【ブルゴーニュ:141】ドメーヌルロワ、ドーヴネの古酒を比較する。

こんにちは、HKOです。
本日はドーヴネとルロワの古酒です。
いや、物凄い体験でした...


【データ】
■ドメーヌ ルロワ/ドメーヌ ドーヴネ
(ビオディナミ、100%全房発酵、100%新樽)
ドメーヌ・ルロワは言わずもしれた天才マダム・ラルー・ビーズ・ルロワ(1933年生まれ)所有し生産するドメーヌです。1当時DRCの共同経営者だった彼女は、1988年、自身がすべてを手がけるドメーヌ・ルロワを設立しました。 高島屋と分割所有となっています。
そしてドーヴネは同年に夫の故マルセル・ビーズと共に購入しましたドメーヌ。分割所有のドメーヌルロワと異なり100%自身の裁量でワイン造りを行うドーヴネこそが天才、妥協を許さないと言われる、マダム・ルロワの意向が最も色濃く反映されたドメーヌと言えます。
ブルゴーニュ最高峰の味わいを堪能できるワインとして価格が高騰しているのにもかからず常に入手困難を極める超希少品として知られています。
DRC・ドメーヌ・ルロワに並ぶ偉大なワインながら、ほとんど見かけることのない夢か幻のような存在、それが「ドメーヌ・ドーヴネ」です。
彼女の作るワインはすべてビオディナミに基づいた栽培によって生み出され、ブルゴーニュにおける開祖とも言える彼女のビオディナミは原則に完全に従った厳格なものとなっており、地球の周期と年間を通した本質的なリズムに重点を置いています。吸枝と未熟ブドウの除去は完全に選別し、100%房を用いて複雑なニュアンスを生み出しています。低温浸漬は伝統的な木製の発酵槽で実施。
新樽比率はいずれも100%です。

■1999(平均的な年 WA89C Cation, may be old)
ドーヴネ ピュリニー・モンラッシェ・プルミエクリュ・フォラティエール
ピュリニー・モンラッシェにおける最上クラスの1級畑。
クラヴァイヨン、ピュセルの上部、クロ・ド・ラ・ガレンヌ、ドゥモワゼルに隣接する1級畑。

■1998(平均的な年 WA84I even among the best wine) 
ドメーヌ・ルロワ ジュヴレ・シャンベルタン・プルミエクリュ・レ・コンボット
ジュヴレ・シャンベルタンにおける最上クラスの1級畑。
特級畑クロ・ド・ラ・ロッシュ、ラトリシエール・シャンベルタン、マゾワイエール・シャンベルタンに囲まれたロケーションの1級畑。上記の畑と比べ、一段低い場所に位置する。

■1998(平均的な年 WA84I even among the best wine) 
ドメーヌ・ルロワ シャンボール・ミュジニー レ・フルミエール(村名畑)
シャンボール・ミュジニーの単一畑名付き村名。
1級オー・ボー・ブリュンに隣接する比較的下部に位置する村名畑。土壌構成はボンヌマールやフュエ寄りの構成となる。



【テイスティングコメント】
生産者: ドメーヌ ドーヴネ 
銘柄: ピュリニー モンラッシェ プルミエクリュ レ フォラティエール 1999

外観はやや濃いめの黄金、粘性は中庸。
硬質なミネラル感はあまり感じられないが引き締まっている。
クリームブリュレ、甘露な焼き栗。
驚くような旨味を包含している。濃厚なバタークリーム、洋梨やオレンジなどの凝縮した厚みのある果実味。
前面にMLFの様なまろやかさがあり、親しみやすいがボディに強烈な厚みと爆発的な旨味がある。
徐々にカスタードクリームの様に滑らかさを増していく。
ハーブの様な香りや燻製の様な香ばしい香り。
甘露なシロップの様な濃密さ。凝縮感が半端ない。
滑らかな酸味と旨味が口の中で爆発する。尾をひく様な強烈な余韻と太い旨味がある。素晴らしい。



生産者: ドメーヌ ルロワ
銘柄: シャンボール ミュジニー レ フルミエール 1998

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
鋭敏で高域に鋭く立ち上がる華やかさが印象的なシャンボールミュジニー。構成要素のバランスは青さ・華やかさ・スパイスを軸に、果実味とミネラルで骨格を形成。
鋭敏ではあるものの、梗のニュアンスと競合し過剰に華美でなく、赤い花と木材、濡れた葉が合わさった印象を受ける。
シャンボールミュジニーにして香りの濃密度は抜群。
スミレや薔薇などの赤い花と濡れた葉が前面に感じられる。ダークチェリーやクランベリー、梅。複雑なオリエンタルスパイス。徐々になめし皮や血の香りが感じられる。わずかに獣香や土の香りが混ざっていく。液体は極めて凝縮している。
ただ酸味はかなりしなやかで、タンニンも柔らかい。
ジワっと広がっていく繊細な旨味。茎や梅、赤系果実の余韻が長く広がっていく。跳ねる様な華やかさがある。
素晴らしい。



