【ブルゴーニュ:134】大手ネゴシアン フェヴレ。最高峰のキュヴェが生み出す至高のワイン。

こんにちは、、HKOです。
本日はネゴシアンであるフェヴレのフラッグシップワインをご紹介します。

【データ】
1979年生まれの若き当主エルワンが指揮を取る新生フェヴレ。
栽培は生育時に芽掻き、ヴァンダンジュ ヴェールト、収穫時の選果で収量制限を行います。さらに選果台で選果を行う事で凝縮感のある健全な果実を選り分けています。
醸造に関しては、先代フランソワの時代には長めのマセラシオンによる強い抽出、高い新樽比率での熟成を行っていましたが、当代のエルワンからは若干のスタイルを変更しています。
2007年からは個別のチームによる分担制を行い、完全除梗、フラッグシップには新しい木製槽を使用し、樽はフランソワフレール社他3社に切り替え。(※前当主の頃に使っていた樽はローストが強く、嫌な苦味が出る事が多かった)タンニンを減らすために、過度の抽出や樽の使用を避け、無濾過で樽から直接瓶詰めする事により、純粋な果実味を押し出す事に成功しています。
大きな変革と若き息吹によって品質を劇的に向上しているのがみて取れます。今回はそんなドメーヌのフラッグシップとも言えるキュヴェです。
1級レ サン ジョルジュには0.30haの区画を所有しており33年、59年、74年に植樹(平均樹齢70年)。栽培はリュットレゾネで、収穫量は40hl/ha。手摘みで収穫。
100%除梗、木桶で培養酵母で発酵、発酵温度10~15度で10日間発酵し、その後は新樽65%で16ヶ月の熟成の後リリースされる。生産本数は1400本。
次に白のコルトンシャルルマーニュ。
こちらも生産本数は少なく1200本程度。軽いトーストがなされたオーク新樽の比率は65%で、16~18ヶ月熟成される。
最後の赤のミュジニーはもはや幻とも言えるレベルの半樽(つまり150本程度)。旗艦銘柄というには少なすぎる生産数ですね...。2015年に3a程を買収しており、生産本数自体は500本程度にはなる様子。3週間の低温浸漬の後、垂直プレス。軽いトーストがなされたオーク新樽の比率は65%で、16~18ヶ月熟成される。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ サン ジョルジュ 2014

外観は透明度の高いルビー、粘性は中庸。
非常に瑞々しく華やかで、ヴォーヌロマネにも近い華やかさや艶めかしさを感じる1級畑。
華やかなスミレとなめし革、血を思わせる鉄分があり、軽く焦がした様な炭焼きや五香粉の様な香りが混じる。ほのかに茎の様な青さを感じる。ブリオッシュ、ミルクポーション、黒糖、ブラックベリーやダークチェリーのコンポートなどの果実味が感じられる。ドライハーブやクローヴの様な要素がある。
華やかさと樽香、果実味の調和が素晴らしく鉄分とMLF、樽香が艶めかしさを助長する。
酸味やタンニンは滑らかでシルキー、旨味が非常に充実しており、鉄分やブルーベリー、スミレの様な余韻をしっかりと感じられる。旨味の余韻は長く、偉大な質感を感じられる。


生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: ニュイ サン ジョルジュ プルミエクリュ レ サン ジョルジュ 2013

外観は透明度の高いルビー、粘性は中庸。
やはり華やかさが主軸になるが、2014年の煌びやかさと比較すると、スミレの花や鉄分の要素、樽香はやや控えめになっている。ただしその分甘露でミルクポーション、パウンドケーキ、ブリオッシュの様な甘露さと茎の青さを感じられる。品のある甘露さ。徐々にダークチェリーやブラックベリーの果実味に黒糖要素が混じってくる。
スミレや血液の様な要素、バニラ、ドライハーブ、ユーカリなどの要素。シナモン、クローヴなどの要素。
ややアルコール感がある。
酸味はやや立っているがタンニンは滑らかで、青さと血液、スミレのような余韻を残す。こちらの旨味はやや荒く、甘露ではあるものの余韻にほのかな苦みを残す。



生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: ミュジニー グランクリュ 2012

外観は淡い澄んだルビーで粘性は中程度。
瑞々しい赤系果実と複雑な濡れた樹皮、葉の様な青い風合いを感じさせる緻密さと繊細さを極めたピノノワール。
いい意味で抑制が効いている。
香りから摘みたてのフレッシュなストロベリーやラズベリーを思わせる赤系果実が主体的でありながら、驚異的な凝縮感を有している。決して甘露ではないが、香りの目が細かく詰まっている。
その中に瑞々しいスミレや濡れた葉や茎、ほのかに感じさせる紅茶や鉄観音、土の様なニュアンス。極端に華やかな訳ではない。ほのかになめした皮やトーストの様なニュアンスも。徐々に焼いたトースティーさも現れる。
マロラクティック発酵の影響は殆ど感じない。ピュアだが凝縮感が突出している。
バランス感が絶妙。果皮の華やかさ、樽の要素、茎の青さなどがどれ一つ突出せず、互いに調和し、凝縮した果実味に付随している。
酸は非常に滑らかで、タンニンは控えめ。旨みは絶妙に高く静かに広く広がっていく様な波紋の様な赤系の果実味。
香りの凝縮度、味わいの鮮明さはありながら、どこか輪郭が柔らかくハッキリとしていない謎めいた側面もある。


