【ブルゴーニュ:138】ブルゴーニュ最深部へ ロマネ サン ヴィヴァン(ロベール アルヌー、DRC)

こんにちは、HKOです。
本日は連続4回のブルゴーニュレポート、2回目 ロマネ サン ヴィヴァンです。
ご存知かもしれませんが、少し前に(hrmko.blog.fc2.com/blog-entry-1215.html)ロマネサンヴィヴァン6種類をいただく機会がありましたが、それに続き、今回の2種類。前回頂いたものと同等クラスの古さがありますが、一体どういった熟成を経ているのでしょうか。


【データ】
面積:9.44ha
生産者:10名
全面積の約半分(5.29ha)はD.R.C.が所有。D.R.C.以外は1ヘクタール以下。
標高は247~260m、ヴォーヌ・ロマネのグラン・クリュにおいて最も低い。傾斜はなだらか。斜面は真東向き。傾斜上部にはロマネ・コンティ、リシュブール、北側には1級レ・スショ、南側にはラ・グランド・リュが隣接。
土壌はロマネ・コンティより深く90cm程度で、粘土質の強い酸化鉄を含んだ茶褐色の土壌。母岩はバジョシアンのウミユリ石灰岩。全体の収量は35hl/ha。

ロベール・アルヌーは、ブドウ栽培家としては既に200年以上も同じ場所に居を構えるという旧家。
収穫の後、除梗。破砕せずにステンレスタンクへ。2~8日間10度の低温浸漬を行い、計18~20日かけて醗酵。圧搾後は、3~4日かけてデブルバージュし、熟成。新樽100%。熟成期間は16~18ヶ月。無清澄・無濾過。
グランドリュ側の区画を保有。トマ・モワラールから譲渡。

DRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名。栽培責任者はニコラ ジャコブ氏、醸造責任者はベルナール ノブレ氏。
以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。
栽培はビオディナミ。セレクション マッサールでクローンを選定した小粒のピノファンを使用。古木である事も合わせグリーンハーヴェストなしでも30hl/haに留まる。栽培を行い馬を使って耕作をします。
除梗は出来の良い年は全房で、熟度の低い年は3~4割除梗される。発酵は各クリュ専用のオーク樽を使用。低温浸漬は15度~16度で3日間。ピジャージュとルモンタージュは行う。補糖は原則行わない。
キュゥェゾンは18日~25日。32度から33度でマセラシオンを行う。熟成に使う樽はトロンセ、ベルトランジュ、ジュピーユ、アリエ産のオークをDRCで購入し、フランソワフレールで作られる。新樽100%で熟成。清澄は卵白を使用して行います。
・ロマネサンヴィヴァン
樹齢15~50年、標高250m~265m、粘土質、表土は2m。



【テイスティングコメント】
生産者: ロベール アルヌー
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 1989

外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
かなりエキス感が出始めている、ルロワの透明感に近づきつつある作りとも言える。
エナメルリムーバーや華やかな薔薇やスミレのドライフラワーを基軸にして、繊細な梅やアセロラの様な旨味を感じる果実味とラズベリーのジャム、そして濡れた木材や葉、土の要素が感じられる。磯を思わせる海苔、オレンジの様な清涼感のある要素、そして紅茶や炭で焼いた様なほのかな要素、そしてほのかなシベットの要素のなかに茎やハーブ、グローヴやユーカリなどのグリニッシュさ、ベーコンの様な香ばしい香り、ほのかにタバコを感じさせる。
基本的にはエキス感に寄った作りではあるものの、華やかさが前面に立っている。多少鉄や血の香りが主軸になり、獣香に遷移していく。
酸とタンニンは柔らかくバランスが絶妙の状態。引っかかるわけではなく、ひたすら滑らかに出汁的な広がりを見せていく。木材や葉、アセロラ、出汁のようなニュアンスが広がっていく。秀逸。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: ロマネ サン ヴィヴァン グランクリュ 1989

外観はやや濃いめのルビー、粘性は中庸。
凝縮感が非常に強く、まだまだ力強い体躯を維持している。やや青々しさと樽の熟成香を残している。
焼いた帆立や炭焼き、そして鰹節の様な香りを基軸にドライハーブや乾いたシダーウッド、グローヴなどの要素が前面を据える。その一方で強烈な華やかさを放っており、スミレや薔薇のドライフラワーなどのニュアンスも顕著に現れている。骨子に果実はあるが感じられる香りはまずは異なる。その中にオレンジの清涼感、ブラックベリーやプルーンのドライジャム、ミルクティーを骨子に据えて、これらが一塊となって感じられる。
ややグリニッシュ。濡れた土、熟成肉やムスク、トリュフの様な香りが感じられる。
酸味は柔らかく、タンニンも落ち着いている。
しっかりと出汁的なニュアンスがありながら、ハーブや濡れた木材、焼き帆立、薔薇やスミレの余韻を綺麗に伸びていく。旨味がしっかりとあり、口の中で爆発する。


【所感】
ロベール アルヌーはブルゴーニュ...ロマネサンヴィヴァンの熟成の典型とも言える作りになっています。
透明感があり、素晴らしく華やか。
ギュッと引き締まった梅やアセロラなどの旨味、酸。オレンジの様な清涼感、海苔や紅茶の要素などが澄んだ液体の中に溶け込んでいます。前回のカティアール モリニエやルイ ラトゥールと比べるとまだ少し若く、華やかさが幾分か前に出ている様な気がします。
華やかさの部分の違いが大きいので、たぶん経年によるものが大きいのではないかと。ルイラトゥール 1985とロベール アルヌー 1989は大体同じくらいの作柄みたいですし。こう見ると90年台前半(20~25年)くらいが一番特徴を残すんですかね、80年台前半に(30~35年ーなるとやはり枯れ感が主軸になってきて果実味の残り具合で判別する形っぽい。
エキス感に満ちていて、華やかな素晴らしい古酒でした。


次にDRC。
少なくとも経験上ルロワの時代ではあるんですが、DRCの古酒は焼いたホタテの様なニュアンスを結構感じていて、鰹節や木材の香り、華やかさとジャミーな果実味が主軸となっている印象です。
旨味が非常に際立っている。そして凝縮感も極めて強く引き締まっていて、香りの立ち方はかなりパワフルな印象を受けます。そして華やかではあるのですが、エレガントで品がある...というタイプにはならず、より剥き出しのエネルギーを感じさせる一本に仕上がっています。
熟成肉、青い梗の様なニュアンスはまだ残っています。
非常に多くの複雑な要素を内包しています。
若々しい...というわけではないですが、古酒なのに要素がかなりしっかりと立っている。
無二の偉大な古酒という感じがしますね。

やはりサンヴィヴァン、少し強めに華やかさが残るんでしょうかね。素晴らしいサンヴィヴァンでした。


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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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