【ボルドー:39】サンテミリオン第一特別級A2本、パルメの伝統的かつ異質なワイン。

こんにちは、HKOです。
本日はボルドーのグランヴァン3種です。


【データ】
シャトーパルメはメドック第三級でありながら第一級に匹敵するスーパーセカンドとして扱われるシャトーのうちの一つ。
小塔のある個性的な建造物のあるシャトーだが、製法は伝統的。
主だった特徴としてメルローを多く使用している点とマセラシオンの期間が28日から30日間と非常に長い点が挙げられる。90年代後半からセカンドラベル(アルテレゴ)を導入し劇的な品質向上している。
栽培面積は52ha。平均樹齢35年程度の葡萄を、平均46hl/haの収量で栽培。除梗を行った後、破砕をし、アルコール発酵とマセラシオンはステンレス槽で28~30日間行われる。新樽45%で20~21ヶ月熟成後、無濾過で瓶詰めが行われる。
今回のヒストリカル19thセンチュリーは19世紀のボルドーワインが酒精強化の為にエルミタージュをアッセンブラージュしていた事からインスピレーションを受けて作ったもの。250ケース。コルナスからコートロティの北部ローヌのシラーを30%混醸。新樽40%で18ヶ月熟成。

シャトーパヴィはサンテミリオン最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。所有者はジェラール&シャンタン・ペルス。サンテミリオン有数の大きな畑を保有。もともと人気があるシャトーではあったものの、前所有者の元で作られるワインそのものは必ずしも評価の高いものではなかったようで、1998年に所有者が変更になりセラーへの設備投資を増強して以来品質が劇的に向上した。
栽培面積は35ha、平均樹齢43年、平均収量は28~30hl/ha。発酵とマセレーションは温度管理された小型の開放型の木製タンクで4~週間。熟成は細かい澱に触れたままオークの新樽で18~22ヶ月。樽内マロラクティック発酵。、清澄も濾過もしない。年間10万本程度。

シャトーオーゾンヌはサンテミリオンにおいてシュヴァルブラン(現在はそれにパヴィとアンジェリュスが加わる)に並び最上位とされる第一特別級Aに位置するシャトー。現在はヴォーティエ家が所有しています。メドックの5大シャトー、ペトリュスやディケム、その他のサンテミリオン第一特別級Aと比較して最も生産量が少ないシャトーで、生産量は僅か2万本程度。 保有畑はラ ガフリエールとパヴィに隣接する平均樹齢50年程度の7ha(粘土と砂で構成)。収量は35hl/ha。低収量に抑え葡萄が完熟するまで待ち、すべて手摘みで収穫。畑と除梗後の2回選果。アルコール発酵は木製タンクで実施。ルモンタージュは軽めに行う。
マロラクティック発酵を行いながら、新樽比率100%で19ケ月から23ケ月熟成。無濾過で瓶詰めする。


【テイスティングコメント】
生産者: シャトーパルメ
銘柄: ヒストリカル 19th センチュリー 2013

外観は赤みの強いガーネット、粘性は強い。
極めて豊かな果実味があるが、樽香に紛れてシラー的な特徴は然程強くは感じない。(ねっとりとした上白糖のような果実味は確かにシラー的と言われればシラー的)
熟したブラックベリーやプルーンのような果実味、バニラやミルクポーションの様なまろやかさと果糖ヨーグルト、そして焦がした木材、メイプルシロップの様な樽香が調和している。甘く滑らかトースティな香りが主体的。
ほのかに薔薇やスミレの華やかさがあるが、あくまで果実味主体。血や鉄分、ユーカリやリコリスなどのハーブ香がある。青臭さはない。
やや酸に寄った味わいで、タンニンは滑らか。
フレッシュな黒系果実とメイプルシロップの様な余韻を感じさせる。やや線が細く、ミディアムなボディとなっている。


生産者、銘柄: シャトー パヴィ 2005

WA98pt
外観は黒に近いガーネット、粘性は高い。
やや酸化を帯びてソースの様な濃密な香りになっている。
ナツメグやデーツ、トマトソースの様な香りを主軸として、ブラックベリーのジャムの様な香りを感じさせる。
ミント、焦げた西洋杉、熟成肉の様な野生的な香り。
リコリスなどの要素がある。
タンニンは見るからに強そうだが、意外とこなれており、酸も柔らかい。収斂性は高く、ソースや熟成肉の様な余韻を感じさせる。重厚なワイン。