生産者: ドメーヌ フェヴレ
銘柄: コルトンシャルルマーニュ グランクリュ 2007

外観は色調の濃いイエロー、粘性は高い。
前面にミネラルが表出していながら凝縮した果実味とクリーミーかつボリューミーなタッチを持ったリッチなシャルドネ。
石灰の様なミネラル感があり、それと同等以上の黄桃の洋梨のコンポートや、クリームブリュレや栗の様な甘やかさがある。杏仁豆腐、フレッシュハーブ、焦がしたバターの香り。徐々にキャラメリゼした様な焦がした香りも感じられる様になる。力強く馥郁とした大規模に広がる様なコルトンシャルルマーニュ。
緻密な酸とグリセリンの甘露な甘みが綺麗に広がる。
マロラクティック発酵をかけていながら十分な酸が残っている。緻密な余韻があり、引き締まったミネラルと甘露な洋梨やレモンの様な角の取れた優美な余韻を感じられる。



【所感】
過小評価されがちなフェヴレですが、フラッグシップはめっちゃいいんだぜ!という趣旨の記事です。今回はまさに最高峰とも言える4本、レ サン ジョルジュとミュジニー、コルトンシャルルマーニュです。
※ちなみにメルキュレイも美味しいです。
まずは1級レ サン ジョルジュ。
エルワン自身が特級昇格運動の旗振りをしている程の畑で、ニュイ サン ジョルジュ最高の1級畑とも言われます。代表的な生産者は同じく旗振り役のティボー リジェ ベレール、そしてロベールシュヴィヨンなど。
2014。素晴らしいワインです。
ニュイ サン ジョルジュというよりはヴォーヌロマネの如き華やかさや艶かしさを感じられるワインです。
華やかさや樽香が際立つものの、果実味も非常に熟していて付帯するMLF的な要素と素晴らしい調和が見て取れます。
華やかさはジュヴレシャンベルタン的な豪華な鞣し革というよりは樽と結合しながら血液や赤い花、お香の様な妖しさを演出してくるタイプ。ブリオッシュや黒糖の様な風味がキャッチーさを演出しています。エシェゾー的ではあるんですが、ここまで果実味が丸くないので、どこかの特級畑に属するかというと、どこでもないかも...
口当たりもシルキーで、驚く程クオリティの高いワインに仕上がっています。
2013は2014に比べると華やかさと樽香は少し控えめに感じます。その分果実味に寄っていて、黒系果実と黒糖、ブリオッシュなどの甘露さが出てきます。ただ、必ずしもこってり系かというと違っていて、華やかさと樽香が上品さを演出しています。少しアルコール感があり、ボリューム感のある作りなのに酸味がやや立ち気味ですね。
完成度としては2014の方がいい感じですね。
樽と華やかさは1年間のエイジングで馴染んだのかも。
いずれにせよ、恐ろしいクオリティのピノノワールです。

次にミュジニー。
まず前提としてはレ サン ジョルジュとは全くそのスタイルを異にします。全く違います。
見事に差別化ができていると感じました。ではどうなのかというと、凝縮したエネルギーがありながら繊細、そして複雑な骨格を持っています。
甘露さは控えめですが、グリセリン感があり、フレッシュジャムを想起させる様な凝縮した果実味があります。
樽香は木材やほのかに焦げた香りを感じさせ、意図的に作り出したであろう青さと濡れた赤い花(決してアロマオイルや鞣し革ではない)の香りが果実味に絡みつきます。マロラクティック発酵に伴う乳酸感はなく、あくまでピュアでもある。
それらの要素が幾重にも折り重なり、驚くべき目の細かいシルクを作り出している。そんな感じで(?)鮮明な要素が多いながら、なぜか輪郭がはっきりと掴めないワイン。要素が多いからなのか...空恐ろしいです。とはいえ偉大さははっきりとわかりますね。
もう少し馴染むとより凄まじいかもしれません。

最後はコルトンシャルルマーニュ。
ミネラル感が漲っているのですが、結構ボリューミーでリッチなタイプのコルトンシャルルマーニュだと思います。
元々シャブリなんかと比べると同じミネラリーな作りでありつつ、ステンレスタンクのクリアさはあまり無く、ミネラルと酸がシャープなコート ド ボーヌのシャルドネ...といった感じなのですが、よりコート ド ボーヌの性質に近いというか。
とてもクリーミーなんですよね。
ミネラル以上の果実味の豊かさやMLF、樽香のリッチさが際立っています。シャープネスを追求したコルトンシャルルマーニュではないですね。
甘露で滑らかなので、むしろムルソーやモンラッシェなんかに近い果実味の出方だと思います。ただこういった香りの割には酸がビシッと決まっていて、かつはっきりとしたミネラル感があるので、それらよりは幾分が堅牢だな、とも感じました。ボディもしっかりとあって口当たりもとてもいい。
普遍的なシャルドネの良さを完全に体現している。
その一方で典型的ではない、という見方をされることもあろうかと思いますが、もうメチャクチャ美味いので、正直そこらへんどうでもよくなってきますねー。
素晴らしいシャルドネです。
そんな感じでフェヴレ4種類でした。どれも強烈に素晴らしく、もうネゴシアンだから良くない...なんてのは完全になくなった感はありますね。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

フェヴレ コルトン・シャルルマーニュ[2005]
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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