【ブルゴーニュ:143】ジョルジュ ルーミエ 2014 水平テイスティング

こんにちは、HKOです。
本日はジョルジュ ルーミエのリュショットとアムルーズです。


【データ】
ジョルジュルーミエは恐らくブルゴーニュで最も人気がある生産者のうちの一人で、そもそもの生産量が少ない&市場で瞬間蒸発してしまうため滅多に見かけない、見かけてもプレミアがついてべらぼうな金額で取引されている生産者です。化学薬品、化学肥料、除草剤は使用せず、グリーンハーヴェストによる収量制限を行います。
選果台で選別を行ったのちに除梗します。除梗比率はは年によって変わりますが、平準的な年で75%、暑い年で50%程度。発酵槽は2009年より100%ステンレスタンクを使用し、6日程度の低温浸漬を行った後発酵を行う。新樽比率は村名25%、一級40%、特級50%と比較的少ない使用率で16ヶ月熟成の後、無清張、無濾過で瓶詰めされます。
今回は2本、現当主の名前でリリースされているシャルム シャンベルタン、そしてジョルジュ ルーミエ名義のレ ザムルーズ。レザムルーズは特に人気が高く、ミュジニーと共に(もはや辟易してしまいそうな)価格高騰を起こしている希少な一本です。


【テイスティングコメント】
生産者: クリストフ ルーミエ(ジョルジュ ルーミエ)
銘柄: リュショット シャンベルタン グランクリュ 2014

外観はやや濃いめの透明感のあるルビー、粘性は中庸。
冷たいタッチのリュショットで冷涼感と堅牢さを感じさせる。
ピュアさはそのままに、やや焦がしたロースト感、瑞々しいスミレやバラの香り、ローリエや若い葉の様なハーブを軸に、ブラックベリー、ダークチェリーの瑞々しい果実味、爽やかなオレンジ感を付帯する。
甘い香りは蜜の様な甘いシロップの香りから徐々にブリオッシュ、黒糖に発展していく。そしてベーコンの様な燻製感。オリエンタルスパイスなど。
恐ろしい事にタンニンや酸はシルキーで、グリセリン感があり、丸みを感じさせる。ほのかな酸味から旨味へ、そして甘みに転化する素晴らしい遷移。ミルク感とブラックベリーの果皮を思わせる余韻が感じられる。
レザムルーズと比べると香りの凝縮感は控えめだが、ボディは力強い。


生産者: ジョルジュ ルーミエ
銘柄: シャンボール ミュジニー プルミエクリュ レ ザムルーズ 2014

外観はやや濃いめの透明感のあるルビー、粘性は中庸。
石の様なミネラル感と、ピュアでありながら強烈な凝縮感を包含している。
目の詰まったような熟した濃密なイチゴやラズベリーの様な果実味がある。それでいて重みはなく、ほのかなローリエやグローヴが混じり合うエレガントさを感じさせる。
果糖ヨーグルトやパウンドケーキの様な甘露なタッチ、ダージリンの様な紅茶や木材の香り。スミレやバラの華やかな香りを軸とする。軸となる要素は多いが、お互い調和がとれていて渾然一体となっている。ブリオッシュや瑞々しい葉、燻製肉などの複雑さ、オリエンタルスパイスなどの要素が感じられる。
タンニンは柔らかいが酸はしっかりと決まっている。
ハーブやイチゴ、スミレの様な余韻と引き締まった酸が拡散的に感じられる。余韻に華やかさと濡れた青さがあり、非常にハーブ感があり、華やかさかつ軽やかです。
香りの凝縮感はアムルーズだが、ボディはリュショットの方がだいぶ力強い。

【所感】
2014年も当然ながら良いです。最高です。
高価格帯では樽が目立ちながら、ピュアで凝縮した果実味が際立った2010年。
樽香を落とし、抽出がやや強めだった2011年。
樽の要素を残しながら甘露な果実味を放つ2012年、
ピュアな果実味に回帰し、焦がした風味を最小化。十分な果実味を孕む2013年。
そして今年2014年は2013年を更に発展させたような、あるいはヴィンテージの差分となるのか、ピュアさを維持しつつ2012年にほど近い豊満な果実味を感じられる作風になっています。
凝縮感、濃密な果実味、ピュアさがキーワードだと思います。

まずは主要なキュヴェの特徴を。
■レ クラ
村名シャンボールミュジニーの上位互換といった風合い。
ボンヌマールにほど近い立地ですが、醸造的な要素が特級と差分があるからか受ける印象は異なります。ピュアさと凝縮感。

■ボンヌ マール
一連のキュヴェとは独立したスタイル。 軸は豊満な果実味と樽の要素を感じられます。
焦がしは年によって違うようですね。濃密な詰まった果実味と樽とほのかな華やかさ。

■レザムルーズ
レ クラの上位互換。(ミュジニーの下位互換が正しいのかもしれませんが、飲んだことないので...)
レ クラと比較すると、より凝縮感が向上し、凝縮した甘露さがあります。
その点ボンヌマールと近いかもしれませんが、果実味にハーブの青っぽさや柑橘のような酸、旨味を感じさせる風合いが乗るので、より最小化された形。
凝縮した果実味とピュアさ、青さ、樽香。

■シャルム シャンベルタン
果実味や甘露さの放出はボンヌマールと近いですが、より抽出が際立つ形になっています。したがってより筋肉質で引き締まった印象を受けます。
濃密で詰まった果実味と抽出の華やかさ。

■リュショット シャンベルタン
シャルムと比べるとより冷涼かつ堅牢です。樽と抽出、青さが際立ち、果実味は甘露ですが、遅れてやってきます。
一見シャンボール的な字面ですが、この間を大きく分かつのが抽出で、華やかさはシャルムと共通点を感じさせます。前面は樽と抽出、青さ、背景にある果実味。

生産者の性質上ピュアには仕上げてくるのですが、かなり畑ごとにキャラクターを変えてきていると思います。
故に畑を見定めながら飲むのが良さそうです。

2014年は果実がよく熟しており、レザムルーズはピュアさを保ちながらも果実味に満ち、凝縮感においても2013年の上を行きます。
リュショットも同様ですが、そもそものキャラクターからして(アルマンルソーでもそうなんですが)果実味は抑え気味なので、キャラクターを崩壊させるような感じにはなっていません。
面白いのは口当たりで、香りはこんな感じなんですが、レザムルーズはシャープで、リュショットは球体感のある粘性を感じさせるアタック。一見逆じゃない?とも思うのですが、時間経過で果実味が出てくるリュショットのポテンシャルからすれば、確かに妥当かもしれません。
エレガントでピュア、落ち着いた印象のワインですが、基本的には果実味が豊かで明るい性質のワインだとは思います。

しかしルーミエ、相変わらずいいですね。
よくクリストフ名義のリュショットやシャルムが少し下に見られる事が散見されるのですが、決してそんな事はなく特徴が違うだけの傑出したワインになっていると思います。





関連記事
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
検索フォーム
ついった
物欲センサー
物欲センサー2
リンク
QRコード
QR