BURGAZ ADA(ブルガス アダ:麻布十番)

【前提】
※メニュー横の★はHKO主観の「もう一度食べたい度」です。シェフ渾身の一皿を素人如きの尺度と個人の趣味嗜好で、それがさも絶対の事実の様に評価するものでは一切ありません。
当てになりません、メモです。
★★★★★→今日にでももう一度食べたい!
★★★★→明日にでももう一度食べたい。
★★★→必ずもう一度食べたい。
★★→機会があればもう一度。
★→日常的に食べられると最高。


こんにちは、HKOです。
本日はオスマントルコ時代の伝統宮廷料理を供出する、麻布十番のお店ブルガス アダに行ってきました。


モスクではなく、雑居ビルの一角で営業しています、


店内はほぼテーブルですが、ごく1席のみカウンターがあります。



歴代皇帝に供出された料理のレシピを継承する数少ないレストランの一つ。現存する4000のレシピをイスタンブル大学と協力して復元をしたらしいです。オーナーシェフはメフメット ディキメン氏。
虎の子のスパイスや調味料はトルコから取り寄せているみたいです。
で、公式HPによるとエルドアン大統領も寄ったとか。


あまりトルコ料理は詳しくないので「へーすごい」しか感想が出ないですが、日本におけるトルコ料理の最高峰って事で、ものすごい気になってました。


今回注文したのは、アミューズ、前菜×2 スープ、魚、肉、デザートの7種コース「スルタンの宴」です。
アルタイル感ある...
※ちなみにお料理名は口頭で聞いたものを文字に転記している故、表記間違えなどご容赦ください。
何分馴染みのない言葉なのでね...



まずはビール。


◾︎アミューズ「イマム バユルド」(★★)


蒸した茄子の上にトマトとチーズなどを添えているイタリアン的な料理。
茄子にしっとりと脂と甘さを感じる。揚げ浸し的な感じだろうか。茄子の甘さとトマト、チーズの旨味ががっしりと強く感じる味わい。これは合うよなぁ。


◾︎パン「ポワジャ」「ハーブバター」(★★)

水を使っていないミルキーでフワフワのパン。
美味しい。たまに売ってるミルクパンみたいな感じ。
生地が甘いので、ピリッとした刺激のあるハーブバターが引き立つ。バターの生乳分が強く、ほのかな蜂蜜とピリッとした唐辛子が効いたスパイシーなハーブバター。
美味しい。



◾︎前菜「ソウク メゼ(冷前菜)の彩り(14~19世紀)」

一口サイズの伝統的な冷前菜7種類が並ぶ。
(右上から時計回り)マンダルソテ、ラキャルタ、小エビの冷製仕立て、ファワ、ラハナドルマ、メルジュメッキ。
全体的に唐辛子の登場率が高いですね。




・ファワ(★)
そら豆のペースト。サイコロ状のねっとりとしたペーストで、穀物的な甘みと、ディルの爽やかさ。ほのかに辛味を感じる。

・ラハナドルマ
1世紀に生まれたロールキャベツのルーツ。
松の実とレーズンを炊き込んだピラフをロールキャベツ状にしたもの。スパイシーかつハーブのような風味。
やや甘い味付け。

・メルジュメッキ
スパイシーなレンズ豆をレタスで巻いたもの。
唐辛子の辛味を帯びた旨味。歯ごたえの良いレンズ豆を、レタスの瑞々しい爽やかさが包み込む。

・アジュレズミ(★)
発酵させた唐辛子、野菜、トマトのカナッペ
ほのかにベリーの風味を感じさせる。
トマトの青さと唐辛子の辛さが際立つ。
サクサクとした食感が楽しい。
辛味とフルーティーな甘みのコントラスト。

・マンダルソテ(★)
バージンオリーブオイルでソテーしたキノコ、ざくろの酢を使ったもの。
さほど酸味は感じない。キノコのプリプリした食感。オリーブオイルと香味野菜の甘みが際立つ。

・ラキャルタ
1月かけて漬け込んだカツオの塩漬け。
ビールとよく合う。

・小エビの冷製仕立て(★)
タラゴンとガーリックのタマトマソースを添えて。
小エビのボイルを唐辛子のソースで和えたもの。
辛味とハーブの風味が小エビとよく合う。



◾︎スープ「トルコ産レンズ豆のスープ」(★★)


美味しい。カボチャのスープにも近い濃厚さ。
独特の唐辛子の風味がここにもある。ほのかな穀物の食感と濃厚な出汁の風味が素晴らしい。




◾︎前菜「スジャック メゼ(温前菜)の彩り(14~19世紀)」

(右上から時計回り)パルクスコレチ、ピラーキ、ミュジベル、シシケバブ、キョフテ、ボレッキ、ソワンドユメータ。


・シシケバブ(★★)
シシケバブといえば羊肉ですが、こちらは帆立貝のシシケバブ。様々なスパイスでマリネし、串を打って焼いたもの。
タイムなどの芳しい香りを放つ帆立貝。

