【シャンパーニュ:72】話題のMCⅢ、垂涎のベルエポック ロゼ古酒を含むシャンパーニュ4種

こんにちは、HKOです。
本日はシャンパーニュです。


【データ】
クリストフ・ルフェーヴルは1996年に設立されたRM。
1986年からマムでヴィニョロンを経験しつつ、 自分の土地で有機ブドウの栽培を一から始めた。スタッフは現在も1名。今回のキュヴェ ド レゼルヴは樹齢約23年 。一次発酵は自然酵母で14日間。イノックタンクで10ヶ月間シュール・リー。瓶内発酵で3年間6ヶ月。2009年のデゴルジュマンは2013年12月 。収穫量は47hl/ha 。土壌は泥土質・黒土(ピノ・ムニエ)粘土質・石灰質(ピノ・ノワール)。
一次発酵時の補糖は無し。ドザージュは8g/L。SO2は収穫時と瓶詰め前に合計35mg/L添加。


エドシック モノポールはシャンパーニュ史上最も歴史あるブランドの一つで、1785年にドイツ人羊毛商のフロレンツ・ルードウィッヒ・エドシックが設立。ランスを本拠地として、織物とワインの事業を始めたことがメゾンの起源。
今回のキュヴェはスタンダードラインであるブルートップ。
フラッグシップはキュヴェ レア。


ジャン ヴェッセルはブージィに拠点を置く1930年に創設されたレコルタンマニピュラン。畑はグランクリュを中心とした14ha生産本数は年間約12万本。作付の90%はピノ ノワール。栽培はリュット レゾネ。ブドウの収穫は手摘みで、2台の圧搾機でプレスする。
今回のロゼ ド セニエはマセラシオンで色調を抽出。24~48時間のマセラシオンを経て色素を抽出する。ドサージュは9g、瓶熟最低3年。フラッグシップはル プティ クロ。


ペリエ ジュエは1811年、エペルネに設立された老舗メゾン。クラマン、アヴィーズ、マイィなどグランクリュを中心に、65haの自社畑を所有し、シャルドネを得意としています。現在主流の辛口シャンパーニュやヴィンテージシャンパーニュを他社に先駆けてリリースしたことでも有名です。
現在の期間銘柄はエミール ガレがデザインした美しいボトルでが印象的なベルエポック。
100%グラン・クリュの畑の葡萄のみを使用。シャルドネはクラマンとアヴィズ。ピノノワールはマイィ、ヴェルズィ、ブージィ。ブレンドの赤ワインは、アイのレ・グート・ドールのピノ・ノワールから。ボトリングの後7年間セラーで熟成。


MCⅢはモエ エ シャンドンが送る最上級のプレミアム ノンヴィンテージ キュヴェ。2016年9月に初リリースとなりました。創業から270年以上にわたり磨かれてきた3つの高度な技術(熟成、 アサンブラージュ、 発酵)を駆使し、 メゾン独自のスタイルを進化させた究極の作品とのこと。
醸造担当者はブノワ ゴエス。
※ドンペリニヨンは完全に別ブランドと捉えている様ですね。
メタル(ステンレススティール製タンク)、 ウッド(オーク カスク)で熟成された優れたヴィンテージ ワインと、 より熟成期間が長くガラス(瓶)の中で澱と共に熟成されたヴィンテージ シャンパンをアッサンブラージュ。
ヴィンテージは以下の通り。
2003年...ステンレスタンク醸造、熟成
2002年...オーク熟成、ステンレスタンク貯蔵
2000年...オーク熟成、ステンレスタンク貯蔵
1999年...瓶内熟成
1998年...オーク熟成、瓶内熟成、ステンレスタンク貯蔵。
1993年...瓶内熟成
ボトルデザインも高級感があり、ガラスボトル、メタルキャップ、メタルプレート、ボトルを包むボックスは木製です。
ドザージュは5g/l。店頭販売はしてないそうです。




【テイスティングコメント】
生産者: クリストフ ルフェーブル
銘柄: キュヴェ ド レゼルヴ NV
品種: ピノ ムニエ80%、 ピノ ノワール20%

外観は淡いストローイエロー、粘性は中庸。
ブリオッシュや熟した赤リンゴや洋梨のような豊かな果実味、マロングラッセの様な香りが主体的に感じられる。
リッチな果実味の香り。豊かな果実味からピノムニエの比率が高そう。バニラや白い花の要素も感じられる。
酸はシャープでエッジがあり、口に含むとライムやシトラス、ハーブ、そして特徴的なスミレなどの余韻が残る。



