【ブルゴーニュ:135】ジャン マリー フーリエ、ネゴシアン事業開始から3年の今。

こんにちは、HKOです。
本日はフーリエのネゴシアンものです。


【データ】
エマニュエル ルジェはヴォーヌロマネに拠点を置くスター生産者で最もアンリジャイエに近い生産者と言えるでしょう。ルーミエやフーリエの様に争奪戦が起こる訳ではないものの、ヴォーヌロマネ最上の生産者である事に疑いを持つ人はまずいないでしょう。
叔父であるアンリジャイエ氏からは1985年にクロ パラントゥをはじめとする大部分の畑を受け継いでいます。
ヴァンダンジュヴェールトによる収量制限、除梗は100%、コンクリートタンクでのマセラシオンには自然酵母の使用し、約1週間の低温浸漬。フランソワフレール社の3~4年乾燥させた樽を使用。新樽比率は1級以上は100%で村名は50%、 無濾過、無清澄で瓶詰めされる。※栽培は完全なビオや有機農法では無いようです。
クラシックな造りですが、彼の手から作り出されるワインはエシェゾーは勿論サヴィニー レ ボーヌまで息をのむ程に素晴らしい。フラッグシップは一級レ ボーモン、特級エシェゾー。そしてアンリジャイエから引き継いだ一級 クロ パラントゥ。


フーリエはブルゴーニュでジュヴレシャンベルタンに拠点を置く生産者で、非常に手に入りにくいドメーヌのひとつです。価格は高騰しているとはいえ品質を考慮するとまだ良心的な生産者とも言えます。
栽培はリュットレゾネ。なるべく自然に近い状態で栽培を行っている。葡萄に負担をかける摘房はせず、摘芽で収量制限をおこなっている。樹齢はいずれも高く、樹齢100年のクロサンジャック、樹齢85年のコンブオーモワンヌ、樹齢74年のグリオットシャンベルタンを保有しています。厳重に選果された葡萄は100%除梗し、半分が破砕される。低温浸漬は自然な温度によって行われ、その後アルコール発酵。空圧式のプレス機て圧搾の後、この手の生産者では珍しい最大20%という低い新樽比率で18ヶ月熟成。そして無濾過、無清張で瓶詰めされます。
...というのはドメーヌの話。今回はネゴシアンボトル。醸造は同じかも知れませんが、葡萄は買い葡萄を使用しています。ネゴシアン開始から3年。ネゴシアンボトルは進化しているのでしょうか。
本拠地ジュヴレシャンベルタンの特級、マゾワイエールとラトリシエール、そしてクロ ヴージョから見ていきましょう。


【テイスティングコメント】
生産者: エマニュエル ルジェ
銘柄: ブルゴーニュ パストゥグラン 2000

かなり果実味は残っており、ジャミーな果実味が残っている。
瑞々しいブラックベリーやストロベリーの果実味があり、蜜を思わせる甘露さを感じさせる。梅しば、水に濡れたスミレの花や枯れた葉や土の香りが感じられる。ドライフラワー、そして茎や生肉、複雑なクローヴやハーブ系の香りが際立っている。クラスとしてみると良い。
香りは若々しいが、口当たりはまさに古酒といった感じ。
タンニンは柔らかいながら、酸はやや強く、旨味が良く押し出されている。鰹節や梅しば、アセロラの様な複雑な余韻を残していく。



生産者:ジャン マリー フーリエ
銘柄: マゾワイエール シャンベルタン グランクリュ 2014

生産本数は3樽
外観は透明度の高い赤みの強いルビーで粘性は中庸。
華やかさと甘露のバランスが良く、清涼感があり、高域に伸びていく様な果実味を感じる。
高度に熟したストロベリーやクランベリーの様な果実味、上白糖の様な甘露さ、瑞々しいスミレ、血の鉄分の様な華やかさ。オレンジを思わせる清涼感がある。
甘露さと華やかさの奥にフルーツケーキ、ミルクティーの様な樽香。ジンジャーブレッド、当初からごくわずかに獣香がある。徐々に更に華やかさと野性味が増していき、なめし革や生肉の要素が主軸になってくる。
酸は柔らかく、タンニンも滑らかで申し分ない。ジワリと広がる旨味があり、お香やスミレ、そして血やストロベリーの様な余韻を残していく。



生産者:ジャン マリー フーリエ
銘柄: ラトリシエール シャンベルタン グランクリュ 2014

生産本数は5樽
外観は透明度の高い赤みの強いルビーで粘性は中庸。
マゾワイエールと比べるとやや堅牢さに寄った作り。
華やかさより果実の重みや甘露さが重点的に現れている。
甘露で密度の高い凝縮感のある果実味、マロラクティック発酵の加糖ヨーグルトの様な香りがやや強めに出ている。
ブラックベリーやストロベリーのコンポートを思わせる果実味。黒糖、キャラメルトフィーの様な樽香。ジンジャーブレッド。華やかさは控えめで、奥になめし革や血の様な風合いがある。ほのかにフレッシュハーブを思わせる青さがある。
徐々にシナモンやジンジャーなどのスパイシーさが現れてくる。
タンニンは柔らかいが、わずかに酸が際立っている。
ジンジャーやブラックベリー、スミレなどの余韻が長く続く。余韻にほのかな苦味が感じられる。


