【ブルゴーニュ:136】クリュ ボージョレの誘い。ジュリエナ、ブルイィ古酒とムーランナヴァン。

こんにちは、HKOです。
本日はクリュ ボージョレをいくつか取り上げてみます。


【データ】
生産者に関してはあまり情報がないので、割愛。
テロワールのみ記載します。

ムーラン ナ ヴァンは、 10年程度の中長期熟成が可能な、強靭なタンニンを備えたワインを生み出すAOC。
特徴が似たAOCシェナと隣接し耕作面積は約670ha。15の区画がAOC名に併記を認められている。中でもクロ デ ロッシュグレは優れた畑のうちのひとつで、 標高は高く300mを超え、赤い表土はマンガンを多く含む。全体的な畑は標高230~390mにあり、マンガン含有度が高いもろい花崗岩の土壌である。

ジュリエナは、2~5年程度の中期熟成が可能な個性的で力強いワインを生み出すAOC。
クリュ ボージョレの中で最北に位置し、マコネ地区のサン ヴェランと隣接、AOCサン タムールの西側に位置する。
標高230~430mの南斜面に畑は位置し、サン タムールより標高が高く急斜面。土壌は痩せて乾いた花崗岩・片岩質土壌。

ブルイィは軽やかで繊細なガメイを生み出すAOCで長期熟成に向かず、収穫から4年以内に飲まれる事が望ましいとされている。
クリュ ボージョレの中で最も南に位置する。耕作面積が最も大きく約1,330ha程。片岩と花崗岩の混ざった土壌の畑だけからAOCブルイィを名乗ることができる。
このAOCではガメイのみでなく、シャルドネ、アリゴテ、ミュスカデの混醸を認められている。

生産者によっても異なるかと思いますが、大筋この中だとムーランナヴァンが力強く、追ってジュリエナ、ブルイィとなる様ですね。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ デ ロジエ
銘柄: ムーラン ナヴァン エグゼクティブ セレクション 2015

外観は紫を帯びた濃いガーネット、粘性は中庸。
当然ガメイ的な性質は非常に強いが、タンニンと酸の体躯が非常に強く、時折ニュージーランドの良いピノノワールを思わせる側面が見え隠れする。
香りはキャンディっぽく、かつ黒胡椒やスパイスの様な香りが先行して感じられる。茎や燻製肉、そしてブラックベリーやブルーベリーの様な果実味、やや強めに抽出した様なスミレやバラの要素、焦がした木材の様な香りが感じられる。クローヴやサフランなどの要素もある。
どこかシラーを思わせる要素も拾うことができる。
タンニンはガメイとしてはかなり力強く、酸もしっかりと聞いている。しかしボディとしてはやや水っぽく、アルコール感は控えめで、抽出と酸が際立っている感じだ。
華やかさと黒系果実の果皮の素直な余韻を残す。



生産者: ドメーヌ デュボ
銘柄: ブルイィ 1998

透明感があり一切の濁りがない淡いルビー、粘性は中庸。
驚くべきガメイ。美しく熟成したガメイの本質を知ってしまった。非常に繊細でありながら果実味は充実している。
熟したストロベリー、レッドカラントの様な果実味があり、甘露な上白糖の香りを伴ってくる。
瑞々しく華やかで、ほのかにオレンジの香りも感じさせる。小さな赤い花や紅茶、グローヴやハーブの香りを漂わせる。粘土や出汁のような香り。生肉やチーズの要素。
酸やタンニンは完全に落ち着いており、濃密な出汁や梅しばの様なエレガントな酸味と旨味が突出している。
優しいタッチで、瑞々しく、熟成クリュ ボジョレーの素晴らしさを十分に感じさせる。


生産者: ドメーヌ ド モパス
銘柄: ジュリエナ 2001

外観はやや濁りのあるルビーで粘性は中庸。
古酒感がかなり出てきている。梅酒的。
輪郭はしっかりと残していながら梅やアセロラ、プラムの様な果実味が感じられる。少しシェリー的で鉄分や塩気のある燻製肉や出汁のような風味が感じられる。野生的ではないが、味の方向は熟成に寄っている。ドライイチジク、トースト、スミレのドライフラワーのような華やかさ、土の要素。シナモンなどの要素。
酸やタンニンは落ち着いているものの、少し酸が跳ねている、というか生きている。梅やアセロラ、果皮のような余韻が残る。



【所感】
まずはムーランナヴァン。
これはAmazonのやつですね。Amazonの公式見たら酒販担当の森山氏という方が頑張って選んだみたいです。ジョルジュデュブッフの監修付き。
個人的にはまああまり期待できんなぁ、とは思っていたのですが、これがなかなか良くてですね。
ガメイの軽やかさや果実味は当然ながらあるのですが、骨格がしっかりしていて、ちょっとピノノワールっぽく仕上がっているな、と思いました。それと結構スパイシーな側面が強く、どことなくシラーを思わせる黒胡椒的なニュアンスもあったりして意外と起伏に富んでいるのがいいですね。
香りもタンニンも酸も豊かなので、比較的ボディは厚いのかな、と思わせるのですが、そこはガメイ、流石にそこまでは至らず、やや軽めのボディで、フルーティーな余韻を残していきます。

次からはガメイの熟成。
まずは最も軽いとされるブルイィの熟成から。
しかも推奨4年以内ですが、今回のは98年。18年程度の熟成を経ているものとなります。
これが、ちょっと予想していたより遥かによくってビックリしました。もともと「大丈夫か...?」というところから始まっているとはいえ、それでも超綺麗に熟成している。
その枯淡っぷりは、まあ確かに?80年とか70年代のワインを飲んでいる様な淡さで、過ぎていると言えなくもないのですが、それを置いても良いワインになっていると思います。
全体的に出汁っぽいのですが、その中にちゃんと果実味がある。果実味は熟した赤系果実で上品な甘露さが漂っており、それを主軸にしてオレンジや紅茶、チーズなどの風味。
含み香としては梅しばの様な感じですね。
極端に複雑なわけではないのですが、キッチリと削ぎ落とされて良い部分が残っているブルイィだと思います。
なかなか出会えないだけにオススメしにくいですが、オススメです。

次にジュリエナ。
梅酒的な味わいで、方向性としては先ほどのブルイィに近い円熟の仕方をしていると思います。ただこちらの方が幾分かシェリーの様な塩気や鉄分、燻製肉の様なニュアンスが出ています。少し酸が跳ねているので、こちらの方が幾分かバランスの悪さがありますが、これはこれで十分にガメイの熟成の良さがわかる作りにはなっているな、と感じます。いいワインだと思います。

やはりガメイの熟成も大方の予想通りピノノワール寄りの熟成となる様ですね。ただ飲み頃は...というか熟成はやっばりこちらの方が遥かに早く訪れるのがよくわかりました。
こう、ピノノワールでいうと80年代あたりの熟成感を90年代から感じられるのはお得といえばお得か。
ただしょうもないワインも多かろうと思うので、選ぶときは慎重さが必要かもしれません。
逆にティボーリジェベレールやルイジャドのムーランナヴァンなんかは良く出来過ぎている感があるので、手軽さはちょっとないかも。あれはピノノワールと同等の曲線しか見えない。








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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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