生産者: エドシック モノポール
銘柄: ブルートップ ブリュット NV
品種: 70%ピノ ノワール、20%シャルドネ、10%ピノ ムニエ

外観はやや濃いめの色を帯びたイエローで粘性は中庸。
ピノノワール比率の高そうな厚みのある酸を感じさせる風合いのシャンパーニュ。
ミネラル感はしっかりとある。
熟した赤リンゴやカリンの様な厚みのある果実味を主軸に、塩ナッツやバターの要素がおり混じる。これらの要素がかなり強く、ハーブのニュアンスなどはかなり控えめ。
蜜の様な甘い香りは控えめなドライに仕上がったシャンパーニュ。
ただし、香りとは対照的にドサージュによるものか蜜の様な甘い舌触りがあり、酸味は控えめで、やや体躯としては弱めに感じられる。ハーブや赤リンゴなどの余韻が感じられる。



生産者: ジャン ヴェッセル
銘柄: ブリュット ロゼ ド セニエ NV

外観は赤みの強いピンクで粘性は中庸。
ウイユ ド ペルドリがブラン ド ノワールの割には軽やかでシャープだったのに対して、こちらはピノノワール的な側面を強く感じさせる風合いがある。バターやミルクポーションのような滑らかな質感と、煮詰めたストロベリーや熟したリンゴのようなふくよかな果実味、ハーブやリコリスのようなグリニッシュな香り、そしてナッツの風味が結合する。紅茶を思わせる枯れた葉などの要素もあり、ロゼとしてのテクスチャはありながらふっくらとボリューム感のある甘露な仕上がり。
酸も比較的優しく、ドライながらほのかに甘やかさを感じさせる。リンゴやハーブを思わせる余韻が残る。


生産者: ペリエ ジュエ
銘柄: ベル エポック ロゼ 1989

外観はややオレンジ色を帯びたピンクで粘性は中庸、泡はまだまだ生きている。
ドライフルーツ、ネクタリン、ラズベリーやアセロラのジュースの様なエレガントで非常に繊細な旨味と、塩気と旨味を付加したクリームブリュレの様な風味が混じり合う。蜜の様な甘みと、クリームの香りが調和。完全にクリームブリュレではなく塩気と旨味を相当表出している。ほのかな枯葉と土の様な風味、そして焼き栗、バタークリーム、クルミなど。ドライハーブなどの風味。
酸は滑らかで非常に強い旨味がある。
ネクタリンやアセロラの様な旨味と土の様な余韻を残す。
エレガントで強い旨味が感じられる。美味い。



生産者: モエ エ シャンドン
銘柄: MCⅢ(エムシースリー) NV

外観は淡いイエローで粘性は中庸。
還元的と言われるMECとはイメージを異にしており、やや酸化的で熟成を経たボリューム感のある香りが漂う。
タッチに丸みがあり、柔らかい。
よく熟したリンゴやアプリコット、温州みかんの様な果実味があり、濃厚な蜜の様な風味が主体的。シェリーや塩ナッツの様な風味も付帯する。そして濃厚なバターやドライハーブ。まずは濃厚な旨味の本流がある
徐々にクリームブリュレに発展し甘露な姿を見せる。
そして、ハチミツ、ドライフルーツの濃密さ。
やや酸化的で、深い出汁の様な旨味が突出した味わい。
酸はとても柔らかくシルキー。熟したリンゴ、アプリコット、ナッツ、木材の様な余韻。余韻にしなやかな甘さが残る。長い余韻。コクのあるアタック。極めて複雑な味わいのレイヤード。


【所感】
今回のハイライトは間違いなく、ベルエポック ロゼの古酒とMCⅢですが、ほかにもいくつか飲んでます。
まずはそれから消化していきたいと思います。

1本目、クリストフ ルフェーヴル。
ブリオッシュやマロングラッセの様な甘露さと熟した果実味が魅力的なシャンパーニュです。リッチな香りで個人的に極めて好みなタイプ。酸は黒ブドウ主体としてはシャープに仕上がっていると思います。総合的にはやはり豊満な印象を受けるんですか、酸が引き締めていて、良いバランスのシャンパーニュだと思います。
意外とこういうタイプはないので、見つけたら欲しい1本ですね。

