【ブルゴーニュ:139】ブルゴーニュ最深部へ リシュブール(シャルルノエラ、アンヌグロ、DRC)

こんにちは、HKOです。
ロマネ サンヴィヴァンに引き続き、本日はリシュブールです。


【データ】
面積:8.03ha
生産者:11名
全面積の約1/3(3.51.ha)はD.R.C.が所有。D.R.C.以外は1ヘクタール以下。
標高は260~280m。傾斜はなだらか。斜面は真東向き。傾斜上部にはクロパラントゥ、プティモン、北側にはオーブリュレ、スショ、下部にはロマネサンヴィヴァン、南側にはラ ロマネ、ロマネコンティが隣接。
構成するリューディは2種類でヴァロワイユ、リシュブール。母岩は石灰質で、粘土と泥土で構成される。


シャルル ノエラは1988年まで活動していた生産者で、最盛期にはかのアンリ・ジャイエ氏とも並び称されていました。
コート・ド・ニュイに多くの畑を所有していましたが、売却以降、いくつかの畑はラルー ビーズ ルロワに譲渡、アラン ユドロノエラに継承されています。すでに存在しないドメーヌの為、あまり醸造の情報はありません。


ドメーヌ アンヌ グロはフランソワ グロの一人娘。ミシェル、ベルナール、アンヌ フランソワーズとはいとこになります。
1984年よりボーヌとディジョンでぶどう栽培学とワイン醸造学を学び、1988年にドメーヌを引き継いでいる。以降精力的に畑の拡張やワインセラーの新調を行い、革新に取り組んでいます。
フラッグシップはリシュブール、クロ ヴージョ グランモーペルテュイ。
今回はフランソワ グロから継承したヴォーヌロマネ最高峰のリシュブール。収穫した葡萄は100%除梗。少し濾過処理するが清澄処理せず、80~90%新樽発酵を行い瓶詰めがなされます。


DRCは言わずとも知れたブルゴーニュに置けるトップドメーヌであり、燦然と輝く最高のグランクリュ、ロマネコンティを所有する唯一のドメーヌでもあります。
現在の共同経営者はA.P.ヴィレーヌとアンリ フレデリック ロックの2名。栽培責任者はニコラ ジャコブ氏、醸造責任者はベルナール ノブレ氏。
以前はラルー ビーズ ルロワが参画していました。
栽培はビオディナミ。セレクション マッサールでクローンを選定した小粒のピノファンを使用。古木である事も合わせグリーンハーヴェストなしでも30hl/haに留まる。栽培を行い馬を使って耕作をします。
除梗は出来の良い年は全房で、熟度の低い年は3~4割除梗される。発酵は各クリュ専用のオーク樽を使用。低温浸漬は15度~16度で3日間。ピジャージュとルモンタージュは行う。補糖は原則行わない。
キュゥェゾンは18日~25日。32度から33度でマセラシオンを行う。熟成に使う樽はトロンセ、ベルトランジュ、ジュピーユ、アリエ産のオークをDRCで購入し、フランソワフレールで作られる。新樽100%で熟成。清澄は卵白を使用して行います。
・リシュブール(レ リシュブール、レ ヴェロワイユ オー リシュブール)
樹齢30年~70年、標高260~280m、バトニアンのプレモー石灰岩、表土は80cm。


【テイスティングコメント】
生産者: シャルル ノエラ
銘柄: リシュブール グランクリュ 1967

外観は淡い橙を帯びたルビー、粘性は低い。
さながらトマトジュースの様なグリニッシュかつ突出した旨味がありながら、繊細な風味を感じさせる。
トマトジュースや鉄釘、血液などのニュアンスを主軸にナツメグ、甘草などのスパイス。極めてソースの様なニュアンスが感じられながら、雑破ではなく繊細に仕上がっていく。椎茸や熟成肉を思わせる旨味の塊が襲い来る。ドライハーブやグローヴのニュアンス、そしてプルーンや紫スモモを煮詰めた様な果実味。チーズや薔薇、オリエンタルスパイスなど。濡れた木材や土のニュアンスも当然ある。
複雑かつ旨味溢れる作りになっている。ほのかにMLFをまとっている。
口当たりが驚異的な旨味の本流。酸やタンニンは柔らかいのにアミノ酸的な旨味が強烈にチャージしてくる。
ふくよかに広がっていく旨味、出汁の風味。プルーンやトマト、血のニュアンスが出汁の要素を伴いながら広がっていく。


生産者: アンヌ グロ
銘柄: リシュブール グランクリュ 1999

外観は濃いめのルビーで粘性は中庸。
熟成して、なお華やかさと樽香をまとった風合いを感じさせる。非常に華やかかつロースティーでエナメルリムーバーや焦げたゴムや炭焼きなどの強烈な要素と共にアンリジャイエ的な果実味の強靭さを感じさせる。スミレや薔薇の華やかさ、ローストの強い樽香。
ドライハーブやグローヴなどの要素、そして紫スモモやダークチェリーの様な果実味がある。インクやハーブティー、乾いた茎などの青みがある。ユーカリ、マロラクティック発酵的なミルクティー、ビスケットの様な甘さ、イチジクなどの要素も感じられる。鉄分やスミレの様な要素もある。
酸もタンニンもこなれているが、グリセリン的な甘さがしっかりとあり、余韻に甘みを感じる。
凝縮感があり、スミレ、薔薇、紫スモモやダークチェリーの様な凝縮したニュアンスが感じられる。