生産者:ジャン マリー フーリエ
銘柄: クロ ヴージョ グランクリュ 2014

生産本数は3樽
外観は透明度の高い赤みの強いルビーで粘性は中庸。
性質としてはラトリシエールに近い。
この中だと果実に重量感がある方で、ラトリシエールからさらに華やかさを控えめにした形と言える。
加糖ヨーグルトの様なMLFの風味やブラックベリー、ダークチェリーのコンポートを思わせる甘い果実味がある。
黒糖やフルーツケーキの様な樽香。ややスパイシーさがありグローブやローリエの様な風味も感じられる。徐々に華やかさが前面に現れ、スミレや鉄釘の様な風合いが現れる。ブリオッシュなどのイースト的な要素も。
甘露さを維持するラトリシエールと比べるとクロ ヴージョは早めに華やかさが出てくる。
酸味は柔らかいが、ややタンニンに毛羽立ちがある。
鉄やスミレ、青い葉の様な余韻が残る。やや堅牢さがあり、比較的苦味も強く感じる。



【所感】
まずはフーリエ比較の前にエマニュエル ルジェから。
これがもうパストゥグランと思えない程しっかり熟成していてビックリでした。
正直枯れてるだろうと思ったのですが....しっかりと果実味が残りながら、熟成香も出ている。やや酸に毛羽立ちを感じるのですが、香りは絶妙です。
まずは赤系の果実味と蜜の様な甘露さがあり、梅しば、枯れた葉、土の香りが感じられます。ドライフラワーやグローヴなどの複雑な要素も液体に溶け込んでいて、パストゥグランのクラスとしては絶妙な熟成を感じます。
先述した通り酸はやや強いのですが、旨味が強く、鰹節やアセロラの様な出汁を思わせる複雑な余韻を感じます。
さすがはルジェ、パストゥグランからして熟成を楽しめるとは...

次はフーリエです。
いわゆるネゴシアンもので、2011年は品質としては高いながらもフーリエとしては正直微妙でした。悪くはないのですが、全体的に果皮の要素が強く出すぎている感じがしてパッとしていませんでした。今回の2014はどうかというと...

メチャいいです。
2014のドメーヌものを飲んでないですが、すげーよく出来ています。マゾワイエール、ラトリシエール、クロ ヴージョ全部いい。
それぞれに差分はもちろんあるのですが、いずれもクオリティ高いです。

まずはマゾワイエールから。
華やかさと甘露さのバランスが絶妙で、熟した赤系果実とスミレ、鉄分、オレンジの様な要素が主軸となっています。
高域に伸びていくようなエシェゾータイプの煌びやかさを感じます。ほのかにミルクティーの要素があります。
供出から野生的な側面がありますが、徐々に華やかさとともに伸びてきます。
ラトリシエールは華やかさより果実味やMLF、樽香がはっきりと現れています。仕上がりの果実味とバランスをとった醸造なのかもしれません。比較的強い醸造的な要素が見て取れます。黒系果実のコンポートや黒糖、キャラメルトフィーの様な樽香をしっかりと感じますね。印象としては中域に止まる様な作りで、一定の華やかさもしっかりと持っているのが特徴的です。
クロ ヴージョはラトリシエールと似た質感を持っていますが、よりスパイシーさが際立っています。中域のワインですが、ラトリシエールと比べると落ち込むのが早いというか、別の要素に変質するのが早い印象を受けました。
少し足の短さがある様な気がします。

全体で見てみると、マゾワイエールが華やかさと甘露さのバランスがよく取れていて、ラトリシエールはやや果実味に寄った作りになっていると思います。
クロ ヴージョもラトリシエールに方向性は近いと思いますか、華やかさはラトリシエールから更に控えめになっていると思います。
また時間経過による変化がクロ ヴージョの方が早く、ラトリシエールはやや堅牢で、香りを維持しています。マゾワイエールも香りの維持としてはラトリシエール程ではないにせよ長く、堅牢であると思います。
またマロラクティック発酵と樽香については、果実味の強いラトリシエールとクロ ヴージョが割とはっきりと出ているのに対して、ややマゾワイエールは控えめで、ピュアさに寄った作りとなっていると思います。
副次的な要素としてはラトリシエールとマゾワイエールが徐々に獣香が出てくるのに対して、クロ ヴージョはスパイシーさが目立ってきます。
そういう意味でいうと、テロワールの違いをうまく演出している様にも見えますね。

しかし本来的に言うとマゾワイエールの方が果実味の厚みがあると思うんですが、ラトリシエールの方が果実味が強いのは...標高が高い事に起因する凝縮感なんでしょうかね。
なんとなく府に落ちない感じがあるんですが....
でもまあ美味しいから良しとしましょう。













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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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