生産者、銘柄: シャトー オーゾンヌ 2008

WA98-100pt
外観は赤みの強いガーネット、粘性は中庸。
ほのかに熟成感が出始めており、濡れた木材の香りが出始めている。果実味も豊かだが、熟成感と均衡を取る様な繊細な状態となっている。
濡れた木材や杉の木の香り、枯葉の要素と共に、加糖のないジャムを思わせるブラックベリーやダークチェリーの様な果実味が感じられる。ピュアな果実味。リコリスやローリエなどのスパイス、ハーブの要素もしっかりと感じ取れる。それと共に燻製肉や生肉のような、少し野生的なニュアンス。徐々にミルクティーやバタートーストのような香りも現れる。青い葉やドライフラワー。ちょっとハーブ的な風味がある。
酸も強いがタンニンもやや刺々しい。
甘露なミルクやベリーの果皮の余韻が残る。さすがにオーゾンヌだけに余韻は長いが、こちらも熟成ならではの線の細さを感じる。


【所感】
まずはパルメのヒストリカル19thセンチュリー。
色物ですね、別地域のワインを混ぜているのでVdTになります。ただ流石はパルメ、非常に素晴らしいワインに仕上げています。基本的な方向性としては樽やMLFの要素が前に出るワインなので、ボルドー的と言えます。
もちろんシラーが混醸されている事で上白糖を思わせるボリューム感のある甘露さ、果実味はしっかりと出ていて、ボルドーにはあまり無いタイプだと思います。
そしてやはり興味深いのがそのエネルギッシュさですね。
2013年ボルドーは繊細なので、よりわかりやすいんですが、ボルドーのヴィンテージの弱さを北部ローヌのシラーのパワフルさが見事に補完している形となっています。
ともすれば、安定感は2013年ボルドーらしからぬものだと思います。
勿論70%はマルゴーなので、ボディそのものの線の細さや酸に寄った作りではあるのですが...グリニッシュさは希薄。酸はシラーではよく出るので、特に違和感はないと思います。ヴァン ド ペイの応用性の高さが非常に面白いですね。しかしボルドーとローヌって遠いのに大変ですね...
ぶどうで持ってくるってのも違和感あるし、やっぱバルクワインなんでしょうか。

お次はパヴィ。
サンテミリオンのグランクリュクラッセAで最も堅牢で強靭なタイプだと思っています。
残念ながらやや酸化気味のコンディションではありましたが、並外れた強靭さと果実味の凝縮感は十分に感じられました。故に非常に惜しい事をしたものだと。
凝縮感においてはボルドーの典型と言うよりはむしろカリフォルニアにも近いものになっており、参加前においては果実味の発露も相当なものであったと思います。
参加した事によりソースやジャムの要素が色濃く現れていますが、その香りの強靭さたるやボルドーではそうそうないものではないかと。
見るからにタニックそうですが、その実舌触りはシルキーで程よい熟成を感じさせる作りとなっていると思います。

最後はオーゾンヌ。
やはり繊細で複雑な要素がおり混じったワインである事がよくわかります。タイプとしてはオーブリオンやラフィットの様な方向性に近いです。香りや味わいがそうであるというよりは、重くなりすぎず、複雑さを強く感じさせる部分ですね。今回の2008年は果実味と熟成香の均衡が極めてよく取れている状態です。
枯れた木材や葉、ハーブやスパイスの複雑な要素に砂糖の含まれていないピュアな黒系果実、そして熟成肉のような旨味を感じさせるアミノ酸的な風合いを感じさせます。
ただ味わいはやや酸が前に出ており、タンニンもまだこなれていない状態。アルコール度数の高さで滑らかに感じさせるワインでもないですから、やや刺々しさを感じさせるものとなっています。オーゾンヌとしては最上級のヴィンテージに当たりますが、熟成の狭間ともいうべき微妙なラインに位置しているのかもしれません。
ただ香りから若かりし頃の素晴らしさが窺いしれるというものです。香りに若々しさが残るので、これからタンニンや酸がこなれた時にどう進化を遂げていくのか非常に楽しみです。

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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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