生産者: ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ
銘柄: リシュブール グランクリュ 2002

外観はDRCのルビーで粘性は中庸。
よく知る、いわゆるいつものDRCといった感じの風合いを感じさせる。素晴らしい。最高感しかない。
ミネラル感がそそりたつ。やや青さが強い。
オレンジやミント、ハーブ類の香りを非常に強く感じさせるアタック。そして徐々にフレッシュなストロベリーやラズベリーを潰した様な溌剌としたニュアンス。瑞々しい百合やスミレのニュアンス。
多少青さを先に感じる。ドライハーブ、ユーカリ、ピーマン、緑茶の様な要素。そしてミルクティーの様な滑らかな要素があり、漢方などの乾いた葉や土のニュアンス。
鉄釘などの鉄分を強く感じる風味、生肉やクローヴ、クルミなど。甘さは感じさせないが、とにかく華やかで清涼感があり、瑞々しい。
タンニンや酸は滑らかでオレンジや茎の様な要素を主軸にし、スパイスや束ねた花々の様な余韻を感じさせる。
この独特の華やかさや艶やかさはヴォーヌロマネを体現している。美しい。



【所感】
お次はリシュブール。
ヴォーヌロマネにおけるモノポール以外で最高峰の別格特級畑。伝説的な生産者シャルル ノエラと、ジャングロを受け継ぐアンヌ グロ。そしてDRCです。
今回は年号がそれぞれ大幅に異なる為、比較はできないんですが、それぞれでいきたいと思います。

まずは若い方から、DRCのリシュブール 2002。
なんとなく所感なんですが、DRCってこれくらいの熟成がとても美味しい様な気がします。古くても美味しいし、まあ新しいヴィンテージでも風格があるのですが、要素が馴染み初めて若々しさと熟成感が調和している味わいは絶妙という他ありません。よく知るDRCのスタイルですが、やはり素晴らしいです。
基本的には清涼感と凝縮感に満ちた作りで、ミネラルが充実しています。全房発酵による青さがありますが、完全に複雑さの一部として機能しています。ただ全体的にはフレッシュなストロベリーやラズベリー、オレンジの様な果実とともに、ごく自然な百合やスミレの華やかさが共存しています。
いわゆるアロマオイルや強い鉄分を思わせる華やかさというわけではなく、まさに花束の様なナチュラルな華やかさが感じられます。乾いた葉やミルクティーの要素があり、ギュッと引き締まった果実味の中に様々な要素を包含し、強い香りを放っています。
甘露さこそないものの、密度の高い香りです。
タンニンと酸は熟成により滑らかに、オレンジなどの清涼感のある香りの美しい余韻が長く続きます。
一見して偉大です。いわゆるDRC的ですが、果実味の質感や華やかさはかなり突出していると思います。

次にアンヌ グロ。こちらは少しモダンな感じですね。
DRCよりエイジングを重ねていますが、集中した果実味とロースト香、そしてMLFの要素があります。
今現在主軸になっている味わいという感じでしょうか。
樽香はかなり強く残っていると思います。
外観も濃いめのルビーで若々しい。
黒系果実の濃厚な果実味で甘露。樽香とギラギラした華やかさがあります。時期的に低温浸漬をしっかりと行うのが主だった時期だからかもしれません、かなり凝縮しながら果実と樽を立たせた作りと言って良いのではないかと思います。
熟成感はイチジクやハーブ、スパイスの要素などで出てはいますが、まだまだ若々しく、液体からくるグリセリン感は強め。さりとてタンニンと酸は滑らかに。
良いブルゴーニュのお手本の様なリシュブールです。
余韻にも甘みが感じられ、かなり良い作りをしていると思いますが、古酒ならではのエクスタシーに欠ける部分はあるなあ、と。こなれたワインとしては上出来ですね。

最後は名手シャルルノエラのリシュブール。
これは本当に楽しみにしていました。
ジャン グロやルネ アンジェル、ショパン グロフィエなどの古き名手のものはなかなか飲む機会がないですからね。
恐らく果実味より抽出が強めだったのでしょうか。
トマトジュースさながらの青いニュアンスと鉄釘や血液にも似た華やかさ、ナツメグの要素が軸となり、旨味の塊になっています。ただこの熟成感には少し評価が分かれそうですが。順当にジャン グリヴォーの今の作りが熟成を経た様なタイプかもしれません。ただ雑多というより繊細では当然あって、ドライハーブや煮詰めた黒系果実、スパイスの要素が感じられます。香りはなかなか個性的ですが、味わいはまさに超絶。驚異的な旨みがあり、酸やタンニンが控えめでありながら出汁を何重にも取った様な旨みが口の中に広がっていきます。
典型とは言い難いですが、作りは様々なのでこう言った古酒もあるのか...という感じ。
ルロワやフーリエなどの熟成とは方向を異にしたタイプの古酒ではあると思います。

このテイスティングの中でリシュブールの本懐を見つける事は出来ませんでしたが、RSV同様華やかさがあり、果実味もどれも強めに残っていたと思います。
やはり凝縮感が強い。それが共通点なのかもしれません。
方向性がちがうからなかなか見出しにくいですね。
ただ果実の出来が一番最もたる部分だと思いますので、そういう意味では先述した結論が妥当にも思えます。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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