネラル感が非常に明確に表出している。加えてナッツを思わせる樽の香りも強く感じる。
極めてオイリーな作りのプルミエクリュ。
さながら火打石を舐めるような強固なミネラル、ローストナッツのような樽香。そこを後追いする様にレモンやカリンのような果実味が感じられる。ドライハーブのニュアンス。ドライかつソリッド、シャープな作りで、マロラクティック発酵に起因する要素はあまり感じない。
酸はかなりエッジが立っていて、柑橘やローストナッツ、ミネラルの含み香が感じられる。


生産者: ミシェル ニーロン
銘柄: シャサーニュ モンラッシェ プルミエクリュ シャン ガン 2005
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
極めてミネラリーでオイリーで力強い。
基本的な骨子はクロ サン ジャンと大きな違いはない。
シャンガンの方がクロ サン ジャンに見られたソリッドさ、エッジが立った堅牢さは控えめに感じた。
火打石の様なミネラル、ローストナッツの様な樽香、レモンやカリンの様な果実味の中に、甘露な凝縮した蜜の様なニュアンスが見て取れる。やや厚みもまし、香りの輪郭も柔らかくなっている。ドライハーブのニュアンス。マロラクティック発酵の影響は軽微。
酸は立っていて、柑橘やローストナッツ、ミネラルの含み香がある。


生産者: ミシェル ニーロン
銘柄: シュヴァリエ モンラッシェ グランクリュ 2005
外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
シュヴァリエ モンラッシェでありながら、受ける印象はむしろモンラッシェのそれに近い。ミネラル感はあるものの、果実味のボリューム感が際立っていて、相対的にそちらの方が目立っている。MLFも有効的に効いている。
他のプルミエクリュより醸造要素が馴染んでいる様子。
随一の堅牢さを誇るシュヴァリエとしては、典型的では無いと思う。
主だった要素は栗やキャラメルトフィーのような甘露さが完全に前に出ていて、ミネラルがありながら大きく目立つことはない。カスタードクリームのような風味に転化。
洋梨や白桃の果実味、多少樽はローストしているのか。
ドライハーブの要素。
酸はしなやかで、シャープさは見られない。
豊満な果実と栗の余韻が口内に広がる。モンラッシェにも近いシュヴァリエと言える。



【所感】
全体感としては全体に張り詰めた清冽なミネラルと、研磨したダイヤの断面の様な無機的なソリッドさを持ったシャサーニュだと思います。加えて、こと2005年はよりソリッドでミネラリーな性質を強く感じました。
シャサーニュとしてはかなりソリッドで、ピュリニーやそこらの生産者と思ってしまう様な作り。
それはクロ サン ジャンでもシャンガンでもシュヴァリエでも共通なのですが、この中で、シュヴァリエのみ少し方向性が異なります。
クロ サン ジャン、シャンガンはどちらかと言えば冷淡でミネラリー、引き締まった酸などから禁欲的なピュアネスを想起させますが、シュヴァリエからは少し享楽的で寛容なリッチさが見え隠れします。それはモンラッシェにも共通する要素なのですが、本来モンラッシェの上部に位置するシュヴァリエは、冷涼な気候と土壌に起因した強靭な酸とミネラル、新樽率の高さから来る強い樽香で排他的な風合が強く、ここまでリッチさを見せるのは稀ですね。
2005年のコート ド ボーヌの8月は暑く乾燥していた様で、ひょっとしたら標高の高いシュヴァリエもその気候影響を受けたか故、かもしれません。

クロ サン ジャンは先述した様に今回の基準とするアペラシオンです。ミシェル ニーロンの典型ともいうべき張り詰めたミネラルと柑橘系の攻撃的な酸を持ったワインで、かなりエッジの立った印象を受けます。トースティーな樽香もしっかりとあり、強靭なワインだと思います。
しかし、その清廉さ、禁欲的なスタイルに惹かれる人は多そうです。
シャンガンはシャサーニュでも上位とされる一級畑。
クロ サン ジャンのソリッドさ、エッジの立った角は少し丸くなり少し果実味の厚みや蜜の様な甘露さも感じられます。基本骨子は近しいですが、こちらの方が幾分かは親しみやすく、ピーキーさは控えめになっています。
最後にシュヴァリエモンラッシェ。
これは1級畑とは完全にスタイルを異にしています。
偉大なモンラッシェを想起させるリッチで享楽的なワイン。
その中にテロワールを示すミネラルや酸がビシッと決まっている。ただ完全にボリューム感が主軸となり相対的に目立っている。
樽香と甘露な果実味が調和して非常に豊かな、例えば甘栗やキャラメルトフィーの様な焦がした樽香がよく馴染んでいる。イメージでは焦げた樽香、クリアな果実味、ミネラルが完全に分離した感じだと想定していましたが、想像以上に調和しています。
シュヴァリエの典型...とはいいにくい...
ですが、メチャクチャクオリティの高いワインになっていると思います。
ルフレーヴのシュヴァリエ古酒は甘露でトースティーな香りがありつつも、やはりミネラルが軸になっている気がします。これはミネラルというより果実味が軸になっていますね。


やはりミシェルニーロンのクオリティ、恐ろしい....







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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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