・キョフテ(★)
ハンバーグのルーツとなった料理。
牛肉と羊肉のミンチにし、スパイスを練りこみ焼いたもの。
ハンバーグ的かと思いきや魚肉の練り物に食感は近いかも。こちらも大変スパイシー。

・ボレッキ(★★)
ほうれん草とトルコ産フェタチーズのパイ。甘いほうれん草とほのかに塩気を感じるチーズの組み合わせ。味の方向性はアルザスのガレットに近い。しっとりとしたパイ生地も良い。

・ソワンドユメータ
14世紀のレシピ。スルタンの朝食で供出。
ネギを入れてメレンゲでふんわり仕上げたオムレット。
クネル的な柔らかい口当たり。プリンのような生乳っぽさもある。

・パルクスコレチ(★★)
この中ではかなりエッジの立った味わい。
唐辛子とスパイスの効いた白身魚のほぐし身のソテー。唐辛子を使ったオリーブオイルだろうか。脂と魚、唐辛子の相性は素晴らしい。パンとかとも合いそう。

・ピラーキ
国産インゲン豆とトマトソースを和えた煮込み。
特別不思議な料理ではないと思う。

・ミュジベル(★)
キャベツとハーブのキッシュ。
かなりねっとりとした練り物で、質感はお好み焼きに近い。
キャベツや生地はそんな感じだが、やはりはっきりしたスパイス、唐辛子が効いている。



◾︎魚料理「ホウボウの蒸し焼き フォン ローリエ 松ヤニの香り」(★★+)

フィルムに入って供出。



14世紀のレシピ。本来は羊の腸に入れて調理するものらしい。
フィルムで包んだ魚と野菜を低温で蒸し焼きに、ホウボウは最後に少しグリルを。ソースはフォンとルッコラ、干し野菜。ローリエと松ヤニで香り付け。
濃厚なクリームスープのようなまろやかさがある、しっかりと出汁のきいた一皿。レモンの清涼感と酸味がフレンチにはない調和。まろやかさの中にさんが際立つ。
ホウボウはホクホクでしっとりとした質感。フォンのスープとは当然ながら素晴らしい調和。



◾︎肉料理「スプリングラムチョップ グリル エーゲ海地方のタイム ケキッキの香り(15世紀)」(★★★+)


乳飲み子羊のハーブグリル。カリフラワーのソース。
ガルニチュールはリンゴと柘榴の酢でマリネした赤キャベツ、ハーブベイクドポテト、芽キャベツ、大根のビネグレット、ペコロス。スナップエンドウ。人参、胡瓜、ミントをみじん切りにしたもの。
ケキッキのオレガノとタイムの中間を行くスパイシーさ、そして唐辛子の辛さを感じるスプリングラム。とてもジューシーで、脂身から甘さすら感じる。
めちゃくちゃ柔らかく、筋を感じさせず、乳臭さも殆どない。旨味とスパイスが驚異的な調和を見せる。
結構品のある食感というかエキス感なんだけど、スパイスの強烈さでインパクトを感じる。
ガルニチュールもふんだんにスパイスが効いていて、皿全体の一貫性を感じるし、カリフラワーのソースはエッジを丸めてくれる。



◾︎デザート「3種盛り合わせ」(★★)


・モハルビ
水菓子、レーズン、あんず、ダマスクローズのシロップ

・ケッサネタトゥルス
栗をカカオのシロップで煮詰めたもの。イチゴを添えている。11世紀のレシピでマロングラッセの原型ともなっている料理。
濃厚なシロップと、爽やかなイチゴ、甘さ控えめの栗。
甘さ控えめの栗にシロップが丁度合い、甘みを与えている。

・クラビエ
信州ふじリンゴのパイとのこと。


最後はチャイで締め。美味しかったです。
なるほど、全体通しての印象は古来のレシピを少量多皿、現代的なプレゼンテーションで、といった感じ。
他の料理の基礎になったというのもあり、基本的な調理方法としてはシンプル。
方向性はイタリアン的であったりフレンチ的であったりヨーロッパの文化を多分に含んでいますが、決定的な違いはスパイスじゃないかと。塩やバターは控えめながら、どの料理にも強烈なタイム、オレガノ、唐辛子などのスパイス香があり中東の雰囲気を感じさせます。東欧と中東の中間に位置する料理ならではの今で言うフュージョン的な感じでしょうか。
騎馬遊牧民らしい羊肉などが多いのも印象的です。
スパイスで組み上げられた芳醇な香りと刺激、肉料理の巧みなレシピは非常に興味深いです。
多少文化的側面での楽しみ方に偏った感じはありますが、羊肉の火入れはとても良かったですし、素朴ではありますが、料理としても良かったと思います。


住所: 東京都港区麻布十番3-7-4 麻布六堂 3F
店名: BURGAZ ADA(ブルガス アダ)
電話番号: 03-3769-0606
営業時間:
[月~土]
18:00~22:00(L.O.)
18:00~21:00 コース料理
21:00~23:00 コース、アラカルト
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プロフィール

HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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