生産者: ドメーヌ ルロワ
銘柄: ジュヴレ シャンベルタン プルミエクリュ レ コンボット 1998

外観は赤みの強いルビー、粘性は中庸。
シャンボールミュジニーの高域に伸びていく芳香と比べると、角が落ちて優しい丸みのある香りを放っている。
円熟感があり、元々の果皮の堅牢さが熟成し、落ち着いている印象。構成要素のバランスはドライフラワーの様な華やかさ、果実味を軸に、梗や土のニュアンス。
茎の様な青さより、生肉やなめし皮、ドライフラワーの様なニュアンスが強い。その後にジャムの様なブラックベリーやダークチェリーの様な果実味が感じられる。その後に茎やハーブ、リコリスが来る感じ。ほのかな土や炭焼き、粘土、樽の焦がした香り。こちらも香りの凝縮感が半端ない。
全房的なタッチより抽出の方が強い様な気がする。
ややタンニンが目立つが、しかし滑らかで、酸も柔らかい。
香りの印象通り丸みを感じさせるアタック。
旨味の裏に甘みすら感じる。濃密なブラックベリーと茎。瑞々しさすら感じる。



【所感】
大変素晴らしいかったです...
いやなんなのほんと...尊い...(語彙貧)
年末からこっち脳髄が麻痺する様な強烈なブルゴーニュ飲んでて日常生活に戻れるんだろうか...

まずはドーヴネのフォラティエール。
ピュリニーモンラッシェの中でも有数の1級畑。
これ、個人的な感覚では、実は結構モンラッシェクラスの熟度ではないかと思ってます。
クリームブリュレや焼き栗、バタークリームなどの濃密な甘露さ、そして大きなボリューム感と香りの規模感、ボディの厚みがそんな感じなんですよね。
オレンジを思わせる厚みのある酸もまさにそんな感じというか。ボリューム感があるのに決してダレてないという。
ハーブや燻製の様な複雑味もあります。
香りもすごいのですが、やはり驚異的なのが舌触りと余韻の鮮明さと長さでしょうかね。口の中で旨味が爆発して、甘露な余韻が鼻と舌をゆーっくり通り抜けていくという。
テロワールを重視するマダム。これがポテンシャル全てを引き出したフォラティエールなのだとしたら...恐ろしい。
何度か飲んだことのある畑ですが、やっぱり一つ頭抜けてますね。

次は赤です、両方とも1998。
これがかなりの違いがあって驚いています。
片や1級、片や村名畑。
フルミエールはさながら赤い花が群生する森、コンボットは柔和で落ち着いたマダムといった感じでしょうか。
双方ともに強烈な芳香を放っていて、鮮烈です。香水の様です。その中に梗の複雑さが巧みに織り込まれている様な感じですね。
構成要素は本当は近しいけども、各々のパラメータのバランスが異なっていて、全く違う姿を見せている。色彩が違う。
モチーフを精密に描写するためにはパレットに置く色が多い方がいい、全房発酵や新樽比率が高いのはそのためかもしれません。もちろん、並みの生産者だと色の多さ、選択肢の多さにバランスを崩して混沌としたものになるかもしれませんが。
どちらも群を抜いて複雑で、言葉では語りつくせない。比較してそんな印象を受けました。これは比較してみないとわからないですね。前回のクロ ヴージョ単体では気がつけなかったことでした。


では個別に。
まずは格下のフルミエールから。
構成要素のバランスは青さ・華やかさ・スパイスを軸に、果実味とミネラルで骨格を形成。梗のニュアンスと(そもそもシャンボールミュジニーの果皮が薄いのか)繊細な抽出による華やかが軸に見られます。そこに酸味と旨味を活かした凝縮した果実味がボディを支えます。これらの要素が乖離せず、一塊として感じられます。他の生産者ならヴォーヌロマネにも近い華やかさを見せますが、梗や樽の絡み方、液体の密度からシャンボールミュジニーである事を示しています。
口当たりも白眉で旨味を良く包含し、余韻も極めて長いですね。

次にコンボット。
こちらは華やかな強い香りが一気に抜けていくタイプというよりは落ち着きのある丸みを帯びたワインの印象です。
構成要素のバランスはドライフラワーの様な華やかさ、果実味を軸に、梗や土のニュアンス。
円熟した華やかさとジャムの様な果実味、野性味のある風味。梗の要素ははっきりとありますが、フルミエールと比較するとやや控えめです。梗や果実味の方がより熟成感が出るのか、シャンボールミュジニーの若々しさと比較すると、所々熟成感のある香りがあるのが特徴的ですね。
舌触りや余韻はこちらも完璧で、旨味の裏に甘みさえ感じます。落ち着いてはいますが、こちらもすごいワインです。

WAが評価するヴィンテージとしてはドーヴネが長熟なのを考慮すると、いずれも丁度美味しい時期ではあると思います。いいタイミングで飲めたな...









関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR