【ブルゴーニュ:142】名手ルネ アンジェル古酒3種テイスティング


こんにちは、HKOです。
本日はルネ アンジェル3種です。


【データ】
■ルネ アンジェル(100%除梗、新樽比率~70%)
ルネ・アンジェルといえば今は無き作り手ではありますが、知る人ぞ知る超優良ドメーヌ。そのワインは本当に素晴らしいのですが、日本では並行輸入品が多く、
長年本来の魅力を感じることのできるワインは日本ではなかなか出会う事ができませんでした。以前は好不調の波が激しい時代を送っていましたが、1981年フィリップ・アンジェルがドメーヌを引き継いで以降、ルネ・アンジェルのワインの品質は飛躍的に向上しました。 テロワールの個性を表現しつつ、エレガントで旨味の詰まった彼のワイン造りでは、エレガントで綺麗なピノ・ノワールという古
典的なブルゴーニュの魅力が凝縮されています。
2005年、当時当主であったフィリップ氏が旅先のタヒチで心臓麻痺の為49歳で他界。2004年のラストヴィンテージを最後にドメーヌは跡を継ぐ者が無く消滅してしまいました。
残された所有畑は2006年にヴォーヌ・ロマネ村の畑の取引としては過去最高額の1300万ユーロでシャトー・ラトゥールのオーナー、フランソワ・ピノー氏に売却され、現在は「ドメーヌ・ドゥジェニー」として引き継がれてい
ます。除梗は100%。発酵期間は8~21日。新樽比率は1級30%、特級70%で12~24ヶ月。

2003(良年 WA91T, Still tanic, youthful)
ルネ・アンジェル グラン・エシェゾー
ルネ・アンジェル最高峰のキュヴェ。保有区画は最南端の区画。バジョシアン石灰岩、表土は80cm。

1984(オフヴィンテージ WA70C Cation, may be old)
ルネ・アンジェル  ヴォーヌ・ロマネ(オフヴィンテージ)
詳細不明、村名のアッセンブラージュ。

1972
ピエール(ルネ)・アンジェル  クロ・ヴージョ ハーフ(アレクシス・リシーヌ ラベル)
エシェゾーやグラン・エシェゾーに隣接する斜面上部のクロ・ヴージョの区画を保有する。石灰石を多く含む水はけの良い土壌。




【テイスティングコメント】
生産者: ルネ アンジェル
銘柄: ヴォーヌ ロマネ 1984

澄んでいて繊細でありながら、香りははっきりと立ち上がっている。
熟成香が主体的で、トリュフやカマンベールチーズ、腐葉土や漢方、リコリスの様なスパイス香を主軸に感じられる。
イチジクやオレンジの様な果実味、プーアル茶、燻製肉の様な風味。焦げたゴム、ほのかに血や鉄釘の様な風味がある。
旨味はしっかりと感じられる。
熟成によって酸とタンニンは柔らかで繊細になっている。
諸々の要素を削ぎ落とした様な極めてピュアな余韻があり、ほのかな腐葉土やキノコなどと共に透明感のある余韻を引いていく。余韻は長い。


生産者: ルネ アンジェル 
銘柄: グラン エシェゾー グランクリュ 2003

濃密で力強いパワフルさを感じさせるグランエシェゾー。
果実味が軸となり中域が太いワインとなっている。
爽やかなハーブの裏に、ブラックベリーやダークチェリーの様な若々しく濃密な果実味が感じられる。トマトをすりつぶした様な香りも。極めて甘露な果実味。
華やかさは高域に伸びる形ではなく、スミレや薔薇のドライフラワーの様な落ち着いた華やかさ。そして粘土やリコリスの様な風味、焦がした樽は無く、木材の様な自然さ、タバコや鉄釘の要素。ほのかな獣香。
酸味やタンニンは優美で滑らかで旨味と華やかさが同居。
華やかさや土、凝縮した旨味、トマトやベリーの風味が感じられる。



生産者: ピエール(ルネ) アンジェル
銘柄: クロ ヴージョ(アレクシス リシーヌ ラベル) 1972

透明感のあるルビーを思わせる均一な色調。
バランスで言うならば村名VRの方が良いかもしれない。
ハーフという条件下と熟成経年の長さから、かなり熟成は進んでおり、果実味は微かに存在している程度、熟成による旨味や枯淡な香りを軸にしている。
強い要素をすべて削ぎ通した風味。
均一に溶け込んだ要素の中には漢方、シャンピニオン(椎茸)、ほのかに硫黄の様な香り。
また土や藁、井草のような枯れ草を思わせる要素や焼いた木材。ほのかに梅しばの様な果実味を感じさせるが、基本的には極めてドライ。
タンニンがほぼ無くなり、旨味が強烈に感じられる。
引き締まった梅しばやベリー、上品なお出汁を思わせる香り。


【所感】
ルネアンジェルはとても優秀な生産者。
そしてアンリジャイエがワイン造りを学んだドメーヌ。
わかる...わかるのですが、正直ルロワの前座だと思ってました!!!!
でもね、これが大きな間違いでしたと。
めちゃくちゃいいじゃないですかこれーーーー!!!

ルロワの複雑さ、オーケストラルな作りに対して、ルネアンジェルは弦楽四重奏、シンプルで洗練された作り。
極めてピュアな果実味が感じられる、今尚主流を貼り続ける作りです。(最近は全房のDRC, ルロワ的作りも相当増えてきましたが)

まずは村名のヴォーヌロマネから。
後述するクロ ヴージョがピークアウト、グランエシェゾーが若々しいのに対して、枯淡な味わいを楽しむ熟成の最後らへんの飲み頃といった感じ。
澄んでいて繊細ですが、香りの立ち上がり方は鮮明で、きのこの様な熟成香が主体的です。果実味は旨味に転化しており、血液などの程よい鉄分が感じられます。
香りと同様酸やタンニンは削ぎ落とされ、複雑な旨味が満ちた液体になっています。透明感もあります。
お手本の様な熟成古酒です。水晶の様な透明感と強烈な旨味、極小化された緻密な果実味...という意味では上位キュヴェに大きく開きがありますが、かなり良いとは思います。

次はグランエシェゾー。
これは若(...くもないか)ワインですが、すごく良くできています。単純にワインとしてのポテンシャルが非常に高い。
濃密でパワフル。果実味を軸とした太いワイン。
ほのかなハーブやトマト、華やかなドライフラワーの様な複雑な要素も包含し、華やかながら地に足がついた力強いワインとなっています。余韻はピュアですが、香りはやや複雑で、獣香も出始めている感じでしょうか。タバコの様なニュアンスもあります。
ただ酸やタンニンは結構こなれています。
もう少しタンニンなどが強いかとおもったのですが...旨味はすでに充実しています。いいですね。

最後のクロ ヴージョはピークアウトしていましたが、これはこれで枯淡な味わいが感じられて凄い良かったなと。
特にハーフボトルという性質なのかもしれませんが、いわゆる70年代のワインよりは年を取っている印象はありましたね。強い要素は全て削ぎ落とされ、均一の質感を持つ液体に。出汁って感じです。包含されている要素も均一化されていて、土や枯草、椎茸、梅しばといった感じですかね。
いわゆる枯淡な味わい。澄んだピュアな出汁です。

ルネアンジェルをこうして追えるのは面白いですね。
アペラシオンごとには異なりますが、理解がとても深まる感じです。
今はデュージェニーになり、優れたワインをこの区画は継続して産出しています。ルネアンジェルの手のものはもう楽しめませんが、デュージェニーはせめて追っていきたいですね。


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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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