はいはい、次行きますねー。
2本目、エドシック モノポール、ブルートップ。
何を今更...というブツですが、じゃあ今飲むとどうなのよ、って事でシャンパーニュ飲みたかったし選んでみました。
まあ手堅い作りですね。
基軸はもちろんフレッシュでドライなんですが、少し酸化的なニュアンスがあるというか、そこがちょっと個性的だな、とも思います。基本的にはドライな果実味主体で、あまり青いニュアンスがなく、割とちゃんと作ってあるなーと。
体躯は酸化気味だからかもしれませんが、やや弱めに感じられました。
今更驚く様なものでもないのですが、しっかりと作っているなーとは思います。

3本目、ジャンヴェッセル、ロゼ ド セニエ。
やっぱり美味しいですね、ジャンヴェッセル。
前回飲んだウイユ ド ペルドリがBdNの割には軽く感じたんですが、こっちはピノの側面がよく出ています。
MLF的な要素がしっかりとあって滑らかで、熟した赤系ベリーや核種系の果実も感じられて完成度は高いです。
ボリューム感ありますね。複雑だし、値段なり...というか値段以上の価値は感じられる1本だと思います。
酸は優しいのでシャープネスを楽しむ人には物足りないかもしれませんが、個人的にはかなり美味しく感じる作りでした。

さて、次からがハイライト。ベルエポック ロゼ 1989。
もともと還元的な作りの生産者だと思うので、まだまだしっかりと香りが残っています。泡もしっかりとあるので、まだ熟成しそうですね。
ただそうは言っても1989。熟成したニュアンスが全体に行き渡っていて、若々しさとは無縁の強烈な旨味が感じられます。
軸は2本、アミノカルボニル、樽、MLFが溶け合うクリームブリュレ、そして旨味、ネクタリンやアセロラの様な塩気を帯びた果実味です。こいつらが溶け合い、相互で影響しながら相乗していく。そして枯葉や土の要素が複雑さを与えています。
もう少し若いともっとこってりとしたクリーム感かあると思うんですけど、これは塩気感も相まって、物凄くいい状態になってると思います。旨味がすごい出てる。
こう、ポンポンと消費されるシャンパーニュのイメージがあるけど、熟成させるとこんなに良くなるのか....と少し感動しました。

最後、今年リリースされたばかりのモエ エ シャンドンのフラッグシップ、MCⅢです。これ、店頭だと売ってないみたいで、全然見かけないんですよね。レストランとかだけなのかな?たまたまモエ エ シャンドンのブースで飲めたのでラッキーでした。
今回のMCⅢは先述した通り、マルチヴィンテージ...まあノンヴィンテージです。複数ヴィンテージのアッセンブラージュ自体特別な事はないのですが、03のステンレスタンク醸造で果実味を残しながら、オーク樽で酸化感、樽香を演出し、90年代のワインで熟成香を与える...というかなり妥当性のある計算づくの作りだと思います。しかも全ワインがいわゆるリザーブワイン級の熟成ワイン。面白いですね。
こちらも元々は還元的なシャンパーニュだとは思うんですが、複数の熟成、発酵のパターンと複数のヴィンテージを組み合わせる事で、様々な色を持つシャンパーニュになっています。
若いヴィンテージはステンレスタンクで果実味を切り出し、一部樽の要素や酸化的な要素を混ぜる。そして古いヴィンテージは瓶内で変化させたものを使う。だから熟成したヴィンテージのような深みもあるし、オーク熟成のヴィンテージの樽を使った樽香、ほのかな酸化感ある。基軸はステンレスタンクのエッジやフレッシュさ。本来同居しない要素が同居している。異次元の複雑さがあり、それをキャッチーにまとめあげている。
畑を重視しそのポテンシャルを見せつけるわけではなく、醸造技術に品質の高さに求めるわけでもなく、複数のアッセンブラージュ一点のみでその技巧や素晴らしさを表現している。
料理だと...そうだなー、素材が極端に言い訳でもないし、火入れや味付けがすごいわけでもないんだけど、レシピがすごい皿って感じ。
これはこれで最高峰といった感じだ。しかもまた色が変わるんだろうね、時期が変われば。
気軽に手に入る様な時期は来るんだろうか....











関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR