ブルゴーニュ白トップドメーヌの華麗なる赤の場外戦




こんにちは。
今日は面白い試み、ブルゴーニュ白ワイン(というかムルソー)のトップドメーヌと言うべきアルヌー アント、コントラフォン、コシュデュリの赤ワインです。

アペラシオンはムルソーに隣接するヴォルネイ村、そして、さらにお隣のポマール村。

今回の1級サントノ デュ ミリューはムルソー村に存在する赤の一級畑。行政区画上はムルソーですが、AOC法としてはヴォルネイに当たります。
ここら辺が大変面倒な所ですね。ちなみにブラニーという村がありますが、法律上赤しか名称を使用できない為、算出された白はムルソー(畑でいうとムルソーブラニーやスールドダーヌ)かピュリニーモンラッシェとなります。
大変面倒ですね。
ポマールはコート ド ボーヌにおいて、ヴォルネイに並ぶ赤の名産地。コシュデュリの今回の赤は法律上村名に指定される畑の名前を使用しているポマールです。
通常この手の村名畑名入りは一級以下、村名以上のなんともいえない微妙なグレードのワインですが、コシュデュリのはめっちゃ高い...ビビる。
たまにそういうのがあって、大体生産者が一番愛していて、自信のあるキュヴェである事が多いです。プリューレロックのクロ ゴワイヨットは特級並みの値段です。
このタイプは好きな人は好きでしょうね、俺も好き。


生産者: アルヌーアント
銘柄: ヴォルネイ プルミエクリュ サントノ ディ ミリュー 2006

約9000円、2009年のパーカーポイントは92点。
アルヌーアントはムルソーにおいて近年急激に評価を伸ばしているドメーヌで、現在はスター生産者であることは疑いのない事実でしょう。
化学肥料や除草剤は使用せず収量を極めて抑えた凝縮度の高いワインを生産しています。最高の畑は恐らくムルソー グドードールでしょう。
ノンフィルトレ。浮遊物がある淡いルビー、粘性が高い。
流石にラフォンやコシュデュリの赤と比べると洗練されておらず、やや閉じている香味。
ヴォルネイでありながらボリューム感があり、どちらかというとポマール的な味わい。
石灰や汁粉の様な粉っぽいニュアンス。甘やかなラズベリー、ブルーベリーなどの果皮の深みのある味わい。スミレのドライフラワー、ローズヒップティーなどのフレッシュさは無いが力強い花の香り。ベーコン、シナモン、クローヴ、焼き栗のニュアンス。熟成感を感じながら果実感が強いから、バランスが取れているとすら感じる。
酸味とタンニンは穏やかながら収斂性が高いかも。甘やかさはありながら、瑞々しさもあり全体的に穏やかでジュヴレシャンベルタン寄りのモレサンドニっぽさがある。開いたら殊更美味しいだろう。


生産者: コントラフォン
銘柄: ヴォルネイ プルミエクリュ サントノ ディ ミリュー 2006

約14000円。パーカーポイントは91点。
正真正銘、世界で5本の指に間違いなく含まれるトップ生産者。帰艦銘柄はムルソーのジュヌヴリエール、ペリエール。そして特級モンラッシェ。栽培はビオディナミ。
透明度がありつつ赤みの強いルビー。血液が如き鮮明な赤色。
まさに凝縮したフランボワーズ、ラズベリーやクランベリーのジャム!そしてスミレや薔薇の華やかでゴージャスな香り!ばあっと広がる様な華やかさは、ナカナカ他のワインでは見られない。
3本の中で最も鮮明で派手な作り。
果実や花を主軸にしながら、土の香りや、トマトジュースやなめし革、燻製香、ローズヒップティーなどのフレッシュで自然な味わいと、オリエンタルスパイス、クローヴ、シナモン、焦げた木のニュアンス。
ポマールと比較すると構成要素が酸味の強い赤い果実感が突出していて、柔らかさというより原初の自然的な鋭さ、美しさ、孤高さに近い。タンニンもそれなりにあるが、アタックがシルクの様に滑らかで、むしろ柔かいとは言えるレベルかも。
甘さはないが、果実を一番身近に感じるワイン。凄いなこれは...
シャンボールミュジニー的な味わい。酸味のあるジャムのアフター。凄いね。


生産者: コシュ デュリ
銘柄: ポマール レ バーミュリアン 2006

約31500円、パーカーポイントは不明。
こちらもラフォン、ルフレーヴと並び、世界で確実に5本の指に入るトップ生産者。帰艦銘柄はペリエール、ジュヌヴリエール、そしてコルトンシャルルマーニュ。
やや浮遊物がある淡いルビー。粘性は高い
これはいいな!
かなり華やかで甘やかな味わい。
エマニュエル ルジェの一級畑クラスを飲んでいる様な豊満な華やかさと甘やかさ。
コンポートしたアメリカンチェリーやフランボワーズなどの赤い果実。やや黒い果実の果皮も。それにワッフルや花の蜜やハチミツをかけたビスケットを中心に、黒檀、薔薇やスミレ、なめし革、ヒノキ、白胡椒、ジンジャーブレット、バニラなど。
ヴォルネイの華やかな流麗さに比べるとすごく太く強さを感じる味わい。
そして、とにかく甘い。
糖度としては低く、ドライだけれども、甘みを感じさせる構成要素が幅を聞かせている。
柔らかで、しなやかな穏やかな味わい。タンニンも柔らかく、酸も穏やかな。豊満な優しいボディが特徴。
ジュヴレシャンベルタンっぽいテクスチャだけど、綿で包まれた様な柔らかさ。



まぁ、これ程の生産者ですから当然といえば当然ですが、白が最高で赤が凡庸という事はありません。さながらニュイの特級クラスの複雑さや芳香性。
さすがです。
しかしてポマールはともかく、サントノ ディ ミリューにこれだけの差異が出たのは気になります。アルヌーアントの方がより樽のニュアンスが強く甘やか、ラフォンは赤みが相当強かったから、低温マセレーションで抽出を強めに、旧樽を上手く使っているような印象。事実はわかりませんが....
ラフォンのサントノ デュ ミリューの方がヴォルネイとしての再現度は高かったような気がします。
ノンシュガーのオーガニックなブルーベリージャムとコンポートしたラズベリーの差のような。
いずれも良かったですが、ラフォンのヴォルネイのクリアな透明感のある味わい他に無い卓抜したものですね。
ポマールもとても村名とは思えない造りで、リュジアンに隣接しているというところもあるのかポマールらしい力強い味わいでした。

いや、本当に表題にあるように華麗すぎる競演でした。あっぱれ!




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HKO(はこ)

Author:HKO(はこ)
HKOです。
世界を股にかけない普通の内勤サラリーマン。
体はピノノワールとシャルドネで出来ていますが、最近は専らシラー、グルナッシュ、ヴィオニエなどの南仏品種や、ジンファンデルみたいな濃い品種が好み。貴重なワインや興味深いワインを求めて日夜東京を徘徊する日々。
食べ歩きを2014年頃からスタート。
ミシュラン星付きフレンチ(2017年度版まで)制覇まであと2店舗。
2店舗のハードルが高いので、最近は手軽なビストロなどを周遊。
基本フレンチ/イノベーティブ/フュージョンを愛するが、イタリアンや和食にも食指を伸ばす日々。ペアリングは考えず、皿の中で終局する世界観を大切にしています。

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